〇〇4WD、4WD〇〇など、一部の車種の機能として搭載されている4WD。この記事では、そもそも4WDって?4WDだとどんないいことがあるの?などなど、わかっているようで意外とわかっていない4WDについて、解説していきます。
4WDとは?
4WDとは、「4(Four) Wheel Drive」の略で、四輪駆動と呼ばれます。
自動車には4つの車輪がついていますが、この4つの車輪すべてが駆動する方式の車を4WD(四輪駆動)といいます。
4WDのメリット
4WDのメリットといえば、何といっても走破性の高さです。雪道や泥道などで前輪もしくは後輪が空転してしまったときでも、4WDであれば空転していない駆動輪で脱出することができます。
また、4輪すべてが駆動しているということから、高速走行時でも安定して走れるといったメリットがあります。
4WDのデメリット
4WDにもデメリットはあります。4輪すべてが駆動していることから、タイヤの摩耗が早くなり、2WDに比べると燃費が悪くなります。
また、4輪駆動するための機構が付くため、重量が重くなり、その影響から車両重量税や自動車税も高くなりがちです。
4WDと2WDの違い
4WDと2WDの違いは、4輪すべてを駆動しているか、2輪を駆動しているかという点です。2WDは、前輪のみもしくは後輪のみを駆動しています。
4WDの種類
多種多様な車種が存在する昨今では、4WDも様々な形で存在しています。そのうちメインとなる3種類を紹介します。
フルタイム4WD
フルタイム4WDは、車両が走行している間、常に四輪が駆動している機構の4WDのことをいいます。前輪や後輪のみという状態が無いため、常に安定した走行をすることができます。特に雨や雪などの路面が滑りやすい状態の場合に威力を発揮します。
しかし、常に四輪が駆動していることから、タイヤの摩耗が早く、燃費に悪影響を及ぼす要素が多いというデメリットもあります。
パートタイム4WD
パートタイム4WDは、常に四輪を駆動しているフルタイム4WDに対し、2WDと4WDを切り替えることができる機構を持つ4WDのことをいいます。通常のシフトノブとは別に切り替えるためのノブがあり、停車状態で切り替えることが可能です。このため、市街地などの舗装路は2WDにすることで、フリクションが減って燃費が良い状態で走行することができます。
しかし、停車しないと切り替えることができない点や、機構が複雑になり車体が重くなってしまう点がデメリットとして上げられます。
オンデマンド4WD(スタンバイ4WD)
オンデマンド4WD(スタンバイ4WD)は、通常は2WDで走行し、駆動輪の滑りを感知した際に自動で4WDになるというシステムです。走行中に自動で切り替わるため、ドライバーが操作する必要が無いことがメリットです。また、システムが必要と判断したときにのみ4WDとなるため、他の2WDと同様の走行をすることができます。
デメリットは、パートタイム4WDと同様に、4WDになるための機構が搭載されていることから、車体が重くなり燃費に悪影響を及ぼす点です。しかし、ドライバーが操作をする必要が無く、走行中に自動で切り替わるといった点が大きなメリットとなります。
各メーカーの4WD
前述したオンデマンド4WD(スタンバイ4WD)は、各メーカーで4WDへ切り替わる方法や制御が異なります。ここでは例をいくつか挙げて解説していきます。
トヨタ E-Four
トヨタにはE-Fourといわれるオンデマンド4WDが存在します。ガソリン車・ハイブリッド車に搭載されており、前輪と後輪のトルク配分を自動的に電子制御しています。
ガソリン車の場合は「ダイナミックコントロール4WD」、ハイブリッド車の場合は「電気式4WDシステム」ともいいます。
スバル シンメトリカルAWD
スバルでは、シンメトリカルAWDといわれる4WD動システムが存在します。これはスバル特有の水平対向エンジンを用いたもので、車体全体が左右対称になることから、それぞれのタイヤに均等に荷重がかかることを利点としたシステムです。
スバル独自の制御法により、泥道や雪道に対して適切な走行性能を実現できる「X-MODE」を搭載しています。
メルセデス・ベンツ 4Matic
メルセデス・ベンツでは、4Maticといわれるフルタイム可変4WDシステムが搭載されています。
前輪と後輪の駆動力を100:0~0:100の間で可変できる点が特徴で、完全な前輪駆動、もしくは完全な後輪駆動が実現できるのがこの4Maticです。
まとめ
ここまで4WDについて解説してきました。メリットの多い4WDですが、デメリットも少なからず存在します。各メーカーから様々な4WD車両がランアップされていますので、自分に合った一台を選択してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
4WDはなぜ燃費が悪いのか?
2WDと違い、エンジンの力が四輪に分けられて駆動することになるため、二輪を駆動しているときよりも転がり抵抗が大きくなります。この抵抗に対して二輪駆動のときよりも大きな力がエンジンには必要になります。その力を出すためにエンジンは燃料を消費するため、燃費が悪化します。また、四輪を駆動させるための機構を搭載する必要があるため、二輪駆動の車種に比べて重量が重くなる点も燃費の悪化に影響しています。
2WDと4WDの見分け方は?
2WDと4WDの見分け方として、四輪にドライブシャフトが存在しているかが見分けるポイントです。車輪がエンジンの力を使って駆動するためには、このドライブシャフトがホイールハブの裏に付いている必要があるためです。二輪駆動である前輪駆動や後輪駆動の車には、前輪、もしくは後輪にドライブシャフトが左右に1本ずつ付いています。しかし、駆動しない車輪には付いていません。