<RCZ>はプジョーが2015年まで販売していた2ドアクーペ。独特のフォルムと高い走行性能で現在でも一定の人気があるモデルです。
今回は「RCZの最新の買取相場の情報」と「高く売れやすいカラー・グレード」を紹介します。
[myphp file=article-cta-parts-s]RCZの特徴
プジョーの<RCZ>は、2007年の9月に行われたフランクフルトのモーターショーにて、 <308シリーズ>のコンセプトカーとして発表された<308 RCZ>がモデルになっています。
2009年9月に<308>が取られた<RCZ>が発表、2010年4月に販売が開始されました。第25回国際自動車フェスティバルではTHE MOST BEAUTIFUL CAR OF THE YEARを、第31回日本カー・オブ・ザ・イヤーでは、実行委員会特別賞をそれぞれ受賞しています。
プジョーのライオンマーク(ロゴ)は<RCZ>から新しく立体的なエンブレムに替わり、1929年以来の伝統となっていた三桁数字の車名を採用しなかったモデルとなり、新しいプジョーを象徴する車になりました。FF車ですが、270PSもの強力な馬力のエンジンを積んだ車体は、軽やかでスムーズな加速が魅力です。
経営不振の煽りを受け、残念ながら2015年に生産中止となりましたが、スポーツクーペの持つ唯一無二の美しいフォルムは今見ても官能的で先進的なデザイン性を保有しています。
RCZのエンジンと燃費
エンジンはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2タイプがあります。
RCZのガソリンエンジン
ガソリンエンジンは、直列4気筒の<1.6L直噴ツインスクロールターボエンジン>です。<ツインスクロールターボ>は低回転域から過給を始めつつ、中回転域以上では高い最大過給圧を得ることができるので、低回転域でのレスポンスとパワーが高いのが特徴です。
かつてプジョーは2Lの自然吸気エンジンを得意としていましたが、この<ツインスクロールターボ>に切り替えることで、二酸化炭素排出量を減らすと同時に低燃費化を実現しています。
最高出力は156PSと200PSの2種類から選ぶことが出来ます。BMWと共同開発したエンジンはオーバーブースト機能を備えており、200PSのエンジンは0→100km/hの加速にかかる時間がわずかに7.6秒と、高い運動性能を誇ります。
モータースポーツ部門 PEUGEOT SPORT(プジョー スポール)がチューンナップした限定モデル<RCZ R>と<RCZ R Final Version>は、1.6Lエンジンなのに270PSを実現。プジョーの市販モデルでは史上最高の出力を誇るモデルとして販売されました。
燃費は11〜12km/L程度と、スポーツクーペとしては十分な燃費です。ただしガソリンはハイオク指定なので維持費は若干かさむかもしれません。
RCZのディーゼルエンジン
ディーゼルエンジンとして使われているのは直列4気筒<2.0Lのターボエンジン>です。2000回転から34.7kgmもの大トルクを生み出すので、力強い発進が可能です。最高出力は163PSと日常シーンでは十分なパワーを持つエンジンです。
RCZのボディサイズ
惚れ惚れするほど美しいエクステリアを誇る<RCZ>は、見た目こそコンパクトに見えますが、実はコンセプト元となった<308 ハッチバック>にサイズは似ています。
全長 4,290mm
全幅 1,850mm
全高 1,360mm
車両重量 1,350kg
<RCZ>の車高が数値以上に低く見えるのは、<308>シリーズと同様、全長やホイールベースが長いことに加え、車体の前後が低く抑えられているからです。造形美が<RCZ>のスポーティさを生み出しているのです。
RCZのボディデザイン
<RCZ>の特徴は、第一にエクステリアの美しさにあります。
車体の前後から見た時に目を引くのは、トップからリアにかけて綺麗なアーチを描く<ダブル バブルルーフ>です。新型のトヨタ・スープラが採用して話題になりましたが、運転席と助手席の上部がフタコブラクダのようなアーチを描き、女性の体を想起させるようなグラマラスなデザインを作り出しています。
この<ダブル バブルルーフ>によって作られたフロントガラスと屋根のくぼみが作り出した車体の曲線は、美しい光の反射を生み出し、車体に高級感を与えています。
全体的な曲線美の中にエッジを効かせたスポーティーなデザインはどの角度からみても美しいものですが、フロントフェイスは更に特徴的なデザインをしています。
遠くから見てもひと目でプジョーとわかるライオンのエンブレム。プジョー独特の三角形な目、大きく口を開けたグリル。【スポーツクーペ】という概念にプジョーらしさをしっかり融合させたデザインになっています。
RCZのインテリア
<RCZ>のインテリアは、ベースとなった308のものを踏襲しています。ダッシュボードパネルは専用設計で、中央におかれたアナログ時計を含め全体的に円を多用した丸みを帯びたデザインになっています。
ダッシュボードはフェイクレザータイプとフルレザータイプの2種類がありますが、どちらもエクステリアに負けないくらい美しいです。
一見2シーターに見えますが、短時間ユーズなら使える申し訳程度の後部座席が設置されています。運転席、助手席はナッパレザーの電動シートで、ホールド性の高いフルバケットシートとなっており、座り心地には定評があります。
<RCZ>のインテリアは、<308>シリーズをベースとしているため、スポーツクーペとは思えないほどのラゲッジスペースを持っています。リアシートバックを倒しトランクスルーにすると、最大積載量は639L、通常の状態でも321Lです。
RCZの買取価格例
RCZの最新の買取事例をご紹介します。
2016年式 (平成28年)<RCZ GTライン>AT 赤系
走行距離 3.5万km 新車販売価格 439.5万円 参考買取価格 190万円 残価率43%
2014年式 (平成26年)<RCZ>AT 白系
走行距離 7万km 新車販売価格 425万円 参考買取価格 123万円 残価率28%
2012年式 (平成24年)<RCZ ブラウンストーン>MT 黒系
走行距離 8.1万km 新車販売価格 423万円 参考買取価格 88万円 残価率20%
RCZの人気グレードとは
プジョーの数ある名車のなかでも<RCZ>は造形美とスポーティーな運動性能を兼ね備えた稀有な一台。やむなく生産中止となりましたが、今でも人気の衰えない車種です。そんな<RCZ>にはエクステリアとインテリアを変更したモデルと、エンジンをチューンナッしたモデルの2タイプがあります。
前者は<アスファルト><ブラック・エディション><ブラウンストーン><オニキス><インテグラルレザー><カーボンルーフ><マグネティック><レッドカーボン><GTライン>、後者は<R><R ファイナルバージョン>です。
この中からおすすめの車種<R ファイナルバージョン>についてご紹介します。
RCZ GTライン
<RCZ GTライン>は2015年7月に販売が開始されたモデルです。スポーティな専用パーツを装着したエクステリアと、レッドステッチをあしらった優雅なインテリアが特徴です。専用パーツを多用しており、高い質感に仕上がっています。
販売価格は4,395,000円ですが、ベースグレードよりわずかに6万円アップという戦略的な価格設定がされています。
RCZ R ファイナルバージョン
<RCZ>の生産中止が決まっていた2015年9月に発表されたのが<R ファイナルバージョン>です。2012年9月のパリモーターショーに、コンセプトカーとして当初出品されたハイパフォーマンスクーペ<RCZ R>が基になっており、その<CRZ R>にカーボンルーフを追加装備したのが<RCZ R ファイナルバージョン>です。
搭載されているエンジンは、最高出力270PS、最大トルクは330Nm/1,900rpmを発生する直列4気筒1.6Lターボエンジンです。日本では30台限定販売ということもあり、AT車の設定はなく、MT車のみの販売でした。
ボディサイズもベースグレードと異なり、車高が10mm低い1,350mm、車重は10kg軽い1,340kg。足まわりには高性能タイヤに19インチホイールが装着されているほか、サウンドチューニングを施したツインエキゾーストパイプを装備するなど、五感で感じるようなチューンナップがなされています。
販売価格は5,508,000円となっており、数ある<CRZ>の中でも一番高価なモデルです。
RCZをより高額に買い取ってもらうポイント
人気のカラー
スポーツクーペの<RCZ>は趣味性の高い車です。しっかりラゲッジスペースを確保するなど、決して実用性に欠ける車ではないのですが、ファミリー層向けではありません。
クルマ好きの方や、裕福層によって購入される車種なので、見た目は重要なポイント。人気のカラーは高く売れるので、買取価格も高くなる傾向にあります。
それでは、人気のカラーについてご紹介しましょう。中古車市場で高価に買取られているカラーを調べてみました。
第1位:パール・ホワイト/オパール・ホワイト(白)
第2位:ペルラ・ネラ・ブラック(黒)
第3位:その他(赤・青)
<RCZ>は白系・黒系の販売台数が非常に多いです。街中に溶け込めるような優しいデザインではない<RCZ>は、その美しいボディラインが目立つようなカラーが好まれるようです。
プジョーの公式パンフレットでもパール・ホワイトのモデルが使われており、白系のイメージが定着しているのかもしれません。
https://anshinkuruma.jp/bguide/プジョー初!車名に数字を持たないrczの維持費が/
まとめ
今回は<RCZ>の特徴と、最新相場、買取ポイントについてお伝えしました。<RCZ>はデビュー以来、プジョーのイメージであり続けましたが、経営不振の影響を受けて2015年に生産中止となりました。
今見ても美しい<RCZ>は中古市場では、人気があるため高価買取が期待できるようです。後継車種が販売されておらず、<RCZ>と同じ特徴を持つライバル車種もほとんどないため、比較的年式の古い車種でも価格がつきます。
人気車種なので、買取査定額が高くなる可能性が十分にある車。売却を検討されている方は、是非一度、査定を受けてみてください。
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