<ニュービートル>はフォルクスワーゲンが2010年まで販売していた3ドアハッチバック・2ドアカブリオレ。現在の買取相場はどうなっているのでしょうか。
今回は「ニュービートルをより高額で買取してもらうポイント」と「最新の買取相場の情報」を紹介します。
目次
ニュービートルの特徴
カブト虫の愛称で1938年から2003年まで世界中で親しまれ、四輪自動車累計生産台数世界No.1に輝いた伝説の大衆車ビートル。その初代ビートルを現代版として継承したのが、1999年から日本でも販売が開始された【ニュービートル】です。ニュービートルは、アウディA4のプラットフォームを元に製造されていますが、ビートルとしては4代目になります。
初代ビートルは、リアエンジン+リア駆動のRRでしたが、室内を少しでも広くして居住性を高めるため、ニュービートルでは、フロントエンジン+フロント駆動のFFが採用されています。初代ビートルのスタイリングを残しつつも、現代風にデザインをしたエクステリアがニュービートルの最大の特徴となっています。
ニュービートルのグレードとスペック
RR駆動で設計されたビートルを、デザインを殺さずFF駆動にしたため、運転席や助手席は広くなりましたが、後部座席はやや窮屈な作りになっています。カブト虫のようなエクステリアで、視認性は良いとは言えず、死角も多いため運転するには多少の慣れが必要です。
日本でのニュービートルは、1999年~2010年までの約11年間販売されましたが、大きく分けて【前期型】と【後期型】に分けることができます。国内で販売されたニュービートルのグレードとスペックを紹介します。
●前期型(1999年~2005年9月)
前期型に用意されたグレードは、標準仕様の【ニュービートル】と、装備が充実している【ニュービートル プラス】、インタークーラーターボを搭載したスポーツモデルの【ニュービートル ターボ】の3タイプです。2004年10月からその後、エントリーモデルとなる1,600ccエンジンを搭載したモデルの【ニュービートル EZ】が【ニュービートル プラス】と入れ替わる形で追加となりました。
- 全長 :4,090mm
- 全幅 :1,730mm
- 全高 :1,500mm
- ホイールベース:2,515mm
- 車両重量 :1,280kg-1,310kg
- タイヤサイズ :205/55R16
●後期型(2005年9月~2010年3月)
2005年9月に、エクステリアを中心に大幅な変更を行った後期型の販売が開始されました。主な変更点は、丸みを帯びた大きなフェンダーアーチが更に強調されたラインと、フロントバンパーはエアインテーク部分を大幅に改良、ヘッドライトは大型の楕円形になり、リアテールランプは紅白を組み合わせたレンズカバーになっています。
エクステリアのデザイン変更で、前期型よりも後期型は全長が40mmほど長くなっています。インテリアは、メーターのデザインが変更されたことや、エアコンの送風口にメッキリングが追加され、前期型よりも少し高級感を増した印象になっています。
前期型の後部座席は一体式だったのですが、マイナーチェンジでは後部座席が分割可倒式に変更されています。後期型に用意されたグレードは、標準仕様の【ニュービートル】と、1,600ccエンジンを搭載した【ニュービートル EZ】と、レザーインテリアやサンルーフが標準装備された最上級グレードの【ニュービートル LZ】の3タイプです。
- 全長 :4,130mm
- 全幅 :1,735mm
- 全高 :1,500mm
- ホイールベース:2,515mm
- 車両重量 :1,250kg-1,300kg
- タイヤサイズ :205/55R16
ニュービートルのエンジン
ニュービートルに搭載されているエンジンは、1,600ccと2,000ccの自然吸気エンジンと、1,800ccのインタークーラーターボエンジンの3種類です。空力抵抗を考慮しないエクステリアのデザインに加えて、4速ATだったことで燃費性能に問題がありましたが、2008年3月の改良によって日本仕様に6速ATが採用されたことで、燃費性能は多少改善されています。
ただ、他のフォルクスワーゲンに採用されている最新技術のFSIエンジンはニュービートルには搭載されることはありませんでした。尚、2002年から搭載されていた1,800ccインタークーラーターボエンジンは、2005年9月で日本での販売が終了しています。
●AZJ型 2,000ccエンジン(1999年9月~2010年3月)
- エンジン :水冷直列4気筒SOHC
- 総排気量 :1,984cc
- 最高出力 :116ps
- 最大トルク :17.3kgm
- 燃費(JC08モード):9.9km/L(AT車)
※2008年3月から6速ATへ変更となり、燃費が10.6km/Lに向上。
●AWU型 1,800ccエンジン(2002年2月~2005年9月)
- エンジン :水冷直列4気筒DOHCインタークーラーターボ
- 総排気量 :1,780cc
- 最高出力 :150ps
- 最大トルク :21.4kgm
- 燃費(JC08モード):10.8km/L(AT車)、12.4km/L(MT車)
●BFS型 1,600cc(2004年10月~2010年3月)
- エンジン :水冷直列4気筒SOHC
- 総排気量 :1,595cc
- 最高出力 :102ps
- 最大トルク :15.1kgm
- 燃費(JC08モード):11.2km/L(AT車)
※2008年3月から6速ATへ変更となり、燃費が11.6km/Lに向上。
ニュービートルの買取価格例
ニュービートルの最新の買取事例をご紹介します。
2010年式 (平成22年)<ニュービートル EZ> 黒系
走行距離 3.7万km 新車販売価格 245万円 参考買取価格 54万円 残価率22%
2008年式 (平成20年)<ニュービートル EZ> 赤系
走行距離 万km 新車販売価格 236万円 参考買取価格 42万円 残価率17%
2006年式 (平成18年)<ニュービートル クレム> 白系
走行距離 11.4万km 新車販売価格 235万円 参考買取価格 9万円 残価率3%
ニュービートルをより高額に買い取ってもらうポイント
ニュービートルの人気ボディカラーと、人気のオプション装備を紹介しますので、参考にして下さい。
ニュービートルの人気ボディカラー
ニュービートルも、ボディカラーによって中古車市場での価値が変わってくるので、ボディカラーの選択は非常に重要なポイントになります。買取査定や中古車市場で、ニュービートルの価値を高める人気ボディカラーを紹介します。
●ニュービートルに用意されているボディカラー
- キャンディホワイト
- ディープブラックパールエフェクト
- サンフラワー
- リフレックスシルバーメタリック
- サルサレッド
- ハーベストムーンベージュ
●ニュービートルの人気ボディカラー
- 1位:キャンディホワイト
- 2位:サルサレッド
- 3位:サンフラワー
ニュービートルは、大変個性的な車なので人気のボディカラーも一般的な車種とは違って、個性的なボディカラーに人気が集まっています。キャンディホワイトは、万人受けするボディカラーで、車も大きく見えるのでどの車でも人気がありますが、ブラック系やシルバー系をおさえて、レッドやイエローが人気ボディカラーの上位にランクインすることは他車ではあまり無い事です。
ニュービートルは大半が女性ユーザーで、ニュービートルのイメージカラーでもあるサルサレッドやサンフラワーを見て購入を決めた人が多いことも影響しています。
ニュービートルの人気オプション装備
●スライディングルーフ
スライディングルーフは、ニュービートルにオプションとして用意されている大型ガラスサンルーフで、電動操作にてオープン&チルトの操作を行うことができます。独特のエクステリア形状をもったニュービートルは、2ドアで後部座席も窮屈な作りなので、スライディングルーフを装着することによって、室内が明るくなり圧迫感も緩和され開放的になります。
10年落ちのニュービートルは値段がつくか?
ニュービートル (2009年式)カラー:ベージュ 走行距離:6万km 査定額:11.8万円
ニュービートルは、1番新しい年式でも約9年前の車になるので、10年落ちでもニュービートルの中では後期型になり新しい部類に入ります。ニュービートルの中古車は内装の質が悪く、天板のたるみやドアの内張の剥がれ・傷などが目立ち、程度の良い車が少なくなってきています。
その中で、低走行車や内装・外装に傷みが少ない優良中古車は、探しても見つけることが難しいため、中古車市場でも高値で取引が行われています。過走行車でボロボロのニュービートルと、低走行車で程度の良い優良ニュービートルとでは、中古車市場でも買取相場でも価格に大きな開きがあります。10年落ちのニュービートルでも、車両の程度によっては値段がしっかりとつきます。
まとめ
すでに販売が終了しているニュービートルの特徴や買取について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?ニュービートルは4速ATの前期型だと買取の場合も厳しい相場になってしまいますが、6速ATを搭載した後期型だと車両の程度によっては、買取相場も良い車があります。
排気量やエンジンの種類に関係なく、後期型で色褪せをしていない人気のボディカラーだと高額査定を狙うこともできます。現行型のザ・ビートルも生産が終了してしまうので、程度の良いニュービートルを長期間大切に所有し続けることで、将来的には希少性が高い車になる可能性は秘めています。