「愛車を査定に出したいけど、業者からのしつこい営業電話に出たくない」「でも、一括査定以外の方法を知らないから仕方なくお願いするしかない……」という葛藤を抱いている方は非常に多いです。
こちらの都合はお構いなしで1日に何十件も電話をかけてくるので、着信拒否にしてしまったり、売ることを諦める人もいるでしょう。
しかし、査定は悪いことではありません。車の査定をしたことで希望価格で車が売れることもあります。一般的には「査定=電話査定」のイメージがありますが、実は別の査定方法があるのです。
電話査定のメリット・デメリットを理解した上で、しっかりと事前準備をして望めば「もう電話の営業はうんざりだ…」と感じることがなく、愛車が売ることができますよ!
車を査定してもらうための方法とは
「え?車の査定は一括査定サイトだけじゃないの?」と驚くのも無理はありません。テレビCMやインターネット広告では一括査定サイトで売却の相談をすることが当たり前のように宣伝しています。
車を査定してもらう方法としては【自分で業者に対応する】と【ネット利用で一括査定】の2つがあります。
自分で業者に対応する
自分で買取業者とやり取りする方法の中には【持ち込み査定】と【主張査定】の2タイプに分けられます。どちらも自分のタイミングで査定をすることが可能なので、電話査定のようにストレスを抱えることはありません。
しかし、自分で買取業者と交渉をする場合は下記の2点に注意しましょう。
- 交渉場所が買取店の場合は営業マンが強引に買取をしようとする
- 交渉に応じないと帰れないような雰囲気を作り出される
- 出張査定は1社だけだと参考にならない
買取店で査定を依頼する場合は、店舗に向かうことになるので担当者と上司がペアになった状態で接客を受けるのが一般的です。親身になって相談してくれる店舗なら問題ありませんが、買取台数のノルマを抱えている担当者だった場合は半ば強引交渉を進めてくるので、査定額の引き上げが難しくなることが多いです。
また、店舗に出向いていることで、こちらが首を縦に振るまで帰らせないような雰囲気を作ってくることもあり、交渉が苦手な方は「もう帰りたいから、この金額でいいか…」と、妥協する方も少なくありません。
出張査定の場合は自宅で行うので出張査定よりも心に余裕を持った状態で望めます。しかし、出張査定は担当者に人件費がかかったり、その時間に他の仕事をできないので、交渉も積極的に行ってくることがあります。
即決を迫るようなセールストークには注意しましょう。「担当者の愛想が良かったから、この業者にしよう!」という考え方は、結果的に損をする可能性もあります。
ネット利用で一括査定
インターネットを利用した一括査定では、車種や年式、事故歴などの情報を入力するだけで複数の買取店から最も買取価格が高い店舗を知ることができます。
インターネットを利用した一括査定サイトの中で代表的なのは〈カーセンサー〉〈カープライス〉〈楽天オート〉〈カービュー〉などのサイトが挙げられます。1,000社を超える業者と提携していることから、持ち込み査定や出張査定よりも圧倒的に効率が良いことが魅力です。
一括査定サイトに登録してみたらどうなる?
「店舗に行く時間も無いし、一括査定サイトでサクッと見積もりをしてもらおう!」と、考えている方も多いでしょう。場所や時間を問わずサイトにアクセスできるので、自分のタイミングで利用できるのはとても魅力的です。
まず一括査定サイト登録
一括査定サイトはたくさんありますが、どのサイトも共有して言えることは第一ステップとして【個人情報の入力が必須】ということです。具体的には下記のような個人情報を入力することになります。
- 氏名
- 郵便番号
- 住所
- 連絡先
- メールアドレス
個人情報の入力が終わったら、第二ステップとして買取希望をする車種の入力項目に進みます。
- メーカー / 車種
- 年式
- グレード
- 色
- 走行距離
- 車検期間
- 車の状態(目立ったキズ無し / キズや凹みあり / 走らない)
【個人情報】と【買取希望車種情報】の入力が終了したら、査定を依頼する店舗を選択します。実際に買取をしてもらうことを考えると、ご自宅から近いディーラーや業者を複数選択しておきましょう。
登録完了直後
一括査定サイトに登録した直後には登録完了メールが送られてくるとともに、さっそく車買取店から電話がかかってくることがあります。「登録ありがとうございます…」という趣旨の電話なら、受け取った側も嬉しい気持ちになるのですが、大半の電話が【査定予定日のアポの取り付け】です。
1社だけならまだしも、一括査定サイトを登録したときに査定を依頼した全ての店舗から電話がかかってくることもあるのです。「自分のペースでかけ直せばいいんじゃない?」と思っている方も多いですが、こちら側がかけ直さない場合は出るまでかけ続けてくることもあります。
一括査定サイトに登録した直後に電話をかけてくるのは、【車買取一括査定サイトの運営者】ではありません。サイト登録後から電話がかかってくる流れは下記の通りです。
- 車買取一括査定サイトに登録をする
- 車買取一括査定サイトが個人情報を入手する
- 車買取一括査定サイトが近所の車買取店に査定の依頼をする
- 車買取店が依頼者に査定見積もりのアポの電話をかける
つまり、一括査定サイト登録後にかけてくるのは車買取店なのです。
しつこい電話の理由は?
車買取店がしつこく電話をかけてくる理由はただ1つ。車買取店は【自社以外のお店で車を売って欲しくない】と思っているからです。他店を出し抜くために、依頼主と連絡が取れるまでしつこく電話をかけてくるのです。
多くの車買取店はオートコールシステムを導入しています。オートコールシステムとは、自動で複数の電話番号に一斉にかけるシステムで、一括査定サイト登録後に自動で電話をかけることができるのです。
一概には言えませんが、1時間の間に15〜20回以上の電話がかかってきた方もいます。車買取店は他店よりも優位に交渉を進めたいと思っているので、依頼主といち早く話したいのです。
一括査定で査定額は上がる?
また、買取店は一括査定サイトに客を紹介してもらった立場なので、成約されるたび¥1,500〜¥3,000程度の紹介料を支払っています。
実際に交渉を成功させた買取店だけが手数料を支払うのではなく、査定依頼を受けた買取店が情報量として支払うのです。つまり、仲介者がいるので一括査定サイトでの値上げは非常に難しくなっています。
一括査定はだめ?メリット・デメリット(復習)
ここまでは一括査定サイトについてご紹介しましたが、改めてメリットとデメリットを確認しましょう。
- メリット・・・複数の買取店が算出した相場を知れる / 持ち込み査定ほど時間をかけなくて済む。
- デメリット・・・一括査定サイト登録後からしつこい営業電話がかかってくる。
「とりあえず、どのぐらいの相場で売れるんだろう……」という気持ちで一括査定サイトを利用すると、売ることを決断していなくてもしつこい電話がかかってくることを覚悟しましょう。
しつこい電話を避けて満足査定へ
一括査定サイトに登録後にしつこい営業電話をしてくるのは、情報料を支払っているので他社よりも早く行動する必要があるからです。
「しつこい電話は嫌だけど、車を売りたいからやっぱり持ち込み査定を利用するしかないのか…」と諦めるのはまだ早いです。しつこい電話を避けて査定を行う方法として【メール査定サイト】【オークション形式の車一括査定サイト】2種類あります。
メール査定サイトを利用
メール査定サイトを利用すると、査定額をメールで回答してもらうことができます。大手中古車買取店であるカーセンサーでは、電話査定とメール査定を選択できます。
メール査定を利用する場合は、下記の画像のように個人情報を入力するページから【任意項目:売却希望時間など、ご希望がある場合は、こちらをクリック】を選択しましょう。
任意項目を選択すると、【連絡希望時間】が表示されるので、この空欄に「メール査定を希望」と入力すれば完了です。
「メール査定を希望します」と入力をすれば、常識のある買取店はメールの返信をしてくれるでしょう。しかし、この手続きで営業電話をピタッと止めることはできません。なぜかと言うと、査定をするときは実際に車の状態を確認する必要があるので、複数回は電話での受け応えが必要です。
車を売るつもりがあるなら、査定をしてもらう買取店の数を3〜4店舗に設定することで、しつこい電話を減らすことができます。
オークション形式の車一括査定サイトを利用
カープライスなどのサイトからオークション形式で車を売ることも可能です。カープライスは厳密に言うと一括査定サイトではありませんが、提携しているガソリンスタンドなどで査定を行い、その査定情報がサイトに公開されて落札される仕組みなので、基本的な流れは一括査定サイトと変わりません。
オークション形式の車一括査定サイトを利用する際の流れは下記の通りです。
- 連絡先などの個人情報と査定予定の車の情報入力(走行距離や年式、事故歴など)
- カープライスのスタッフから連絡
- 査定を受ける(最低落札価格や希望価格を入力)
- サイトに情報を公開
- あなたの車を欲しいと思った買取業者から連絡がくる
カープライスに登録後は電話連絡が入りますが、これまでのような営業電話ではなく、「どれくらいの価格で売りたいですか?」というヒアリングです。あくまでも依頼主に寄り添った内容で話を進めてくれるので安心してください。
やってはいけない素人作戦と対策は?
「車買取店から査定額を提示されたけど、交渉をして高くしてもらいたい!」と思った方は、オークションサイトの販売価格を参考に買取店舗と交渉することもあると思います。
- オークション価格100万円
- 店舗価格120万円
- 希望価格110万円
上記のような価格設定の場合、買取店舗に対して「A社で査定してもらったら110万円で買取してくれるって言われたけど、あなたの店舗ではどうなの?」と架空のストーリーと金額を買取店舗に伝える方もいますが、実は買取店からは嘘はバレバレです。
なぜかと言うと、オークション価格よりも高い金額で買い取る店舗は無いからです。その人から110万円で買い取るよりもオークションで100万円で仕入れた方が得なのは明白です。
売買の流れを知らない素人は、大手買取店の名前を出しますが、大手ほど市場価格のリサーチはしているので、オークション価格よりも高く仕入れるような凡ミスはしません。
電話対応から査定は始まっている
車一括サイトを利用してもメール一括サイトを利用しても、必ず買取店と電話で受け応えする必要があります。その会話の中から買取店の担当者はあなたの力量を見極めています。買取店は電話対応の中から下記の4点の情報を探ってきます。
- 他の買取店で見積もりをとっているのか?何社から見積もりを受けたのか?
- ディーラーの下取りの見積もりはもらっているのか?
- 希望価格は?
- なぜ、この買取店に問い合わせをしてきたのか?
特に【他の買取店で見積もりをもらっているのか?】【ディーラーの下取り見積もりは受けているのか?】というポイントは買取店は重視します。
ディーラーは車種と年式を基に、あくまでも適正価格で下取りをするので、他の買取店と比べると査定が安くなる傾向があります。「ディーラーの次に査定を依頼してきたのなら、少しだけ上乗せした額を提示しよう……」と、ディーラー基準で見積もりをしてくるのです。
また、他の買取店で査定を受けていないとわかった場合、依頼主の「いろんな店舗で査定するの面倒……」とい思考を逆手に取り、相当低い金額で査定することもあります。
買取店が嫌がる交渉術
買取店との査定交渉で重要なことは、常に自分のペースを握ることです。上記で述べたように、買取店は電話対応の中から様々な情報を入手しようとしてきます。全ての質問に素直に答えていると、自然に買取店のペースに流れていきます。
買取店との査定交渉をする場合、下記の2点を抑えておきましょう。
- 電話だけで査定金額を算出してもらう
- こちらから希望金額は言わない
買取店は電話対応の中で、【ディーラーには行ったのか?何社目の査定なのか?】【他店の査定金額はいくらなのか?】という情報を参考に査定金額を算出します。
つまり、買取店が嫌がる交渉術とは、これらの情報をあえて伝えないことなのです。他店の査定金額を一切伝えずに「この車にいくら出してくれますか?ベストな金額を教えてください」と質問をしてみましょう。
それでも足元を見るように低い金額を提示してきたら、「あ、その金額ならもういいです……」と断りましょう。慌てて金額を跳ね上げてくる可能性もあります。
また、「A社は100万円だったけど」という具体的な金額は買取店の担当者には言わない方が懸命です。中古車の相場については相手の方が専門的な知識を持っているので、査定額を引き上げるために嘘をついていることは直ぐにバレてしまいます。
買取店の方から「そんなに出せないで他を当たってください……」と断られる場合もあります。これではいつになっても車を売ることはできません。
車の査定に向けて最善の作戦を構築しておこう
「愛車を売ろうと思って一括査定サイトに登録したのに、営業電話が鳴り止まなくて嫌気が差した…」という方に向けて、メール査定サイトとオークション形式の査定サイトをご紹介しました。
買取店は、メールや電話対応の中から依頼主の足元を見ながら査定金額を算出します。つまり、少しでも査定金額を引き上げたい方は、買取店側に他店の査定額を伝えずに【あなたのお店ではどれくらい出せますか?】と、質問をしながら自分のペースで話を進めることが大事です。
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