トヨタの高級車として高い人気を誇るセルシオ。2006年に生産は終了しているものの根強いファンが多く、中古車市場では変わらぬ人気を集め続けています。
そんなセルシオは、10年落ちでも買取価格に期待ができるのでしょうか。買取で高値がつくコツなどがあれば、知りたい人も多いでしょう。
そこで、セルシオのこれまでの遍歴を紹介しながら。高額査定を目指すために必要なメンテナンスや査定方法などを説明します。
目次
高クオリティで人気を博したセルシオの特徴
まずはセルシオの特徴について、人気の高かった仕様や機能などを中心に時代の変化などを踏まえて解説します。
1989年に登場したセルシオとは
セルシオは1989年に高級セダンとして発売されたモデルです。トヨタが多くの時間と費用を投入して作られています。そして、世に出ている車の中で先頭を行きあらゆる車のリーダーシップをとることを目標とした当時最先端の高級車です。
特に技術の研究や走行テストなどの段階では、専用の走行テストコースが作られたり開発に多くの資金を投じたりなど、トヨタが本気で開発した高級車でもあります。総力を集めて作られたセルシオは販売後に社長や資産家、高所得者の方に広まり、中古車であってもかなりの金額で売買されたほどです。
セルシオの特徴として、さまざまな車の中で車高が低い点が挙げられます。それに加えて、環境に優しい排気ガスやエンジンの設計されていることが評価されています。
また、車の防音材やサスペンション、エンジンの静穏設計を通じて、走行時の静かな性能を獲得したことも評価されるポイントです。当時の車の中でエンジン性能が高く、短時間でスピードが出せることから、他社の普通車を凌駕する乗り心地を実現したことで、多くのファンが存在していることも忘れてはなりません。
セルシオの変遷
セルシオの初代が登場したのは、ちょうどバブル期に当たる1989年頃です。昭和から平成に切り替わり、新しい時代が到来するとされた2000年目前で、車の需要が新たな段階を迎えていた時期でもあります。
初代は、V8エンジンを搭載していて、仕様をA・B・Cで分けたことで知られています。仕様の違いがそのまま電子制御や走行性能にかかわってくる部分です。それからマイナーチェンジが行われたのが1992年のことです。
その後、バブルの崩壊や市場の衰退によって1994年にはフルモデルチェンジに踏み切ることになります。このときに、ブレーキ性能の向上、フロントのアルミを使用したパーツによる軽量化や車体基礎部分の変更が実現します。
1997年には、安全機能をシステムに取り入れたブレーキのアシストやシートベルト着脱の警告機能、横滑りの防止装置がオプションとして組み込まれます。2000年までの間に数度マイナーチェンジを繰り返しながら2000年に2度目のフルモデルチェンジを実施します。
3代目の変更点で大きいのは、車の形態が直線的なものから曲線的なものへと変化したことです。従来の車の形状から丸みのある現代の車の見た目における柔らかさを取り入れた形です。2003年のマイナーチェンジでデザインが一新されます。それを最後にセルシオはレクサスのLSとして移行されることになり、2006年の段階で販売が終了となります。
「LS」となったセルシオ
現在、セルシオは2006年で販売を終了して、レクサスのLSという名前に名称を変えながら販売が行われています。移行した後、何度もモデルチェンジが行われていますが、基本的な高級車としての構想やデザインを引き継ぎながらも現在の走行性能や燃費、安全機能などが施されて販売されています。
2015年には、F SPORT X LineLSの特別仕様車が発売されるなど、レクサスとしての独自システムを複数盛り込んだ車両として登場します。2017年に新しい新型LSを5代目としてLS500 “F SPORT”を発表。2018年現在はデザインや性能を一部改良した上で、レーダーやカメラなどの高次機能による安全で運転しやすい快適な性能を実現する車として注目されます。
セルシオのモデル別の相場推移
セルシオには初代~3代目まであります。2代目・3代目を20や30(系)セルシオと呼ぶことがあります。2006年の販売終了でセルシオはレクサスに変わりましたが、依然として人気のある車種に違いはありません。
現在の相場推移では、初代と2代目が下降傾向にあります。特に初代は、セルシオの需要として販売価格の高い水準を維持できないため、2代目同様に相場のラインを下げています。3代目はここ数年安定した水準を維持していて、買取額や販売額に大きな変動が見られません。
買取相場としては、2代目が20~60万円が多く、初代に至っては一部100万円台の値がつく車両はありますが10~20万円で大きな値をつけない車両もかなりあります。
セルシオの最新相場は以下の通りです。
- セルシオ 4.3 C仕様
年式:2006年(平成18年)
走行距離:160,000km
カラー:ホワイトパール
新車価格:6,668,000円
買取価格:116,800円
残価率:約1.7%
- セルシオ 4.3 eR 仕様
年式:2004年(平成16年)
走行距離:80,000km
カラー:ホワイトパール
新車価格:6,510,000円
買取価格:159,000円
残価率:約2.4%
このように、セルシオは買取相場の厳しい状況が続いています。
セルシオの過走行のライン
セルシオは初代から、すでに約30年、3代目でも10年以上の経年が確実となります。そのため、買取をするのであれば過走行のラインに気をつけることが必要です。特にセルシオは査定基準が高級車や市場に大きく左右されにくい部分もある一方で、走行距離によって大きく値を落とすことは十分にあります。
セルシオの車両と長距離走行は相性が悪く、査定に影響を与えやすいところがあります。基準としては、走行距離が6万kmを越えたあたりから買取額が低水準な車両が増加します。10万kmのラインを超えると、高く見積もっても10~30万円くらいしかならない車両がほとんどになります。
15~30万kmになれば10万円を越えるのが難しく一桁の買取が精一杯になるといった具合です。一方で、セレクションの特別仕様の場合、10万kmを越えても100万円の販売額を越えることがあります。そのため、買取の場合は、標準仕様よりも特別仕様のほうが相場は高めで、走行距離の基準はそのままに買取額の水準が異なります。
セルシオを高く買い取ってもらうには
セルシオの売却を検討している、査定を一度受けてみたいなど愛車を高く買取してもらいたいときの方法について解説します。
セルシオのカスタム車は元に戻す
セルシオは旧式のモデルであるため、現在流通している車両と同じ水準で高額買取をしてもらうことが難しいでしょう。しかし、旧式であっても古いモデルを必要とする購入者は市場にも一定数いるため、状態がよければ買取で値段がつかなくなることはありません。
買取額を高くするには、セルシオの場合、ベースとなる車両部分だけにして売ることです。特にセルシオのカスタムは積極的にファンの間で行われているため、自分独自のカスタムが買取額を下げてしまうケースがあります。
必要なことは、カスタム車を元のベーシックな状態に戻して、査定することです。カスタム部分を取り除いて、より購入時の新車に近い状態にすれば、買取額も増加します。極端に増加するよりは、マイナス要因がなくなることでセルシオの買取額を相場で査定してもらえるようにします。
車両のメンテナンス状態
年式が古いことに加えて、長い間乗り回している車両はセルシオに多いでしょう。したがって、車両の状態が悪く、買取時にあまり高く買い取ってもらえない車両が多くあります。特に、メンテナンスがされているのかを確認すれば一目瞭然です。
悪い状態なら買い取り額を大きく下げる要因になります。セルシオは買取額が一定ではない原因の一つに、年数がたちすぎていて、メンテナンスの状態にはっきりと違いが現れるなど、査定でメンテナンス状態を見極められやすいところです。
新車の現行モデルはメンテナンスだけでそれほど大きな差が出ません。そのため、セルシオはメンテナンスが査定に与える要素が大きい車種です。セルシオのメンテナンスはオイルエンジンやバッテリー、オルタネーターを重点的にして、フィルターの掃除なども行います。
他にメンテナンスするポイントとしては、細かいパーツの不具合や運転席周辺の操作性にかかわる部分の微調整をしましょう。運転時の不具合や故障の原因が発生しないようにメンテナンスをします。
このようにファンはいるが古い車種で値が安定しないことからも車両のメンテナンス状態は重要な査定ポイントです。外装に問題はないが、メンテナンスが頻繁にされていない車両だと細かい部分に差が出て買取額に影響するということがあるからです。
セルシオの人気のカラーはプレミアムシルバー
セルシオは一般的にブラックかパールホワイトがよく知られており人気が高いため市場での需要もこの2色が有力です。加えて、人気なのがホワイトに近いプレミアムシルバーです。ブラックと同じくらいの割合で選ぶ方が多いカラーとして有名で、セルシオの人気カラーといえばこの3色のいずれかです。
買取の場合、人気カラーであるかどうかは重要であるため、プレミアムシルバーであればグリーンやブルーのカラーよりも買取額が高くなるでしょう。使用者や中古車を求める人の中で数が多いのはパールホワイトで、市場に出回っているカラーとしては4割を占めセルシオの代表カラーといえます。
初代~3代目までにそれぞれパール色があり、色合いとして少し異なるカラーバリエーションです。プレミアムシルバーは、人気でありながら、パールホワイトほどの数がないため、査定の価格に車両の少なさが反映されることがあります。
セルシオは売却前に複数の見積もりを取る
セルシオは高く売れる高級車ということで、年間を通して高額買取が当たり前と思っている方も少なくありません。しかしながら、セルシオは販売が終了した旧式の車両しかなく、どの年の何月に売るかで値が変動する可能性があるなど不安定さを抱えています。
特に販売と買取の両方を行う業者にとっては、セルシオなどの高級車はタイミング次第で査定額に大きな差が出ます。一般者の需要と比較して高級車セルシオを求める購入者の市場動向が大きく反映されます。
売りやすい時期であれば買取額が満足いくものになるが、逆に相場が下がっているなど時期が悪ければ予想した額では買い取ってもあえないというケースも起こりえます。セルシオを希望の額で売るためには、事前に複数の見積もりを取ることが重要です。
方法としては、複数の業者から見積もりを取って、現在のセルシオの正確な買取相場を把握することです。もしくは、一括査定などでどのくらいの業者が集まるかを確認して、見積もり額や査定の情報を集めます。セルシオを一括査定に出すと、上手く希望額で業者が見つからないことがあります。
理由は、セルシオの見積額を高く設定しすぎているためです。実際に、中古車でも7~8割程度の高額で売買される市場はなく、100万円程度は価値を残していると判断した車両が10万円を切るケースも少なくありません。少しずつ価格を絞っていきながらセルシオを高く買い取る業者を探します。
そして、一括査定によってセルシオの具体的な価値を知ることができます。セルシオを売りたい方は、買取業者の査定でしか分からない査定額を参考にして、いくらで売りたいかを試算するのが良いでしょう。現在の相場と価値が大体分かれば、実際に査定時の買取で交渉材料にすることもできるでしょう。
一括査定は、会社や業者の参入や提携が多い会社を選ぶと良いでしょう。買取を希望する業者の数が少なすぎると、セルシオの見積もりを比較して正確に相場を知ることができません。営業の電話で提示した額が精一杯であると言われてしまい売却を決めてしまう方もいます。
実際は、もっと高く売ることができたはずだったものが、安く買い叩かれしまっては意味がありません。見積もりはできるだけ多く、高いものから順に確認して売却を即決で決めないことが高額買取につながります。
まとめ
今回は、高級セダンとして知られるセルシオについて紹介しました。現在流通していない車両ならではの買取時の見極めや相場を知ることの重要性、買取額を高くするための方法など、買取に必要なポイントといえます。査定をして相場を知ることでセルシオの現在の買取額がどのくらいになるのかを押さえましょう。