本当は新車で購入したいけど予算的に厳しい場合、妥協して中古車で購入しようと考えるのが普通ですが、じつはもう一つ方法があります。それは「カーリース」を利用するという方法です。
では、中古車で購入するのとカーリースを利用するのはどちらが良いのでしょうか?それぞれの特徴を個別に比較しながら、どちらが得なのか、どちらが安全なのかを調査してみました。
目次
中古車購入とカーリースを比較
中古車購入とカーリースを「車種の選択」「購入費用」「維持費」「使い勝手」の4項目で具体的に比較して、どちらが良いのか見ていこうと思います。
中古車購入とカーリース比較その1:車種の選択
理想である新車で購入する場合、車種の選択は自由にできます。国産メーカーはもちろん、海外メーカーでも購入することが可能です。また、メーカーオプションやディーラーオプションなども自由に選択して装着することができます。
妥協して中古車で購入する場合、車種の選択はいろいろと制限が出てきます。中古車は中古車市場に出回っているクルマからしか選択できないため、自分が理想としているクルマを見つけられるかどうかは運次第となります。また地元の中古車販売店で理想のクルマが見つかれば良いのですが、遠隔地で見つけた場合は陸送費など余計に費用が掛かってしまいます。
カーリースを利用する場合、車種の選択は新車で購入する場合と同様で自由にできます。国内の大手カーリース会社の多くは国産メーカーすべてを網羅し、メーカーオプションやディーラーオプションの装着も可能です。また最近では各自動車メーカーがカーリースを取り扱っており国産メーカーはもちろん、海外メーカーでもボルボやBMWをはじめポルシェやランボルギーニといった超高級スポーツカーもカーリースで乗ることが可能となっています。
中古車購入とカーリース比較その2:購入費用
理想である新車で購入する場合、購入費用は高くなります。車両価格が高いだけでなく、自動車保険の車両保険は価値が高い新車になると保険料が高くなります。また自賠責保険料や自動車重量税なども次回車検までの3年分が必要になります。
妥協して中古車で購入する場合、新車の購入に比べれば確実に安く済みます。中古車は新車よりも確実にコンディションが低下しているので、車両価格は新車に比べて安くなります。中古車のコンディションによってはかなり安く購入することも可能になります。さらに車検が残っていれば、購入時に自賠責保険料や自動車重量税などの費用も不要です。
カーリースを利用する場合、新車に乗れるうえ新車の購入価格よりも安い料金で利用することができます。カーリースは購入ではなくカーリース会社からクルマを借りるという形態になりますので、購入費用とは言わず利用料金となります。この利用料金は新車の車両価格から返却する時の残存価格(残価)を差し引いて算出されるため、新車の車両価格よりも安い利用料金になるのです。
残価はリースする年数によって変動します。リース期間が短いほど残価は高くなるので利用料金は安くなります。そのため選択するリース期間によっては、中古車の購入費用よりも安く済むこともあります。
中古車購入とカーリース比較その3:維持費
理想である新車で購入する場合、毎年納める自動車税をはじめ定期的な点検に消耗パーツを交換するようなメンテナンスや車検などの「維持費」は、その都度費用を捻出する必要があります。そのため、購入後はある程度まとまった資金を蓄えておかなければなりません。
妥協して中古車で購入する場合、こちらも新車と同じく維持費は都度必要となるため、まとまった資金を蓄えておく必要があります。また中古車のため、新車に比べて最初の車検は1年早く来るため早めに資金を用意しなければなりません。さらに中古車は、新車よりもコンディションが低下しているため、場合によっては消耗パーツの交換頻度が高くなる可能性があり、さらに費用がかさむこともあります。
カーリースを利用する場合、毎月の利用料金に自動車税から定期的な点検やメンテナンスに車検といった費用はすべて含まれています。そのため、都度まとまったお金を用意する必要がありません。急な出費に悩まされる心配もなくなります。
中古車購入とカーリース比較その4:使い勝手
理想である新車で購入する場合、クルマの所有者は自分になるので購入後は自由にすることができます。ドレスアップパーツを装着したり、エンジンや足回りをチューニングしたり、好きなように好きなだけ走らせることが可能です。また乗り換えたいと思ったら、いつでも売却することもできます。
妥協して中古車で購入する場合、新車と同じくクルマの所有者は自分になりますので購入後はクルマを自由に扱えます。そしていつでも売却することも可能です。
カーリースを利用する場合、使用者は自分になりますが所有者はカーリース会社になります。そのため利用するクルマの使用には制限がいくつか設けられます。
一つ目は「走行距離」です。1か月1,500km以内や1年間で10,000km以内といった具体的な走行距離の制限がかけられます。理由はクルマの残価を守るためで、返却される時点での走行距離があらかじめ設定がされているのです。走行距離は多くなるほどクルマの価値を下げるので、オーバーさせるわけにはいかないのです。決められた走行距離をオーバーした場合、追加料金が発生することもあります。走行距離制限はカーリース会社ごとに違いますので注意しましょう。
二つ目は「カスタマイズ」や「ドレスアップ」です。修復不可能なカスタマイズやドレスアップは禁止されています。こちらも理由は残価を守るためで、修復できないようなカスタマイズやドレスアップをされてしまうと、買い手がつかなくなりクルマの価値は一気に下がります。クルマはノーマルな状態が一番売りやすく価値が高いのです。ただ、カーリースはノーマル状態でしか乗れない訳ではなく、ホイール交換などの修復可能なカスタマイズやドレスアップは許されていますのでご安心ください。
三つ目は「契約期間」です。カーリースは一度契約した期間は基本的に途中解約することができません。できたとしても違約金を払うことになり出費がかさみます。カーリース会社によっては、契約途中にクルマを乗り換えても違約金が発生しないところも出てきています。
中古車購入とカーリースはどちらが得で安全か
新車購入を理想として、中古車購入の場合とカーリースの場合を比較してみましたが、結局のところ、どちらが得で安全なのでしょうか。比較内容から答えを導きたいと思います。
どちらがお得か
新車に乗るという金銭的なお得で言えば、カーリースになるでしょう。中古車購入はリースと比較して金銭的に安いとしても、新車に乗るという希望が叶えられていません。
新車・中古車関係なく、単純に中古車購入とリースを金銭的なお得で比較した場合、これは購入する車種や中古車のコンディションや条件によって変わってくるため、一概にどちらが得かは言い難いところがあります。
もし中古車を現金一括で購入するならば、中古車購入の方にかなり分が出てきます。カーリースは必ず月々の定額払いであり、そこには金利が上乗せされています。要はローンで購入しているような形になるのです。この金利分の金額により、現金一括の中古車購入の方が得になる可能性があります。
クルマの走行距離での金銭的なお得で言えば、毎月の走行距離が多い人なら中古車、少ない人ならカーリースとなるでしょう。中古車は毎月多く走行しても購入金額に影響はありません。一方カーリースは、決められた走行距離以上に走ると追加料金が発生することがあるからです。しかし中古車によっては、多く走行することで故障が頻発し、修理費が余計にかかる可能性はあります。
どちらが安全か
中古車購入とカーリースでの安全性は、カーリースに分があると言えるでしょう。
まずクルマの保証期間です。今は中古車でも保証はついていますが、新車に比べて短い場合がほとんどです。また中古車は新車よりもコンディションが低下しているため、故障するリスクが高くなります。一方カーリースの保証は、新車同様のメーカー保証がつくだけでなく、さらにカーリース会社独自の保証に入れば保証を延長することが可能です。またカーリースのクルマは新車なので、中古車よりも故障のリスクが少なく安全と言えるでしょう。
次に定期的な点検やメンテナンスです。中古車購入の場合、購入後の点検やメンテナンスは自分自身で管理して行わなければなりません。またその都度費用がかかるため、出費を惜しむためについつい点検やメンテナンスを怠ることも出てきます。一方カーリースは、定期的な点検やメンテナンスの費用が毎月の料金に含まれているため、逆に点検やメンテナンスをしっかりしないと損をするので、必ず行うことになり、結果安全にクルマを走らせることにつながります。
さらに費用面でもカーリースの方が安全です。中古車購入の場合は、点検やメンテナンスのたびに出費がかさみ、まとまったお金が無くなることで生活が苦しくなることも考えられます。しかしカーリースは、毎月の利用料金が一定額なので支出が安定し、経済面で生活を圧迫することはないでしょう。
まとめ
中古車購入とカーリースですが、それぞれに特徴がありメリット・デメリットがあることがわかりました。今回それぞれを比較してみたところ、新車に乗りたいと思う人の場合では、カーリースの方がお得で安全だという結果が出ました。ただしカーリースは、あくまでも「クルマを定額で借りている」状態なので、契約が終了すれば返却することになります。
そのため、クルマは自分の所有にしたい、好きなだけ走りたい、好きなだけカスタマイズやドレスアップがしたいという人にとっては、新車をあきらめて中古車購入をおすすめしますが、クルマはいつもノーマルで乗り、毎月の走行距離も少なく、数年単位で新車に乗り継ぐような人であれば、カーリースはかなりお得で安全でメリットがある利用方法になるでしょう。