車を売る際の価格は様々な要素によって決定されます。特に重要なのは市場での人気度や車の状態となりますが、車を売るタイミング次第で相場以上にお得に車を売ることもできるのです。今回は、車を売るのに最適なタイミングや車を売る時のポイント・注意点をご紹介します。
目次
車を売るならタイミングが重要
まずは車を売るのに最適なタイミングをご紹介します。
車を売るなら1~2月がおすすめ
自動車業界には複数のキャンペーン時期が存在します。各ディーラーや中古車販売店は、需要が見込める時期や新車のモデルチェンジなどのタイミングで、ユーザーに向けた定期的なイベントを開催します。
一年の間に定期的に開催されているキャンペーンとしては下記が挙げられます。
- 1月〜3月(3月の最盛期に向けたキャンペーン・決算期)
- 6月〜7月(ボーナス商戦)
- 8月中旬〜9月(中間決算期)
- 11月〜12月(ボーナス商戦・歳末キャンペーン)
この中でも、特に自動車業界にとって忙しいのが、3月と言われています。3月には、4月からの新生活に備えて車を購入する人が急増します。そのため、各販売店は在庫車を確保しておきたいのです。
そして各店舗がそのような状態なので、車の買取においても激しい競争が生まれます。販売のみならず、買取においてもキャンペーンを展開する業者もいます。
したがって1月〜2月での車の査定は、通常月よりサービスしてもらえることが期待できるのです。
自動車税が課税される前に売る
自動車税は、毎年4月1日の時点での所有者に課税される税金です。排気量ごとに税額が定められていて、1,000cc以下から6,000cc超の車まで、排気量が500cc上がっていくごとに、課税される額が増えていきます。軽自動車税に関しては、軽自動車税として、一律10,800円が課税されます。
車を所有し公道で走れる状態を保つためには、この自動車税を毎年収めないといけません。いわゆるコンパクトカーに該当する1,000cc以下の車においても、2018年度現在では29,500円を納める必要があります。
さらに、この自動車税は登録年数が長くなるにつれて税額が上がってきます。登録年数が13年経過した車は、各排気量ごとにおよそ3割程度増額される計算になります。そして登録年数が18年経過した車には、通常支払う自動車税より5割程度増額された金額が課税されます。
このように、登録年数の長い車は増税されるタイミングもあるため、自動車税が課税される前のタイミングで売却するユーザーも多いです。年度ごとに課税されるために、自動車税だけを考慮するのであれば、1月〜3月に売却するのが良いでしょう。
一度に複数申し込みができるタイミングで
車を売る際には、一つの業者だけで話を進めないことが、高価買取のポイントです。複数の業者から相見積もりをとり、買取業者それぞれの特徴をよく見極めて、最適な業者に売ることで満足いく取引を行うことができます。
しかし複数の業者に依頼することは、高価買取が期待できる一方で時間がかかるデメリットもあります。1件1件各業者に連絡して査定をしてもらい、さらに見積もりを確認してまた他の業者へ連絡する作業は手間でもあります。
そのため、比較的時間に余裕がある時期を見つけて、じっくり交渉した方が良いでしょう。なかなか時間が取れない方や手間をかけたくない方には、車買取一括査定サイトを利用することをオススメします。
一括査定サイトでは必要事項に入力をすれば、買取の意思がある複数の業者からアプローチがありますので、時間も手間もかかりません。それぞれの業者が競い合うことによって、査定額を比較検討できるメリットもあります。
効率よく車を売りたいのであれば、一括査定サイトを選択すると良いでしょう。
中古車買取店の決算期を狙う
決算とは、一定期間の収入・支出を計算し、利益又は損失を算出することです。各店舗においては、一年に1回または半年や3ヶ月に1回決算をし、最終決算期に年間の損益を確定させます。
決算には、店舗の成績表のような要素があります。そして決算期は利益を上げて少しでも良い成績に持っていくために、各店舗においては追い込みの時期になります。
特にその年度の売り上げが芳しくない店舗の場合は、最終決算期は黒字を確保するために必死です。そのため、通常より少ない利益であっても売り上げを上げたいことから車の販売に力を入れます。
決算キャンペーンなどは、まさにそういった要素から来ています。決算期には、中古車市場でも非常に活発な動きを見せますので通常月より在庫車が売れる見込みが高くなります。そのため、利益につながる見込み客を確保するために買取査定額も少しサービスされる傾向にあります。
各店舗において決算期が異なる場合はありますが、自動車業界に関しては3月に決算を迎える店舗が多いです。決算期を見据えて車を売るのであれば、1月〜2月が最適なタイミングです。
車検に通す前に売るべし
車を売るタイミングとして、車検に通す前もオススメです。オススメな理由は下記になります。
車検の費用は約10万円
車検は定期的に受ける必要がある法定で定められた点検です。車検を受けた証拠となる車検証は、常に車内に携行している必要があります。また、車検を受けていない車は、公道を走ることはできません。
一般的な乗用車では、最初の車検は新規登録から3年後に、そして2回目以降の車検は2年に1回受ける必要があります。
そして、車検を受けるためには、様々な費用が発生します。整備・点検費用に加えて、自賠責保険料や自動車重量税などの法定費用も発生します。さらに、車検により不良な箇所が見つかれば、部品の交換費用も発生します。
全ての項目を合計すると、車の重量や排気量によっても違いますが、約10万円かかる計算になります。車を売る時の査定ポイントとして車検の残り期間も加味されますが、有効期間が少なければ少ないほど、査定額には影響しないと考えて良いでしょう。
この費用を浮かすためにも、車検前に車を売るユーザーは多い傾向にあります。
車検の2ヶ月前までに売る準備をする
先ほども述べたように、車検の有効期間は、査定額にも影響して来ます。そして、車検切れの車に関しては、一気に査定額が下がる傾向になります。
車検を通す前に売るのが最適なタイミングとは、あくまでその車が車検の有効期間内にあることが前提となります。そのため、車検が切れる前までに業者への車の引き渡しや名義変更などの法定手続きも終わらせておきたいところです。
車を買い取ってもらう作業は、少し時間が必要になります。複数の業者と交渉しようと考えているのなら、ある程度余裕を持って行動したいものです。平均的な目安としては、車検の2ヶ月前から動いておくと良いでしょう。
車検の2ヶ月前であれば、業者選びから売却後の入金までしっかり車検前に完了させることができます。少しでも高く売りたいためにタイミングを見計らっているユーザーも見受けられますが、期限を設定しないと、車を売るタイミングを逸してしまいます。
車検を一つの期限と捉えることで、スムーズかつお得に車を売ることができると考えます。
車の走行距離や年式も重要なポイント
車を売る時には、車種や色と合わせて走行距離や年式をまず確認されます。走行距離と年式においても高く売るタイミングが存在するのです。
年間万単位で走らない
車の状態を最も簡単に把握できるのが走行距離となります。走行距離からは、単純にどれだけ車を酷使しているかが見て取れます。
ここ10年の間に発売されている各車種を見ても、昔の車とは比べ物にならないくらい非常に耐久性が高い仕様となっていますが中古車は状態がそれぞれ異なります。そのため購入する際にユーザーも走行距離を参考にすることが多いです。
一般的に年間の走行距離に換算すると1万キロ以上走っている車は、過走行だと判断されます。地方に住んでいて、毎日通勤などで車を使用しているユーザーでは、1万キロを超えることも珍しくありません。
しかし中古車市場においては、年間の走行距離が1万キロを超えている車は、相場が下がる傾向にあります。逆に1万キロ以内だと、ほぼ査定への影響はないと考えて良いでしょう。
もし年間の走行距離が1万キロを超えている場合は、しっかりメンテナンスを行っていて状態が良いことをアピールしておきましょう。
10万キロは買取価格が厳しくなる
買取価格の相場では、走行距離がある一定のラインを超えると、同じ車種であっても一気に買取価格が下がる傾向にあります。特に10万キロを超える車は、買取相場が一気に下がる確率が高いです。
年間の走行距離が1万キロだとしても、10万キロに達するには10年かかります。そういった状態であると、10万キロを超えた段階で故障のリスクも増えてきます。
実際のところは、10万キロを超えているからといって極端に調子が悪くなるわけではありません。しかし昔の車に関しては、10万キロを超える頃には不具合が多かったのも事実です。
中古車市場においてはその名残からか、販売価格も買取価格も10万キロを目安に大きく下がる傾向にあります。あくまで走行距離は目安となりますが、お得に売るタイミングとしては走行距離が10万キロに到達する前というのも挙げられます。
もし10万キロを経過した車を売る際には、定期的に点検・整備を行なっていることをアピールするためにメンテナンスシートを保存しておくと良いでしょう。
高年式の車は相場が下がりやすい
中古車市場においては、年式が古ければ古いほど買取相場は下がっていくのが一般的です。その車種の人気度、モデルチェンジの時期、グレードや色など複数の要素によって相場が決まって来ます。
年式においては、ある一定のラインを超えると、極端に査定額が下がることがあります。人気車や特定のモデルが人気の車種であれば、相場ほど査定額が下がることはありませんが、基本的には高年式の車は相場が下がると考えて間違いないでしょう。
普通自動車の資産価値は法定耐用年数で6年と決められています。簡単にいうと、6年後には資産価値が0円になっているということです。もちろん法律的な内容ですので、ほとんど市場の動向は反映されていませんが、中古車市場のユーザーの傾向を見ていてもやはり登録から5年以内の車の人気が高いようです。
年式に注目して買取相場をグラフ上で見ると毎年緩やかに相場が下降していますが、登録から5年経過した車と10年経過した車のところで極端に下がっていることがわかります。そのため、年式を考えて売るのであれば、登録から5年以内または10年以内を売るタイミングとして考えておくのも良いかと思います。
車を売る際の注意点
最後に車を売る際の注意点をご紹介します。
実績のある業者に任せる
車を取引する際には、査定や陸運局の手続きなど、専門的な知識が必要になってきます。あまり車に知識のないユーザーとしては、全ての作業を滞りなく終わらせることができる、安心感のある買取業者と付き合いたいところです。
買取実績が豊富な業者であれば、非常にスムーズな取引ができることが期待できます。優良業者においては、査定だけではなく、車の引き渡しや入金方法、必要書類の案内まで、全ての情報を明確に伝えてくれます。
そして買取実績が豊富であればあるほど、取引におけるノウハウが確立されています。車の売買は高額な取引ですので、安心・安全に車を売りたいのであれば、実績のある業者を選ぶ必要があります。
タイミング重視でなくよく考える
車を売るタイミングを見計らいすぎるのも、車を売る上ではマイナスとなります。
なかなか車を売る最適な要素にたどり着けないといったユーザーは、そもそも何のために車を売るのかという根底に立ち返ることをオススメします。
一度じっくり考えることで、自分なりの最適な売るタイミングを把握することができます。今回車を売る最適なタイミングを様々な角度からご紹介しましたが、あくまで車を売ることが目的であって、タイミングを計ることが目的ではありません。
タイミングは付加価値的な要素だと捉えて、参考にしてください。
必要書類は揃っているか
車を売る時には、いくつかの必要書類があります。書類によっては、紛失していると売ることができないものもありますので、注意しましょう。普通自動車を売却する際に、必要な書類は下記になります。
- 自動車検査証
- 自動車納税証明書
- 自賠責保険証
- リサイクル券
- 住民票(車検証と住所が違っている時にのみ必要)
- 実印
- 印鑑証明書
- 委任状
委任状に関しては、買取業者が用意してくれる場合がほとんどですが、その他の書類は自分で用意しなくてはいけません。車検証や自賠責保険証は常に携行しておかないといけませんが、万が一紛失してしまった場合には、速やかに再発行の手続きを取りましょう。
まとめ
今回は、車を売るのに最適なタイミングや車を売る時のポイント・注意点をご紹介しました。時期だけではなく、車種ごとの年式や車検などでも最適なタイミングは異なります。あくまで高価買取を実現させるための付加価値的なテクニックですが、ぜひ参考にしてみてください。