それほど目立つ存在ではないものの、中古車市場では根強い人気のモコ。スズキMRの姉妹車としても知られるモコは、日産が独自の個性を押し出したことで注目を集めた1台です。
そんなモコの人気の秘密を価格相場や買取査定額がアップする条件などを交えて紹介します。
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エアロスタイルも人気の日産モコの特徴
日産モコは、軽自動車市場で注目の車の一つ。スタンダードだけでなく、エアロスタイルにも人気が集まっている、モコの特徴について説明します。
OEM軽自動車とは?
モコは、現在日本でもっとも売れている自動車ジャンルの、トールワゴンタイプの軽自動車です。モコは、スズキ自動車からOEM供給を受けて、全国の日産ディーラーで販売されていました。OEMとは、original equipment manufacturerの略で、自社ブランドで販売している車に、提携する他社のバッジをつけて製造することです。
単純に解釈すると、スズキがMRワゴンを生産する際、同じ車に日産のエンブレムを付けて製造し、日産へと納品した車がモコとなります。OEM供給されたモコが市場でヒットすれば、スズキと日産の両社ともに利益が見込めます。
経営危機となった日産を再生する足掛かりとして誕生したモコ
モコは、日産自動車が創業以来、初めて販売した軽自動車です。その背景には、経営危機にあった日産を救うべく、フランスのルノーから来たカルロス ゴーンCEOによる<日産リバイバルプラン>の一角として、軽自動車ユーザーを取り込むという狙いがありました。
MRワゴンをベースに、日産のアイデンティティを示すさまざまな改良を施し、発売されたモコは、女性ユーザーをターゲットにして人気となります。
モコの中古車市場での人気
中古車市場で、現在モコは人気が高く、ユーザーからの引き合いも多いため、数多くの車が流通しています。モコが現在も人気の理由は、新車の販売台数が、姉妹車であるMRワゴンよりも多いためです。モコは、日産のブランド力と、スズキに比べてはるかに大きな販売網によって、多くのユーザーを獲得。
中古車でも、日産が販売した人気の軽トールワゴンとして、高い信頼を得ています。
高値買取が期待できると注目のエアロスタイル
モコには、エアロスタイルという特別仕様車があり、モコが持つふんわりとしたイメージに、エアロでちょっぴりやんちゃな外観に仕立てた車です。エアロスタイルは、日産車のドレスアップモデルを手掛ける関連会社、<オーテックジャパン>がボディを仮装したモデルで、中古車市場で人気があります。
人気の理由は希少性の高さで、モコ全体では4,300台もの数が流通する市場で、もっとも売れ筋となる3代目モコのエアロスタイルは、わずかに56台しかありません。エアロスタイルの中古車販売価格は、スタンダードのモコと変わりませんが、特別な需要があるモデルのため、売り方次第で高値買取が狙えるでしょう。
ベースとなったスズキMRワゴンとの違いは?
日産モコは、ベースとなったMRワゴンと基本的には同じ車ですが、販売するターゲットを明確に絞り、日産独自の個性を加えるなどして差別化されています。モコとMRワゴンは、具体的にどのように違うのか、詳しく説明します。
MRワゴンってどんな車?
MRワゴンは、スズキの定番車種として人気のワゴンRとは異なる、新しいコンセプトで登場した軽トールワゴンです。初代MRワゴンのスタイリングは、トヨタ エスティマにも似た卵型をイメージしており、<MR>の名前から、エスティマと同じミッドシップ後輪駆動レイアウトで登場すると噂されました。
実際にはFFとなったMRワゴンでしたが、箱形でいかにも実用性重視のワゴンRに比べて、スタイリッシュなデザインを採用。おしゃれに敏感な、若いユーザーをターゲットに販売されました。
モコは 日産初の軽自動車を前面にアピールした
日産は、スズキからMRワゴンをOEM供給するにあたり、姉妹車であるMRワゴンもライバルに見据えた、マーケティングを想定します。モコを誕生させるにあたり、日産らしさを強調したのは外装のデザインで、単にエンブレムやバッジを付け替えるのではなく、ボンネットからバンパーまで別の部品へと交換。
モコは、日産車を象徴する<ウインググリル>が与えられ、ベース車のMRワゴンとは、全く印象の異なるデザインに変身させることに成功。<日産初の軽自動車>を前面に押し出すことで、モコは、日産車ユーザーから始まり、多くの軽自動車ユーザーから支持を得ます。
女性をターゲットにしたことから<モコ>という名前に
モコに与えられた独自の個性は、ボディデザインだけにとどまらず、内装にも大きく手が加えられます。スズキらしい、ブラックが中心のシンプルなものから、モコでは、インパネに明るいアイボリーを使用するなどして大幅に改装。普通車のマーチにも共通する、いかにも女性が好みそうなインテリアが与えられたモコは、ターゲットとした若い子育てママたちに大人気となります。
この他にも、モコは日産の社内安全基準に基づき、MRワゴンではオプションとなる、ABS(アンチロックブレーキシステム)を標準装備しました。
初代モコから3代目モコまで それぞれの特徴
モコは、ベース車のMRワゴンに準じてモデルチェンジされ、三世代に渡って販売された軽自動車です。初代から三代目まで、それぞれの特徴を紹介します。
2002年に登場の初代モコ
2001年に12月発売されたMRワゴンから遅れること数カ月、2002年4月に登場したモコは、ボンネットとフロントガラスのラインが同じ、モノフォルムスタイルの軽トールワゴンでした。モコのコンセプトは、<若いママが子供と一緒に出掛けるためのベストな車>。
当時としては画期的な、左右独立で前後へのスライドが可能な後部座席を備え、ゆったりした室内スペースと、使い勝手の良さが売り物の車です。女性向けのモデルだけでなく、初代モコには、ターボエンジンを搭載した、男性ユーザー向けのグレードも存在します。
シャープな印象を持たせた2代目モコ
2006年にフルモデルチェンジされた2代目では、モコは、初代からがらりとイメージを変え、シャープな印象を持つスタイリングへと変身します。モコは2代目でも、日産のアイデンティティ<ウインググリル>は健在で、MRワゴンとはしっかり区分けされています。
フロントガラスとボンネットのラインには段差がつき、モノフォルムデザインから脱却した二代目は、チョコレート色のインテリアカラーが素敵な、<ショコラティエコレクション>が追加されて人気に。
エアロスタイルが初登場!
2代目モコで初めて、オーテックジャパンがプロデュースするエアロスタイルが登場し、普通では満足できないアヴァンギャルドな女性たちから、熱い視線を浴びることになります。
丸みを帯びたフォルムにゆったり空間の3代目
2011年に登場した3代目モコでは、市場のニーズにこたえる形で、ゆったりした室内空間を追求。人気のスズキ ワゴンRやダイハツムーブなど、標準的な軽トールワゴンに近い、箱型ボディへとモデルチェンジされます。モコは、3代目となって室内長が拡大され、元々広かった室内がさらに拡大されて、使い勝手が向上。
箱型でもモコらしいカワイさは健在!
3代目も女性がターゲットであることから、モコのスタイリングは、箱型でもふんわりと丸みを帯びたデザインです。印象的だったウインググリルは、大きな横長のメッシュグリルへと変更され、とぼけたような表情が、かわいらしさをアピールしています。
エネチャージを装備し 30km/Lの低燃費!
2013年にモコは改良を施され、リチウムイオンバッテリーと高出力オルタネータという、スズキの<エネチャージ>と同じシステムが装備され、30.0km/Lの低燃費を達成。
新たに上級仕様のドルチェが登場
モコは、3代目でもエアロスタイルがラインナップされた他、2013年10月にはツートンカラーの専用シートを持つ、ゴージャスな特別仕様<ドルチェ>が登場します。ドルチェには、専用の大型メッキグリルが与えられ、まるで小さなエルグランドといった雰囲気は、現在も上級嗜好の女性たちに人気です。
モコは、MRワゴンの生産終了に伴い。2016年5月に販売中止となりました。
比較的高値を維持するモコの現在の相場
気になるモコの中古車相場ですが、販売の中心となる3代目はもちろん、2代目のモデルでも比較的高値を維持しています。モコの中古車相場を世代別に見ていきましょう。
初代モコの中古車相場
2002年に登場し、2006年まで販売された初代モコは、現在流通している合計4,340台のうち、わずかに351台しかありません。最終モデルでも、新車から14年が経過している初代モコの相場は、1万~40万円となっています。初代モコでもっとも安い車は、2005年式で走行10万km、色は白で、車両本体価格は何と1,000円。
もっとも高いのが2004年式で走行4万6,000km、色は白で、車両本体価格が39万円です。
2代目モコの中古車相場
2006年から2011年まで販売された二代目モコは、現在の中古車市場に1,690台流通し、相場は1万~92万円となっています。最安値の車は、2009年式で走行15万5,000km、色は淡いブルーで、車両本体価格はおどろきの500円です。最高値は、2008年式で走行5万2,000km、色が白の車が車両本体価格92万円。
この車は、E-FOURという、後輪に電気モーターを搭載した4WD車です。
3代目モコの中古車相場
2011年から2016年まで販売された3代目モコは、2,134台が現在流通し、中古車相場は3万~120万円です。3代目モコでもっとも安い車は、2013年式で走行22万9,000km、色は白で車両本体価格は2万8,000円。比較的年式の新しい、3代目モコでも、走行20万kmを超える過走行車は、ほぼ値段がつきません。
もっとも高いのは、2016年式最終モデルの走行4,000kmという極上車で、色はピンク、車両本体価格は119万円です。この車は、人気の高い上級グレードのドルチェXでタマ数が少なく、状態が良いため高値で販売されています。
モコを高く買取ってもらうには?
愛車のモコを少しでも高く買取ってもらうためには、モコの背定額がアップする条件を事前にチェックした上で、価格交渉をする必要があります。買取値を上げようと、ただやみくもに業者を回っても、自分の車の持つ価値を知らなければ、有利な交渉はできません。人気のグレードや装備といった、モコを高く売るためのポイントを紹介します。
モコの人気グレードはXグレード
モコには、スタンダードモデルにSとXという二つのグレードがあり、Xの方がより装備が充実しており人気です。新車の車両本体価格は、SとXでは10万2,600円の差がありますが、Xにはフルオートエアコンや、インテリジェントキー&プッシュ式エンジンスターター。チルトステアリングと運転席シートリフター、ワンタッチダブルフォールディングリアシートが標準装備されています。
SとXでの装備の違いを、きちんと把握しておけば、売却時の価格交渉に使えるでしょう。
3代目のモコは高値での売却が期待できる
モコの中古車で、ユーザーからの人気の中心は、何といっても3代目モデルです。2代目モコでは、最終モデルでも新車から7年が経過しており、状態が良い車もありますが、3代目に比べてかなり少なくなります。モコを購入するユーザーは、圧倒的に女性が多いため、内外装のきれいな車でなければ買い手がつきにくいです。
その点、年式が新しい3代目モコなら、走行距離が多くても見た目が美しい車も多く、査定額アップが期待できます。
エアロ仕様も高額買取傾向
モコの2代目、3代目から設定されていた<エアロスタイル>は、スタンダードのモコに比べてスタイリッシュで人気があります。特に3代目モコのエアロスタイルは、バンパー内蔵の丸形フォグランプが個性的で、特別感があるため、高額買取が期待できます。3代目では、マイナーチェンジ以降に追加された上級仕様ドルチェも、大型のメッキグリルは高級感があり人気です。
モコの走行距離は何km以内が理想?
モコを高く買取ってもらう場合、走行距離は何km以内が理想でしょうか?中古車市場で人気の高いモコですが、すでに生産が終了しているため、現行モデルと比較するとリセールバリューは低いです。
モコの最新の買取価格
<モコ ドルチェX>
2016年(平成28年)式 カラー:ブラウン
走行距離:3.0万km新車価格:138.0万円 買取価格:57.0万円 残価率:約41%
<モコX>
2016年(平成28年)式 カラー:パール
走行距離:5.0万km新車価格:129.0万円 買取価格:43.0万円 残価率:約33%
<モコS>
2015年(平成27年)式 カラー:ライトブルー
走行距離:4.0万km新車価格:119.0万円 買取価格:39.0万円 残価率:約32%
モコを売却するなら、走行kmが5万km以内が理想的です。走行7万kmを超えても査定額がつきますが、かなり安くなります。モコでは、走行が10万kmを大きく超える車は、買取価格が限りなく0に近づくと考えられ、要注意です。
まとめ
モコをより高く売る方法や、女性に人気がある車の特徴などを紹介しました。中古車市場で人気のモコですが、走行距離があまり長すぎると、値段がつかなくなる車です。モコを売りたい人は、走行距離が伸びないよう、できるだけ早めに査定をしてもらいましょう。