事故車になった途端に買取してもらえない・・・。事故車の買取額は非常に安い。では、本当に事故車の買取は不可能なのでしょうか。事故のレベルによっても変わる買取査定相場額を実際の例からチェックしてみましょう。また、事故車でも買取してくれる買取業者をいくつかご紹介します。
目次
事故車とは?
- フレーム
- フロントクロスメンバー
- フロントインサイドパネル
- ピラー
- ダッシュパネル
- ルーフパネル
- ルームフロアパネル
- トランクフロアパネル
- ラジエターコアサポート
つまり車の骨格を損傷していなければある部品を交換または修復したとしても事故車にはなりません。反対に交換または修復せずに乗り続けていたとしても査定の際に車の骨格の損傷が判明すればその車は事故車として扱われます。
事故車にならない故障
では、車の骨格を損傷しておらず事故車にはならない故障にはどのようなものがあるのでしょうか。修復事例として取り上げ荒れやすく、事故車であると勘違いしてしまいやすいものをいくつか挙げてみましょう。
- フロントバンパー
- ロアスカート
- フロントフェンダー
- ボンネット
- リアフェンダー
- トランクリッド
- リアバンパー
- サイドシルパネル
- ドア
フレームから外せるものであれば、ほとんどの場合、交換または修復した形跡があったとしても修復歴のある事故車として買取査定の際に扱われることはありません。予期せぬ事態でで事故を起こしていなくても車が損傷したり凹みが出来たり傷がついたりすることはあります。
損傷の度合いによっては事故車として扱われる可能性も否めませんが、基本的には車の骨格部分が損傷炒るかどうかが事故車かどうかの見分け方ですので、不安なら査定士や買取業者のスタッフに尋ねてみると良いでしょう。
事故車の買取は可能か
大手の買取業者では事故車を買取していますし、中には事故車を専門的に取り扱っている業者もあるほどです。不動車を含め修復歴のある事故車は次の3つの方法で新しいオーナーへ販売されることになります。この際、車としての原形をとどめているとは限りません。
- 国内オークション
- 部品として販売
- 海外ルートへ輸出
日本の車は性能が良く、修理技術も高いことで認められています。ですから、国内では需要がなく廃車にするしかないレベルの事故車であっても海外では人気があるかもしれません。走行可能か、見た目に問題はないかなどにかかわらず海外輸出ルートがあれば高額買取も可能です。
修復すれば売却可能
まずどれほどの事故を起こし修復が必要になったかにもよりますが、なおせば再販できる程度の事故車であれば買取は可能です。車の骨格となる重要なフレームが無傷であれば高額買取してもらえるでしょう。ボディの小さな傷や凹みなどは買取業者の自社修理工場で直すことができるからです。
部品が売却可能
事故車であり、フレームも破損しているなら車としての再販は難しいかもしれません。しかし、まだ生き残っている使える部品を販売することができます。修理用のパーツや部品がすでに生産終了している場合、需要は高まります。事故車から外した部品を再利用できるのであれば人気度合いによっては高額買取も可能でしょう。
鉄の価値
不動車であってもボディやパーツに使用されている鉄に価値があるため、最終的には素材を販売することで高額買取をしている業者もあります。車一台当たり数万円になる鉄が利用されていることを考えると驚くには値しません。大型車であればあるほど再利用できる鉄の量は増えるので買取額のアップも期待できるでしょう。
ローンが完済していない事故車は買取可能?
ただ、ローンの残高を一括返済し、車の所有権を譲渡してもらえれば買取は可能になります。
例えば次のようなケースを考えてみましょう。
→買取金額でローン残高を返済出来るため買取可能
【例②】ローン残高100万円・買取見積もり金額90万円
→差額10万円を実費返済できるのなら買取可能
ただ、事故車の場合どうしても通常の買取査定相場よりは金額が落ちてしまいますので、ローン返済額が多額に残っているなら売却しない方がよいでしょう。ローンの返済が厳しくなったり、不動車になってしまったりした場合はまず車の所有権を持っているローン会社やディーラーに相談するようおすすめします。
買取査定額を分ける重要なポイントは「歴」
修復歴と事故歴の違いです。
事故車のレベル別買取査定相場額
事故車の買取査定相場額はどのように決まっているのでしょうか。修復レベル別に相場の目安を調べていきましょう。
修復歴あり
まずは、過去に事故を起こし修復歴のある事故車の買取相場額です。どれほど修理したかによりますが、査定額は約5~10万円減額されると考えておきましょう。修理の程度が深い場合10万円以上の減額ももちろん考えられます。ただし、過去の事故ですから修復済みでその後も問題なく走行で来ていたことが確認されれば減額度合いが低くなることもあるでしょう。
過去に事故を起こし修復歴のある車を買取査定に出すときには、必ず修復歴の有無と修復箇所の具体的な説明を査定士に伝える義務があります。もし、事故車であることを隠そうとしていて後々気づかれてしまうと、査定額は一気に減額されますし、取引をお断りされてしまうこともあるので要注意です。
修復歴なし
次に過去に事故を起こしたものの修復していない事故車の買取相場額です。どれほどの損傷をもたらしているかにかかわりなく、修復していなければ確実に10万円以上の減額となります。なぜなら、修復していないので損傷による車への影響が正確に判断できないからです。
走行に問題がないかどうかを確認する術がありません。解体して部品や鉄として販売する買取業者ならまだしも、国内オークションへの出品や海外輸出販売ルートを使用している買取業者の場合、どうしても修復の必要がありますので、復費用を見込んだ買取査定額となります。高額買取は見込めないでしょう。
傷や凹み・ステッカー痕のみ
続いて、傷や凹みがみつかったり、ステッカー跡がのこっているなどの状態の車の買取査定相場額です。この場合、修復歴アリの事故車として扱われることはまずないでしょう。車の骨格が損傷しているわけではないからです。傷や凹み・ステッカー痕のみの場合は1~3万円減額と考えておくと良いでしょう。
どれだけ大切に車を扱い、メンテナンスを行い、安全運転を心がけていてもどうしても傷や凹みは生じるものです。中古車市場ではそれほど注目されず、需要が一気に低くなるということもないので査定額もそれほど減額はされません。傷や汚れは少なければ少ないほど査定額がアップしますので、自力で調整できる部分であれば出来るだけきれいにしておく-と良いでしょう。
事故車の買取業者を選ぶポイント
対応のスピード
まず、査定や買取契約に際してスピーディな対応を約束してくれるでしょうか。不動車の場合、自宅にいつまでも置いておくのは邪魔ですし、維持していくには損となりますので、すぐにでも引き取りに来てほしいと思われることでしょう。そのため、スピーディな対応が可能な買取業者を選ぶようお勧めします。
対応が素早い業者は売却から支払いまで数日で処理が可能です。タイミングは業者によって異なりますが、最短で査定後すぐに支払い完了してくれるところもあります。現金化へのスピードを最重要視される方は査定から支払いまでの期間の目安をポイントに選ぶと良いでしょう。
豊富な実績
次に事故車を買取・販売している実績がどれほどあるかをチェックすることも大切です。事故車の買取実績が豊富であれば安心してお任せできるでしょう。事故車の査定や買取契約に関する様々な知識とノウハウを蓄積しており、適切な価格を提示してくれると信頼できるからです。
無事故で修復歴なしの中古車とは違い、事故車の査定には多くの要素が関係していますので、安心して取引ができる大手中古車買取業者や事故車に関する専門的な知識を持っている買取業者を選ぶようおすすめします。
高価買取の可否
三つ目の選び方ポイントは高価買取が可能かどうかです。事故車だからと言って安い金額で買いたたいてくるような中古車業者を選ばないようにしましょう。もちろん廃車にすることを目的としており値段に糸目はつけないという方であれば問題ありません。しかし、少しでも損をせずお得にマイカーを手放すためにも高価買取ができる業者を探しましょう。
一つの判断材料は買取した中古車をどのような販売ルートを使って売ろうとしているかです。独自の販売通路やオークションを経営しているか、海外への輸出ルートを確保している中古車買取業者は高価買取が可能です。また0円以上の買取価格を保証してくれている業者もおすすめです。
おすすめの買取業者5選
①タウ
タウはどんな事故車でも買取してくれる業者です。全国を対象地域としておりどこでも出張買取してくれるので不動車となった事故車の買取に関しても便利です。また、全国で毎日100代以上の買取実績を持っているため安心して事故車の買取取引が行えるでしょう。
タウは海外への販路ももっており国内でも販売実績のある買取業者です。ですから、事故車であっても高く買い取ることができるのです。世界100か国以上への販売ネットワークを構築しているという点も強みであり、魅力の大きな理由と言えるでしょう。
事故車の買取相場額シミュレーションサービスを利用する
②カーネクスト
買取実績数の多さで有名な大手中古車買取業者がカーネクストです。カーネクストは0円以上買取保証がついているため、どんな事故車であっても安心して査定に出すことができるでしょう。事故車や故障車、水没車など様々な訳アリの車を買取しています。
国内で廃車にするしかなく需要がない車であっても、カーネクストで査定に出せば高価買取も夢ではありません。
③オートランド東京
オートランド東京は東京・千葉・神奈川・埼玉・茨城・栃木でサービスを展開している中古車買取業者です。廃車や事故車・故障者などを中心に専門的な知識を利用して高額買取をしてくれます。自社の積載車を活用してレッカー移動を行うこともできます。
事故車で不動車になっていると業者への持ち込みが大変であったり、処分方法に困ることがありますがオートランド東京に依頼することができるでしょう。かかわる手続きはすべて請け負ってくれるので事故車に限らず売却が初めてという人も安心してゆだねることができます。
④リプロワールド
東証一部上場USSオートオークショングループ会社であるリプロワールドも事故車買取におすすめの中古車買取業者です。1982年以来買取を行っているため、買取実績では一番信頼のおける安心できる業者であるといえるでしょう。
事故車情報検索システムを開発することによって、独自の買取システムを駆使し、どこよりも高額買取を目指してくれます。国内だけではなく全世界に販売ネットワークを持っているため海外への輸出も可能です。世界基準の事故車査定ができることが強みです。
⑤日本廃車センター
日本廃車センターはどんな状態の車でも買取対象としているため、どんな事故車でも安心して査定に出すことができます。車の買取実績は15000件を超えており、十分な実績を持っているため安心して任せることができるでしょう。
日本廃車センターの一番のメリットは査定後すぐに支払いが行われるということです。中古車買取業者界の中で催促の即金払い体制を整えており、スピーディな対応を何よりも求める方にとって魅力的な業者です。
事故車は修理よりも買取に出す方が賢明
車への愛着
一つのポイントは車への愛着がどれほどあるかです。車は移動手段であるという意識を持っており、どの車に乗ろうが特にこだわりはないという方は売却して何の問題もないでしょう。
修理するとなるとそれだけ費用が掛かるわけですから、修理し維持していくことが生活を圧迫することにつながりかねません。愛着がそれほどない車であれば早々と売却して得たお金を使って次の中古車を購入するということもできるでしょう。
しかし、マイカーに愛着を持っておりどうしても今の車に乗り続けたいというのであれば修理するという選択肢も有効です。ただ、どの箇所をどれほど損傷しているかによって費用はピンキリです。愛着と費用を天稟にかけて本当に自分にとって損のない決定をするようにしてください。
修理しても100%元に戻るわけではない
二つ目のポイントは修理したからと言って新車同様の状態になるわけではないということです。事故車であってもほぼ見かけは元通りに戻せます。外装に損傷が生じたり、足回りがダメージを受けたため修復したというケースでは一見事故車には見えないでしょう。
しかし、車の骨格であるフレームにダメージが加わっている事故車の場合、どれだけ技術の高い専門知識を持つプロが修理にあたったとしても100%元通りになるとは限りません。外装は元通りになっても骨組みはも不可能です。修理したとしても事故前の状態で乗り続けられるわけではないことを念頭において、修理するか売却するかを考えましょう。
ダメージの程度
三つ目のポイントはダメージの程度です。どれほどのダメージを受ける事故に遭ったのかによって修理が可能か、売却または最悪の場合廃車にするしかないかが決まります。車の骨格の中でも最も重要なフレームが大ダメージを受けているのであれば、購入時の状態に戻すことは不可能ですから売却したほうがよいでしょう。
フレームに大ダメージを負った車の修理には莫大な費用がかかります。よっぽど愛着を持っている車だとしても多額の修理費をかけても元に戻らない車を修理する飛鳥があるでしょう。また、安全面でのリスクも高まります。より安全で快適な車を購入したほうが良いかもしれません。
事故車の買取事例
買取金額 | 年式・グレード | エンジンが 動くか |
エアバッグ | 修理金額目安 | 買取時期 |
380,000円 | エスクァイア H29年式 |
○ | ○ | 300万円 | 2018年10月 |
200,000円 | シエンタ H29年式 |
○ | ○ | 150万円 | 2018年10月 |
230,000円 | パッソ H28年式 |
○ | ○ | 47万円 | 2018年9月 |
1,130,000円 | IS250 H25年式 |
○ | ○ | 60万円 | 2018年9月 |
170,000円 | ヴァンガード H24年式 |
○ | × | 140万円 | 2018年㋇ |
370,000円 | タンク H29年式 |
○ | ○ | 64万円 | 2018年7月 |
410,000円 | ラッシュ H24年式 |
○ | ○ | 80万円 | 2018年7月 |
1,060,000円 | C-HR H30年式 |
○ | × | 180万円 | 2018年6月 |
450,000円 | アイシス H26年式 |
○ | ○ | 60万円 | 2018年1月 |
830,000円 | エスティマ H25年式 |
○ | ○ | 95万円 | 2018年2月 |
事故車も高額買取を狙うコツ
事故車でも買取は可能ですし、業者の販売ルートによっては高額買取も可能です。できるだけ理想の査定額を引き出すためにこちら側ができることをご紹介します。
車の良さをアピールする
まず、こだわりがほとんど無いとしても買取査定の際にはどれだけ車を大事に扱ってきたかが重要な査定ポイントとなります。禁煙車であることや点検整備を定期的に行っていることなどが重要です。他の車とは異なり自分がどのようなことを意識して車を維持しメンテナンスを行ってきたかをアピールするようようにしましょう。
車のオプション設定や、他社のカスタムパーツも査定額をアップさせるものになるかもしれません。アピールしないと気づかれない可能性もありますので、せっかく査定額につながるかもしれない要素があるのであれば査定士に積極的にアピールしてください。
傷や錆は修理しない
車の査定額は事故車であるかどうかにかかわらずグレードや車種・年式で大体の金額が決まってきます。そのあとに内装や外装がチェックされます。傷や凹みなどの外装はきれいにしておくことで買取金額をアップできる可能性が高まるでしょう。ただ、自力で修理できるほどの小さな傷や凹みであればよいのですが、修理費用は高額になるものは立ち止まって考えてください。
修理することによってアップする査定額と修理費用の差はプラスとなるでしょうか。もちろん傷がついていると買取価格は下がるのですが、減額の金額よりも修理費用の方が他価格なると損をしてしまいます。小さな傷や錆は修理せずに査定に出した方がおすすめです。余分なお金はかけずできるところをきれいにしてマイカーの高額買取を狙いましょう。
事故車の買取で注意するべきポイント
修復歴に関して偽りを述べない
まず、一つ目の点ですが修復歴を決して隠さないようにしてください。修復歴の虚偽申請は査定額に大きく影響を与えます。買取契約は破棄されその後の取引に一切応じてもらえなくなることもあります。売却するときに修復歴があることを隠せたとしても後々事故車であることが判明します。車のプロである査定士やスタッフの目を侮らないようにしましょう。
車を売却する人には<瑕疵担保責任>というものがあります。これは売買契約が成立した後に重大な欠陥が見つかった場合、売却した人がその責任を負わなければならないというものです。ですから、最悪の場合裁判にかけられる可能性もあります。大きなトラブルに発展してしまいかねない修復歴の虚偽申請は決して行ってはなりません。
中古車で購入した車で事故した場合の前修復歴チェック
二つ目の点ですが、中古車を売却するときには購入した車に前修復歴がないかをチェックしておくということです。修復歴がある車を偽って修復歴なしの中古車として販売している悪徳業者も中にはいます。故意に隠している業者だけではなく見落としている可能性もあります。
車のパーツとパーツの隙間は適切でしょうか。フレームがゆがんでしまってはいないでしょうが。外装パーツが浮いているように見えるときには専門業者に持ち込んでチェックしてもらっておくと良いでしょう。また、売却の際のことを考えて車を購入するときには車両状態を開示している信頼できる販売店を選ぶようおすすめします。
どこの車買取業者も買取できないと言われたら?
高額買取は期待できませんが、廃車手数料などの余分なお金を払う必要がなくなります。廃車買取業者は廃車にするためのあらゆる知識を持っているのですべてお任せすることができるでしょう。ディーラーの下取りよりも廃車買取業者の方が断然お得に引き取ってもらえます。
まとめ
事故車の買取を上手に行うためのコツをご紹介しました。廃車にするしかないと諦めかけていた事故車ももしかすると高額買取が可能かもしれません。買取業者を上手に賢く選んで損をしない取引をするようにしましょう。せっかくの愛車ですから大切に次のオーナーに引き渡してくれる業者を選ぶようお勧めします。
もしかするとあなたが事故車であると思っているものが違う可能性もあります。事故に遭ったらまたは修理をしたら事故車になるという訳ではないからです。