車の乗り換えのタイミングとなるのが車検という人も多いでしょう。車検ではお金がかかることから、乗り続けるか手放すかのターニングポイントとなります。ただ、売るのに適しているのは車検前と車検後のどちらなのでしょうか。
そこで、車検前と車検後の車の売却について説明します。
目次
車検を機に車を売る人は多い
車検が近づくと、次の車検を通すか、買い替えをするのかを考える人は多いでしょう。なぜなら、車検にはまとまったお金がかかるからです。車検を通して乗り続けるのが得か、思い切って買い替えたほうが得なのかを見定める必要があります。
車は、使っていなくても所有しているだけで税金などの維持費が必要です。また、車検を通すためには国によって定められた最低限の安全基準に適合していなくてはなりません。
さらに、車は使っていると部品なども劣化しますので、車検では部品の交換などの必要に迫られます。年数が経過している車の場合には、交換する部品も増えるでしょう。
そうなることで車検にかかる費用が膨らむことが多くみられます。車検のタイミングで新しい車に乗り換えると、将来的な維持費を抑えることが可能です。そういった理由から、車検を機に車の売却を考える人は多いといえるでしょう。
車検にかかる費用は?
実際にどのくらいの費用が車検にかかるのかを考えると、車検を通すべきか、車を売るべきかがわかりやすくなります。
車検にかかる費用は大きく分けると以下の3つです。
- 法定費用
- 点検料
- 整備代
法定費用
車検にかかる法定費用というのは、車検の際に法律上必要となる費用です。法定費用には次の3つがあります。
- 自動車損害賠償責任保険の保険料
- 自動車重量税
- 印紙代
法定費用は法律で決められていることから、どこで車検を受けても同じ金額です。
自賠責保険
自賠責保険は車を所有する人に加入が義務付けられている保険です。車検の際に2年分をまとめて支払う必要があり、普通自動車の場合には24カ月で25,830円です。軽自動車の場合にも24カ月で25,070円とそれほどの差がありません。
自動車重量税
自動車重量税も自賠責保険と同様に、車検から次の車検までの2年分をまとめて納めます。自動車の区分や重さ、経過年数などによって決まる税金であり、車両の重量が0.5t(500kg)重くなることに課税されるのが特徴です。
ただし、エコカーであれば減税が適用されることもあります。エコカーではない車で、1,000kg以上1,500kg以下であり、製造から13年未満の普通車の場合には2年で24,600円が必要です。
印紙代
車検の際に発生する登録・検査手数料が印紙代です。指定された整備工場で車検を行う場合と、ユーザー車検の場合には金額が異なり、指定工場で受けると印紙代が安くなります。
<指定工場>
一律1,100円
<認定工場>
5ナンバー車:1,700円
3ナンバー車:1,800円
軽自動車:1,400円
点検料
点検料には車検を受けるために必要となる<検査費用>と、車の所有者に代わり車検を引き受けてもらうための<代行手数料>があります。
代行手数料は、整備工場に車を持ち込めば支払う必要がないと考える人もいますが、整備工場でも代行手数料が必要です。代行手数料はユーザー整備をした場合のみ、不要となります。
整備代
整備代は、部品の交換や調整が必要になった際に発生します。車検時には、故障による修理だけでなく、消耗品の交換が必要なこともあるでしょう。オイルやブレーキパッドの交換をすることも多く、その分が整備代として上乗せされます。
年式の古い車の場合には、経年劣化により修理する箇所や交換する部品も増えるでしょう。整備代が膨らみ、車検代が高くなることが多くみられます。
車検前の売却でプラス査定が期待できる車もある
車検にはたくさんの費用がかかるため、車検の費用がもったいないと感じる人も多いでしょう。しかし、車によっては車検残月が多いことでプラス査定になることもあります。
プラス査定に車検残月が加味される車は大型RV車や、高級セダンです。具体的な車種では、トヨタの大型RV車であるランドクルーザーが挙げられます。
なぜなら、ランドクルーザーの場合には車検時の自動車重量税が41,000円もかかるのです。もし、車検の斬月があまり残っていないランドクルーザーを中古車として購入する場合には、すぐに41,000円の自動車重量税を支払うことになりますよね。
また、ランドクルーザーが古い場合には重量税が高くなり、13年落ちで57,000円、18年を超えると63,000円にもなるのです。
そういった理由から、車検の多く残っている大型RV車や高級セダンは早い段階で売れていきます。売れる車には買取業者も高値を付けてきますので、大型RV車や高級セダンは車検を通した方が高値がつく安いといえるでしょう。
車検前に売るメリット
車検前に車を売るメリットには、車検の費用がかからないことが挙げられます。車検の費用の相場は軽自動車で70,000円前後、1,000ccクラスで約100,000円です。
大型RVや高級セダンの場合には車検残月が多いことで高値がつきやすくなります。しかし、そのほかの車の場合にはプラス査定になったとしても、よくて車検代のもとを取れる程度です。
残念なケースでは、車検の分の費用が回収できないこともあるでしょう。そのため、車検前に売るとトータルで高く売れたというケースも多くみられます。
さらに、車検を通すのには時間もかかりますので、車検前に車を売ると時間の短縮にもなるでしょう。
車検前に売るデメリット
車検前に売るデメリットには、売るタイミングを逃してしまいがちというのがあります。車検直前に買取を希望しても、満足のいく買取店が見つからないこともあるでしょう。
買取店を探しているうちに車検が切れてしまい、車の価値が下がってしまうことも考えられます。そのため、車検前の買取はできるだけ早めにするのがおすすめです。
車検に出した後の方が高く売れる?
車検を通した車というのは、きちんと整備されていますので安全に乗れる車という保証がつけられています。ブレーキパッドやオイル交換などもされていることが多く、そのまま乗れる車として評価されるでしょう。
中古車市場でも、車検の残月が多い車であるほうが需要が高くなります。そういった意味で、車検を通した後であれば高値がつきやすくなるでしょう。
ただし、車検の残月が付加価値として評価されるかどうかは買取業者によっても異なります。車検を通した車であっても、中古車市場で人気のない車であればなかなか売れないでしょう。
車検の残りがなくなるまで売れ残り、結果的に車検が切れてしまうことも考えられます。そのような車の高価買取は難しいでしょう。
このように、車検を受けたから高く買取ってもらえかは、車によるといえるのです。
車検後に売るメリット
車を売る際に高評価を得ることだけを目的としているのであれば、2年間の車検残月がある車検直後に売るのがいいでしょう。
車検後に売るときちんと整備されている車として高評価が得られます。しかし、車 買取では、高く売ることを目標としている人が多いですよね。実際、車検にかかった金額を査定額が上回ることはめずらしいのです。
車検後に売るデメリット
車検後に車を売ると、車検に費用かかりすぎるのがデメリットです。ただし、車検残月がたくさんあることでプラス評価になることもあるでしょう。
しかし、買取業者は車の整備工場などともつながりがあるところが多く、車検代を安く済ますことが可能な場合がみられます。
もちろん、法定費用などはかかりますが、一般的な車検に比べると、点検費や整備費など抑えられるのです。そのため、車検残月が多いことがプラスにならない場合もありますので気をつけましょう。
車検切れの車は売却できるのか?
車を所有していても、何らかの事情で車検の有効期限が切れてしまうことがあるでしょう。車検が切れてしまった車は売れるのか気になりますよね。
車検というのは、公道を走るために必要となる車の検査です。よって、車検が切れた車は公道を走ることはできません。
もし、車検が切れた車で行動を走った場合には、罰金または6カ月以下の懲役が科せられますので気をつけましょう。ただし、車検が切れていても公道を走らないのであれば問題ありません。
いいかえれば、車検の有効期限が切れた車を所有していても法律違反にはならないのです。車検の有効期限が切れていても、再び車検を受ければ公道を走れます。
買取業者も車検を受けることを前提に車を買取ってくれるのです。そういった理由から、車検が切れた車であっても売却はできます。
車検切れの車の売却方法は?
車検切れの車は公道が走れません。そのため、買取業者のもとに持ち込むにはレッカー車を利用する必要があります。
ただ、レッカー車を使って買取に出すと、費用が掛かりすぎる点が問題です。しかし、仮ナンバーを発行してもらうと、公道でも走れるようになります。
また、買取業者には出張査定を行っていることろもありますので、探してみるのがいいでしょう。出張査定であれば、車を保管している場所で査定が受けられます。
ここからは、車検切れの車を売却する2つの方法について詳しく解説します。
仮ナンバーを発行する
車検切れで公道が走れない車であっても、仮ナンバーを取得すると公道を走れるようになります。仮ナンバーというのは、ナンバープレートに赤の斜線が引かれているものです。
ナンバープレートの都道府県の部分が市区町村名になっているのも仮ナンバーの特徴でしょう。仮ナンバーには有効期限があり、発行されてから3~5日程度しか使用できません。
あくまでも、仮で発行されていますので、その期間に買取に持ち込むようにしましょう。仮ナンバーは市区町村役場での手続きで、簡単に取得できます。
仮ナンバーの申請に用意すべきもの
仮ナンバーを申請する際には、以下のものが必要です。
- 運転免許証
- 車検証
- 自賠責保険証(仮ナンバー取得の時点で、有効期限が1カ月以上あること)
- 認印
- 手数料
- 自動車臨時運行申請書(役所で発行)
仮ナンバーの申請で必要となる自賠責保険証は、仮ナンバー取得の時点で1カ月以上の有効期限が必要です。自賠責保険証の期限が切れている場合には、再度自賠責保険に加入しておかなければなりません。
手数料は自治体によって異なりますが、750円程度であると考えましょう。さらに、自動車臨時運行申請書というのは、役所で発行されます。
仮ナンバー申請の手続き方法
仮ナンバーは、必要となるものを市区町村役場へ持参し、自動車臨時運行申請書に記入して提出するだけで、すぐに交付されます。
ただし、使用する数日前の申請はできません。車を移動させる当日や前日に申請する必要がありますので注意しましょう。
さらに、車を移動させた後には、仮ナンバーの返却も求められます。返却は有効期間満了後の5日以内であり、申請を行った窓口でしか返却できません。
出張買取
出張買取は、買取店が直接車の保管場所に出向いて買取をしてくれる方法です。買取店の多くはレッカー車を所有していることもあり、レッカー代がかかることもありません。
また、買取店のスタッフが公道を走ることになっても、買取店で仮ナンバー申請の手続きなども代行してくれますので、全てを任せられるといえるでしょう。
査定の日程を決めると、面倒な作業を代行してもらえることから非常に便利なサービスです。これらの出張買取にかかる手数料を無料で行っている買取店もあります。
買取にかかる手間と費用が抑えられ、非常に現実的な買取方法です。
車検の残り期間はプラス査定になる?
車検の残り期間がまるまる2年残っている場合には、もちろんプラス査定になります。なぜなら、車検の残り期間が長ければ長いほど、車としての需要が高くなるからです。
ただ、車検の残り期間がそのまま買取価格に上乗せされことはありません。あくまでも、プラス査定になるだけです。そのため、車検にかかった金額は買取額では回収できないと考えましょう。
ただし、次の車検にかかる必要を負担しないためにも、車検は売却時期の目安となります。
まとめ
いかがでしたか?車検にはまとまったお金が必要です。車検に必要となる費用の大部分を占めるのが法定費用であり、法定費用の中には年式が古くなるごとに金額が高くなるものもあります。
そのため、維持し続けるのか、乗り換えるのかをしっかりと考えて、車検を通すかを決めましょう。また、車検後に売却する方が高値で売れると考える人もいますが、車検前の売却のほうが得をするケースが多くみられます。
ただし、買取店が決まらないことには車検が切れてしまうこともありますので、前もって買取店を探しておくのがいいでしょう。
車の売却はタイミングが非常に重要です。車検を機に、どのタイミングで車を売るのがをきちんと考えておきましょう。