中古車を査定するときに、どこをチェックされているのだろうかと考えたことはおありでしょうか。車の査定ポイントを知っておけば損をすることなく高額査定を引き出すことができます。
査定に出す前にできることと、査定士が見ている11のポイントを徹底解説いたします。
目次
信用できる査定士がチェックする車の査定ポイント
査定士はこれまでたくさんの中古車を扱ってきたプロです。ですから、高額査定を狙うのであれば「どうすれば事故歴や修復歴を隠せるか」ではなく「どうすれば査定士がチェックするポイントをアピールできるだろうか」と考えるべきでしょう。信用できる査定士がチェックする11の査定ポイントを解説いたします。
ボディカラー
ボディカラーは車の査定時に非常に重要なチェックポイントです。中古車市場で最も需要の高いボディカラーはパールホワイト系です。
ホワイトやブラック、シルバーといったベーシックなカラーは年代や家族層にかかわりなく乗りこなせるため査定時の金額アップにつながります。また、グレーやブルー、ブラウンなどのカラーは汚れが目立ちにくいとか視認性が高いなどの理由から高額査定につながることもあるでしょう。
ただし、ホワイトやブラックでなければ高額査定は100%無理というわけではありません。車種によって人気カラーが異なるため、ホワイトよりもレッドやブルーが高額査定されるケースも少なくありません。このカラーだから絶対に良いということはありませんので、査定前に愛車のボディカラー人気ランキングを調査しておくことをおすすめします。
ボディの傷や汚れ
車の最も見える部分、ボディの傷や汚れは査定金額に大きく影響を与えるメジャー項目です。ボディに傷やへこみ、えくぼが出来ていたり、錆が生じていたりすると減額になります。キーの差し込み部分の小さな傷もチェックされますので、オートロックキーなどの装備がついていない車をお持ちの方は要注意ポイントです。
ボディ本体以外にも外側からよく見えるランプやアンテナの破損もチェックされています。傷一つ付けないように大事に大切に扱ってきたつもりでもどんな傷も見逃さないのがプロの目です。査定時には傷を隠すのではなく、言葉で大切に扱ってきたことをアピールするほうが賢いでしょう。
シートやフロアマットの傷や汚れ
外装の次に査定士が目を光らせてチェックするポイントがシートやフロアマットの汚れです。交換が必要になるほど汚れている場合は査定金額が下落することでしょう。いくら人気のある車種であってもシートが汚れてしまっていると売却が難しくなり、清掃や修復にかかるコストを考慮するためマイナス査定になります。
査定前にシートやフロアマットがどれほど汚れているか、自力で改善できる程度かどうかをチェックすると良いでしょう。
- 日ごろからこまめにシートやフロアマットの清掃をしているか
- ペットを乗せた形跡はないか
- 飲食物によるシミはないか
- 破れている箇所はないか
人間が毎日乗り降りしているシート部分はどうしても劣化してしまいますが、明らかに人の手によって汚された、破損されたといった状謡は大きなマイナス査定につながりますので注意しましょう。
車内の匂い
目に見える内装の汚れや傷だけではなく、車内の匂いは査定額に大きく影響します。ペットを乗せている人や車内でタバコを吸っている人は要チェックです。ペットの毛やフケはシートや床、天井などに付着しなかなか取り除けません。売却後にオーナーがペットアレルギーだった場合、ぜんそくなどの大事に至ることもありえるからです。
また、タバコの匂いも車内に染みつきます。タバコの匂いがまわりにない環境にいる人は非常に匂いに敏感であるため、査定時に大丈夫だろうと思っていても査定額が大きく下がることは避けられないでしょう。これらの匂いに関する査定額の変化は約-10,000~50,000円ほどです。
走行距離
走行距離は中古車の買取・売却でとても重要なポイントです。走行距離数は多いよりも少ない方が断然、高額買取を狙えます。査定士は全体の走行距離数よりも年間走行距離の平均値を重視しています。
査定の際の年間平均走行距離の基準値は普通自動車が10,000㎞、軽自動車が8,000㎞です。車検証から分かる車の年落ちと総走行距離から割り出した年間平均走行距離が基準値よりも上回っていればマイナス査定となります。
例えば7年落ちで100,000㎞走行している車の場合、年間平均走行距離は14.285㎞です。基準値の10,000㎞を上回っているのでマイナス査定されます。逆に基準値を下回ればプラス査定になります。また、あまりにも走行距離が短い場合エンジンの調子がおかしくなる場合があるため、走行距離が少ない=プラス査定と一概には言えません。
オプション
車にどのようなオプションをつけているのかという点も査定時のポイントです。オプション品はメーカーオプション→ディーラーオプション→社外品という順番で査定価格に影響してくるため、高額査定を狙うのであればメーカーオプションが最適です。
ただし、これは一般的な査定業者の場合であり、カスタム車を専門に扱っている業者の場合は社外品であっても高額買取につながることが合います。サンルーフやカーナビ、アルミホイールなどは新車購入時に組み立てと同時に取り付けがされるメーカーオプションですから査定upとなります。
整備履歴
車検証とともに車内に保管されているであろう整備履歴は査定額に影響を与える重要な書類です。整備記録から査定士は次のようなポイントでチェックしていきます。
- 定期的に整備されていたか
- 交換時期が近い部品があるか
- オイル交換はどれほどの頻度で行われていたか
車が良い状態に保たれていることの保証書ともいえる整備記録は車の中に保管されていなければ、都合の悪い情報があったのかもしれない、走行距離がメーター巻き戻しで改ざんされているのかもしれないといった不安を与えることになります。査定士が安心して、この車は信用できると思えるなら査定額はアップすることでしょう。
部品の交換履歴
部品の交換履歴は整備履歴に記録されます。どのような部品が交換されたかによって、査定額は大きく変わります。つぎのような修復歴、交換履歴はほとんど金額に影響を与えないでしょう。
- ボディに擦り傷を作り板金塗装を行った
- ドア部分に衝突されへこみが出来たため交換した
ただ、車の骨格部分から内側を修理したり、部品交換をしたりしていると事故車として扱われることになり、イメージダウンにつながりマイナス査定されます。新車に近いほど修復歴のある車の査定減額率は大きく、200,000~500,000円の減額になる可能性があります。
カーナビ
車の査定時に特に注目されるオプションパーツはカーナビです。中古車査定士が参考にしているホワイトブックにはカーナビの査定基準の詳細が記載されており、持ち込まれたカーナビによって加点方式で査定額に影響します。ナビが取り外されている場合はマイナス査定にもなりかねませんので、付けたままで業者に持ち込むことをおすすめします。
その車専用に開発されている純正ナビは車の内装との統一感があり、ハイレベルなシステムが搭載されていることが多いため高額査定を期待できます。ディーラーオプションで購入されたカーナビは凡庸性が高いため査定額にはあまり影響しません。社外ナビや外つけナビの場合はほとんど評価されないため取り外していても問題ないでしょう。
エンジン回り
エンジンは車の心臓ともいえる非常に重要な部分ですから、査定の際には特に順天的にチェックされます。例えエンジン回りが悪くなっていても私たちの側でできることはないため、修理に出しておくという必要はありません。エンジンルーム内の清掃はできるため、油汚れやほこりを落としておくことはおすすめします。
完全にエンジンが動かなくなってしまっている車は事故車となり査定価格は下落します。わずかながら買値を付けたいというのであれば廃車にするのではなく査定してもらうと良いでしょう。エンジン回りに関して、もし調子が悪く感じているのであれば早めに申告しておく必要があります。
後々、査定士に気づかれると、買取価格が決定されていても減額処理されることもあるからです。また、エンジンルーム内に記載されている車体番号が移植されていたり改ざんされていたりすると買取拒否される場合もあるため、少しでも高額査定を狙いたいからとむやみに手を加えることは絶対にやめてください。
タイヤ・ホイール
タイヤ・ホイールは純正の場合、ほとんど査定に影響を与えません。しかし社外製ホイールを装着しているカスタム車は過度なカスタムとみなされると一般業者では査定額がマイナスになりえます。次のようなケースでは純正タイヤ・ホイールをつけていることで査定upを狙えるかもしれません。
- 純正ドレスアップパーツとの組み合わせ
- ディーラーでの同メーカー車への乗り換えのための売却
カスタム車の場合、純正タイヤとホイールを処分してしまっていると査定額が落ちます。しかし、社外製タイヤとホイールが好まれる専門業者もあります。人気の高い社外製ホイールを装着していたり、明らかにぴったり当てはまっていてスタイルアップしていたりすれば高額買取も狙えるでしょう。
査定直前の修理は損する可能性が高い
はっきり言って、査定前に修理してもプラス査定は見込めません。自分の手で直すことができる浅いかすり傷やはクリア塗装までの傷ですからコンパウンドを使って修理することができます。しかし、それ以上深くまで達している傷の場合は、専門業者に修理を依頼しなければなりません。
ただ、修理費を減額費が上回るということはありません。修理に10,000~20,000円かかったとしても、修理せずに査定に出した場合の減額費は数千円程度でしょう。修理費分の費用を損するということです。ですから、自分の手で修理できないほどの傷やへこみなどはそのまま査定に出すことをおすすめします。
どこで査定するかは目的によって選ぶ
愛車を手放すことを決めたのであれば、どこで査定してもらうかを決めなければなりません。車を売却するうえで何を重要視するかによって査定依頼する業者の種類を選ぶことができます。車の査定時に受容しされることが多いポイントは次の3つです。
- とにかく早く楽に査定額を知りたい
- 廃車になるだろうけど処分する前に査定したい
- 少しでも高額買取を期待したい
では、それぞれの目的に合った査定方法をご紹介します。
楽な査定は<ディーラー>
もっとも簡単な査定の方法はディーラーでの買い替えです。ディーラーは新車購入をするところと思っておられるかもしれませんが、同メーカーで買い替えをするのであれば下取りもしてくれます。ディーラーで査定するなら、新車が来るまで今の車を乗り続けることができるため乗り換えが便利です。
また、新車購入と同時に中古車売却ができるためとても楽です。多くの場合、査定してもらい車を引き渡すまで数日しか期間がなく、台車がなければ移動できなくなるということもあり得ます。ディーラーを利用すれば手続きが楽なだけでなく最後まで愛車に乗り続けることができます。
処分が目的の査定は<廃車専門業者>
事故車や廃車を所有していて、早く処分したいという場合は廃車専門の査定業者に依頼すると良いでしょう。廃車にすると廃車費用がかかりますし、ディーラーに依頼しても下取りをしてくれるどころか処分量を請求される恐れがあります。
廃車専門買取業者であれば、廃車を修理して再販したり、使える部品を販売したり、素材となってい鉄を再利用することができます。走行不能な車もできる限り高い査定額をたたき出してくれるのでおすすめです。
高額買取希望の査定は<一括査定>
最も高い査定額を知りたい、できるだけ高額買取してほしいという方におすすめの方法は一括査定です。複数の買取業者に一括で査定をしてもらうことにより、いっぺんに査定相場が分かりますし、業者間が競合することにより査定額がアップすることも期待できます。
一括査定は2、3分で完了してしまうので、スピーディに愛車の査定額を知ることができます。自分から業者に出向く必要はなく、無料で出張査定に来てくれる業者もあります。電話やメールでやりとりをして簡単に査定から売却まで進めることのできるとてもおすすめの方法です。
車を高額査定交渉するための3つのポイント
査定の方法は様々ですが、どの方法を選ぶとしてもできるだけ高く査定額を提示してほしいと思われていることでしょう。高額査定交渉のコツを押さえておけば専門知識がなくても査定upを期待できます。
売却相場の把握
まず、愛車の売却相場を把握するようにしましょう。今乗っている車の車種・年式・グレード・走行距離・ボディカラーなどの要素からどれほどの価値があるのかを知っておく必要があります。査定時に提示される金額が安いか高いかを判断し、適正価格で売却するためにも必要なことです。
何も知らずに業者に任せてしまうと、あり得ない安値でかいたたかれてしまうこともあるでしょう。ディーラーに直接確認してみることもできますし、インターネット上で公開されている見積もり例などをチェックすると良いでしょう。
見積もりは最低5件取る
愛車の買取相場を把握し、買取業者の競合を生むためにも1件でも多く見積もりを取りましょう。見積もりを5件以上取るのに時間がかかり過ぎると中古車市場の変動や車の状況の変化によって見積もり通りに査定してもらえないこともあるので要注意です。
できれば1日で2~3件程度回って、2日ほどで5件以上の見積もりを取ることが理想です。見積もりを取ったら1週間以内に業者を決定すれば、それほど金額に変動なく査定してもらえるはずです。忙しくてそんなに業者を回れないという場合は一括査定を利用して効率よく見積もり相場をゲットしましょう。
査定士の心象に訴える
相場に関する知識を持ち、たくさんの見積もりをゲットしたなら、次は交渉です。本当に売りたいという真剣な気持ちと、できるだけ高く売りたいという願いを査定士に訴えるようにしましょう。査定士の心象に訴えるために次の2つの方法はおすすめです。
- 洗車や車内清掃を行って大切にしてきたことをアピールする
- 利益のある客であることを感じさせるために相手の立場を理解した言動をとる
車の査定は時期も重要
車の査定には車の状態だけではなく売る時期も大きく関係しています。中古車の需要や買取業者の決算時期などと合わせてどの時期が一番査定upを見込めるでしょうか。
査定額が高くなるのは1〜3月・9〜10月
もっとも車が高く売れる時期は、中古車販売店が売り上げ目標鵜達成のためにラストパートをかける1〜3月・9〜10月です。また、この時期は新年度が始まるタイミングであったり、転勤や転職の時期でもあるため、新生活のために中古車の需要が高まるため、車の査定額がアップするでしょう。
フルモデルチェンジ前
今乗っている車が現行販売中モデルであるなら、次のモデルが登場するまでに売却することをおすすめします。フルモデルチェンジが行われ新型が販売され始めると多くの人が現行モデルへと買い替えるため、相場が一気に下落します。モデルチェンジの情報が出る前に動き出すのがおすすめです。
車の査定時に必要な書類
車の査定、見積もり、売却には様々な書類が必要となります。査定に必要な書類は車検証と自賠責保険証です。
車検証では車が新車登録された日が確認されます。初度登録年月をもとにして査定業者は車の年式と年間走行距離の平均を割り出すことができるのです。また、車検証には車の形式も載せられていますので、査定業者が車のグレードを認識するために役立ちます。
自賠責保険証は車の所有者に法律で義務付けられている強制保険に加入しているかどうかを判断するための材料です。査定業者は査定する車が自賠責保険に加入しているもので法律違反にはなっていないかを確認する必要があるため、自賠責保険証は査定時に必須です。
加えて、車の取扱説明書も査定額に影響することがあるため、査定時の車の中には車検証・自賠責保険証・取扱説明書の3点セットを入れておくようにしましょう。
まとめ
車を査定するときの査定士側からのポイントと査定を依頼する人側からのポイントをご紹介してきました。高額査定をスムーズに進めるためには、愛車のアピールポイントを見つけておく必要があります。査定時のチェックポイントを知っておけば、どこをきれいにしておけばよいのか、どこをアピールすれば高額査定につながるかが分かるでしょう。
せっかく大事に乗ってきた愛車ですから、お得に納得できる価格で手放したいと思われることでしょう。車の査定時のポイントを押さえて、正しい知識を備えたうえで査定業者に足を伸ばすことをおすすめします。