ポルシェのフラッグシップモデルとして君臨し、世界的な名車として名を馳せる911。スポーツカー好きなら誰もが憧れるといわれる911は、ポルシェのなかでも高価格帯のモデルです。
中古車としての人気もあり、高価買取も期待できるといえるでしょう。今回は、そんなポルシェ911の魅力を紹介し、買取相場についても解説します。
目次
ポルシェの最高峰モデルである911
ポルシェにはカイエン、ケイマンなど様々なモデルがありますが、911はポルシェのフラッグシップモデルとして長く愛され続けている名車です。
現行モデルは7代目ですが、流行に流されることなく、個性的なデザインや珍しいリアエンジン・リア駆動のモデルを用意しているなど、独自の路線を貫いています。911はフラッグシップモデルにふさわしく、ポルシェの中でも最も高い価格帯の車種。
しかし、ポルシェ最高峰のモデルである911に憧れる人は多く、根強い人気を誇ります。
一目で911と分かるデザインが魅力
911独特のデザインにはファンも多く、1964年の発売以来、そのシルエットはほとんど変わっていません。人々が描くポルシェのイメージといえば911であることが多く、他社にはない唯一無二のデザインは911ならではの魅力のひとつです。
見る人の目を引く丸型のへッドライトや特徴的なボディラインは非常に印象的です。自動車としてのクオリティの高さはもちろん、デザインの美しさも長年愛される理由と言えるでしょう。
911の中古車最新相場は?
中古車情報サイトのカーセンサーによると、2011年から現在までの911の生産モデルの平均価格は1,268.1万円です。そのほかの買取相場は次のようになっています。
- <911 カレラGTS>
年式:平成30年(2018年) 走行距離:1万km カラー:ホワイト系
新車価格: 1750万円 買取価格:1532.1万円 残価率:約87%
年式が新しく、走行距離も短いカレラGTSは納得の価格がつけられています。ただし、ポルシェの中でも代表的なモデルである911は、高級スポーツカーという特殊な位置付けの車です。911に乗る=ステータスになるため、多少年式が古くなっても値下がりしにくいのが特徴です。
- <911 ターボS>
年式:平成26年(2014年) 走行距離:3万km カラー:ブラック系
新車価格: 2539.0万円 買取価格:1236.9万円 残価率:約48%
また、一般的な車は走行距離が1年につき1万キロを目安にする傾向がありますが、911に関しては走行距離はそれほど値段に影響しないという珍しい特徴があります。
そのため、年式の古さや走行距離より、パワフルな走行に影響がない状態で、しっかりメンテナンスされているかが査定に影響します。911の中古車買取を考えているなら、普通の乗用車以上に日頃のメンテナンスが重要です。
さらに、911は1964年の発売からほぼ見た目が変化することなく、常にポルシェの最高峰モデルであり続けてきました。
通常、モデルチェンジ後は旧モデルの価値が大幅に下がりますが、911に関しては、モデルチェンジしても旧モデルの価格はそれほど下がりません。
モデル・グレードによっては新車価格を上回ることも
熱心なファンが多い911は、モデルやグレードによって新車価格を上回る価格で中古車市場で取引されていることもあります。
レース向けモデルのGT3、GT3RSは生産台数も少なく、今後ターボ化やハイブリッド化が予想されているため、現在市場に出回っているモデルの相場は高騰しています。
中には新車価格の1.5倍から2倍近い価格で取引されているケースも珍しくなく、新車価格を下回るのが当たり前の中古車業界の中で、911は異例ともいえる車種でしょう。
今後も、珍しいモデルや高いグレードのものは高額買取傾向が続くことが予想されます。911を手頃な価格で手に入れたい場合は、グレードの低いものや年式が古いモデルを狙うのがおすすめです。
また、ポルシェの中でもカレラやカレラSは比較的中古車市場にも多く出回っており、状態が良く年式の古いものはお買い得です。
911は残価率が安定して高い
911のラインナップは非常に多く、ベースモデルのカレラ、電動ルーフ搭載のタルガ、ハイパワーモデルのターボという3つのモデルがあり、その中でさらに細かいグレードがあります。
人気グレードは値下がりしにくく、特に新しい年式のものは市場にほとんど出回りません。3年落ちでも70%から80%程度の残価率を維持しており、ポルシェ人気の高さがわかります。
911はモデルとグレードのバリエーションが多いため、それぞれの台数が少ないのも残価率を高止まりさせる理由となっています。
特に人気の高いカレラシリーズや、スーパーカーの最高峰ともいえるターボシリーズは値下がりしにくく、10年落ちの残価率が50%程度というものも珍しくありません。
911のグレードはバリエーション豊富
ベースモデルとなるカレラシリーズ
カレラは911シリーズの中で最もベーシックな370馬力のモデルです。カレラSは排気システムを改良し、ターボチャージャーを搭載して420馬力にパワーアップしています。
カレラGTSはカレラシリーズの中では最もパワフルな450馬力で、カレラSを超える大型ターボチャージャーを搭載しています。
カレラ4クーペは4WDモデルで、より力強い走りを求める方向けのモデルとなっています。カレラとカレラ4クーペにはカブリオレというモデルがあり、こちらはオープンカーモデルです。
電動ルーフ搭載のタルガシリーズ
カレラをベースにしたモデルのタルガシリーズは、タルガルーフと呼ばれる電動ルーフを搭載したモデルです。
走りを重視する場合、ルーフは剛性を弱めてしまうというデメリットはありますが、ルーフがある開放感はタルガモデルでしか味わえません。
パワフルな走りを実現するターボシリーズ
現行の911のグレードの中でも最もパワフルなのがターボシリーズです。911ターボは540馬力、ターボSは580馬力です。ポルシェのスーパーカーらしさを最も感じられるグレードでしょう。
このほか、レース向けモデルのGT3やGT3 RSといったグレードもありますが、生産台数が限られている希少なモデルとなっています。
ベーシックモデルのカレラでも新車価格は1,200万円以上しますが、豊富なバリエーションの中から自分の求める走りに合わせて選ぶことができるのも911の人気の一因でしょう。
911の高価買取ポイントとは
もともと人気車種である911ですが、高価買取が期待できるポイントがあります。特に買取価格に影響するのが、カラーとオプションです。
911の人気カラー
911には年式によって違いがありますが、現行モデルまでに17色のカラーバリエーションが用意されています。
ベーシックカラー、メタリックカラー、スペシャルカラーと3つの区分があり、メタリックカラーとスペシャルカラーはオプションとなります。
日本ではブラックとホワイトが人気色と言われていますが、911も例外ではなく、ブラックとホワイトの人気は圧倒的です。
911のブラックとホワイトはベーシックカラーとメタリックカラーがありますが、ベーシックカラーはシンプルな反面汚れが目立ちやすいというデメリットがあります。
そのため、高価買取を狙うなら、メタリックカラーのブラックやホワイトがおすすめです。オプション価格は約21万円ですが、その分、買取価格のプラス査定が期待できます。
911はカラーバリエーションが多い分、人気色とそうでない色では買取価格に大きな差が付く場合があります。高価な車なので自分が一番好きなカラーを選ぶのが一番ですが、将来的に911を買取に出す可能性があるなら、人気色を選んでおくのが無難でしょう。
人気のオプション
911はオプションが非常に多いのが特徴です。それぞれのオプションの価格も、国産車に比べるとやはり高く、オプションの数がそのまま中古車価格にも反映されます。
外装オプションでは、メタリックカラーやスペシャルカラーといったエクステリアカラーのオプションが人気です。
また、多くの車種で人気が高い外装オプションといえばサンルーフですが、911もサンルーフは人気です。ただし、走りを重視するユーザーにとっては剛性の面で敬遠されることもあり、サンルーフを付けるならグレードやモデルとのバランスを考えて選ぶのがいいでしょう。
スポーツクロノパッケージは、走りを追求するユーザーから評価の高いオプション。その他にも、ホイールやインテリアカスタムなどのオプションもプラス査定が期待できます。
10年落ちの911は狙い目?
911はポルシェの中で最も高価な価格帯の車種で、ベーシックモデルのカレラでも新車価格は1,200万円を超えます。
残価率が高いため、3年落ち、5年落ち程度ではまだまだ60%以上の中古車価格であることが多く、値段の安い911を狙うなら、さらに年式が古いものを選ぶしかありません。
ただ、911は高額な上、扱いが難しい車ということもあり、非常に大切に乗られている車がほとんどです。そのため、年式が古く、10年落ちであってもかなり状態の良い車が多いという特徴があります。
- 2009年式(平成21年)
ポルシェ 911カレラS PDK スポーツプラス装備・HDDナビ・ETC (ホワイト)
走行距離 3.2万km 新車販売価格 1526万円 中古車価格 675.0万円 残価率 約44% - 2009年式(平成21年)
ポルシェ 911カレラ PDK 右H スポクロ PASM ベージュ革 ナビTV (バサルトブラック)
走行距離 5.0万km 新車販売価格 1279万円 中古車価格 539.9万円 残価率 約42%
10年落ちの911なら、新車の半額以下の中古車価格で購入できることも多く、非常に狙い目です。年式に比べて走行距離が少ない傾向も高いので、一般的な乗用車の感覚で10年落ちの車を敬遠してしまうと、お得な車を見逃してしまいます。
中古車買取の際にネックになりがちな10年落ちという区切りも、911ならそれほど気にする必要はないでしょう。
まとめ
ポルシェ911は、唯一無二の存在ともいえるスーパーカーです。多くの人が憧れる車種でもあり、中古車価格も普通の乗用車の相場推移とは大きく異なります。
新車価格が高く、市場に出回っている数も少ないため値崩れしにくく、リセールバリューは非常に高いです。
ただし、2019年1月には8年ぶりのフルモデルチェンジが発表され、新型が登場しています。新旧モデルや年式にかかわらず値が下がりにくいのがポルシェ911の魅力ですが、中古車市場に在庫が増えすぎると価格が下がることもあるでしょう。
また、いつか911に乗ってみたいという方で、お得な911の中古車を探すなら、年式の古いものを探してみてください。