新しい車に買い替えるときに困るのが、持っている車をどうするかという点です。
「下取りと買取の違いがいまいちわからない」
「下取りと買取ではどちらが高値で査定してもらえるのか」
など、悩む人が多いのではないでしょうか?今回はそんなあなたに下取りと買取の違いやどちらが買い取ってもらえるのかという点について説明いたします。
目次
車の下取りと買取の違いは
実は車の下取りと買取は意味が全く違います。車の下取りは、新しく車を購入するお店で今まで乗っていた車を買い取ってもらう方法です。一方、買取は買取専門店や車の販売店に新しい車の購入とは別に車を売却する事です。したがって、車の下取りよりも買取の方が複数店舗でのやりとりが必要なので時間も掛かります。買取を依頼する場合は以下のように様々な店舗で買取をしてもらうことができます。
車を売ることのできる場所
1.新車ディーラー
2.大手買取専門店
3.中古車買取専門店
4.ガソリンスタンド
5.車の整備工場
6.中古車の輸出業者など
ちなみに、新車ディーラーはトヨタ・ホンダ・マツダ・ベンツなどブランド毎に分かれています。つまりディーラーは各メーカーと専属契約を結んでいるケースが圧倒的に多いです。
大手買取専門店はガリバー、ビックモーターなどが有名です。ガソリンスタンドについては、ENEOS・出光・コスモ石油などは独自に車の買取を行なっています。
車の下取りと買取のメリット・デメリットとは?
ここからは車の下取りと買取に出した場合のそれぞれのメリットやデメリットについて説明します。なお必ずしも中古車を売却する方が全員どちらか一方を選ばないと損になるわけではありません。売却する車によってどちらの方法が良いかは変わってくるからです。その理由については後ほど説明いたします。下取りの一番のメリットは手間が掛からない
下取りの一番のメリットは新しく車を購入する店舗でそのまま下取りをしてもらうので、手間が掛からない事です。必要な書類を事前に用意しておけば、面倒な事務手続きは担当者がやってくれるので、とても楽です。また納車までは古い車に乗る事ができるので、代車の心配が必要ありません。
下取りのメリットは手間が掛からない事以外にもあります。
購入車の値引きはできないが下取りでいくらか補填してくれる
ディーラーなどで新車を購入する際は、その車の値下げには応じてくれません。しかし、下取りをすると交渉次第で車の値下げができない代わりに下取りの金額を増額してくれます。交渉の際に他社の査定金額などを出せば下取り額の増額につながり、結果的に新車の購入代金が安くなります。
古い年式の車でも値段がつきやすい
低年式の車や走行距離が多い車は査定額がつきにくく引き取りをしてくれない事もあります。しかし、下取りの場合はこのような車でも査定がつきやすいです。さらに買取店では査定がつきにくい、事故車や修復歴のある車についても引き取りをしてくれるディーラーが多いです。
ただし、引き取りをしてくれるからといって、必ずしも車に値段がつくわけではありません。
下取りのデメリットは買取店よりも査定額が安くなりやすい
次に下取りを選ぶデメリットについて説明いたします。下取りのデメリットは買取店で買取をするよりも査定額が安くなりやすい事です。車種やその車の状態によって違いますが、一般的には買取店の査定額よりも10%〜30%も価格が低いです。
下取りを選んだ場合、以下のようなデメリットもあります。
誰が査定を出してもいっしょの金額になる
下取りの場合、イエローブックなど各販売会社が用意する下取り基本価格表を基に査定金額が決まります。つまり車の下取り金額はほとんど決まっているため、誰が担当者でも金額に大きな差は出ないのです。
さらに社外オプションや人気のある改造パーツ(エアロ・ウィングなど)が搭載されている車でも査定額が上がる事がありません。なお、純正オプションについてはきちんと査定されます。
なぜ下取りは買取よりも査定金額が安くなりやすいのか?
下取りは買取に比べて査定が安くなりやすい事を説明しました。ではなぜ下取りは査定が安くなりやすいのでしょうか?その理由は、下取りをする自動車ディーラーが新車の販売を目的としているからです。つまりディーラーは中古車販売には重きを置いていないのです。
また査定を行う担当者が中古車の事について詳しく知らない人も多いです。前述したようにマニュアルを基に、計算をしているだけなので、中古車を下取りする人が評価してほしい箇所まで評価しません。
買取のメリットは下取りよりも高額査定になりやすいこと
買取を選ぶ最大のメリットは、下取りよりも高値が付くケースが多いことです。
例えば2015年にズバット・車買取比較を運営しているウェブクルーリサーチが4405人を対象に行なった調査では、下取りよりも買取の査定金額の方が高かった人が7割を超えました。
さらに買取の方が平均で16万円以上高く査定されたというデータが明らかになりました。また6.4%の人は下取りよりも買取の方が50万円以上高く査定されたそうです。
(引用元:https://www.zba.jp/car-kaitori/cont/column-20140527/)
ところでなぜ買取の方が下取りよりも高い査定金額になりやすいのでしょうか?それには理由があります。実は車を買取する買取業者では、買取をした車の販売も行なっている店舗が多いのです。加えて、近年中古車の需要が高まっているためどの買取業者も在庫車の確保に苦しんでいます。
そのため多少高値でも確実に中古車の買取をしたいのです。買取対象が人気のある車なら買取業者同士の競争になるぐらいです。買取のメリットは他にも2つあります。
改造車や人気のオプションも評価される
買取専門店にもよりますが、パーツをつけた改造車や人気のあるメーカーのオプションなども査定の対象です。下取りをするディーラーと違うのは、純正品だけでなく、社外パーツも査定できちんと評価をしてくれる点です。
そのため査定金額が高くなるケースが多いです。ただし、買取業者によって得意・不得意の車種があります。なぜなら買取業者によって買取した車を販売する顧客が違うからです。
特に改造車の場合は大手の買取専門店よりも、改造車を専門に扱っている買取専門店で買取をした方が正しく評価をしてもらえます。なぜなら、改造車を専門に扱っている買取業者には改造に詳しい方がいたり、独自の販売ルートを持っているからです。
ネットの一括査定で高い金額で買取をしてくれる業者を探せる
買取の場合、持ち込み査定とネットでの一括査定をする方法があります。おすすめはネットでの一括査定です。複数の業者にまとめて見積もりを依頼でき、その中で一番良さそうな買取業者に出張査定を申し込めば良いからです。
ネットから見積もりを依頼できるので、わざわざ各買取業者に出向く必要もありません。また他の買取業者の査定金額を知る事で交渉が有利になり、査定金額を高くすることもできます。
買取のデメリットは手間が掛かる事
買取にはデメリットがないかといえばそうではありません。買取の一番のデメリットは、時間が掛かる事です。一括査定は楽ですが、複数の業者の中から売却先を決めるため、多くの時間が掛かります。またさらに高額の査定を得るためには交渉などもしないといけません。
さらに、買取先が決まってもやらなければならない事が多くあります。事務手続きなどを自分でやる必要があり、代車の相談には応じてくれません。したがって、代車がなければ、新車を購入するまで車がない状態で過ごさなければなりません。
買取価格の保証期限が短い
買取の査定を受けた場合、その査定には保証期限があります。だいたいの買取業者では3日〜1週間しか期限がありません。そのため複数の業者で査定を出す場合はどの業者で買取をしてもらうかすぐに決める必要があります。
さらに査定の段階で、いつ売るのかはっきりしていない場合は査定金額が低くなる傾向があります。なぜなら車の価格の相場は車を買う人が多い時期は上がりやすいなど、変動が激しいからです。
低年式の車や走行距離の長い車、不人気の車は査定額が低くなる
買取は下取りよりも高値で査定をされる事が多いですが、低年式の車や走行距離がとても長い車、不人気の車は査定額が低くなります。具体的には以下の図のような車です。
1. 低年式の車
新車登録から10年以上経っている車は低年式の車として扱われます。
2. 走行距離が長い車
車の買取額に差が出るのは5万kmです。なお、日本自動車査定協会は適正走行距離を、1年間で1万km以内を目安としています。つまり、5年を超えてくると、買取価格は下がりやすくなります。
3. 不人気のカラー
赤や青・緑などの原色の車は人気がありません。逆に人気の車のカラーは、白・黒などの無難な色や若者に人気があるパールホワイトなどです。
補足:下取りと買取の査定金額の決まり方は違う
これまで説明してきたように車の下取りと買取では査定金額に差が出ます。それは下取りと買取では車の査定金額の決まり方が違うからです。下取り価格の決まり方はマニュアルに沿って決められます。そして車両の状態が悪ければ下取り価格は減額されます。
一方、買取価格の決まり方は違います。業者間オークション相場の金額を元に買取業者が現時点で買い取れる最高価格が基本価格です。さらに基本価格に加えて、社外パーツなどの装備や車の状態で価格を決めます。また中古車市場はオークション会場や地方によっても価格が変わります。
そして買取価格には旬があります。つまり車種ごとに買取需要が高まる時期もあれば需要があまりない時期もあります。たとえば 冬場ならスキーに行くのにより多くの荷物が詰めるステーションワゴンや、雪道を走りやすい四駆が好まれるため、そのような車種は買取価格が高くなります。
下取りと買取であまり差がつかない車もある
ここまでの説明を聞くと、下取りよりも買取の方が必ず査定金額が高くなると感じた方が多いのではないでしょうか?しかし、必ずしも買取の方が下取りよりも高額の査定を受けるとは限りません。例えば、新車登録後あまり時間の経過していない車は価格差がつきにくいです。だいたい新車登録後1年〜2年前後の車の場合、買取の方が下取りよりも3万円〜5万円ぐらいしか高くありません。この場合は手間などを考えると買取よりも下取りした方が費用対効果は高いでしょう。
査定金額で選ぶなら買取一択!手間を掛けたくないなら下取りも検討しよう!
いかがでしたでしょうか?車を売却する人の目的は人それぞれです。査定金額が多少安くても良いから、早く売ってしまいたいと考える人もいれば、より高額で手持ちの車を売却したい人もいます。下取りと買取のどちらかを選ぶかは、その人の優先事項が何なのかが決め手です。査定金額で選ぶなら、金額が高い買取をするべきですし、手間を掛けたくないなら下取りが良いでしょう。