オービスは全部で6種類アリ!設置場所・光る条件・対策について

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ドライバーなら「オービス」という言葉を聞いたことがあると思います。しかし、オービスについて詳しく知っているドライバーは意外と少ないのが現状です。

ここではオービスの種類や設置場所をはじめ、光る条件や光らせてしまった場合どうなるのか、そして光らせないための対策について紹介していきます。

オービスについての知識をしっかり身につけて、ドライブを安全で楽しいものにしてほしいので、ぜひ最後まで読んでください。

オービスとは

オービスは「速度違反自動取締装置」のことを指します。

オービス(ORBIS)は古代ギリシャ語で「眼」を意味する言葉から取った名称で、アメリカにあるボーイング社の商標です。厳密にはボーイング社以外の取締装置をオービスと呼ぶのは間違いですが、今ではすべての速度違反自動取締装置のことをオービスと呼んでいます。

オービスは自動でスピード違反した車両の速度を測定し撮影する装置です。オービスには固定式・半固定式・移動式が存在します。2010年頃までは固定式が主流で全国に700ヵ所近く存在しましたが、2021年12月時点では461ヵ所に減少。近年では半固定式や移動式オービスの数が増えてきています。

オービスと同じく道路に設置されているため、よく間違えられるのが「Nシステム」です。これは「自動車ナンバー自動読取装置」というもので、速度違反とは関係なく通過する車すべてのナンバーを読み取る装置で、犯罪捜査に使われています。

オービスの種類と設置場所

現在、日本国内に存在するオービスは全部で6種類です。それぞれの詳細や設置場所などについて説明します。

レーダー式オービス

センサー設置位置 道路上部
カメラ設置位置 道路わき
測定方法 レーダー
速度測定位置 手前10~15m
人の有無 無人
レーダー探知機での検知 可能
GPS付レーダー探知機での検知 可能

レーダー式オービスは、道路上部にレーダー照射システムを設置し走行する車にレーダーを照射、そして跳ね返る電波から速度を測定する仕組みです。

オービスの中では最も旧式で、撮影用フィルムは枚数に限界があるためフィルム交換が必要となるなど、メンテナンス性の悪さから近年は減少傾向にあります。

センサーが道路上部に設置されているため、遠くからでも目視で確認できます。また、常に電波を発しているため、市販のレーダー探知機ですぐに検知可能です。

測定結果が天候や道路状況に大きく左右されるため、雨天時や先行車との車間距離が近い場合は測定不能になることが多くあります。

Hシステムオービス

センサー設置位置 道路上部
カメラ設置位置 道路わき
測定方法 レーダー
速度測定位置 手前10~15m
人の有無 無人
レーダー探知機での検知 可能
GPS付レーダー探知機での検知 可能

Hシステムオービスは現在、国内の道路に最も多く設置されており、測定方法はレーダー式オービスと同様です。

撮影はフィルム式からデジタルデータに進化したことで、フィルム切れすることなく撮影データはすぐに管轄の警察に転送されます。

センサー設置位置はレーダー式オービスと同様の道路上部なので遠くからでも目視可能ですが、断続的なパルスレーダー波を発振することで、レーダー式オービスよりも探知されにくくなっているのが特徴です。

Hシステムは外観にも特徴があります。車線の上部に白い正方形のアンテナが設置されていて、はんぺんに似ていることから「はんぺん型」オービスとも呼ばれています。

ループコイル式オービス

センサー設置位置 道路埋め込み
カメラ設置位置 道路わき
測定方法 ループコイル
速度測定位置 オービス手前7m
人の有無 無人
レーダー探知機での検知 不可能
GPS付レーダー探知機での検知 可能

ループコイル式オービスは、6.9mの速度測定区間の道路に3本のループコイルと呼ばれる磁気センサーを埋め込み、この区間を何秒で通過したかによって速度を測定する仕組みです。

撮影はフィルム式を採用しているため、フィルム切れを起こす可能性があります。しかし最近では、デジタルデータに切り替えが進んでいます。

センサーは道路に埋め込まれ、撮影カメラも道路わきに目立たないように設置されているため、目視での確認は非常に困難です。道路に撮影ポイントを示す白線がありますが、これも走行中に見つけるのは難しいでしょう。またレーダー探知機では検知不可能です。

LHシステムオービス

センサー設置位置 道路埋め込み
カメラ設置位置 道路上部
測定方法 ループコイル
速度測定位置 オービス手前7m
人の有無 無人
レーダー探知機での検知 不可能
GPS付レーダー探知機での検知 可能

LHシステムオービスは、ループコイル式の速度測定方法とHシステムの撮影方法を合体させたもので、国内の道路で設置数が多くなっています。名称の由来は、ループコイル式の「L」とHシステムの「H」からです。

速度の測定方法はループコイル式と同じで道路にループコイルを埋め込み、撮影方法はHシステムと同じでデジタルカメラを使用することで撮影データをすぐに管轄の警察に転送します。

ループコイル式やHシステムと違うところは、カメラの設置位置が道路わきではなく道路上部に設置されていることです。そのためLHシステムオービスは、走行する車のナンバープレートを撮影する「Nシステム」と間違えやすいのです。

LHシステムはループコイル式を採用しているので、GPSの無いレーダー探知機では反応しないため、Nシステムと思い込み、速度を気にせず走行してしまうことも。

LHシステムとNシステムを見分ける唯一のヒントは、カメラ横に設置されている赤色灯です。

移動式(車両移動式)オービス

センサー設置位置 道路わき・車両内
カメラ設置位置 道路わき・車両内
測定方法 レーダーもしくはレーザー
速度測定位置 手前10~15m
人の有無 有人
レーダー探知機での検知 機種により可能
GPS付レーダー探知機での検知 機種により可能

移動式(車両移動式)オービスは、ワンボックスカーに速度を測定する装置とカメラを搭載し、道路わきにワンボックスカーを停めて走行中の車の速度を測定する仕組みです。事前の警告看板はある時とない時があり、日によって取締る場所も変わるため予測がつきません。

測定装置がレーダー式であればレーダー探知機で検知可能ですが、レーザー式の場合は探知機も位置情報も通用しません。レーザーに対応した探知機が必要になります。

速度が出やすい幹線道路の道路わきにワンボックスカーが停車していたら、移動式オービスかもしれないと警戒するようにしましょう。

新型小型オービス

センサー設置位置 道路わき
カメラ設置位置 道路わき
測定方法 レーダーもしくはレーザー
速度測定位置 手前10~15m
人の有無 有人
レーダー探知機での検知 機種により可能
GPS付レーダー探知機での検知 機種により可能

新型小型オービスは、速度を測定する装置と撮影するカメラ、そしてフラッシュをまとめて搭載したものです。2014年頃から登場し、2016年から本格的に運用が開始されていることから、今後は増えていくと思われます。

「ゾーン30」と呼ばれる制限速度が時速30km/h前後の狭い生活道路での事故を減らす目的として登場したと言われていますので、今後は従来のようなオービスが設置できなかった狭い道路でも速度の取締りは増えていくでしょう。

新型小型オービスはいつ、どこに設置されるかも事前に知ることができないうえに、レーダー式とレーザー式が存在しますので、探知機によっては検知することが困難になります。

オービスが光ると速度はどれくらいオーバーしている?

オービスが光る速度基準は具体的に公表されていません。また、速度基準は一般道と高速道路で違うようです。

一般道の場合

一般道の場合は、約30km/hオーバーでオービスが光るといわれています。その場合の違反点数・反則金・行政処分は以下です。

超過速度 違反点数 反則金 行政処分
30~50km/h未満 6点 6ヵ月以下の懲役、
又は10万円以下の罰金
30日免停
50km/h以上 12点  6ヵ月以下の懲役、
又は10万円以下の罰金
90日免停

高速道路の場合

高速道路の場合は、約40km/hオーバーでオービスが光るといわれています。その場合の違反点数・反則金・行政処分は以下です。

超過速度 違反点数 反則金 行政処分
40~50km/h未満 6点  6ヵ月以下の懲役、
又は10万円以下の罰金
30日免停
50km/h以上 12点  6ヵ月以下の懲役、
又は10万円以下の罰金
90日免停

オービスを光らせたその後はどうなる?

オービスが光る速度超過をすると一発で免許停止となり、いわゆる「赤切符」をもらうことになります。もしオービスを光らせてしまった場合、以下のようになります。

1.自宅に出頭通知書が届く

オービスを光らせると、その日から早ければ3日、遅くとも1ヶ月以内にオービスを光らせた管轄の交通警察から「出頭通知書」が届きます。

出頭先は出頭通知書の警察署になりますが、居住地から遠い場合は出頭先を最寄りの警察署へ変更することが可能です。また、出頭日も変更できます。

出頭の際には以下の4点を持参します。

  • 出頭通知書
  • 運転免許証
  • 自動車検査証(車検証)
  • 印鑑(シャチハタ不可)

2.警察署に出頭する

出頭通知書で指定された警察署、変更した場合は変更後の警察署へ出頭します。この時点ではまだ免許停止にはなっていないので、車で出向いても問題ありません。

受付で出頭通知書を提出すると担当警察官に取調室へ連れて行かれ、オービスで撮影された写真を見せられて事実かどうか確認されます。

調書作成のため、警察官から当時の状況を細かく聞かれますので正直に答えていきます。そして調書作成後に、赤切符を渡されます。

赤切符には簡易裁判所へ出頭する日時が記載されているので、その日時に簡易裁判所へ出向かなければなりません。

3.簡易裁判所に出頭する

簡易裁判所に到着したら、受付窓口で赤切符を渡します。その後、先日取られた調書をもとに内容に間違いがないか確認されます。内容に間違いがなければ略式裁判に同意する書類に署名・捺印をします。また、免許証の提出を求められた際は免許証を提出します。

次に検察の受付へ行き、検察官による事実確認が行われます。警察の調書をもとに、調書の内容がすべて事実なのか確認されます。預けた免許証はこの日に返却されます。

待合室で罰金の額が決定されるのを待ちます。名前を呼ばれたら受付に行き、判決結果が書かれた紙と罰金額が記載された赤切符を渡されます。現金を持参していれば、その場で罰金を支払い帰宅します。

4.呼出通知書が届く

後日、警察から呼出通知書が届きます。あらかじめ出頭する日時が決められていますが、難しい場合は都合の良い日時に変更できます。

出頭当日、運転免許管理課分室(行政処分)などで免停手続きを行います。ここから免停となりますので、当日は必ず公共交通機関を利用して出向きましょう。

5.停止処分者講習を受ける

免停期間を短縮したい人は免停手続き後、停止処分者講習を受けます。30日免停なら最大29日、90日免停なら最大45日短縮されます。短縮される日数は40点満点のテスト結果で変わります。具体的には下表のとおりです。

免停期間 優(36点以上) 良(30~35点) 可(21~29点)
30日免停 29日短縮 25日短縮 20日短縮
90日免停 45日短縮 40日短縮 35日短縮

受講費用は30日免停で約11,600円~13,200円、90日免停で約25,000円~26,400円となります。

講習で免停期間が短縮されたとしても、この日は免停期間中になります。講習を受ける場合でも車では絶対に行かず、公共交通機関を利用してください。

オービスを光らせないためには

オービスの設置場所を把握しておく

あらかじめオービスの設置場所を把握しておけば、法定速度まで減速しオービスを光らせないようにできます。毎日通勤で使う道路や、よく通る道路であればオービスの設置場所を覚えるのは簡単です。

しかし、最近増えてきている移動式オービスに対応には対応できず、旅行先などの不慣れな道路では、オービスの場所を事前に把握することは困難になります。

オービス警告通知アプリを利用する

事前に知らない道のオービスの設置場所を調べるのは面倒です。そんな時に便利なのがスマホアプリです。最近では無料でいくつものアプリがリリースされています。また、カーナビと一緒になったアプリもありますので、カーナビが無い人は一石二鳥です。

レーダー探知機を取り付ける

オービスが発しているレーダーを受信してドライバーにオービスがあることを知らせてくれます。機種によっては警察無線を受信しパトカーが近くにいることも知らせてくれます。

最近ではレーダータイプ以外のオービスにも対応できるGPS内蔵タイプやレーザー対応タイプが主流となっています。

まとめ

ついうっかりスピードを出し過ぎてオービスを光らせると、最低でも30日の免許停止と高額な罰金を科せられます。これはドライバーにとって大きな負担です。

それよりもスピードは恐ろしく、一歩間違えれば事故を起こす危険性があります。

オービスがあるからスピードを控えるのではなく、事故を起こさないよう安全に走行するためにスピードを控えてください。そうすればオービスを光らせる心配もありません。