念願の車を買った当初は、車を売ることなど考えずに購入することが多いと思います。「新しい愛車がほしいから、いまの車を売りたいな」などと思った時に、どのような流れで車を買取してもらい、どんなことに気をつけなければいけないのか、など車の購入時にあまり考えない、【車買取の流れとポイント】について分かりやすく、かつ具体的に解説していきます!
いざ愛車を売ろうと思っても、まず何をやればいいのか分からないという人が多いはずです。でも大丈夫。
一見難しいように思える手続きも、流れさえ知っていれば実は意外と簡単なんです。買取店の見つけ方もシンプルなので心配は要りません。
ぜひ今回の記事を参考にしながら、スムーズに車買取を進めていきましょう!
目次
車買取の流れを理解しておこう
車を持っている人なら一度は考えたことがあるだろう【車の売却】。いわゆる買取店にて自分の車を買い取ってもらうわけですが、「車の売却・買取」と聞くと何だか難しいイメージを持ってしまう人も少なくないでしょう。
たしかに車売却の手続きは面倒かつ複雑です。自分に合った買取店を見つければならなかったり、査定を受ける必要があったり、いくつも必要書類を準備しなければならなかったり。
やらなければならないことはたくさんあるのですが、それは「あらかじめ流れを知らなかったから」です。最初からやり方が分かっていれば、買取店のリサーチに時間をかける必要もありませんし、どんな書類をどこで取らなければならないのかいちいち調べる必要もありません。
要するに「知っているか知らないか」で車買取の進み具合は大きく変わってきます。今回の記事では、全体の流れをざっくりと紹介しながらも、それぞれのステップで具体的にやるべきことを解説していきます。
それでは早速ご紹介していきます。最初からすべて覚えるのは難しいかと思うので、いざ車を売ることに決めたら何度も見直してみてくださいね。
車買取ステップ1:買取店のリサーチ・選択
「車を売ろう」と決めてまずやるべきなのが【買取店のリサーチ・選択】です。
どこの買取店にするかは個人の自由なのですが、せっかくなら自分に合った買取店を選びたいですよね。また買取店のリサーチは「買取のすべてを決める」といっても過言ではありません。どこの買取店を選ぶかによって「買取金額」はもちろん「スタッフの対応」や「サービスの質」など全てが変わってきます。買取店選びに失敗してしまえば、納得できない金額で買い叩かれてしまったり、質の低いサービスを受けざるを得なかったりするわけです。あなた自身が後悔しないためにも、最初の最初である「買取店のリサーチ」はきわめて重要になります。
また、ひとくちに「車買取店」といっても数えきれないほどの店舗が存在します。今や「中古車の戦国時代」といっても過言ではないほど多くの買取店が存在しており、それだけ競争も激しくなっています。熾烈な競争が繰り広げられている中で、自分に合った買取店を選び抜くのは至難の技でもあります。
数ある買取店の中でも、いくつかカテゴリーに分けられるので、以下のカテゴリーを意識してみるのがオススメです。
大手買取店を選ぶ
買取店探しでもっともポピュラーな方法として挙げられるのが【有名な大手買取店】を選ぶ方法です。
例えばテレビCMでよく見かけるお店だったり、インターネット広告や新聞広告でよく見かけるお店だったりとさまざまです。中古車買取業界ではいくつもの有名買取店があり、どれもテレビやインターネットで頻繁に見ることができるので、まずはそれらの大手から探してみるのが良いでしょう。
全国各地に店舗を持っている大手買取店は、マニュアルや査定基準かしっかりと整えられています。そのため【全国で統一された適正価格】での査定を行ってくれます。基本的に「日本自動車査定協会」が作ったマニュアルをもとに、きめ細かな査定を行ってくれるので安心できます。査定士はとにかく細かい部分にまで目を通すため、少しでもプラス査定ができそうな部分があれば見逃しません。
世界にも販売ルートを持つ買取店
買取店選びを進めていく上でぜひ注目してほしいのが【世界にも販売ルートを持つ買取店】です。買取店の中には、海外にも目を向けている店舗があります。なぜ海外なのか?それは国内で需要のない車が売れるからです。
今や大きな盛り上がりを見せている中古車市場ですが、当然ながらあらゆる車種が流通しているわけです。ただ、大衆ウケする人気車種もある一方で、あまり売れ行きが良くないマイナー車種や型落ちした車種もあります。
そんな「国内では高額買取が見込めない車種たち」でも、アフリカや東南アジア諸国などに持ち込むと高額で売れるのです。海外でも販売を行なっている買取店は、そこに目を付けて積極的に海外での販売も行なっています。販売ルートが多いということは利益が上がりやすいとも言えるため、そのような買取店ほど高額買取がされやすいのです。
JADRIに加盟している買取店
最後にオススメしたいのが【JADRI(ジャドリ)に加盟している買取店】を選ぶことです。あまり聞きなじみのない言葉だと思います。JADRIとは「車取引において厳しい審査を通った買取店だけが加盟できる団体」のことです。例えるなら、数あるオーディションをくぐり抜けて勝利を勝ち取った俳優さんのようなもの。
要するにJADRIとは優良な買取店しか加入できない団体のことで、ここに加入している時点で信用できます。JADRIに加盟している買取店では、買い叩かれる心配はまずありませんし、サービスの質もきわめて高いです。審査が厳しいだけあって、そこまで数は多くありませんが、買取店をリサーチするときはぜひ「JADRIに加盟しているかどうか?」もひとつの基準にしてみてください。
もし加盟しているのなら、何の心配もなく車を売れることでしょう。
車買取ステップ2:査定・契約の準備(掃除や書類の準備など)
売りたい買取店が決まったら、次にやるべきなのが【査定・契約の準備】です。流れとしては、この後すぐに実車査定を行うのですが、その前に自分でできることがいくつかあります。この事前準備をやるかやらないかで、買取金額や手続きの進捗具合も大きく変わってくるのです。
実車査定前の準備は「洗車」と「車内の掃除」でOK
買取金額を決定させるためには必ず【実車査定】を受けることになります。その前にやっておきたいのが「洗車」と「車内の掃除」です。説明しなくてもお分かりかと思いますが、クルマにおいても「第一印象」はとても大切です。実車査定はプロの査定士が行うかたちになりますが、やはり車はキレイであればキレイであるほど好印象でしょう。
自分が査定士になったと思って考えてみてください。いざ目の前に「外も中もピカピカな車」と「掃除された形跡がない汚い車」があったとき、どちらに高い査定額を付けますか?たとえ同じ性能だったとしても、前者に高額査定を付けたくなりますよね。査定士も一人の人間ですから、同じようなことを考えます。
査定士にできるだけ好印象を持ってもらうためにも、少なくとも実車査定前には洗車を行うようにしましょう。また車内はフロアマットやシートを掃除するなどしておくのが良いですね。
手続きを行う前に「必要書類」を用意する
契約に合意したら実際に売却手続きを行う流れになるのですが、ここで重要になるのが【必要書類】です。必要書類をすべて揃えなければ車を売ることはできません。また必要書類は、手続きに入る前にも自分で準備することは可能です。具合的に必要になるものは以下の通りです。
車検証
正しくは「自動車検査証」と言います。車検証は車内保管が義務付けられているので、ほとんどの人は助手席のダッシュボード内に入れているはず。もし失くしてしまった場合は「運輸支局」にて再発行が可能です。
自賠責保険証明書
車を運転するすべての人に加入義務がある「自賠責保険」に加入していることを証明する書類です。こちらも助手席のダッシュボードに保管しているはずなので確認しておきましょう。もし失くしてしまった場合は「契約してある保険会社」に問い合わせてみてください。再発行が可能です。
自動車税納税証明書
4月1日の時点で自動車を所有しているすべての人に納税義務がある「自動車税」を納めていることを証明する書類です。そもそも未納の場合、車を売ることができません。もし失くしてしまった場合は「税事務所」にて再発行が可能です。
実印
市区役所に登録されている印鑑のことです。軽自動車の場合は認印でOKですが、普通車の場合は実印を用意しなければなりません。買取店側が用意する「委任状」や「譲渡証明書」などに捺印が必要になるので、忘れずに準備しておきましょう。
印鑑証明書
実印がきちんと登録されたものであることを証明するための書類です。実印登録さえ行っていれば、印鑑証明書はすぐに発行できます。市区役所はもちろんサービスコーナーなどでも発行可能です。
委任状
委任状とは、買取の手続きを業者にお願いするための書類です。もっと掘り下げると「名義変更の手続き」を代行してもらうための必要書類です。委任状は買取店側が用意したものに記入するかたちになるので、とてもカンタンです。ただ、ひとつ覚えておきたいのが「実印」が必要だということ。必ず実印の押印が必要になります。
譲渡証明書
譲渡証明書とは「売ったあとの車の名義変更」をするときに必要となる書類です。その名義変更に前使用者が同意したことを証明する必要があるわけです。こちらも買取店側が用意してくれますが、「実印」が必要になるので覚えておきましょう。
リサイクル券
自動車を廃車にする際に必要になる「リサイクル料」を納めていることを証明する書類です。ほとんどの人はリサイクル料は購入時に納めているので、あとは保管しているリサイクル券を準備するだけ。おそらく助手席のダッシュボードに入っているはずです。
住民票が必要になる場合も
人によっては住民票が必要になるケースもあります。どんなときに住民票が必要になるかというと「引越し」「結婚」などです。住所が変わった場合はもちろんですが、結婚などで苗字が変わった場合も住民票が必要になります。市区町村の役場で発行できます。
必要書類は全て揃えよう
必要書類ですが、基本的に一つでも欠けると車を売ることができません。車検証や自賠責保険証明書、自動車税納税証明書など、どれも重要なものばかりです。車の売却は【買取店との契約】となるわけですから、全ての書類を抜かりなく用意しておきましょう。
車買取ステップ3:査定・引き渡し
実車査定前の洗車、手続き前の必要書類の準備が終わったら、いよいよ実車査定です。具体的な実車査定の方法、引き渡しのスケジュールなどを見ていきましょう。
実車査定には「店舗査定」と「出張査定」がある
査定士が実際に車をチェックして見積もりを立てる実車査定ですが、「店舗査定」と「出張査定」の2つがあります。店舗査定は説明せずとも大丈夫ですよね。一方の出張査定は【査定士が自宅まで出向いて査定をするサービス】のことです。
「家で査定するってことは査定の質が下がるんじゃないの?」と思う人もいるかと思いますが、まったくそんなことはありません。店で行おうが家で行おうが査定のクオリティは変わりません。ただ場所が変わるだけです。
車を売ることに決めて、先ほど説明した事前準備が終わったら、実車査定のスケジュールを組みましょう。買取店側の都合にもよりますが、基本的にいつでも大丈夫でしょう。
査定は15~30分ほどで終わる
査定と聞くと「何時間も時間がかかるんじゃないか」と思うかもしれませんが、査定時間は意外と短いです。だいたい15~30分ほどで査定は終了します。
ただ、数分でチェックが終わるなど、あまりにも査定が早く終わってしまう場合は要注意です。査定士が手を抜いている可能性があるので、その買取店はあまり信用しない方が良いでしょう。まだ正式に契約を結んでいるわけではないので、この時点でキャンセルすることもできます。「査定は短すぎてもダメ。長くても30分」ということを頭に入れておきましょう。
車の隅々をチェックされる
査定項目は多岐に渡ります。具体的に見られる部分は以下の通りです。
走行距離
車の状態を図る指標として【走行距離】が使われます。年式と走行距離から「年間走行距離」を割り出され、その数字が査定額に反映されます。一般的に走行距離が長くなれば長くなるほど査定額は下がっていくと考えておきましょう。逆に走行距離が短い場合、プラス査定になる可能性もあります。
外観
まず最初に目に入るのが車の全体像です。外観といっても「ボディカラー」「キズやヘコミ」「汚れ」などさまざまな要素があります。車はボディカラーによって買取価格が異なります。ブラックやホワイト、シルバーなどの王道カラーは比較的高額になりやすく、マイナーなカラーは価格が低くなりやすいです。
キズやヘコミの有無も重要なポイントです。傷やヘコミの数が多くなるとマイナス査定につながってしまいます。
無いことに越したことはありませんが、小さな傷の場合は「スプレー塗装」などで直すことができます。もし修理慣れしているのなら、自分で直すのもひとつの手です。
内観
特にシートやフロアマットの状態が査定額に大きく影響します。これらの傷み具合によって査定額が決定しますが、「あまりに傷みが大きく交換が必要なレベル」とみなされた場合、査定額が大きく下がってしまうでしょう。また、見た目だけでなく「車内のニオイ」にも要注意。タバコや動物(ペット)のニオイはマイナス査定の対象となるので気をつけましょう。
エンジンの状態
当然ながらエンジンも細かくチェックされます。査定士がオイル、プラグ、エンジンの異音、修復歴などを総合的に見て、査定額に反映させます。今までに何か異常があった場合は「自己申告」することでマイナス査定を免れるケースもあります。
またエンジンルームの中に書かれている「車体番号」も重要な要素です。仮に番号を改ざんするなどを行なった場合、買取を拒否されてしまいます。
車両を引き渡す
実車査定が終わり正式契約が終わったら、車両を買取店に引き渡すことになります。契約時に「引き渡し日」を決めますが、買取店側は「少しでもはやく車が欲しい」と考えているため、早めの日程を提示してくることが多いです。ただ、同時に新しい車の購入手続きを行なっている場合は要注意。
引き渡し日をあまりに早く設定してしまうと「次の車の納車日」まで車がないという事態になってしまいます。そのあたりが円滑になるように、買取店側と入念に打ち合わせを行っておきましょう。
車買取ステップ4:入金確認
無事に車の引き渡しが完了したら、最後に【入金】が行われます。入金は基本的には「銀行振込」となります。ただ、ローンが残っている場合は要注意です。買取金額から残っているローンの額を引いた金額が入金されます。もしローン残高が買取金額を上回っている場合は、入金はされません。
また、買取店によって異なりますが、車の引き渡しから入金までは「だいたい5日間ほど」です。早いところで2日、遅いところで1週間ほどかかります。
まとめ
車買取の流れとポイントについて詳しく解説しました!いかがでしたか?
一見難しそうに思える車買取の流れですが、説明してお分かりの通り、実は意外にもシンプルなんです。
基本的には「買取店を見つける」→「査定を受ける」→「手続きを進める」→「車を引き渡す」の手順となっています。
実際にやってみないと分からない部分もあるかと思いますが、基本的にはスタッフが一から十まで教えてくれるので心配は要りません。ただ、あらかじめ自分で流れを知っておけば買取がかなりスムーズになります。
ぜひ今回の記事を参考にしながら、スムーズかつ納得のいく金額で愛車を売りましょう!