「車に乗らなくなった」「車が動かない」などの理由から、不要になった車を処分したいと思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、車を処分する際に、どこに連絡して引き取ってもらえばよいのか分からないため、結局自宅に放置しているというような状態になっていませんか?車を所有している間は、自動車税がかかってしまうため、税金を無駄に払わないために早めに廃車することをおすすめします。
この記事では、「不要になった車を廃車する際に、どういった業者に連絡すればよいのか」から、「引き取りに必要な手続きや費用」を分かりやすく解説しています。
廃車を引き取ってもらうには?
車の状態によって引き取ってもらう最適な業者が異なるので、まずは不要になった車の状態を確認しましょう。
中古車として価値がある状態の良い車の場合
エンジンがかかり、状態が悪くない車であれば、中古車販売店やディーラーに車の査定を依頼しましょう。
特に10年以内に購入した年式の新しい車や、走行距離が5㎞以内の少ない車は、中古車としての価値が十分にあるため、高く買い取ってもらえる可能性があります。しかし、年式が古かったり、かなりの距離を走っているなど状態によっては思うような査定額にならない可能性があるのでご注意ください。
中古車として価値がない状態の悪い車の場合
一方で、エンジンがかからない、年式が古いなど状態の悪い車であれば、廃車買取業者に相談しましょう。
廃車買取業者であれば、ディーラーとは異なり、車そのものの価値ではなく、車の部品ごとの価値で査定を行ってくれます。そのため、再利用が可能な鉄やアルミ、タイヤ、ガラス、エンジンなどがあれば、金額を付けて買い取ってくれる業者があります。
中古車として販売できない車も、部品やパーツとして見れば、十分に価値のあるものになるのです。
自分の車の価値がわからない場合
自分の車に価値があるものなのかどうかが分からないという方も多くいらっしゃると思います。そういう時は、一度中古車販売店の査定を受けてみることをおすすめします。中古車販売店は、無料で車の査定を行っており、中古車としての価値をプロの目線から判断してくれます。また、価値があった際はその場で買取も行ってくれるため、引き取りも楽に行えます。また、査定で価値の無かった車を無料で引き取ってくれる中古車販売店もございますが、基本的にそういった車は廃車買取業者の方が高く買い取ってくれるケースが多いので、注意が必要です。
廃車手続きの内容
実際に、不要になった車を廃車にする場合にはどのような手続きが必要になるでしょうか。廃車と聞くと、車を解体してスクラップにすることだと思っている人も多いと思います。
廃車の抹消登録
実際に、廃車とは不要になった車の使用をやめ車籍を抹消するという意味で、この車籍の抹消登録を行うことで廃車をすることができます。
この抹消登録は、【一時抹消登録】と【永久抹消登録】のどちらかを選択します。
一時抹消登録
一時抹消登録とは、車の所有者が何らかの理由で長期的に車を使用できなくなった時に、一時的に車を廃車状態にすることを言います。
一時抹消登録をすることで、その期間は自動車税が免除されるため、長期出張や入院などで車に乗れなくなった方はこちらがおすすめです。また、この一時抹消登録を行っているときに、完全に廃車する場合には、別途で「解体抹消」という手続きが必要になります。
永久抹消登録
永久抹消登録とは、今後もう二度と車に乗ることがない時に、完全に廃車状態とすることを言います。
永久抹消登録をすると、その後は車が解体されるため、二度とその車に乗ることはできません。車が今後、本当に不必要で、今すぐにでも手放したい、引き取ってもらいたいと思っている方はこちらの手続きを行いましょう。
また、廃車手続きを行った場合、その次の年からの自動車税が還付金として返金されます。そのため、廃車手続きは早めに行いましょう。
廃車手続きの手段は2種類ある
こういった廃車の手続きは自分で書類などを用意して行う方法と、業者に依頼することの2つの方法があります。
廃車手続きを自分でやる方法
自分で行う場合は、管轄の陸運局に行き、希望する廃車手続きを行います。その際は、車検証、ナンバープレート、リサイクル券、印鑑証明書など様々な書類を用意しなければならないため、事前に確認しておきましょう。
廃車手続きを業者に依頼する方法
廃車買取業者などの業者に依頼する場合には、面倒な書類手続きを全て代行してくれるため、あまり廃車に詳しくない人は業者に依頼することをおすすめします。
引き取られた車のその後
業者に依頼して、車を引き取ってもらった後はどのように処理されるのでしょうか。冒頭でも説明した通り、廃車買取業者は廃車となった車の部品を中古パーツとして販売することを目的としているため、廃車でも金額を付けて買い取ってくれます。
買い取った後は、自動車リサイクル法に定められたルールに従い部品ごとに解体を行います。
タイヤ、ホイール、バンパー、ガラス、エンジン、バッテリーなどは、検査で合格したものだけ中古パーツとして流通され、
シュレッダーダスト、エアバッグ、フロン類は自動車メーカーに引き渡されます。その他のアルミや鉄、ボディーなどは資源としてリサイクルされます。
また、部品として解体される場合だけでなく、海外に輸出して再販売されるケースもあります。
事故車など走行不能な車はさすがに売り出せませんが、年式が10年以上古かったり、走行距離が10万㎞を越える車でも、海外では普通に売れたりするものです。廃車買取業者では、そういった海外への輸出経路を確保しているので、自分の愛車が海外で活躍する可能性もあります。
このように、廃車となった車は、解体され資源や中古パーツとして再スタートする、もしくは海外に輸出され、中古車として販売されるのです。
廃車業者に依頼した場合にかかる手数料
廃車買取業者に依頼をした場合、中古パーツなどで得られるお金や自動車税の還付金だけでなく、もちろん費用も発生します。
廃車買取業者に依頼した場合は、主に3つの費用がかかります。
運搬・解体費用
廃車する際に必要となる解体は、専門の解体業者に依頼を行うため、解体費用が発生します。業者によっては無料でやってくれるところもありますが、費用相場は大体1万円~2万円程度です。
そして、エンジンなどの故障により自走不可能な車の場合はレッカー車で廃車する車を運ぶ必要があり、運搬費用として5千円~1万円程度が加算されます。この解体費用と運搬費用は依頼する業者によって値段が違ってくるため、できるだけお得な業者を選びましょう。
自動車リサイクル料金
次に発生する費用がリサイクル料金です。これは、自動車を解体した際に発生するゴミの処分費用のことで、車の所有者が負担するよう義務付けられています。金額は所持している車の種類によっても違いますが、相場としては軽自動車は6~8千円、普通自動車が1~1.5万円、外国車が2~2.5万円ほどです。
しかし、平成17年以降に購入した新車であれば、購入時にリサイクル料金を同時に払っており、その証明としてリサイクル券をもらっているはずです。中古車でもリサイクル券が付属していることが多く、このリサイクル券があれば、廃車の際に改めて支払う必要はありません。
事務手数料
永久抹消登録を行う際には様々な書類手続きが必要になります。廃車買取業者では、このような書類手続きを全て代行してくれるのですが、その手数料がかかる場合があります。
業者によっては代行も無料で行ってくれるところもあるので、しっかりと確認してから依頼するようにしましょう。
少しでもお得に車を引き取ってもらう方法
基本的に、廃車する際は、発生する費用よりも部品などのパーツ代の方が高くつくケースが多いです。ただ、少しでも費用を減らし、もらえるお金を大きくしたい!といった場合にはどのような方法があるでしょうか。
よりお得にお金をもらう方法を紹介していきます。
自分でスクラップ工場へ持ち込みする
自走可能な車であれば、自分でスクラップ工場まで持ち運べばお得になることがあります。
買取業者に頼む場合、廃車する際に発生する手数料などの費用が掛かってしまいますが、自分で持ち運ぶことで、そのような手数料(約1~3万円)を省くことができます。つまり、車の中古パーツの代金をそのまま受け取ることができるのです。
しかし、その際は廃車に必要な手続きを自身で行う必要があります。管轄の陸運局で手続きを行えば半日ほどで完了しますが、営業時間が平日の9時~16時であることや、手続きに必要な書類が沢山あるため、ある程度車の情報に詳しい人でないと手間がかかってしまうなどの理由から、自分で手続きを済ますことは容易ではありません。
また、車検が切れていたり、車を動かせない場合には持ち運ぶこともできないので注意が必要です。
廃車業者に任せる
スクラップ業者に直接持ち運ぶのは面倒、車を動かせなくて持ち運べない、自分で書類手続きをするのは面倒、といった方は、廃車買取業者に任せるのがおすすめです。
廃車買取業者であれば、レッカー車を用いて無料で車の引き取りを行ってくれたり、面倒な書類手続きもすべて無料で代行してくれるところもあります。
また、部品としてのお金もしっかりとくれるため、お得になるケースも多いです。
廃車引き取りで損をするパターン
逆に、廃車の手続きをする場合に損をしてしまうケースはどのようなものがあるでしょうか。せっかくお金がもらえるのに、損をしてしまわないように、注意した方が良いパターンを解説いたします。
ディーラーに依頼する
一番気を付けたほうが良いパターンは、ディーラーや中古車販売の業者に依頼してしまうことです。ディーラーや中古車販売店では、買い取った車を中古車として再販することを目的に車の買い取りを行います。年式の新しい車や、走行距離の少ない車、希少価値の高い車などは、中古車としての価値が十分にあり高く売れるため、下取り価格も高くつく場合が多いです。
しかし、年式が10年以上前の車や、走行距離が10万キロを超える車は中古車としての価値があまり付きません。そのため、ディーラーや中古車販売店ではそのような車の買い取りは行いません。無料で引き取ってくれる業者もありますが、レッカー代がかかったりするため、廃車買取業者よりも条件が悪いことが多いです。中古車販売店では価格のつかない車も、廃車買取業者では金額が付くケースも多く見られます。
中古車としての価値を見ているか、中古パーツとしての価値を見ているかで、車の買取価格が全く異なってくるので注意が必要です。
ガソリンスタンドで依頼する
中にはガソリンスタンドでも廃車処理を請け負う業者があります。
しかし、ガソリンスタンドでは主に無料引き取り、もしくは1万円程度での引き取りを行っているため、あまりお得にならないケースが多いです。
そもそもガソリンスタンドが廃車代行を開始した理由は、ガソリンスタンド側が儲かるためです。無料か1万円程度で引き取れば、それ以上の価格で他の取引があるため、廃車を引き受けているのです。さらに、ガソリンスタンドでは、車やパーツの価値について特別詳しいわけではないため、本当は10万以上の価値があるものも、無料で引き受けたりすることもあります。そうなる前に、まずは中古車買取業者などで査定を受けてみることをおすすめします。自分の車に本当に価値がないかを確かめることができます。しかも、査定は基本無料で行ってくれるので、無駄なコストがかかる心配もありません。
また、査定で価格が付かなかった場合でも、ガソリンスタンドより廃車買取業者の方が条件が良いことが多いため、損をしないためにも廃車買取業者に依頼することをおすすめします。
まとめ
今回は、車を廃車処理する際にどこに引き取ってもらえばよいのか、さらに少しでもお得に引き取ってもらうためにはどうすれば良いのかなどを解説しました。車としての価値がないものでも、部品としてみれば十分に価値のあるものとなります。買い取ってもらうことを諦めていた方も、廃車買取業者に依頼すれば金額が付く可能性は十分にあります。是非一度試してみてください。