国産車もいいけど、一度は乗ってみたいと思う輸入車。だけど、どの輸入車が自分にとって一番良いのか分からず悩まれる人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は輸入車メーカー別特徴のご紹介をしていきます。そして、将来的に乗り換えや買い替えをお考えの方のためにリセールバリューについても触れていきます。
[myphp file=article-cta-parts-s]メルセデスベンツ
日本国内では高級車の代名詞
日本において、高級車と言えばと聞けば多くの人が「ベンツ」と答えるくらいメルセデスベンツは高級車というイメージが日本国内では定着しています。実際にもメルセデスベンツにはSクラスをはじめ数千万円もする高級グレードの車種がいくつも展開されています。
しかし、Aクラス~Cクラスのグレードであれば300万円台~500万円弱で新車購入が可能です。車のことをあまり知らない人ならこのクラスでも「ベンツに乗っている=お金持ち」と思ってしまいがちなので、なんちゃってお金持ちを演出することもできるでしょう。
安全性重視の高級車
メルセデスベンツの車づくりの方向性は「安全性重視」です。車両開発は常に安全性を最優先して行われています。安全性重視の車両開発からは、今では当たり前となっている安全装備がいくつか生まれてきています。
1953年には、衝突時の運動エネルギーを吸収する「衝撃吸収構造ボディ」をメルセデスベンツ180(W120型)が採用しました。1978年には、電子制御システムのABS(アンチロック・ブレーキ・システム)をメルセデスベンツSクラスが初めて搭載しました。メルセデスベンツは安全装備のパイオニアでもあります。
リセールバリューについて
メルセデスベンツは、日本国内ではとても人気が高くリセールバリューも高くなる傾向があります。そのため、メルセデスベンツは会社の社長さんや起業家の方々が購入されています。これは単にお金持ちだからベンツを買っているのではなく、資産価値が下がらない車だからという理由によるものです。それだけ、メルセデスベンツのリセールバリューは高いということを証明しています。
BMW
スポーツ性重視の高級車
BMWはメルセデスベンツと同じドイツの高級自動車メーカーです。同じドイツ製ということで、何かと比較されることがあります。BMWは、楽しく走ることを重要視しているところが特徴ではないかと思います。最近では居住性確保のためにFF(前輪駆動)や安定した走行のためにAWD(全輪駆動)が増えている中、BMWはあえてほとんどの車種にFR(後輪駆動)を採用しています。
BMWと一目でわかるキドニーグリル
BMWの大きな特徴の一つにフロントグリルの形状があります。キドニーグリルと呼ばれるものです。これはグリルを左右に分割した形になっており、前から見たときに一目で「BMWだ」とわかるアイコンになっています。
キドニーグリルは、BMWが1930年代から採用し現在もラインナップしている車種全てに採用している歴史あるデザインです。このグリル形状には、正直好き嫌いが分かれるところですがBMWにはなくてはならないものとなっています。
リセールバリューについて
BMWには1~8、X、Z、M、BMW iと豊富なグレードを取り揃えています。この中でもリセールバリューが優秀なのは、XシリーズとMシリーズになります。Xシリーズは、世界的に人気が高いクロスオーバーSUVタイプのため、MシリーズはBMWの特徴であるスポーツ性に特化したモデルだからではないでしょうか。
アウディ
オシャレなデザインの高級車
アウディは、メルセデスベンツやBMWと同じドイツの高級自動車メーカーです。先代は曲線を基調とした丸みある柔らかい印象のエクステリアでしたが、現行型は直線を基調としたシャープな印象になっています。時代の最先端を行くデザインを採用し、洗練されたイメージがアウディにはあります。
そのためか、アウディは20代~30代と比較的若い層に人気があり、売れ筋はミドルクラスのA4や、クロスーバーSUVのQ3、そしてスポーツタイプのTTとなっています。
リセールバリューについて
アウディのリセールバリューですが、ライバルのメルセデスベンツやBMWと比較すると正直なところ負けてしまっているのが現状です。特にセダンタイプで高いグレードになればなるほどその傾向が出てきます。アウディに乗るなら、リセールバリューをあまり考えない方が良いかも知れません。
フォルクスワーゲン
グループ販売台数は世界第1位
フォルクスワーゲンもドイツの自動車メーカーです。現在では、数多くの自動車メーカーを傘下に置き巨大なグループを形成しています。同じドイツではアウディやポルシェ、他国ではランボルギーニやベントレーなどなどがグループ企業となっています。
フォルクスワーゲンの源流は「ビートル」になります。ビートルは、ヒトラーが国民が購入できる大衆車として作らせた車です。誰でも購入できる低価格にするため作りは非常にシンプルでした。このシンプルさは現在のフォルクスワーゲン車にも受け継がれています。
しかし、それは決して安っぽいものではなくシンプルな中にも高級感が感じられる作りとなっており、いつの時代にも受け入れられるものとなっています。フォルクスワーゲンは日本市場にも高い意識を持ち、右ハンドル仕様の製造を積極的に行っています。
リセールバリューについて
フォルクスワーゲンの新車価格は、一番高いグレードでも1,000万円以下という価格帯であり、飽きのこないシンプルなデザインが古さを感じさせないこともあり、リセールバリューは極端に悪くなることはないようです。中でも、ティグアン、トゥアレグといったSUV車やミニバン的なシャランが良い印象です。
ポルシェ
ドイツを代表するスポーツカーメーカー
ポルシェは、ドイツを代表するスポーツカーを中心に製造・販売する自動車メーカーです。日本では「911」シリーズのスポーツタイプが有名です。他には718シリーズの「ケイマン」や「ボクスター」も最近ではよく目にするようになってきました。
「911」シリーズは安くても1,000万円オーバーの高級スポーツカーですが、「ケイマン」や「ボクスター」は600万円台から1,000万円以内の価格帯で、「911」シリーズに比べて安くポルシェを所有できるところが魅力であり理由ではないでしょうか。
また、最近ではSUV市場にも参入してきており、大人気となった「カイエン」をはじめ700万円台から購入できる「マカン」とラインナップが増えてきています。
ル・マン24時間耐久レースでは最多勝利
ポルシェはモータースポーツ界でも活躍しており、ル・マン24時間耐久レースでは最多の16勝を達成しています。これによりポルシェのイメージは速いだけではなく、耐久性もある自動車メーカーと認知されています。
リセールバリューについて
ポルシェでリセールバリューが高い車種としては、日本で人気があるSUV車の「カイエン」や「マカン」になります。そしてポルシェを代表する「911」シリーズです。「911」シリーズにおいてはターボ車やGTSと言った上級グレードであればリセールバリューが高くなる傾向にあります。
ルノー
昔はマニアック、今はオシャレな車
ルノーはフランスの自動車メーカーです。日産と関係が深い自動車メーカーでもあります。ルノーは、2000年初めまでは多くのマニアックな車を製造・販売していました。
全長が5m近くあるのに、なぜか2ドアの「アヴァンタイム」、3ドアハッチバックコンパクトの普通のクリオの後部座席にV6エンジンを無理やり搭載した「クリオ・ルノー・スポール V6」、5MTのみのラインナップだった「セニック RX4」などなど。
しかし、現在ではオシャレな車やスポーティーな車がメインでラインナップされています。とてもコンパクトで曲線を基調とした丸っこいボディがかわいくてオシャレな「トゥインゴ」や、シャープなボディデザインで5ドアハッチバックの「ルーテシア」や「メガーヌ」など。
日本では、ベンツやBMWほど街中で見る機会は少ないルノーですが、人と違う車に乗りたいと思う方にはオススメの輸入車メーカーだと思います。
F1に関わりが深いルノー
ルノーは1977年~現在まで、途中撤退はあったものの長きにわたってF1に参戦し続けています。車体からエンジンまで全てを自社で製作するフルコンストラクターとしての参戦や、他チームへのエンジン供給という形での参戦をしていました。現在は2016年から「ルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム」としてフルコンストラクター参戦しています。
リセールバリューについて
ルノー車のリセールバリューは、マニアック路線だった時代の車種と、現在の車種で大きく変わってきます。マニアックな時代の車種は販売自体も少なく人気がないことを意味しています。よってリセールバリューはかなり低くなります。現在の車種では、アウトドアにも使えるハイトワゴンの「カングー」のリセールバリューが特に高くなっています。
プジョー
「猫足」と言われる所以
プジョーは、ルノーと同じフランスの自動車メーカーで、ライオンのエンブレムが特徴的です。リュック・ベッソン製作・脚本のフランス映画「TAXi」の中で主人公が乗る車にプジョーが使われているのも有名な話です。
プジョー車の大きな特徴は「足回り」です。自動車業界ではプジョーの足回り、サスペンションのことを「猫足」と呼んでいます。これはフランスという地域の特性が影響しています。
フランスの道は日本のような継ぎ目のないアスファルトではなく、古くからの石畳の道路で継ぎ目が多く荒い路面がたくさんあります。そして、ドイツ車のようにアウトバーンを走る機会も多くないため高速走行よりも一般道を走る速度域での乗り心地を重視しています。
このプジョーのサスペンションは、まるで猫の足のようにしなやかだということで「猫足」と言われるようになりました。しなやかなサスペンションになるとワインディングなど横Gが掛かる走行では不安定になりがちですが、プジョーのサスペンションは路面をしっかりととらえて安定した走行を披露します。乗り心地重視で車を選びたい人にはプジョーはおすすめかも知れません。
リセールバリューについて
プジョーの現行車種では、新車価格が200万円台~500万円弱と比較的低価格なものとなっています。リセールバリューについては、正直なところ高くないというより低くなっています。日本でも人気があるSUVタイプの2008、3008、5008でも今一つのリセールバリューとなっています。プジョーはまだまだ日本になじんでいないことが理由かも知れません。
ミニ
女性に人気のかわいいミニ
ミニは、BMWが2001年に設立した自動車ブランドになります。現在のミニは、イギリスのブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が製造・生産していたミニをモチーフに開発され製造・販売されています。そのため、BMC時代のミニは「クラシック・ミニ」と呼ばれ、2001年以降のミニは「ニュー・ミニ」と呼ばれ区別されています。
クラッシック・ミニは軽自動車のボディサイズよりも小さく、その小ささが可愛さでもあったのですが、装備は必要最低限でありマニュアルミッションということで女性ユーザーが選択して乗ることは稀でした。
しかし、現在のニュー・ミニはボディは大柄になりましたが、ボディデザインはクラシック・ミニを踏襲しており、さらにインテリアもオシャレで充実したことから若い女性に人気の車種となりました。
リセールバリューについて
ミニのリセールバリューは好調のようです。日本での輸入車コンパクトカー新車販売台数ではミニがトップとなっています。これだけ人気があり売れているということは、欲しがっている人も多いということなので、高いリセールバリューに繋がっているのではないかと思われます。
ボルボ
安全性重視の自動車メーカー
ボルボはスウェーデンにある自動車メーカーです。その昔、ボルボはテレビCMでボルボを何台も積み上げるシーンを流していました。「ボルボの車体はこれだけ丈夫だから安全ですよ」とでも訴えるかのテレビCMでした。
ボルボはまさに安全性を重視した自動車メーカーです。ボルボは創業当初から事故を起こした車を徹底的に調査し、次に作る車をもっと安全なものにするというメーカーです。最近では衝突安全性の強化はもちろん、歩行者用エアバッグを標準装備化するなど、運転手や同乗者だけでなく歩行者の安全も考えています。
リセールバリューについて
ボルボのリセールバリューですが、新車価格が高くなるほどリセールバリューは落ちる傾向にあるようです。ディーゼル系の方がガソリンエンジン系よりもリセールバリューが多少良くなっている印象です。
まとめ
輸入車メーカー別特徴とリセールバリューについてお話しました。同じ車を作るメーカーであっても、その国の特色などが反映されるなどして、特徴や方向性はさまざまであることがわかりました。
リセールバリューは、メーカー自体に人気と信頼があればリセールバリューが高くなる、その車種自体が大人気でリセールバリューが高くなる、一部のファンに対してのみリセールバリューが高くなるなど、こちらも理由はさまざまでした。
これから輸入車の購入をお考えなら、リセールバリューにも注意しておけば乗り換えとなった時に損がありません。もし、今の愛車を買取に出そうと思っているなら、この記事を参考にしてどこに買取に出すかを考えてみても良いでしょう。
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