車が不要になったため、「車を売ろうかな」と考えているあなたへ。
車買取査定の金額が、そのままあなたの手元に入ってくると思っていませんか?車購入時にも色々な費用や手数料がかかるように、車売却時にも様々な費用がかかります。見た目の査定額が高くても、このような費用が差し引かれたため、手元に残るお金が思ったより少なくなってしまうというケースもあります。
今回は「車売却時にかかる手数料や税金」など、車売却時の「お金」にまつわる疑問について解説していきます。
「思ったよりも手元に残るお金が少なかった」なんてことがないように、ぜひ参考にしてみてください。
目次
車を売る時にかかる費用や手数料
まずは車を売る時にかかる費用や手数料から解説します。これは買取会社によってまちまちですが、査定価格からこれら諸経費分を差し引いて査定を出しているところもあります。大手買取会社ほど、これらの手数料を買取会社で負担してくれる所が多いようです。
車を売る時にかかる費用や手数料の項目は5つあり、かかる費用は数百円~3万円くらいが相場。手続きを代行するか、自分で行うか、それらの費用を負担してくれる買取会社を選ぶかによってこのくらいの金額差になります。では具体的にどのような費用や手数料がかかってくるのかを、詳しく解説します。
1.車譲渡手続きの代行料
車を譲渡する時に名義変更の手続きが必要ですが、名義変更は運輸支局でしか手続きができないため、その代行費用として2万円程度費用がかかります。その手続きをするために「印紙代」がかかり、その印紙代が500円です。
大手買取会社では、名義変更代行料を必要経費として負担してくれる会社もありますが、印紙代の500円は請求される可能性がある費用です。
また買取店があなたの所有する車の管轄と異なる場合、新たにナンバープレートを交付しなければならないので、その手数料もかかります。費用は通常のナンバープレートで1,500円前後。これを避けたいのであれば、あなたのナンバープレートと同じ陸運局管轄の買取会社で、車を売却することをオススメします。
2.手数料
車の買取に必要な書類を揃える時にかかる手数料です。印鑑登録証明書や住民票の写し(住民票が必要な場合は稀)が、車売却時の書類として必要になります。その証明書の発行手数料がそれぞれ400円前後かかります。その他にも自賠責保険証明書や自動車検査証を紛失していた場合、再発行手数料もかかります。(料金は下記にて説明します)
ここで、車を買取業者に買い取ってもらう時の必要な書類について説明します。車の買取契約時に必要な書類は全部で4つ。
自動車車検証
これは陸運局での車検に合格し違法改造や車の整備に不備がないことを証明する書類。車の買取では、自動車本体があればいいわけではなく【法律に沿った運用がなされている車】という証明が必要です。
紛失した場合、申請時に【委任状(第三者に申請を任せる場合)、本人確認書類(免許書や保険証)、使用者の認印がある理由書(理由書のダウンロードはこちら→https://car-todokede.com/image/riyuusyo.pdf)、申請書、手数料納付書、再発行手数料300円】が必要なので、それらを準備していきましょう。(申請書と手数料納付書は当日もらえます)
自賠責保険証明書
こちらは加入が義務付けられている強制保険に保険料を納めていることの証明する書類。
紛失した場合、加入した保険会社に電話をすれば手続きを行ってもらえますが、ほとんどの方は自賠責保険をどの保険会社に加入しているかわからないと思います(任意保険とは別です)。その場合、車を購入した店舗(カーディーラーなど)に連絡をして対応してもらいましょう。
再発行申請に必要な書類は【自動車損害賠償責任保険証明書再交付申請書(保険会社でもらえます)、印鑑、身分証明書(運転免許所等)】です。再発行手数料ですが、ほとんどの保険会社が無料でやってくれます。しかし再発行から手元に届くまで1週間ほどかかるので、余裕をもって申請することをオススメします。
自動車納税証明書
自動車税の納税を毎年滞納せず納めているかを証明する書類です。自動車税の滞納があると、車を買い取ってもらうことができません。買い取ってもらうためには滞納分の自動車税を全額納める必要があります。自動車税の滞納があるために車を売りたいタイミングで買い取ってもらうことができません。それを避けるためにも、自動車税の支払い通知書がきた時にしっかり納税しておきましょう。
紛失した場合、県税事務所の窓口で再発行手続きを行えます。あなたの車が軽自動車の場合は市区町村役場です。必要書類は【納税証明書交付申請書、本人確認書類(運転免許証等)、認印、領収証書の原本(納付後2週間以内に申請する場合)、委任状と代理人の認印(代理人申請をする場合)、交付手数料400円】
交付申請書に自動車登録番号や車体番号を記載するので、車検証を持参するとスムーズに行えます。
自動車リサイクル券
2005年の自動車リサイクル法制後に購入した車なら、その証明書があります。これは廃車時に必要なリサイクル料を前払いしていることの証明になるので、車の名義変更の際に必要になります。ほとんどの方が、自動車車検証と一緒に保管しているので、あるかどうかを確認しておきましょう。
紛失した場合、自動車リサイクル券は再発行できません。そもそも自動車リサイクル券とは、【リサイクル料金を支払ったという証明をした用紙】にすぎないので、それを紛失しても支払ったことを証明できればいいのです。
自動車リサイクルシステムのホームページにいき(http://www.jars.gr.jp/)、画面上部の【自動車ユーザーの方】をクリックします。画面中央部の【リサイクル料金検索】をクリック。必要事項を入力して進み、【リサイクル料金預託状況】にチェックをいれる。最後に右下の検索をクリックして印刷するだけで大丈夫です。手元に車検証があると必要事項の入力時に役立ちます。
このように再発行にはひと手間がかかってしまうので、普段からこれらの証明書の保管場所を把握しておくことが大事です。
3.車売却費用
車売却費用とは、自宅まで車を引き取りに来てもらった際にかかる費用です。買取会社によっては売却費用を支払うケースが稀にあります。具体的に「いくら」と決まっているわけではないので、買取店によっては「雑費」として請求してくる可能性があります。買取会社が小さい場合に多く、費用は5,000円~15,000円前後。査定価格から差し引くのではなく、その場で支払う場合があります。
4.車の運送料
車の運送を依頼する場合に発生するレッカー代。車検切れの車と故障して動かない車を売却する時に必要となります。ただし自分で持ち込んだ場合と無料の引き取りサービスを利用した場合はかかりません。
5.査定料(出張料)
車の査定は専任のスタッフが行うので、人件費が発生します。カーディーラーの業務は車を売ることなので、無理に車を買い取らなくてもいいため、査定料が発生する場合があります。小さな買取会社も同様で、相場は5,000円~1万円程度。
査定料(出張料)の費用がかからないようにするためには、出張査定無料のところを選ぶしかありません。査定を依頼する時には「出張査定無料」を確認してから依頼しましょう。ただ最近では、出張費用無料のところがほとんどです。
車を売る時にかかる税金
税金はなにをするにも付きまとってくるものですが、車を売る時にかかる税金にどんなものがあるのか解説します。基本的に売却時に税金がかかるケースは多くありませんが、知っておいて損はないのでぜひ参考にしてください。
1.所得税
車を売却時に所得税がかかるケースがあります。それは所有している車が発売してから年月が経過していない場合や、希少価値の高い車種で購入金額よりも売却金額のほうが高くなった場合です。後者の場合、売却益が発生しているのでその分が所得税の対象となります。これには計算式があり、売却金額から購入時金額を差し引いて、残りの金額から50万(特別控除)を引いた金額が所得として計算されます。
(例)車の購入金額150万、売却時210万だった場合
210万-150万-50万(特別控除)=10万 10万円が所得とみなされます。
また売却した車を所有していた期間によっても課税対象金額が変わります。
・5年以内の所有……特別控除(50万)差し引き後の売却益の全額
・5年以上の所有……特別控除(50万)差し引き後の売却益の半額
(例)車の購入金額150万、売却時210万だった場合
210万-150万-50万(特別控除)=10万
を使うと、特別控除50万を差し引いた後の売却益は10万。
・車の所有期間が5年以内……10万円が課税対象
・車の所有期間が5年以上……5万円(10万の半額)が課税対象になります。
2.自動車税
自動車税は4月に1年分の税金を納める通知が来て支払うようになっています。1年分の税金を支払うので、車の売却時期によって未経過分が還付されます。還付される税金の受け取り方には2通りあって、「直接返還」と「返還分を買取業者に補填してもらう」方法があります。
【直接返還の場合】
車を売却した2ヶ月後くらいに支払通知書が届き、自動的に返還されます。
【返還分を買取業者に補填してもらう場合】
買取金額に税金の返還分を上乗せして払ってもらい、買取業者が税金の返還分を受け取るというやり方です。税金の返還分を早めに受け取りたい方にオススメです。
車を売却時、自動車税の還付金は査定額と併せて買取会社から提示されるので、査定額の内訳に自動車税の還付金が含まれているか確認しましょう。
車の売却月が3月から4月の場合は還付金が戻ってきませんが、それ以外の月に売却したにもかかわらず、還付金のことを黙っている悪質な買取業者が存在します。こちらから確認する必要があります。
自動車税の還付金について補足があります。還付されるのは普通自動車以上の車両が対象であり、軽自動車は自動車税の還付金対象外になっています。軽自動車は他の税金面で優遇されているので、自動車税は還付されないということを覚えておいてください。
ローン中は売却できる?
あなたは車をローンで購入していますか?もし売却しようとしている車がローンを支払っている最中だった場合、その車を売却できるかどうかを解説します。
基本的に車の売却は自分の所有する車しか売ることができません。ローン支払い中の車は、所有権がローン会社になっているので、勝手に売ることは不可能。ローンを一括返済して所有権を自分自身にする必要があります。
「じゃあローン支払い中の車は売却できないんだね」と思ってしまいますが、工夫すれば売却は可能です。ただどの場合でもこれだけは頭に入れておいてほしいことがあります。それはローンを一括返済すると、繰り上げ返済手数料が5,000円程度発生するということです。
【ケース1:車の買取金額がローン残高よりも高い場合】
ローンが60万残っているのに対して、車の買取金額が70万とします。この場合、買取業者が書類上の名義人であるローン会社にローン残高分60万を支払い、残り10万をあなたに支払うという方法で売却が可能です。
【ケース2:車の買取金額がローン残高よりも少ない場合】
ローンが60万残っているのに対して、車の買取金額が40万だったとします。この場合はローン会社に40万支払い、残りの20万をあなたが支払うことで売却が可能です。もし20万円を用意できない場合は、他のローン会社に借り換えすることで不足分を支払いましょう。
また中古車買取会社が、ローンの残金(ローン残債)を肩代わりしてくれる場合もあります(買取価格の範囲内で)。これはローン残債車に特化したサービスなので、特殊な方法です。ただ条件さえ合えばローンが残っていても車を買い取ってもらえる方法なので、覚えておいても損はないと思います。この場合、ローン肩代わりサービスを行っている買取会社を探す必要があります。
ローン残債が残っている場合は、ローン残債をスムーズに整理できる買取会社なのかを慎重にチェックしなければなりません。買取価格だけで比較せず、あなたの事情をふまえてそれに対応できるかどうかを判断基準にする必要があります。
車買取は現金で行ってくれる?
金額にも納得していざ買取契約。ところで車買取は現金で行ってくれるのでしょうか?それとも振込でしょうか?振込ならどのくらいの日数で振り込まれるのでしょうか?この疑問について解説していきたいと思います。
車を売却した時にその場で現金で支払ってもらえるのでしょうか?結論からいうと、その場で現金で支払ってもらえることはほとんどありません。なぜなら査定金額はあくまでも仮契約での金額であり、実際には整備士が数日かけて車をチェックした後に、確定の買取金額がでるからです。そのため、数日後に振り込まれるのが一般的です。
具体的な日数は査定の混雑具合によって変わるので確実なことはいえませんが、目安として大手中古車買取会社でも2営業日から4営業日くらい時間がかかるようです。また細かい査定をし、故障等が発見された場合は最初の買取金額から減額されます。
ここで注意すべきは、減額査定を受けた時に連絡をしてもらえるかどうかを事前に確認しておくことです。減額査定を受けた時に買取をキャンセルできるかどうかも併せて確認しておきましょう。そうしておかないと振り込まれた金額が、最初の査定よりも少ない金額で振り込まれる、という事態になってしまいます。
【ネットで事前見積もりをしておけば、振り込み期間を短くすることが可能】
以前であれば中古買取は店舗に持ち込んで、その場で鑑定してもらうしか方法がありませんでした。今ではインターネットを使って事前見積もりをすることで、買取工程がスムーズにいき、振り込まれる日数を短縮することが可能なようです。
実際には即日振込をうたう買取会社も存在しています。その業者を利用することで即日振込してもらうことは可能です。ただし簡単な整備チェックしかしないので査定額も低く、高額で買い取って欲しい方にはオススメできません。買取金額が下がってしまうので、どうしても急ぎで現金が必要な時以外は、通常の買取会社を利用する方が、より高く買い取ってもらえます。
どちらの買取会社を利用するにしろ、現金で支払われることはなく振込対応です。
まとめ
車売却時の税金や手数料など、お金にまつわる疑問について解説しましたが、いかがだったでしょうか。買取査定額が高くても、様々な税金や手数料が差し引かれた結果、手元に残る金額が目減りしてしまうことがあります。
また知らなかったことにより、雑費という不明瞭な費用を請求される場合があるので、最低限の知識は持っておいた方がいいこともわかったと思います。査定明細書もしっかりと確認し、不明瞭なところは買取会社の担当者に聞くことも大切です。そして手元に現金を多く残すためには、手数料を負担してくれる買取会社に依頼することも重要です。
あなたの車売却の際にぜひ参考にしてください。