「廃車をしたいけれど何をすれば良いのか分からない」 「廃車の買取の流れや手続きに不安がある」
今回はこのような悩みをお持ちの方に……
実際に新しい車を購入する時や、事故を起こしてしまって愛車を手放さなければならなくなってしまった際など、車を廃車にする時にはどんな手続きが必要でどのような流れで進んでいくのか、順を追ってご説明します。
目次
廃車買取の事前準備
廃車の手続きをする前に、確認しておきたいことがあります。それは、 車の中に必要なものを残していないかどうかです。車は大事な生活環境のひとつですから、重要な書類や貴重品を載せている場合も多いでしょう。業者に引き渡してから大事なものが車に残っていることに気づいても遅いので、買取の事前準備として車の中を隅から隅までチェックしましょう。
また、自分で取り付けたパーツやオーディオなど、次の車に使いたいものや取っておきたいものがある場合は査定前に取り外しておきましょう。
買取業者を選ぶ
日本全国たくさんの買取業者がありますが、買取業者を選ぶ際にはいくつかのポイントがあります。
まずは、説明をきちんとしてくれる業者であるかどうかが重要です。廃車した後には自動車税・自動車重量税・自賠責保険の還付があります。自動車税は、廃車にした後に自治体から還付金のお知らせが届きますが、自動車重量税は自分で手続きをする必要があります。また、自賠責保険や任意保険の手続きも加入者が自分で保険会社に連絡をしなければなりません。
こうした説明を丁寧にしてくれる業者には安心して廃車手続きを任せられます。
次のポイントは、自治体の認可・許可を受けたリサイクル工場を自社で持っているかです。
車を解体するには自治体からの許可が必要です。解体の許可を持っていない買取業者は、許可のある解体業者に車を持ち込む必要があるので、余計なコストがかかります。この中間コストを省けば査定額は上がる可能性があるので、自治体の許認可を受けた買取業者かどうか確認しましょう。
また、買取査定が他の業者よりも飛びぬけて高い場合は注意が必要です。
業者の中には、査定金額を高くして客を呼び込み、契約した後で「車に問題が見つかった」と言って買い取り金額を大幅に低くする悪徳業者もいます。こういう業者に騙されないためには、見積金額が他の業者と比べて高すぎる場合にはしっかりと確認することが重要です。
査定に必要な情報の確認
買取業者に査定をお願いする場合に必要になってくる情報で主なものは、【メーカー・車種】【年式・グレード【登録月】【外装】【車検の残期間】、そして重視されるのが【走行距離】と【修復歴】です。
例えば、比較的新しい車でも、走行距離が多いものは査定が低くなりますし、逆に少し古い車でも走行距離が少ないものであれば査定が高くなる場合があります。
また、買取の際に必要な書類はこちらです。
• 車検証
• 印鑑(車検証と同一のもの)
• 運転免許証(コピー)
• 自賠責保険(原本)
• 印鑑証明書(3カ月以内に発行されたもの)
• 実印(印鑑証明書と同一のもの)
その他、必要な書類がある場合がありますので、見積りの際に確認しておきましょう。
廃車買取の流れ
実際の廃車買取の流れは、【業者を決定】→【査定申込み】→【車の引き取り】→【書類提出・記入】→【手続き完了・抹消登録証明書を受け取る】 となります。
今はネットで一括査定ができますので、まずはそれを参考にして業者をいくつかピックアップしましょう。そして、前述した「買取業者を選ぶ」でポイントを確認して買取業者を選びます。
次に、実際に査定の申し込みをして、条件に納得したら契約して車の引き取り方法を決めます。引き取りの際か後日、必要書類を提出します。買取業者で手続きを代行し、すべて完了すると抹消登録証明書が発行されますのでそれを受け取って廃車手続きは完了です。
では、実際の買取業者でどんな手続きが行われているのか、以下に3社紹介します。
廃車ドットコムの場合
まず1社目は廃車ドットコムです。廃車ドットコムで買取をしてもらう際に、実際にどのような手続きが行われているかご紹介します。
1.査定・見積
査定・見積もりはウェブサイトのフォームから、またはお電話でお申し込みができます。申込者の地域によって担当の企業が振り分けられます。
査定申し込みから1営業日以内に担当者から連絡が入ります。見積もりの有効期限は3日間なので、内容に納得した場合は期限内に連絡をしましょう。
2.書類記入
必要な書類は、見積もりの連絡時に担当者から伝えられますので、車の引き取りの際にスタッフに手渡しをします。
3.引き取り
担当のスタッフが車を引き取りに行きます。
引き取りの時間は通常17時頃までですが、場合によっては対応できることもありますのでお問い合わせください。また、担当の企業ごとに営業カレンダーが違いますので、土日祝日の引き取りにも対応できる場合があります。
廃車買取ビッグエイトの場合
次に、廃車買取ビッグエイトで買取をしてもらう際に、実際にどのような手続きが行われているかをご紹介します。
1.査定・見積
電話、ウェブサイトのフォーム、またはFAXで申し込みが可能です。
車の買取金額や税金の還付額、廃車の際に必要な書類を案内してくれます。
2.書類記入
車の引き渡しの際に提出します。間に合わない場合は、後日郵送することもできます。
3.引き取り
引き渡しの手続きは通常10分程で終わります。引き取り手続き完了後に【引取証明書】が発行されます。
地域によっては土日祝日や夜21時以降の引き取りにも対応できる場合があります。引き取りの際にはドライバーから事前に連絡が入ります。
また、自走する車の場合は持ち込みすることもできます。
カーネクストの場合
最後に、カーネクストで買取をしてもらう際に、実際にどのような手続きが行われているかご紹介します。
1.査定・見積
電話、またはウェブサイトのメールフォームから申し込みをします。年中無休で申し込みを受け付けています。査定の内容に納得したら引き取り日を決めましょう。成約の確認書はメールかFAXで送られてきます。
2.引き取り
レッカー車で車を引き取りに来てくれます。土日祝日の対応や、立ち合いができない場合も引き取り可能です。引き取り日の前日に担当ドライバーから連絡が来ます。引き取り日の変更は前日までかのうですが、成約後のキャンセルはレッカー車の手配にかかる違約金で30,000円の料金がかかるので注意しましょう。
3.書類記入
成約確認書に記載されている必要書類を準備して、引き取り当日にドライバーに渡します。当日立ち合いができない場合には郵送でも可能ですので、事前に確認しましょう。
各廃車買取業者のメリット・デメリット
廃車手続きに関して3社を紹介しましたが、それぞれの業者にメリットとデメリットがあります。
廃車ドットコムの場合
メリット
廃車ドットコムに参加している企業は、公的な認可・許可を受けた企業なので安心です。自動車リサイクル法に基づき、部品やパーツが適切にリサイクルされます。車を無駄なくリサイクルすることによって高い買い取り金額を実現しています。
企業によって営業カレンダーが違うので、土日祝日の対応が可能な場合があります。
デメリット
申込みをした地域によって、その地域の参加企業に電話が転送されるため、対応が企業によってまちまちのことがあります。
廃車買取ビッグエイトの場合
メリット
走行距離10万キロ以上の車や、10年以上使用した車はもちろんのこと、事故車・故障車などどんな車も買い取ってくれます。自動車リサイクル法に基づいた専門の業者がリサイクルを行うので、ナビ・オーディオ・ホイールなども独自に査定してくれます。毎年2000台以上の車を廃車にしており、海外に部品として輸出するなど徹底的にリサイクルを行っています。
ネットで廃車の処理状況がわかるのも特徴です。ビッグエイトは東京都から自動車解体業の許可を受けていて、公営社団法人自動車リサイクル促進センターに車の処理状況を随時報告しています。そのため、車台番号の下4桁とナンバープレートの番号を入力することで車の解体処理状況をネットで確認することができます。
また、ビッグエイトでは車検の有効期限の買い取りや、自賠責保険の返戻金を受け取ることができるなど、各種還付金の説明を詳しくしてくれるので安心です。
デメリット
車の引取時の陸送費用や書類の手続きに、別途費用がかかる場合があります。
カーネクストの場合
メリット
カーネクストの場合、査定・レッカー車の手配・廃車手続きの書類代行など、廃車に必要な費用が一切不要です。さらに、不動車や事故車など、どんな車でも0円以上での買い取りを保証しています。また、引き取りの際に立ち合いができない場合にも対応してくれます。
デメリット
不動車や事故車でも買い取りをしてくれるカーネクストですが、状態の良い車に関しては、他の買取業者よりも査定が低いことが多いようです。
廃車買取をしてもらう時の注意点
車を廃車にするということは、購入に比べて面倒なことが多いと思われがちです。自分で手続きをすることももちろん可能ですが、昨今は廃車買取の業者も多く、自分で手続きするよりも業者にお願いしてしまった方が簡単で費用もかからないということがあります。
では、廃車買取業者にお願いする場合にどんな点に注意すれば良いのか確認しましょう。
まず最初に確認したいことは、車が自走できるか、それとも動かないのかです。まだ走れる車であれば、通常の中古車買い取り業者で売ることができます。そういった業者の場合、事故車や自走できない車の場合は査定で0円になることや、逆に処分費用がかかることがあります。廃車買取業者はパーツやボディをスクラップとして売ることができるので、商品としての価値がない場合にお願いしましょう。
車を廃車にする時には自動車重量税、自動車税、自賠責保険料、自動車任意保険など、還付金を受け取ることができます。これらはすべて月割りでの計算になるので、月をまたいでしまうと(1日になってしまうと)その月の分丸々1ヶ月分を損することになってしまいます。
そのため、買取業者に月をまたぐ可能性があるか、ある場合は申請の仕方を工夫できないか聞いてみると良いでしょう。また、還付金を売主に戻さない悪質な買取業者もあるため、細かく説明してもらうようにしましょう。
廃車手続きをするには所有者の同意が必要であり、ローンを返済中の場合は、まず一括返済して名義を変更しなければいけません。それから廃車手続きをすると二度手間になってしまうので、抹消登録時に一緒に出来ないかどうかローン会社と買取業者に相談しましょう。
軽自動車と普通自動車では廃車の手続き方法が違う
軽自動車と普通自動車では、廃車の手続き方法が違います。一番大きな違いは、手続きをする機関が違うということです。軽自動車の場合は軽自動車検査協会で、普通自動車の場合は陸運支局で行います。その他に、普通自動車では前払いした自動車税が戻ってくるのに対して、軽自動車は戻ってきません。廃車時にリサイクル料金を払う場合の料金も軽自動車の方が普通自動車よりも安くなります。
廃車にできる車と廃車にできない車の違い
廃車とは、車の登録を抹消する手続きのこと(永久抹消登録)ですが、車の状況によっては、廃車にできないこともあります。では、廃車にできる車と廃車にできない車の違いはどこにあるのでしょうか。
車を廃車にするには、車自体を解体する必要があるので、車体がない場合には廃車にすることができません。しかし、車が盗難にあった場合や、自然災害などで無くなってしまった時には盗難届や罹災証明書を提出することで廃車手続きをすることができます。
車の所有者の同意が得られない場合も廃車にすることができません。例えば、自分が使用している車の名義が親のものになっていれば、親の同意がなければ廃車の手続きはできません。また、車のローンを払い終えていない場合は、車の名義がクレジット会社や販売店になっています。その場合はローンを一括で払って名義変更をしてからでないと廃車にすることはできません。
そして、自動車税を2年以上滞納している場合は廃車手続きができないことがあります。
まとめ
今回は、車を廃車にする際の買い取りの流れについてご説明しました。初めて車を廃車にする場合には、手続きの仕方や必要書類など、わからないこともたくさんあると思います。たくさんある買取業者の中から、できるだけ高値買取をしてくれるところや安心してお任せできるところを選んでください。
大事な車の廃車手続きの参考になれば幸いです。