車好きな人の中には、車にパーツを取り付けて見た目を自分好みの車に変えたり、走行性能をよくするためにマフラーを取り付けたりする人も多いかと思います。また改造に興味がなくても、最新型のカーナビなど新たにオプションを取り付けた人も多いでしょう。
さて、このように車を改造したりオプションをつけたりした時に悩むのが、車を買い取ってもらう時にどのように査定をされるのかという点です。買取業者は多くあり、どの店舗で買取をしてもらうかも悩みますよね?
今回は、改造車やオプションをつけた車は買取時にどのような評価を受けるのかという点について説明いたします。
目次
そもそも改造車ってちゃんと買取してもらえるの?
まず疑問に思ったのは、そもそも改造車が買取をしてもらえるのかという点です。結論から言うと、改造したものでも買取はしてもらえます。ただし、買取業者によって、査定金額に大きな差があるので注意が必要です。
基本的には、改造が車検の対応内なら買取をしてもらえます。逆に改造が車検の対応外だと買取評価が下がり、最悪買取を断られる事もあります。もし車検の対応外の改造をしてしまった場合は、車検の対応内の基準まで改造しなおす必要があります。
改造車と違法改造車の定義とは?
改造車とは一般的に改造車は市販の車やバイクに手を加えて市販の状態とは違う状態にしたものです。また車検を受けた際に改造車の場合には改と記載もされます。改造車には2種類あります。一般的にイメージされやすい趣味による改造車だけでなく、メーカーが生産段階で車を救急車や障害者向け車両に改造した車も改造車です。趣味による改造車は、以下の2つの目的で改造されます。
① 車の性能の向上が目的(チューニング)
② 見た目を良くすることが目的(ドレスアップ)
チューニングについてはマフラーを変えて排気効率を良くする、サスペンションやホイールを交換して乗り心地を良くします。ドレスアップについてはホイールを変える、ウィングをつける、車高を下げるなど見た目を変えてかっこよくみせる改造です。また外観だけでなくシートなどの内装替えも含まれます。
改造した車の全てが違法改造車ではありません。違法改造車とは、以下のような改造車の事を指します。
・道路交通法の規定や道路運送車両法の保安基準に適合しない改造をしている車
・自動車検査証の内容と異なる状態にある自動車やバイク
改造車は違法ではないので売買が可能ですが、違法改造車は公道を走る車として売買ができず、ディーラーへの入庫もできません。自動車保険についても、違法改造車は対象外です。
具体的には、以下の規定を超える車は違反改造車とされます。
①サイズや重量を超えるような車
サイズや重量の規定
軽自動車・小型自動車 | 普通乗用車など | |
全長 | +—3cm | |
全幅 | +−2cm | |
車高 | +−4cm | |
重量 | 50kg | 100kg |
サイズや重量の規定
軽自動車・小型自動車 普通乗用車など
全長 +—3cm
全幅 +−2cm
車高 +−4cm
重量 50kg 100kg
②灯火類の色を変更した車
ブレーキランプやウィンカー・バックランプなどの色は安全のため色が決められています。
したがってこれらの色を変えることは許されません。
③ホイールの面をフェンダーと同じ位置まで持ってくる事(ツライチ)
つまりタイヤやホイールが車体からはみ出すと違法改造です。
④窓ガラスにステッカーや濃い色のフィルムを貼り付ける
フロントガラスや運転手・助手席の窓ガラスにステッカーや可視光線透過率70%未満の着色フィルムを貼る事は違法です。
フィルムは、黒いフィルムのような周りから中の様子が見えにくい物は違法です。
ただし車の後部にあたるリアガラスはステッカーを貼っても大丈夫です。
さらに窓ガラスだけでなくライトやランプに貼ることも禁止です。
⑤歩行者に危険が及ぶようなパーツの取り付け
歩行者と接触した際に、危険性を与える可能性のあるパーツを付ける事は違法です。
例えば保安基準を超える大きさや鋭い形をしているウィングなどです。
⑥速度が出るようにした車
速度制御装置を外すのは違法です。
⑦音楽を奏でるホーンやクラクションの装備
ホーンやクラクションは歩行者に危険を知らせるための道具です。もし音を変えてしまった場合、他の車や歩行者にも迷惑がかかります。
またクラクションの音を大きくするのも違法です。
改造車は買取先によって評価が大きく分かれる!
改造車は確かに一定の需要はあります。しかし、ノーマル車を多く取り扱う買取業者やディーラーでは需要があまりありません。なぜならそのような買取業者では改造車を販売するルートを持っていないため、買取をしてもなかなか車が売れないからです。そのため査定金額は低くなります。
またそのような店舗では改造した車のパーツなどが具体的にどのような価値があるのかを詳しく知らない店員さんが多いです。改造した車のデザインの良さや性能の良さを理解できるのは、ノーマル車を扱う店舗の従業員ではありません。自分で車の改造に興味がある人や改造をした事がある人です。
改造車を買取してもらう時のコツは純正品も買取してもらう事
では、改造したパーツ等をいちいち外して、元々の純正品を取り付ければ良いのでしょうか?いえいえ、車は改造したままで、元々付いていた純正品も一緒に買い取ってもらえば良いです。
買取の際に、改造したパーツを外してもう一度純正品を付け直すのはおすすめできません。その理由は2つあります。
・ 改造したパーツをつけたままで、元々の純正品も一緒に売却したほうが査定金額は高くなる
・ 純正品を付け直す際に、ネジを締め直した跡などを、買取店の方が発見した場合、事故車と疑われる事がある。
まず車につけた改造したパーツはそのままで、保管しておいた純正品も一緒に売却したほうが査定金額は高くなります。
よく、車を改造したから、純正品はいらないと判断して、オークションサイトなどに出品をされている方がいます。
確かに純正品は需要が高いので売却はできますが、後々買取店で買取をしてもらう時に、純正品がないと査定に大きく響きます。なぜなら純正品がない車を買い取るのは売れない時のリスクが高いからです。
また純正品を再度付け直すのは手間が掛かりますし、もし付け直した事を買取店の方に説明していなければ、後々事故車と疑われ、トラブルのもとになってしまいます。
改造車は改造車歓迎のお店で買い取ってもらうのが一番評価される
ここまでは改造をしていないノーマル車を多く扱うお店で査定をする事が前提のお話です。前述したように改造者でも買取をしてもらう事ができます。しかし、改造した車を高く買い取ってもらいたい方は、改造車歓迎の買取業者や改造車を販売している店舗、輸入車買取業者での買取を強くおすすめします。
改造車歓迎の買取業者などを利用するメリットは3つあります。
・ 改造車を購入したいお客様を多く抱えているので販売しやすい
・ 独自の販売ルートがあるため、中間マージンが掛からず、査定額が上乗せされるから
・ 改造車に詳しい店員さんがいるため、より細かい部分の査定をしてもらえるので高い金額がつきやすい
改造車大歓迎の買取業者などは、それぞれ独自の販売ルートを持っています。
さらに改造車に詳しいため、一般店舗では正確な査定をされない改造についても細かく査定をしてくれます。
査定金額が高くなるだけでなく、改造に詳しい店員さんと会話が盛り上がる事もあるので、安心して買取を任せられます。
ただし、改造車を扱っている業者で買取をする際も、一般店舗と同じように以下の点に注意してください。
・元々の純正品は一緒に売却したほうが査定金額は高くなる
・改造が車検対応外だとマイナス査定になる
改造車専門の買取業者を選ぶ場合も複数の店舗の査定を比較しよう
改造車専門の買取業者を利用する場合も複数の店舗で査定を比較する事をおすすめします。なぜなら、買取業者によってそれぞれ車の販売先が異なるからです。つまり、買取業者が求めている改造車の車種や得意な車種はそれぞれの業者によって違うのです。
同じA社の車でも、ある買取業者では査定が低いのに、他の買取業者ではA社の車を求めている人が多いので査定が高くなる事があります。
そのため買取をしてもらう前に、複数の改造車専門店の一括査定をしてから買取業者を選びましょう。
どのような改造が高く評価されるのか?
ここまで改造車でも買取業者を選べば、きちんと査定をしてもらえることを説明してきました。ではどのような改造なら高く評価をしてもらえるのでしょうか?
まず前提条件として、改造が車検の対応内である事です。車検に対応していない改造はマイナス評価される事が多いです。逆に、以下のような改造であれば高く評価をしてもらえます。
エアロパーツ | スポーティーな車種で、ウィングや前後バンパー、スポイラーなどを付けている車は評価が›高い。またデザインが良いフルエアロやディスチャージヘッドランプを付けている車も評価が高い |
足回りの改造 | 車高調整ができるエアサスペンションやショックアブソーバーをつけている |
ホイール | 有名なメーカーやデザイン製の高いホイールの場合、中古でもほとんど価値が落ちない。中古でも現在生産されてないものは人気が高い。アルミホイールは純正品よりもインチが少し大きければ評価が高い |
タイヤ | 車とのバランスの良いタイヤや冬用タイヤの場合は一緒に売れば高く評価されます |
マフラー | 車検対応内の物 |
エアロの改造はスカイライン、シルビア、86などスポーツカーにつける人が多いです。スポーツカーにエアロがついていればマイナス評価にはなることはほとんどありません。ちなみに人気の高いエアロパーツのメーカーはアドミレイションやエイムゲイン、ダムドなどです。
アドミレイションはハリアー界で人気があり、バンパーエアロライン「ベルタ」や純正エアログレード専用ライン「デポルテ」などを展開しています。エイムゲインはエアロだけでなく、サスペンションキットやブレーキなども展開しており、メルセデスやランボルギーニといった外国車にも対応しています。近年は北米やロシアなど海外でも人気のメーカーです。
ダムドは高級なデザインと質の高さに定評があり、幅広い車種に対応しています。
これらのメーカーは人気があるので査定も高くなります。
また改造車として人気があるのはスポーツカーやVIP系です。それぞれ以下のような特徴があります。
・スポーツカー
ロードスター、インプレッサなどをチューニングします。タイヤをインチアッップしたり、スポーツマフラーをつけたりする人が多いです。
・VIP系
セルシオやクラウンなどの車高を地面すれすれまで下げたり、メッキパーツを使ってゴージャスな車にします。
その他パーツのブランドが統一されている場合もまとまりがあるという事で高い評価を受けやすくなります。ただし、パーツの価値が高い物でも、車種との相性や改造の仕様によっては低い評価を受けることもあります。前述したように複数の買取業者で査定をして一番金額が高い業者を探す事をおすすめします。
車のコンディションも査定対象
また改造のパーツの価値が高く、パーツと車種との相性が良くてもメンテナンスが雑だと査定額は下がります。特に、スピードを飛ばすなど乱暴な運転ばかりしているのにメンテナンスを全くしていない人は要注意です。
どんな丈夫な車でも大切に扱っていなければ、車の走りや耐久度が下がってしまいます。当然、買取店が顧客に販売する際もコンディションの悪い車よりもコンディションが良い車の方が高く販売できます。
オプション付きの車はどう評価されるのか
車につけるオプションは、改造するためのパーツだけではありません。カーナビや、フロアマットなどのオプションも買取の際の大事な要素です。もちろん、車を改造していない方にとっても、査定に大きく影響する要素です。
オプションは以下のように3種類のオプションに分けられます。
メーカーオプションとは、納車後に取り付けができないオプションです。サンルーフやシートの革の素材、セキュリティシステム、ヘッドライトなどです。
ディーラーオプションは、納車時に車を購入したディーラーで取り付けができるオプションです。代表的な物としてフロアマットやアルミホイールなどがあります。
社外オプションとは車のメーカーとは関係のないオプションです。車を購入した人自身がそれぞれのオプションを購入してつけるオプションです。
これらのうち一番高額で査定されるオプションはメーカーオプションです。その理由は、メーカーオプションが新車購入時のタイミングしか取り付けるタイミングがないからです。
どのようなオプションが高く評価されるのか?
車のオプションとはエアロなど改造に使ったオプションだけでなく、カーナビやオーディオ、純正品のマットなども含みます。
オーディオ | メーカー純正品や人気メーカーは評価高い。特に高級車に搭載されている事が多いBOSEやMark Levinsonなどは評価が高いです。 |
カーナビ | 社外パーツでも2,3年以内の製品は新しいため評価が高い。HDD搭載が主流でDVDタイプはマイナス査定をされる事もある。ダッシュボードの中に取り付けるインダッシュタイプなら評価は高い。 |
マルチ(カーナビ) | カーナビの中でも特に評価が高いのはマルチ。マルチとはカーナビ以外にHDDや地デジ対応テレビなどが搭載されているカーナビの事。それ以外にもオーディオや情報画面、DSPコントロール、エアコンのコントロール画面などが搭載されている製品もある。 |
そのほかに、レザーシート、サンルーフ、衝突軽減ブレーキやレーザークルーズなどの安全面に配慮した機能が付いている車は高く査定されます。
改造車やオプション付きの車の買取は一括査定をしてもらうのが一番
いかがでしたでしょうか?改造車は確かに需要が少ない店舗では査定が低くなりがちです。しかし、改造車を販売している車や改造車大歓迎の買取店に行く事で高い評価を受けられます。
また、改造車やオプション付きの車を買取してもらいたい場合は、複数の買取業者で査定をして比較をするのが良いです。お店によって求めている車種などが違うからです。現代ではネットで簡単に一括査定ができるので、まずは買取店に行く前に検討してみてください。