車を売ろうとすると、「車の買取の相場ってどれくらいなの?どこで調べられるの?」といった疑問をもってしまいます。 車の買取査定はどんなふうに価格を決定しているのか、外からはわかりにくいですよね。たしかに買取査定はブラックボックスのような雰囲気がありますが、実際には業者が査定で見る箇所は決まっていますので、それを知ることで自分の車のおおよその評価がわかります。
この記事では「かんたんに自分の車の買取相場を調べる方法」を紹介します。
車を売るときには1年中同じ価格で売れるわけではなく、「一番高く売れる時期」があります。将来的に車の売却を考えている方は記事のそちらの部分もご覧になってください。
査定時に見られるポイント
ここでは実際に車の買取で査定される8つのポイントを解説していきます。中古車の査定はほとんどの会社がJAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)が定めた基準をもとに行っていますので、チェック項目に大きな差はありません。 実際の価格の決め方は年式や走行距離でわかるおおよその車体の価格から、内外装にある汚れや傷といったマイナスポイントを引いていった価格です。それでは各ポイントを見ていきましょう。
モデル・年式
車の買取ではモデル年式の新しいものほど相場が高くなります。これは中古車市場でも新しいモデルが好まれるためです。
■モデルチェンジとは
・フルモデルチェンジ
4~6年ごとに行われます。シャーシやエンジンなどの車の基本設計から変更され、外観や内装なども別の車かと思われるほど変わることもあります。
・マイナーチェンジ
1~2年ごとに行われます。グリルやテールランプなどのちょっとした外観や、装備品の変更で車種の魅力をアップさせます。
フルモデルチェンジがあれば乗り換えなどで古くなったモデルが手放されることが増え、市場に出まわる台数も多くなります。当然、古いモデルの買取相場は下がってしまいますので、売却の時期を見誤ると損をすることになります。
マイナーチェンジは、フルモデルチェンジほどではありませんがやはり買取相場の下落はあります。中古車市場では車のモデル・年式が少しでも新しい車種のほうが相場が高く、買取査定も高額になります。
走行距離
車の買取査定で一番重要視されるのが走行距離です。その理由は走行距離が「車の状態」を把握する明確な指標になるからです。車は長く走るほど各部品が消耗し修理や整備が必要になってくるため、中古車市場では敬遠されやすくなるので買取価格が下がります。
「1年間で1万km」が、中古車で基準となる距離とされています。例えば「走行距離が3年間で5万km」なら基準の距離より2万km走り過ぎですので、買取価格は相場より低くなります。
ボディカラー
中古車は同じ車種でもボディカラーにより相場が違います。新車での人気色「パールホワイト・黒・シルバー」が中古車市場でも同じく人気の色になり、相場も高くなっています。
買取査定でも、「パールホワイト・黒・シルバー」の3色は他の色より高く査定されます。例外はカタログの表紙写真のボディカラーである「イメージカラー」で、このカラーは人気の色になることが多いため相場が高くなります。
外装(傷、へこみなど)
傷と一言でいってもいろいろな状態の傷があります。車の買取査定ではボディの傷は3つにわけて判断されます。
1. 傷を爪で確認したときに引っかからない程度
2. 爪が引っかかる深い傷
3. 傷だけでなくボディが凹んでいるもの
1の「爪が引っかからない程度の傷」は、ほぼ減額対象になりません。この程度の傷はコンパウンドで磨けば消せることも多く、車を日常的に使用していれば当然つく傷なので買取業者も神経質に減額材料にすることはありません。
2の「爪が引っかかる傷」は傷が車体にまで到達しているので、再塗装が必要になる傷です。当然、査定減額の対象になります。
3の「ボディが凹んでいるもの」は板金修理と塗装をすることになり、査定額も大幅に下がります。
「爪が引っかかる傷一つにつき〇万円減額」という査定マニュアルもあるにはありますが、買取価格は傷の場所や車体のコンディションなどから総合的に判断されるものなので、傷のひとつひとつにあまり神経質にならないようにしましょう。
内装(汚れ、破損、タバコの臭いなど)
買取の査定をしてもらうときには、車内の内装もできるだけきれいにしておきましょう。車は買い取られた後にクリーニングされることになるのですが、査定する人も人間ですので車内がきれいになっていると「大切に扱われている車」という印象を受けて査定額が上がりやすくなります。
・汚れ
車の内装にタバコのヤニ、ペットを乗せていたことによる汚れなどがあると減点になります。
・匂い
喫煙・ペットの匂いなど取れにくい匂いがついてしまっていると減点です。
・シートの破れ・焦げ
シートが破れていたりタバコで焦がしてしまっていると、シートを交換するしか修理方法がないため大幅に減点されます。
事故車か否か
よく一般に「事故車」といいますが、中古車市場で敬遠されるのは「修復歴車」です。交通事故を起こしたかどうかは関係なく、車の骨格(フレーム)を修理・交換したことがある車を「修復歴車」と呼びます。
フレームとは主に「フレーム・ クロスメンバー・インサイドパネル・ ピラー・ ダッシュパネル・ルーフパネル・フロア・トランクフロア」の8つのことです。
修復歴があると、その車が大きな衝撃を加えられたこと過去があったとみなされます。そうなると修復歴のある部分だけではなく車全体に衝撃があったと判断されるため、強度の点などで問題があると感じる人がいます。そのため修復歴車は相場より大幅に安い価格で買取されることになります。
オプション装備
オプション装備も買取相場に影響します。メーカーの工場でしか取り付けられない「メーカーオプション」は査定アップする場合が多いです。人気のメーカーオプション(サンルーフ・レザーシート・安全装備など)はプラス査定される率が高くなります。
ディーラーで取り付けられる「ディーラーオプション」もメーカー純正品ですので人気はありますが、プラス査定になるかどうかはケーズバイケースです。
純正ではない社外オプション(マフラー・オーディオなど)は商品によりますがあまり評価されないこともありますので、そのときはオークションなどで売却したほうが利益になるでしょう。
タイヤ・ホイール
中古車市場ではタイヤとホイールはメーカーの純正品が一番好まれますので、買取査定でも純正品の評価が高いです。ですが、純正品がついているとプラス査定になるのではなく、マイナス材料にはならない程度だと考えてください。
非純正のホイールは見た目が極端なホイールなどは減点されることがあります。過度のインチアップは一般のユーザーに敬遠されるので、業者が付け替える費用が発生するためです。
タイヤの減り具合は、タイヤの溝がスリップサインの出ない1.6mm以上残っていれば減点にはなりません。
一番高く売れる時期はいつ?
車の買取査定ではどこの業者でも、JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)が決めた指針をもとに行っています。なので時期による査定価格の上下はないのが建前なのですが、実際には時期により販売数に変動があるために買取価格もそれに影響されます。
一番高く売れるのは1~3月の期間です。
1-3月、7-9月(決済期の前)
進学、就職や引っ越しと、4月から新生活を迎える人が多くいます。この人たちが事前に準備をするのが1~3月くらいで、この時期には車がほんとうによく売れます。
もちろん新車を買う人ばかりではなく、中古車も売れますので中古車販売店もこの時期には台数を確保しておかなければなりません。当然、1~3月の期間は買い取り相場も高くなる傾向がありますので、売却するのであればこの期間がおすすめです。
7~9月は中古車販売店も決算前ということで、販売数を増やしたがります。その影響で買取査定も相場より多少甘くなりますのでこの時期もねらい目となります。
売ろうと思った時が売り時
前述したように、車が高く売れやすい時期というのはあります。ですが、車を売るのが決まっているのに半年も1年も待つのは実はあまり得策ではありません。
まず、日常的に車に乗っていると数か月もするとかなり走行距離が伸びてしまいます。例えば「売却を数ヵ月待っていたので走行距離が5万kmを超えてしまった」という場合は査定額は下がってしまいます。4万km代と5万kmでは受ける印象がかなり違いますので。
モデルの年式も年が明けると1年古い年式になってしまいます。中古車を買う人もこういう印象にはかなり敏感ですので、やはり買取価格にも影響してきます。
それに最近は車種によりモデルチェンジの時期も規則的ではなくなっています。もし突然にフルモデルチェンジが発表されて買取相場が下落してしまうということも有りえます。
このように、必ずしも1~3月まで待つのが一番高く売却できるとは限らないことがわかります。もし代わりに購入する車の車種が決まっていて費用の見込みもついているのなら、売却を先延ばしにしてもその楽しみを我慢するほどの利益は得られないということもあるでしょう。
相場価格を調べる方法
売却を迷っている人も、自分の車の買取価格を一度調べてみることをおすすめします。査定は無料でできますし査定したからといって、必ずしも売却しなければならないこともありません。売却額によって乗り換える車の購入計画なども立てられますので、軽い気持ちで査定してみてはどうでしょうか。自分が思っていたより高額で査定されることも多々ありますので。
中古車業界に詳しい人に相談する
中古車販売店や販売業者に勤めている知人がいれば相談してみるのもよいでしょう。ただ、査定といっても時間と手間を要するものですし、よほど親しくなければ遠慮しておいたほうがいいです。もし実際の売却価格とちがっていたとしてもクレームをつけることもできません。
ネットの中古車買取サイトで調べる
ネットで車の買取相場を調べるには、「車の一括査定」のサイトを利用するとかんたんです。車種や年式・走行距離などの車の情報と、住所や電話番号といった個人情報も入力する必要があります。登録後にはサイト提携している複数の業者から連絡がありますので、アポをとり実際に車を査定してもらうだけです。
多数の業者から連絡がありますのでやっかいなようですが、電話の内容は査定をする場所と時間の約束だけのかんたんなものですので安心してください。わずらわしいようですが、実は面倒なことが一気に片付くので楽なのです。
業者から連絡をもらうのが嫌いな人は向いていません。査定で料金を請求する業者はまずありませんが、念のため事前に確認するようにしてください。
実店舗で査定に出してみる
店舗をまわる手間がかかりますが、これが一番かんたんな方法です。査定だけなら無料ですので気軽に訪問してみてください。ただ、やはり売却価格の確認のため複数店舗をまわることになりますので時間と手間はかかってしまいます。
おすすめの中古車買取サイトは?
おすすめの中古車買取のサイトを5つ紹介します。基本的に複数の業者に査定をしてもらったのほうが車は高く売れます。情報入力後は業者から連続して連絡が入りますので、査定してもらう場所や日にちはあらかじめ決めておくとよいでしょう。
直接査定してもらわなくとも、だいたいの相場を知ることができるサイトもあります。
ズバット車買取比較
サイト上のツールで個人情報を入力しなくても、「車種・年式・走行距離・ボディカラー」の情報だけで簡易的に査定相場をチェックすることができます。だいたいの相場だけを知りたい人には便利な機能です。
もちろん一括査定もあり。
おすすめ度★★★★★
くらべる・選べる・決められる ズバット車買取比較
車選び.com
一括査定のサイト。買取業者の口コミやランキングが参考になります。サイト加盟店4000社から集めたデータによる買取相場表で買取価格を事前にチェックできます。
おすすめ度★★★★★
車買取相場・売却価格査定なら【車選び.com】
ガリバー
年間取引台数28万台の中古車買い取りサービスの大手。店舗が全国にあるのでこちらから訪問したい場合に便利。大手の安心感と店舗があるのでアフターサービスも万全。
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まとめ
今回は車の買取相場を調べる方法と査定に関する情報をお届けしました。車の売却というと取引する金額も大きいのでついついおっくうになって先延ばしにしてしまいがちですが、実際に見積もりや査定を頼んでみると良い意味で事務的にスムーズに作業をしてもらえます。
査定する人も一日に多くの車を査定するのですから当然なのでしょうけど。車はいつかは売ることになるものですので、今現在の車の価値を知っておくといろいろ選択肢が広がるでしょう。