「廃車を無料で引き取ります」という広告をよく見かけますが、車を廃車にするには、引き取りや解体、手続きなどで費用が掛かります。それなのに、電話一本で自宅まで駆けつけ、乗らなくなった車を無料で引き取ってくれるだけでなく、買取り料までもらえるとは驚きです。一体なぜ、無料で廃車にしてもらえるのか。その秘密を解説します。
廃車買取業者はなぜ廃車にかかる費用を無料にできるのか
車にもう乗らなくなってしまったら、ただ持っているだけでも税金や保険料が掛かるため、必要のない車はすぐに廃車にして、引き取ってもらうのが良いでしょう。廃車にしようと、車を購入したディーラーや販売店に相談すると、おおむね1万円程度の手数料が掛かります。
事故や故障で自走できない時は、輸送時のレッカー代が必要な場合もあり、スクラップにする解体費用まで、請求されることも。廃車買取業者では、こうした廃車に必要な費用が一切無料です。その理由は、廃車の手続きそのものには費用が掛からないことと、廃車は十分な利益が見込める、立派な商品だからです。
車を売るルートを確保している
廃車にするのは、通常の方法では値段がつかず、売却できない車です。年式が古く走行距離が多い、故障や事故によって走行ができない、車検が切れているといった場合、ディーラーや中古車販売店では買取りは難しいでしょう。廃車専門の買取業者では、このような車をキチンと修理し、中古車として海外に輸出することで利益を得ています。
日本の中古車は品質が良く、日本製の車は信頼性が高いことから、海外では大変な人気です。日本国内で5年や10年も使われた、多くの中古車が、海外では信じられない高値で売却され、現地の人たちによって再利用されています。日本車が特に人気のアフリカや中東などに、独自のルートを確保して販売し、収益を上げています。
車を廃車にするなら、ぜひ専門の買取業者に相談しましょう。もう必要ないから、タダで引き取ってくれればいいと、あきらるのはもったいない。専門業者なら、相応の値段で車を買取してくれます。
分解したパーツやスクラップが収益につながる
廃車専門の買取業者では、事故によって激しいダメージを受けた車や、修理するのに大金が掛かるような車でも大丈夫です。修復が不可能な事故車や、修理しても利益が見込めない車は解体し、パーツとして販売します。こうした中古パーツの多くも、海外へと輸出されます。
車を持っているだけで、何かとお金がかかる日本とは異なり、海外では車の維持費が安く、ガソリン代とメンテナンス費用くらいしか掛かりません。海外の自動車ユーザーは、せっかく大金を払って購入した車を、できるだけ長く乗ろうとします。中古車と同時に、日本車の中古パーツも非常に人気があり、販売すれば大きな利益が見込めます。
破損したボディパネルなど、部品として使えないものは、スクラップにして、金属として販売が可能です。自動車には、鉄はもちろん、アルミや銅といった多くの材料が使われ、まさに金属のカタマリ。スクラップにした車を、リサイクル用に販売すれば、儲かります。
使われなくなった廃車は、決して価値のないものではありません。中古車やパーツとして海外へ輸出され、金属としてリサイクルできる【宝の山】です。
廃車が無料のオススメ業者
廃車が無料をキャッチフレーズにした、オススメの業者を紹介します。
廃車王
廃車王は、廃車の無料引き取りと、買取りを全国で展開する、廃車専門の大手買取業者です。全国に150もの店舗があり、最寄りの店を探せるのが便利です。廃車王は、すべての店が、NGP日本自動車リサイクル事業協同組合に加入し、信頼性の高さも魅力。NGPは、自動車リサイクル業界では、国内で唯一、経済産業大臣の認可を受けた事業協同組合です。
廃車王では、車の査定から車両の引き取り、廃車の手続きまですべてが無料!車両を保管している場所が狭かったり、離島を含め、車が引き取り対応エリア外にあり、引き取りが困難な場合は例外です。その際は、レッカー業者を利用するため、別途料金が必要です。
その他にも、車から、カーナビやオーディオを取り外してもらう時には、工賃が掛かります。
廃車らぶ
廃車らぶは、離島を除く全国で、無料廃車引き取りを展開する業者です。一都道府県につき平均4社、全国では150社と契約を結び、電話1本で、不要になり廃車にしたい車の買取を行います。廃車らぶの特徴は、しつこい営業電話を一切しないこと。高額査定が売りで、車に詳しくない女性にも、ていねいに説明をしてくれるため、気軽に相談してみることをおすすめします。
事故車を買取してもらう場合は、メールフォームに写真を添付すると、査定額が1~3割アップするという特典付き。廃車の査定から引き取り、手続きまですべて無料。廃車引き取り時のサービスとして、廃タイヤの引き取りも、1本500円でしてくれます。
対応エリア外の引き取りには、別途レッカー費用が必要です。
廃車本舗
車がどのような状態でも、無料で引き取ってくれる廃車本舗。引き取りエリアは全国におよび、離島や山間部以外なら、指定された場所へ無料で引き取りが可能。高額買取をモットーとする理由は、24時間対応を行わずに人件費を節約し、その分を買取価格に反映させているから。輸出事業への直販も、高額査定の秘密で、引き取りや手続きなど費用はすべて無料。
例外として、車から、エンジンなどのパーツを大幅に取り外してある。炎上したり、消火剤を散布されている車。浸水した車両は、無料で買取できない場合があります。
廃車ドットコム
廃車ドットコムは、ディーラーや中古車販売店で下取りが不可能だった車を、高く買取りしてくれる業者です。廃車の無料引き取りエリアは全国で、利用したユーザーの満足度は90%という、安心感が魅力。高価買取の理由は、車のあらゆる部品を、独自の方式で区分けしているから。金属からゴム、バッテリーの鉛など、余すことなくリサイクルでき、その分を買取価格に還元しています。
廃車の相談から査定、引き取りや手続きまですべて無料。車が谷底に落下、川に水没した状態、田畑や林野、立体駐車場内といった、著しく引き取りが困難な場合は、実費負担が発生する場合があります。
ハイシャル
ハイシャルは、大阪市に本拠地を置く廃車専門の買取業者で、全国47都道府県に、年中無休で廃車の無料引き取りを行っています。年式が古いボロボロの車や、放置された車、事故車や故障車など、何でも無料で引き取りOK。ハイシャルの魅力は、納得の高額査定で、公式サイトに簡単な必要事項を入力すると、しばらくして担当者から電話があります。
そこで打ち合わせをすると、くわしい買取査定額を、その場で教えてくれます。交渉が成立したら、無料で引き取りに来てもらい、手続きなどに費用は一切不要で、後は買取り金額が振り込まれるのを持つだけです。ハイシャルも、中古車やパーツの輸出事業と連携しており、廃車の高価買取を実現。
特に、海外で需要の多いマニュアル車やディーゼル車は、より高く買取ってくれるのも、うれしいメリットです。
廃車無料.com
廃車にしたいと考えている車、年式が古い車や過走行車、事故車や水没車まで、全国どこへでも無料で引き取り可能。廃車無料.comは、ネットや電話で申し込むと、指定された日時に、レッカー車で引き取りに来てくれます。本人が立ち合わなくても引き取りが可能で、必要書類を郵送で送れば、手続きなどすべて無料。
書類に不備がなければ、引き取りから1週間以内に、買取料金が支払われます。廃車無料.comは、年中無休で、土日や祝日も引き取りに来てくれ、忙しい人にも安心。注意すべきなのは、廃車の引き取り契約が成立した後で、キャンセルをした場合は、違約金として3万円を請求されます。
ビッグエイト
全国の信頼できるリサイクル業者とネットワークを結ぶ、廃車専門業者がビッグエイトです。全国へ無料引き取りはもちろん、車両を持ち込みでも買取ができます。電話で事前に予約をして車を持ち込み、必要書類がそれっていれば、わずか10分程度の手続きが済めば、その場で買取り料として現金を受け取れます。
さらに、帰りの電車賃と、駅まで送迎してくれるという親切さがうれしい業者です。ビッグエイトでは、どのような車も、4,000円以上での買取りを保証。廃車してもらう車に、カーナビやオーディオがついていた場合、使用開始から三年以内なら、車とは別に買取をしてもらえます。
カーネクスト
カーネクストは、全国の1,000社以上の自動車関連業者と提携することで、どのような地域でも、廃車を無料で引き取りに来てくれる業者です。すべての地域で、一貫したサービスをモットーとしており、他の買取業者では実費料金が発生する、離島でも無料で引き取りに来てくれます。(要問合せ。一部の離島では利用できません。)
顧客満足度95%のカーネクストは、廃車の高価買取も得意です。輸出業者への中古車やパーツの直販はもちろん、スクラップにした車をリサイクル資源として販売していますが、高価買取の秘密は、その規模の大きさ。全国のあらゆる業者と、廃車取引を行っているため、他の業者よりも高い買取が可能です。
もちろん、廃車の手続きなどに費用は一切かからず、多くの廃車専門業者と同じで、自動車税の還付も受けられます。
中でも口コミ人気の高い業者は?
数ある廃車買取専門業者の中で、口コミナンバーワンの人気を誇るのは、【廃車本舗】です。評価が高い秘密は、査定から引き取りまで、専任のスタッフが、ていねいにサポートしてくれるところ。廃車本舗では、自前のリサイクル工場を完備し、自動車リサイクルシステムに登録する業者のため、他の買取業者と違って中間マージンが発生しません。
さらに、独自のルートで、中古車や中古パーツを輸出。以上の理由から、どのような車も、納得の高価買取を実現します。廃車本舗では、自動車税の還付の他に、自動車重量税の還付手続きもしてくれるのがメリット。廃車と同様に、手続きは一切無料です。
乗用車だけでなく、トラックや重機の買取実績もある廃車本舗では、引き取り時の車の状態で、査定額が変わることはありません。最初に契約した査定額を、そのままで買取してくれます。
買取業者を決めかねている人は仲介業者に連絡
廃車を買取してもらいたいけれど、どの業者がいいか迷っている人は、【廃車買取仲介業者】に連絡しましょう。仲介業者とは、全国の買取業者や解体業者と提携し、車を廃車にしたいユーザーとの橋渡しを行うサービスで、廃車を高く売るならおすすめです。全国どこへでも買取を実施し、中古車やパーツの輸出ルートを、しっかりと確保しています。
オススメの業者で紹介した<ハイシャル>も仲介業者で、他には<車査定・買取の窓口>、<カービュー廃車一括査定>があります。もっとも評価の高い仲介サービスはハイシャルで、人気の秘密は、驚きの査定額の高さです。ハイシャルは、電話オペレーターの対応や、車両運搬スタッフの印象でも高評価を獲得。
総合顧客満足度95%という、ぜひおすすめしたい仲介業者です。
意外に売れる廃車とは
廃車にしようと考えている車が、本当に売れるのか不安な人に、意外にも売れる廃車を紹介します。
水没車
地球温暖化による異常気象で、近年発生している豪雨災害。そのような被害に遭い、水没してしまった車でも、売ることが可能です。実際に、水没した車が修理され、中古車販売店で売られています。水没した中古車の価格は、新車時の半額以下ですが、かなりの数が販売されているのも事実です。水没車でも、きちんと買取られ、市場に流通していることがわかります。
水没車には基準があり、室内フロア以上にまで浸水した車とされています。浸水の度合いによって査定額が減点され、フロアまで冠水した車は、減点率30%。シートクッション(座面)上部までなら、減点率40%。ダッシュパネルの上まで冠水した場合は、減点率50%です。
実際の買取価格は、車の状態や業者によって異なります。ダッシュパネルまで水に浸かった場合は、エンジンやエアコンまで浸水しており、値段がつかないことも多いです。
事故車
廃車買取業者の公式サイトにもあるように、事故車でも買取りが可能です。<事故車買取のタウ>は、事故車専門の買取業者で、査定額チェックフォームで、5段階ある損傷レベルを入力すれば、大まかな買取価格がわかります。事故車の買取価格は、事故の状態によって変わり、修復が可能なら、修理して中古車として販売。
損傷がひどい状態でも、使えるパーツが残っていれば、値段がつきます。エンジンから火が出て火災が起きた車でも、査定額はかなり下がりますが、売却は可能。たとえ車が全焼しても、まだ利用価値があるなら、買取りできる可能性はあります。
廃車にする前に一度中古車査定を受ける
廃車にしたいからと、すぐに廃車専門の買取り業者に相談するのは、おすすめできません。その前に、愛車に本当に値段がつかないのか、一度中古車査定を受けてみましょう。便利な、インターネット車一括査定を使えば、ネットで申し込むだけで、複数の業者から見積もりが届きます。ディーラでは、買取できないと言われた車でも、意外な高値で見積もりされることも。
廃車専門業者を考える前に、ぜひ車一括査定で、愛車の買取相場をチェックしましょう。
まとめ
廃車を無料で引き取る専門業者は、独自のルートで海外へと中古車を輸出し、収益を上げています。修理できない事故車や故障車は、中古パーツとして売却し、使えない部品はリサイクル資源として、利益を出すことが可能です。廃車はまさに宝の山。古くてボロボロの車でも、ちゃんと買取ってくれるため、せっかくの愛車を賢く処分できる、廃車専門業者をぜひおすすめします。