5ドアハッチバックタイプの車の中で人気が高いマツダ・アクセラスポーツ。最近のマツダ車の特徴である「魂動(こどう)デザイン」と「スカイアクティブテクノロジー」の採用が人気の理由のようです。
今回は、マツダ・アクセラスポーツを愛車購入の選択肢のひとつとお考えの方のために、購入費用とその後の維持費はどれくらいかかるのかを徹底検証してみました。
目次
マツダ・アクセラスポーツの特徴
ボディデザイン
マツダ・アクセラスポーツのボディデザインは「魂動(こどう)デザイン」の採用により躍動的で生命力あふれ、先代よりもかなりカッコよくなっています。そのためマツダ・アクセラスポーツの人気はとても高くなっています。
この魂動デザインはボディカラーもデザインの一部という考えで、「匠塗 TAKUMINURI」という塗装技術も採用しています。魂動デザイン×匠塗 TAKUMINURIのボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」の組み合わせは特に人気があります。
ボディサイズと室内サイズ
ボディサイズ
- 全長:4,470mm
- 全幅:1,795mm
- 全高:1,470mm(2WD)、1,480mm(4WD)
室内サイズ
- 室内長:1,845mm
- 室内幅:1,505mm
- 室内高:1,170mm
エンジン
マツダ・アクセラスポーツのエンジンは「クリーンディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」の2種類がラインナップされています。
クリーンディーゼルエンジン
SKYACTIV-D 1.5
- 最高出力:77kW〈105PS〉/4,000rpm
- 最大トルク:270N・m〈27.5kgf・m〉/1,600-2,500rpm
SKYACTIV-D 2.2
- 最高出力:129kW〈175PS〉/4,500rpm
- 最大トルク:420N・m〈42.8kgf・m〉/2,000rpm
ディーゼルエンジンはSKYACTIV-D 1.5とSKYACTIV-D 2.2の2タイプをラインナップしています。マツダのディーゼルエンジンは「クリーンディーゼルエンジン」と呼ばれ今までのディーゼルエンジンとは違い排気ガスがとてもクリーンです。
さらにディーゼルエンジン特有の「ガラガラガラ」という大きなノック音を「ナチュラル・サウンド・スムーザー」という新技術を採用することでディーゼルエンジンとは思えない静かさを実現しています。
ガソリンエンジン
SKYACTIV-G 1.5
- 最高出力:82kW〈111PS〉/6,000rpm
- 最大トルク:144N・m〈14.7gf・m〉/3,500rpm
ガソリンエンジンはこのSKYACTIV-G 1.5と呼ばれる直列4気筒 直噴DOHCエンジンのみのラインナップです。1.5リッターと小排気量ですが、直噴や高圧縮比などマツダの技術がふんだんに盛り込まれており街中などの普段の走行で多用する回転域のトルクを大きくすることでキビキビとした気持ち良い走りを実現しています。
燃費性能
15S L Package/15S PROACTIVE/15S/15C
- 20.4km/L(AT/2WD)
- 17.8km/L(AT/4WD)
15XD L Package/15XD PROACTIVE/15XD
- 21.6km/L
22XD L Package/22XD PROACTIVE
- 21.4km/L(MT/2WD)
- 19.6km/L(MT/4WD)
- 19.6km/L(AT/2WD)
- 18.0km/L(AT/4WD)
※マツダ公式サイト、JC08モードの数値
マツダ・アクセラスポーツでかかる維持費は年間どのくらい?
自動車の維持費と言えば、税金や保険をはじめガソリン代に駐車場代、消耗パーツ代になります。マツダ・アクセラスポーツの場合、1年間にかかる維持費を調べたところ、約28万円が必要だとわかりました。その内訳をご紹介します。
税金
自動車の維持費を考える場合の税金には「自動車税」と「自動車重量税」があります。それぞれの税金がかかるタイミングと税額を紹介します。
自動車税
自動車税とは、毎年4月1日現在の自動車の所有者に対してかかる税金のことです。自動車税の税額は排気量や新規登録からの経過年数、エコカー減税の有無によって決まってきます。クリーンディーゼル車はグリーン化特例により新車購入(新規登録)の翌年のみ優遇措置が適用され概ね75%減税されます。ガソリンエンジン車には減税適用はありません。1年間にかかる自動車税の税額は以下になります。
クリーンディーゼルエンジン
- 新規登録の翌年:9,000円(1.5L)、11,500円(2.2L)
- 2年目~11年目まで:34,500円(1.5L)、45,000円(2.2L)
- 11年以上:34,500円+概ね15%重課(1.5L)、45,000円+概ね15%重課(2.2L)
ガソリンエンジン
- 新規登録から13目まで:34,500円
- 13年以上:34,500円+概ね15%重課
自動車重量税
自動車重量税とは、新車購入時および車検実施時にかかる税金で自動車の重量と新規登録からの経過年数とエコカー減税の有無で税額が決まります。マツダ・アクセラスポーツの自動車重量税区分は2WDが1.5t以下、4WDが2.0t以下に該当します。エコカー減税により新車購入時と次回の車検時にクリーンディーゼル車は全額免税、ガソリンエンジン車は2WD/6EC-AT車のみ25%減税されます。自動車重量税の1年間あたりの税額を算出すると以下になります。
クリーンディーゼルエンジン
- 新車購入時から5年間:0円
- 新車購入時から6年目以降:7,500円~10,000円
ガソリンエンジン
- 新車購入時から3年間:5,600円(2WD/6EC-AT車)、12,300円(2WD/6EC-AT車以外)
- 新車購入時から4年目以降:12,300円
- 新車購入時から13年目以降:17,100円
- 新車購入時から18年目以降:18,900円
保険
自動車を運行する場合、必ず加入しなければいけない「自賠責保険」と自賠責保険だけでは補償しきれないためにさらに加入する「任意保険」があります。現在では自賠責保険だけは万が一の時に十分な補償ができなため任意保険にも加入するのが一般的です。
自賠責保険
自賠責保険は新車購入時および車検切れの中古車購入時、車検時かその前に加入する自動車保険です。自賠責保険は次の車検が来るまでの期間をカバーするような期間設定で作られていますので、新車購入時には3年間(37か月)、中古車購入の場合は2年間(25か月)で加入となります。これを1年間に計算しなおすと以下の保険料になります。
- 新車購入時:36,780円÷3年=12,260円
- 初回車検以降:26,680円÷2年=13,340円
任意保険
任意保険は、その名の通り「任意」なので加入しなくても車の購入および運行は可能で車検も受けられます。しかし、自賠責保険ではまかなえないような重大な事故を起こしたら取返しがつきません。そう考えると加入すべき保険なのです。任意保険はその車を運転する人の年齢や過去に保険を適用した回数(事故回数とは異なる)、また保険会社や補償内容で保険料が変動します。
任意保険に加入する場合の補償条件で一番重要視されるのは対人保険と対物保険で、どちらも無制限にするのが一番安心です。15XD L Packageで、下記の条件で任意保険を見積もってみました。
・保険対象者年齢:30歳以上
・等級:12等級
・免許の種類:ゴールド
・年間走行距離:5,000㎞
・運転者:本人限定
・対人賠償:無制限
・対物賠償:無制限
・車両保険:あり
- 保険料:約84,200円
その他費用
自動車を走らせるためには燃料となるガソリンが必要になります。また自宅に駐車場がなければ、駐車場を借りる必要があります。それぞれ1年間にかかる費用をおおよそで算出してみました。
ガソリン代
年間走行距離を5,000㎞、軽油を124円/L、レギュラーガソリンの価格を143円/Lとした場合、エンジン別の1年間のガソリン代は以下になります。※燃費は平均値
クリーンディーゼル車
- 5000km×124円/L÷19.7km/L=31,472円
ガソリンエンジン車
- 5000km×143円/L÷20.4km/L=35,049円
駐車場代
駐車場代は、どこに住んでいるのかで変わってきます。1か月の駐車場代で1番高い東京都が31,077円、1番安い長野県が4,144円、全国平均が8,288円です。全国平均の駐車場代をもとに1年間の駐車場代を算出すると以下になります。
- 8,288円×12か月=99,456円
車検代
自動車の車検は新車購入時のみ3年後、以降は2年毎に受ける必要があります。マツダ・アクセラスポーツの場合で継続車検をディーラーで受けて、交換部品がなかった場合の最低限の車検内訳と費用は以下になります。
・検査手数料:1,100円
・自賠責保険:26,680円
・自動車重量税:0~37,800円
・点検費用:約30,000円
・代行手数料:約10,800円
・合計金額:68,580円~106,380円
- 1年あたりの費用:34,290円~53,190円
消耗品
自動車には、消耗品がいくつも使われていて寿命はさまざまです。年間走行距離が5000㎞、ディーラーで対応してもらった場合の年間費用は、エンジンオイルが年1回の交換で約3,500円、ブレーキオイルが車検ごとに交換で約2,500円、ブレーキパッドは30,000kmごとの交換で約3,000円、タイヤは3年ごとの交換で約10,000円、ワイパーブレードが車検ごとの交換で約1,000円ほどになります。
マツダ・アクセラスポーツの購入時にかかる費用は?
マツダ・アクセラスポーツを新車で購入する場合の必要な費用をお伝えします。
車体価格
マツダ・アクセラスポーツの各グレードの車体価格をご紹介します。価格表示は2WD/4WDになっています。※メーカー希望小売価格、税込価格
グリーンディーゼルエンジン
15シリーズは2WDの6EC-ATのみ、22XD PROACTIVEは2WD/4WDで6EC-ATのみ、22XD L Packageは2WD/4WDで6EC-AT/6MTの設定です。
- 15XD:2,338,200円
- 15XD PROACTIVE:2,440,800円
- 15XD L Package:2,689,200円
- 22XD PROACTIVE:2,791,800円/3,013,200円
- 22XD L Package:3,088,800円/3,310,200円
ガソリンエンジン
2WDには6EC-ATと6MT、4WDは6EC-ATのみの設定です。
- 15C:1,825,200円/2,046,600円
- 15S:1,954,800円/2,176,200円
- 15S PROACTIVE:2,149,200円/2,370,600円
- 15S L Package:2,397,600円/2,619,000円
オプション
マツダ・アクセラスポーツのオプションは、ボディカラーやシートをはじめ、エアロパーツやアルミペダルなどのドレスアップパーツ、、360°ビュー・モニター+フロントパーキングセンサーや紫外線カットフィルムなどの安心快適パーツ、CD/DVDプレーヤー+フルセグ地デジTVチューナーなど幅広くラインナップされています。オプションパーツの価格は1万円以内から10万円以上までありますので、予算に合わせてチョイスするとよいでしょう。
自動車重量税
マツダ・アクセラスポーツの自動車重量税ですが、クリーンディーゼル車はエコカー減税により全額免税となります。また次回の車検まで全額免税が適用されます。ガソリンエンジン車は2WD/6EC-ATのみエコカー減税により25%減税となります。
クリーンディーゼルエンジン
- 新車購入時と次回の車検時の自動車重量税:0円
ガソリンエンジン
- 新車購入時の自動車重量税:16,800円(2WD/6EC-AT)、22,500円(2WD/6EC-AT以外)
自動車取得税
マツダ・アクセラスポーツの自動車取得税ですが、クリーンディーゼル車はエコカー減税により全額免税となります。ガソリンエンジン車では2WDの6EC-AT車のみエコカー減税により20%減税されます。自動車取得税は本体価格やオプション代金の合計で計算されますので、支払金額が大きいほどメリットが出ます。
自賠責保険
自賠責保険とは強制保険とも呼ばれ、自動車を購入し運行するために必ず加入しなければいけない保険です。また次回の車検までの期間をカバーできるだけの期間を一括で支払ってかけなければいけません。新車で購入する場合は3年間分(37か月)の36,780円となります。
リサイクル料金
リサイクル料金とは、自動車を解体したあとに出たゴミをリサイクルもしくは廃棄するために必要な料金です。新車購入時に支払います。マツダ・アクセラスポーツの新車購入時のリサイクル料金は11,510円になります。
ディーラー代行手数料
マツダ・アクセラスポーツをマツダのディーラーで新車購入する場合の代行手数料は、登録諸費用として参考価格の消費税込み69,100円(マツダ公式サイト参照)となっています。
マツダ・アクセラスポーツの壊れやすいところや注意するべき点
電力不足
車にはオルタネーターという発電機が必ず搭載されています。これはエンジンの動力を利用して回転させて発電する装置なのですが、エンジンのクランクシャフトとオルタネーターをVベルトでつなげるために「プーリー」という円盤状のパーツを使っています。
オルタネーター側のプーリーにはワンウェイクラッチという機構が搭載されています。オルタネーターが正しい回転方向の時のみクラッチがかみ合いオルタネーターを回すものなのですが、このクラッチが故障してしまい正しい回転方向の動力も伝えることができずオルタネーターが発電しなくなるというものです。
オルタネーターが発電しない場合はバッテリーの電気を使うのですが、それには限界がありいずれはエンジンすらかからなくなります。プーリーの交換費用は工賃込みで1万円ほどになります。しかし、バッテリーが上がりバッテリー交換となれば2万円前後の出費がプラスされます。
まとめ
マツダ・アクセラスポーツの購入に必要な費用と、その後にかかる維持費や故障・注意点についてご紹介しました。マツダ・アクセラは本体価格も維持費もとても高いという印象ではないので、購入し維持していくことはそこまで難しくなさそうです。
今回調査した結果、初期費用の購入価格を抑えたい人はガソリンエンジン車、長く乗るので維持費を安く抑えたい人はクリーンディーゼルエンジンを選択されるのが良いかと思います。