長年乗った車を廃車にする時、無料で引き取ってもらったり、下取り査定がつかずに廃車手数料を支払っていませんか。実は廃車も処分方法によっては、価格がつくことがあるのです。また近年では、廃車を専門に買い取る業者も多く存在することから、廃車にするしかないような状態の車も、しっかりお金に変えることができるのです。
そこで今回は、廃車の買取についてご紹介します。廃車買取業者を利用するメリット、優良業者の見分け方、そして下取りに出すデメリットなど検証しました。
廃車買取業者が廃車を買うメリット
まずは、廃車買取業者が廃車を買うメリットをご紹介します。なぜ、動かないような状態の車でも買ってもらえるのでしょうか。
廃車には使えるパーツが含まれている
なぜ、廃車買取業者がどのような状態の車でも、積極的に買うのかというと、車が動くことを必要としないためです。廃車買取業者は、廃車の部品を売ることを目的としています。
廃車には、タイヤやホイール・ナビ・電装部品・バンパーなど、車としては機能しないけれど、一つ一つの部品に着目するとまだまだ使える状態のものがたくさんあります。このような部品だけピックアップして、廃車買取業者は転売や輸出を行います。
もし、これらの部品が使えない状態であっても、廃車買取業者は修理のノウハウを持っているところもあるので、使える部品はしっかり洗浄され、テスターで作動確認を行なった後に販売されます。
またボディなどの金属部品もリサイクルすれば、まだまだ使えます。鉄やアルミなどに分類して販売すれば、廃車買取業者に利益が残る仕組みとなっています。もちろん、ユーザーが廃車を選択しても、まだまだ走ることに問題のない車もありますので、そうした車は海外への輸出なども行われています。
なぜディーラーや中古車業者は買い取ってくれないのか
では、このように廃車買取業者は買い取ってくれるのに、なぜディーラーや中古車業者は、廃車を買い取ってくれないのでしょうか。その理由は、ディーラーや中古車業者が車を買い取ることを目的としていないためです。
ディーラーや中古車業者は車を販売することを目的としています。そのため、下取りも新車を販売するためのオプションと捉えています。そしてその下取りの対象になる車も、動くことが前提となるため、廃車の買取は行っていません。
費用をかけて整備しても売れる見込みが少ない車は、ディーラーや中古車業者にとって、取り扱いが困る案件になります。ディーラーや中古車業者にとっては、廃車は利益が見込みづらいので、乗り換え時に手続きの代行はしますが、買い取るということはほぼないと言って良いでしょう。
そして、もし特別に引き取ったとしても、結局は廃車買取業者のような、廃車を専門的に取り扱っている業者へ流通するため、ユーザーに利益は残りません。
廃車買取業者に買い取ってもらうメリット
続いてユーザーが廃車買取業者に買い取ってもらうメリットをご紹介します。
廃車買取業者のメリットは分かりましたが、ユーザーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
廃車に関する様々なコストとカットできる
まず、廃車にすることを選択すると、様々な手続きを行う必要があり、費用もかかってしまいます。廃車にする場合は、解体費用・運搬費用・リサイクル料金などが発生します。さらにこれらの手続きをしてもらうことによる、代行手数料も発生します。
廃車時には、自動車税と自動車重量税の還付金や、自賠責保険料の差額が戻ってくる場合もありますが、基本的にはマイナスになると考えて良いでしょう。しかし、廃車買取業者を利用することによって、廃車にする予定の車に買取価格がつけば、査定額によっては大きなプラスも期待できます。
したがって、ディーラーや中古車業者に持ち込んで手続きしてもらうより、コスト面ではかなりお得になる可能性が高いと言えます。まず廃車買取業者を利用するユーザーのメリットとしては、廃車時に発生するコストをカットできるという点が大きいでしょう。
廃車の仕方が分からない時も簡単に依頼できる
車の買い替えや廃車に関しては、専門業者でなけれは、どのような手続きを行って良いかわかりづらいものです。しかし、廃車買取業者に依頼をすることで、すでに廃車手続き済みの車はもちろん、これから廃車にする車に関しても、専門的な目線でアドバイスをくれます。
そして、廃車手続きを代行してくれる業者もいますので、ユーザーとしては、依頼をした後は、買取価格の提示を受け、必要書類を準備し、廃車を引き渡すだけの流れになります。ユーザーは何もせず、すべての手続きを廃車買取業者に任せておけば良いのです。その流れは非常にシンプルですので、コストをカットできるだけでなく、時間も短縮できます。
もし、すでに動かない車であっても、レッカー車でどこでも引き取りに来てくれるため、ユーザーが手間をかける必要はありません。取引の流れもスムーズで、本来お金がかかる廃車手続きを可能性によっては利益に変えてくれるので、廃車買取業者は非常におすすめです。
下取りに出すデメリット
先にも少し述べましたが、廃車手続きにはお金が発生します。廃車を前提に下取りに出す場合には、買取価格はつかず、逆に様々な費用が発生します。ここでは、廃車手続きにどんな費用が発生するのかご説明します。
引き取り手数料
まずは引き取り手数料が発生します。買取業者ではお金をもらえて引き渡す廃車ですが、下取りの場合は引き取りの手数料を払わないといけません。もし、動かない場合はレッカー車での引き取りとなるので、このような引き取り手数料が発生します。
引き取り手数料は一般的な相場で0〜30,000円という価格帯になっています。ディーラーの人件費にあたる部分なので流動的ではありますが、引き取ってもらうために費用が発生することが前提となります。
解体費用
廃車には一時抹消登録と永久抹消登録があります。一時抹消登録は一時的に車の登録を停止することで、永久抹消登録は永久的に車を使わないためスクラップ状態にされる車のことです。下取り時の廃車は、ほぼ永久抹消登録となります。
したがって、スクラップにするために解体費用が発生します。解体費用も一般的な相場で0〜30,000円と言われています。
リサイクル料
2005年から施行された自動車リサイクル法によって、新車購入時と車検時、そして廃車にする際にも、自動車リサイクル料金をユーザーが支払う必要があります。自動車リサイクル料金で支払った費用は、【フロン類の回収】【シュレッターダスト】【エアバッグ】などのリサイクルに充てられます。
リサイクル料金は車種によって金額が異なりますが、軽自動車やコンパクトカーで7,000 円~16,000円程度、普通車で10,000円~20,000円程度となっています。
法廷手続き代行費用
廃車時には様々な書類と手続きが必要になります。下取り時には、諸手続きをディーラーが代行してくれますが、代行費用を支払う必要があります。
申請書や自動車税申告書・手数料納付書などは、陸運局で手続きする必要があるので、これらの作業を代行する費用となるのです。ディーラーによって費用はバラバラですが、相場は10,000円~20,000円程度となっています。
廃車手続きの総額
以上を踏まえて下取りに出した際の総額を見ると、最大で10万円程度発生してしまいます。廃車を下取りに出すと赤字になってしまうと言われる理由がよく分かります。今まではこのように、廃車時には下取りを選択して、廃車手続きに関する費用を支払うことが基本でしたが、廃車買取業者を利用することで費用が軽減されます。
基本的に引き取り料と解体費用は発生しませんし、しっかり部品に価値が残っていればプラス査定となります。廃車手続きに関する費用面においても、下取りより廃車買取業者の方がお得だと言えるでしょう。
廃車業者に買い取ってもらう前に一括査定
まだ、廃車手続きをしていない車を廃車買取業者に買い取ってもらう前に、一括査定を利用することをおすすめします。ここでは一括査定のメリットについて、調査しました。
廃車予定でも一括査定は試してみる
廃車にする予定の車でも、まだまだ現役で走れるものも多くあります。全く動かないのであれば、中古車としての価値はないかもしれませんが、もし今も普通に使用していて動くのであれば、廃車手続きをするのは少し待った方が良いでしょう。
一括査定では様々なニーズを持った買取業者がいます。例えば状態が悪い車でも、海外での需要が多かったりすることもあります。10万キロ以上走っていて、国内では廃車にするしかないような車でも、海外にルートをもつ業者から見ると、まだ売れると判断されることもあります。また、登録年式が古い車でも、もしかすると顧客から注文を受けて、探している業者がいるかもしれません。
そのようなニーズに合う可能性が高いのが、一括査定です。一括査定サイトでは、複数の業者が見積りを提示してくれます。もしかするとニーズに合って、廃車買取業者よりはるかに高い見積りを出してくれるかもしれません。そのような可能性があるので、自己判断で廃車に出す前に一括査定にかけてみることをおすすめします。
一括査定を利用するメリット
一括査定を利用するメリットとしては、高価買取の可能性が高まることが挙げられます。一般的に下取りよりも買取業者に車を売却して方が、高値で引き取ってもらえると言われています。買取業者は下取りよりも中間マージンが少なく利益率も高いので、そのぶんがユーザーに還元されるのです。
一括査定では、様々な買取業者が、概算の見積額を提示してくれます。中には、先述したようなニーズに合ったために、相場以上の価格を提示する業者もいるかもしれません。もし、納得のいく金額があれば、廃車手続きを取るよりもお得に車を乗り換えることができます。
そして、一括査定であれば、複数の業者を訪問する手間もありません。もし、廃車にする予定の車に価値が残っているのなら、一括査定を利用する方が、下取りや廃車買取業者よりも、さらにお得だと言えるでしょう。
税金の戻りを説明しない廃車買取業者にご注意
最後に廃車買取業者と交渉するときの注意点をご紹介します。廃車買取業者との取り引きにおいては、トラブルも報告されています。見積り金額と買取金額が違っていたり、別途で説明のなかった手数料を請求されたりといったケースがあります。
もちろんこれは、廃車買取業者だけに限ったトラブルではありませんが、中には気持ちの良い取り引きができない廃車買取業者もいるので、注意が必要です。もし契約してしまった後では、場合によってはキャンセルできないということもありますので、事前に良い廃車買取業者であるかどうか確認をしておきましょう。
誠意のある廃車買取業者であるかをチェックする一つの方法として、商談時の説明があります。先ほどもご紹介しましたが、廃車にする際には様々な手続きがあります。もし、不誠実な業者であれば、この手続きに関しての説明がされない可能性が高いです。
中には税金に還付金があることを知らないユーザーもいるので、悪徳業者になるとこれらを説明しないまま、最悪自分の懐に収めてしまうといったケースもあるのです。そのため、信用のおける業者であるかは、自動車税・自動車重量税・自賠責保険の還付金、そして解約返戻金について説明をしっかりしてくれるかどうかで、判断すると良いでしょう。
まとめ
今回は廃車の買取について、ご紹介しました。廃車手続きを行う際には、車の処分は廃車買取業者に依頼することをおすすめします。下取りだと費用が発生する廃車手続きですが、廃車買取業者では廃車を買い取ってもらえるため、場合によっては廃車にかかる費用よりもプラスとなるかもしれません。
そして、廃車手続きをする前に一括査定を利用し、中古車としての需要がまだあるかどうかも確認をしましょう。一括査定を利用することによって、廃車手続きの費用を軽減できるどころか、思わぬ高額査定が出る可能性も否定できません。
長く乗った車にはやはり愛着が湧くものです。最後までしっかり納得のいく方法で、安心して手放せる方法と業者を決めましょう。