ライフスタイルの変化によって、車に乗らなくなったり、新しい車への乗換えを検討されたりする際には、愛車の売却を検討されることだと思います。
大切な愛車はなるべく高く売りたいと思う反面、忙しい日常の合間に、ご自身で中古車買取り業者を回る時間もなかなかとれない、ということもあるかもしれません。また、まだ具体的に車の売却を決めていない場合、対面で中古車買取り業者とやりとりすることで、強引に営業トークをされてしまうことを心配されていることもあるかもしれません。
そのような場合、隙間時間を利用して手軽にできるインターネット上の車の査定はとても便利です。この記事では、インターネットでの車の査定の具体的な方法や、メリット・デメリット、おすすめのサービス、留意点などをご説明します。
目次
車を売却する方法は3つある
査定のお話をする前に、まず車の売却方法になどのようなものがあるのかご説明します。
売却方法は大きく分けて3つある
一般的な車の売却方法は、大きく3つに分かれます。
1つ目は、中古車買取り専門業者に個別に直接コンタクトをとって、買取りを依頼する方法があります。TVCM等でお馴染みの事業者や近所で営業している買取り事業者等に依頼する方も多いようです。
2つ目は、車の売却が新車への買い替えを理由とするものだった場合、新車のディーラーにこれまで乗っていた車を下取りしてもらう方法があります。
3つ目は、一括査定サービスに申込み、複数の買取り事業者に査定をしてもらったうえで、最も条件がよい買取り事業者に売却する方法です。通常、一括査定サービス事業者自体は中古者買取り事業者ではなく、仲介を専門とする事業者です。申込みがあった場合、登録している買取り事業者の中から申込者に近い事業者を複数探してつなげてくれます。
3つの売却方法のメリット・デメリット
3つの売却方法を比較すると、買取り額がもっとも高くなる傾向があるのがネットを利用した一括査定サービスになります。
メリット
一括査定サービスを申し込むと、複数の業者から査定の相見積もりを得ることができます。相見積もりをとると、提案を客観的に比較することができますし、営業トークを上手にされて実際よりもお得だと勘違いして取引をしてしまうというリスクも回避することが出来ます。
また、業者側も、売却希望者が他事業者と比較していることは前提としているため、価格を上乗せする交渉やおまけをつけてくれる交渉にものってくれやすく、結果的に買い取り額が上がる傾向があります。一括査定サービスを利用した場合と新車ディーラーの下取りをした場合の価格を比較すると、平均して14万円程度も差額がでるようです。
デメリット
一括査定サービスのデメリットとして、複数の買取り事業者とやり取りをしなければならないので、時間や工数がかかるということです。一括査定申込み自体は、インターネットで一度車の情報と個人情報を入力すればよいだけですが、ネットの簡易査定結果をもらったあとは、個々の事業者と売却希望者が個別に電話やメール等でやり取りをする必要が発生します。
こういった時間や工数上の問題から、1社だけにしぼって買取り事業者に直接コンタクトをする方法や、新車ディーラーの下取りを利用するという方法を選ぶ方もいます。
買い取り事業者を絞って売却する場合、上記のような事業者間の競争が働かないので、一括査定に比べると価格がのびない可能性があります。しかし、以前取引をした事業者に継続してお願いしたい場合や、ご自身の車種に強い事業者に心当たりがある場合は選択肢となると思います。
新車ディーラーの下取りを利用する場合は、新車の購入手続きの一貫で売却ができますし、面倒な手続きはすべてディーラーが代行してくれますので、手続きが簡単です。また、下取り代金は新車の頭金に充当することができるので、キャッシュの持ち出しが少なくてすむというメリットがあります。ただし、新車ディーラーは新車の販売がメインの事業ですので、中古販売事業者ほどネットワークをもっていないため、結局は中古販売事業者に転売することになりますので、マージンが二重にのるため、売却価格は低くなります。
インターネットと相性がよいのは一括査定
3つの方法の中で、インターネットの利便性をフル活用しているものが一括査定サービスだといえます。自分で複数事業者から相見積もりをとろうとすると、電話やメール等で個別にコンタクトをしなければいけないので、事業者の数だけ手間と時間がかかります。また、完全に同時のタイミングでコンタクトはできないので、比較しての交渉ができなかったり、売却を決めたあとに別の事業者からもっとお得な提案がきてしまったり、というようなストレスを回避することができます。また、一括査定サービスであれば、査定のために必要な情報は一度入力すれば足りるので、個別に連絡する方法に比べると工数はかなり削減できます。
車の査定にはどんな方法があるの?
売却方法を決めた後は、実際に査定をして売却金額を調べるフェーズになります。
車の査定方法としては、年式や車種、走行距離、傷の有無など、査定に必要な情報を伝えて、
「インターネット上のみで簡易に査定してもらう方法」と、
「実際の車の状態をみてもらい査定士に査定してもらう方法」があります。
インターネット査定のメリット・デメリット
インターネット査定は、査定士に査定してもらうための時間調整や工数をかけることがなく手軽に査定結果を知ることができるという点でメリットがあります。ただしデメリットとして、傷の状態等は、査定を依頼する人の主観に応じて入力されますし、傷を見逃している場合もあります。そのため、査定結果が実際の買い取り価格と必ずしもイコールにならないというリスクがあります。中古車はコンディションによって大きく売却価格が変わりますので、インターネット査定はあくまでも目安や相場感を迅速に知るためのものと考えておいたほうがよいでしょう。
査定士による査定
査定士に実際に車を見てもらって査定してもらう方法は、インターネット査定のメリット・デメリットとちょうど逆のメリット・デメリットがあります。
傷の状態を含めたコンディションを実際に確認してもらうことで、少なくともその査定士が所属する買取り業者での買い取り価格がわかります。また、大手の買取り業者では、査定後に隠れていた傷等はみつかったとしても、査定価格での買い取りを保証して、顧客の信頼を保護してくれるところもありますので、査定士にみてもらって買い取り価格に納得がいけば安心が得られるということもあります。
デメリットとしては、査定士とご自身の日程調整などを相談し、多くの場合実際に立ち会わなければならないので、手間と時間がかかるということがあります。最も高く買い取ってくれる事業者をみつけるためには、数社の査定額を比較してみる必要があります。また、事業者間で健全な競争が働くためには、競合が数社いたほうがベターです。しかし、複数の業者に査定をお願いするとそれだけ、時間と工数も増えますので悩ましいところです。
インターネット査定と査定士による査定の併用がおすすめ
結論としては、一括査定サービス等を利用してインターネット査定を複数の事業者にお願いし、価格のあたりをつけてから、これはと思った事業者を数社に絞って、査定士による査定をお願いするのがベストといえるでしょう。
ネットのみのやり取りで、査定をお願いする方法はある?
車一括査定サービスを利用した際に悩ましいのが、複数の買取り事業者から電話が一斉にかかってきて対応に困るという点です。
中古車買取り事業者のビジネスとしては、車の買取り=商品の仕入れをしなければ始まりませんので、ある意味仕方のない状況ではありますし、購入希望者が多くいるということは望ましいことともいえます。
しかし、日中の仕事中の時間で電話がなりやまなかったり、留守番電話でいっぱいになったりするということはなるべく避けたいですよね。ネットやメールのみのやり取りだけで査定を依頼することはできるのでしょうか?
メール対応希望ができる一括査定サービスを利用して、電話数を減らす
結論としては電話対応を一切せずに査定をしてもらうということは難しいです。しかし、電話対応を減らしたいというユーザーのニーズに対応している一括事業者を選び、かつ備考欄等でメールによるコンタクトにしてほしいという希望を適切に伝えることでかなり電話の本数を減らすことはできます。
電話対応を減らしたいというニーズに対応している事業者の例としては、カーセンサーという事業者があります。
カーセンサーのサービスでは、査定情報を入力すると、査定申込み可能な事業者の一覧が表示されます。チェックボックスのチェックをはずすと、申込み先からはずすことができます。お住まいの地域によってはかなり多くの事業者が表示されますので、ご自身が対応できそうなリーズナブルな数、平均的には4~5社程度を選ぶことで、かかってくる電話の数を減らすことができます。
また、連絡希望時間の欄にフリー記入欄がありますので、ここに「メール連絡のみを希望する」と記載しておくと、それが買取り事業者側にも伝えられるようです。すべての買取り事業者がリクエストに沿ってくれるわけではありませんが、電話の数は削減できます。
オークション形式のサービスを利用して、電話数を減らす
タレントのローラさんのCM起用でもおなじみのユーカーパック社では、オークション形式の買取り方法をとっています。この方法であれば、個々に入札する買取り事業者から電話がかかってくることはなく、オークション主催者であるユーカーパックのみからの電話となります。
ネット上で簡単な査定情報を入力したのち簡易査定を受けたあと、ユーカーパックからの電話を受けて日程調整のうえで、近くのガソリンスタンドでの実際の査定を受けます。査定情報はユーカーパックのサイトに掲載され、最大5,000社の買い取り事業者からの入札を受けることができます。オークション形式ではより事業者間の競争が働きやすいですので、高い買取り価格が期待できる一方、電話対応や査定立会いは一回で済むという点が魅力です。一括査定サービスの際の電話対応の工数が気になる方は、検討してみる価値があると思われます。
ネットのランキング・口コミサイト等も、情報収集に役立てましょう
一括査定サービスは、お近くの買い取り事業者を自動的にセレクトしてくれるという点で便利ですが、逆に言うと、候補としてはじめから表示されない買取り事業者を見逃してしまうという可能性はあります。買い取り事業者選びでは、買い取り価格はもちろん、対応が迅速・丁寧であることも重要な要素ですよね。また、買い取り事業者によっては、お得なキャンペーンを実施している場合もあり、タイミングがあえば通常よりもお得な条件で売却できる可能性もあります。
一括査定サービスを利用しつつ、評判のよい事業者やお得なキャンペーンをよく実施している事業者にも査定してほしいと考えた場合は、両方から見積もりをとってみるという方法もあります。評判のよい事業者やキャンペーンが多い事業者にあたりをつける際には、ネットのランキングや口コミサイトも役に立ちます。フランチャイズで事業展開をしている場合には、個別の店舗や担当者の個性によることも多いので、うのみにすることはできませんが、他のユーザーの声は、情報として参考にできます。
ネット査定で個人情報を入力して大丈夫?
一括査定サービスをはじめ、インターネットで車の査定申込みをするにあたっては、氏名、住所、電話番号など個人情報の入力をする必要があります。不特定多数に個人情報を見られることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、一括査定サービスに登録している事業者は、大手で自社プライバシーポリシーを法令にそって準備している企業が多いため、基本的には大きな心配はいりません。用心したいという方は、一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)の会員社等を選ぶとよいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。車の売却方法の中でも、インターネットを利用した一括査定サービスは、高額で車を売るための有力な選択肢です。一括査定サービスを効率的に使いこなすために、メールでの連絡希望をしたり、ネット査定を活用して実地査定の数を絞ったりして工夫してみましょう。皆様の愛車がスムーズに高額に売却できることをお祈り申し上げております。