カーユーザーであれば、車のエンジンがかかりにくくなった経験のある方も多いのではないでしょうか。この記事では、エンジンがかかりにくくなる原因と、その対処法について説明していきます。
目次
車のエンジンがかかりにくい原因
エンジンがかかりにくい原因について、いくつかあるので解説していきます。
これらの原因も、症状によっては大変危険なので、注意が必要です。
バッテリー上がり
エンジンをかける際には、必ずセルモーターを回します。このセルモーターが回ることによってエンジンが停止状態から回転を始めます。このセルモーターを回すためには、バッテリーの電気が必須です。
もし、バッテリーの電圧が足りない、もしくは無い場合にはセルモーターが回らないため、エンジンはかかりません。この状態をバッテリー上がりといいます。
バッテリーが上がった場合、車のみではどうにもならないので、以下のような道具が必要になります。
ブースターケーブル
ブースターケーブルは、バッテリーが上がった車と、正常な車のバッテリーをブースターケーブルでつなぎ、電気を分けてもらい、エンジンを始動させることができる道具です。
エンジンの排気量や装備品によってバッテリーサイズが異なるため、自分の車に合ったブースターケーブルを選択しましょう。
ジャンプスターター
ジャンプスターターは、車のバッテリーに電気を供給し、エンジンを始動させることができる携帯型バッテリーです。
こちらも、使用する車のバッテリーに対応しているものを選ぶ必要があります。
商品によっては、車だけではなくスマートフォンやノートパソコンの充電にも使用できるものもあるので、1つ持っておくと重宝します。
ガス欠
ガス欠は、文字通りガソリンが無い状態のこと。エンジンをかけようとすると、セルモーターによりエンジンが回転を始めます。この時にガソリンを噴射して、スパークプラグによる点火をし、このガソリンに着火して、膨張する力を使ってエンジンは回っています。
つまり、ガソリンが噴射されなければ、力も得られずにエンジンは始動ができないというわけです。
その他の原因
その他の原因としては、プラグがかぶっていることが挙げられます。
これは、ガソリンと空気の混合気に着火するためのスパークプラグに問題があり、スパークプラグの先端にガソリンや煤が付着していて、うまく火花が飛ばずに発症します。このスパークプラグの火花がうまく飛ばない現象を「プラグかぶり」といいます。
対処法は、スパークプラグを外す必要があり、車種によっては大掛かりな作業になるため、プロの整備士に依頼した方が確実です。
プラグかぶりの発生原因は、対応したプラグを使用していない、プラグがうまく動作していない、などです。
プラグを使用していない場合は、対応したものに交換すれば対処できます。
プラグがうまく動作していない場合は、対処が難しくなります。
プラグの動作に必要な、イグニッションコイルといったスパークプラグに電気を供給する機器が故障していたりすると、うまく火花が飛びません。
また、車種によってはプラグ1本につき1個ずつイグニッションコイルが装着されているため、多気筒になるほど対処の難易度が上がります。
さらに、前述した以外の原因もあり得、最悪の場合、再始動不能によりレッカーが必要になったり、修理費用が莫大になる可能性もあるので注意が必要です。
車のエンジンがかかりにくい場合の対処法
バッテリー上がりによってエンジンがかかりにくい時は、前述のブースターケーブルかジャンプスターターを使用しましょう。ブースターケーブルの場合、エンジンが始動できている他の車両が必要になります。
もし、他の車両が無い場合には、JAFなどのロードサービスを使うことをおすすめします。会員であれば、バッテリー上がりならJAFは無料で対処してくれます。また、ガス欠についてもJAFを手配するのがおすすめです。
JAFの場合は、10リットル程度のガソリンを現場まで持ってきて給油をしてくれます(ガソリン代は実費負担)。最寄りのガソリンスタンドまで走行するには十分でしょう。
ガソリンスタンドで携行缶を使用してガソリンを持ってきてもらうという手段もありますが、2020年に消防法が厳格化され、携行缶へのガソリンの給油する行為が厳しくなりました。専門の免許や資格を所有している場合でも、ガソリンスタンドのスタッフが立ち会う必要があったり、そもそも携行缶への給油に対応しているお店自体も少なくなってきています。
その他、セルモーターの故障やエンジン内部の焼き付きなどは再始動不能のため、JAFを手配した際にはレッカーが必要になります。この場合は、加入している自動車保険のロードサービスを使用することをおすすめします。JAFへ直接手配した場合は、修理工場までの移動費用やレッカー代が請求されますが、保険のロードサービスの場合は無料になることが多いためです。また、保険のロードサービスを使用しても、等級に影響はありません。
まとめ
エンジンがかかりにくい原因を、いくつか例を挙げて説明してきました。バッテリー上がりは自分でも対処可能ですが、原因がわからない場合にはロードサービスを利用した方が、確実かつ安価に対処できることがあります。この機会に、自分の加入している自動車保険の補償内容を、ぜひ確認してみてくださいね。
よくある質問
バッテリー上がり以外でエンジンがかかりにくい原因はなに?
主に、プラグかぶりやガス欠が考えられますが、他にもセルモーターの故障やイグニッションコイルの故障など、考えられる原因は多岐にわたります。エンジンがかかりにくかった際の状態や現象をよく確認して、原因に合った対処をしましょう。
気温が低い場合は、なぜエンジンがかかりにくいの?
気温が低いとバッテリーの電圧が低下しやすく、バッテリーから放電していく速度が暖かい時期よりも速くなります。つまり同じ時間経過でも、気温が高い時よりバッテリー電圧が低下しており、始動に対して十分な電圧を得られないのが原因です。
エンジンが始動してしまえば、オルタネーターを介して充電ができるため、その後の運転については問題ありません。