常にチャレンジングな姿勢を貫くことで知られているホンダ。若者の車というイメージの強いホンダ車ですが、中高年にも人気の車種が存在するのを知っていますか。
また、ホンダの人気車種がどれであるのか気になる人もいるでしょう。ホンダの魅力についても気になりますよね。
そこで、ホンダはどんな企業であり、どのように車作りを進めているのかについて調べてみました。ホンダの魅力を紐解きながら、バラエティに富んだホンダの人気の車種を12種類選んで紹介します。
目次
ホンダの特徴
ホンダは、世界でも類を見ない自動車メーカーのひとつです。その理由は、どこのメーカーとも提携することなく独自に自動車を作り続けていることにあるでしょう。
常に独創的な発想で自動車を生み出すホンダは、創業者である本田宗一郎の物づくりへのこだわりが浸透している企業です。
例えば、他のメーカーがターボ車の製造に力を入れると、ホンダはV-TEHCエンジンの開発に乗り出し、その独自性を貫く姿勢を見せつけてきました。
さらに、軽自動車部門でも、これまでになかったオープンカークーペのS660を発表し、こだわりの強い車づくりを続けています。
技術屋としてのこだわり
もともとバイクメーカーとして誕生したホンダは、バイクのエンジンを自動車に流用することで、自動車作りを開始しました。さらに、船や飛行機などの製造に参入した経験もあります。
F1スポーツカーのエンジン開発も積極的に行っているため、高い技術を持ったエンジニア社員が多く集められているともいえるでしょう。
より速く、快適な車を作りたいと願う技術者たちが集まり、車へのロマンを実現し続けている企業です。
初期のホンダ車
ホンダが初めて4輪車を発売したのは1963年のことでした。T360と名付けられた4輪車は軽トラックであり、当時発売が計画されていたスポーツカーであるホンダS360と同じエンジンが搭載されていたことで注目を集めます。
これまでの軽トラックを大きく上回った高出力エンジンにより【スポーツトラック】と呼ばれたT360は、ホンダの個性が凝縮された1台です。
その後、小型のスポーツカーであるS500を生み出し、世間をあっと驚かせます。
1970年代のホンダ車
1970年代には、ホンダが独自に開発したCVCCエンジンを搭載したシビックが発売されました。CVCCエンジンとは、当時問題視されていた深刻な大気汚染に対する法律であるマスキー法をクリアしたエンジンです。
大気汚染を解消するエンジンとして注目が集められたCVCCエンジンは、トヨタ・フォード・クライスラーなどにも技術供与が行われます。
また、初代シビックの発売は1972年から1979年まで続けられました。その間、北米や欧州にも販売ルートが広げられ、世界各国にホンダの名前を知らしめた車として知られています。
その後、前輪駆動方式を採用したN360の発売により、他の軽自動車メーカーに水をあける程の人気を見せたのです。
1980年代のホンダ車
1981年、ホンダはコンパクトカーのシティを発売します。シビックがモデルチェンジで大型化したことを受け、シビックより小さいコンパクトカーの需要が高まったことがシティの開発につながりました。
シティは、当時のコンパクトカーではあり得なかった背の高さが採用されたことでも話題を呼びます。その後、1990年にはスーパーカーであるNSXが誕生するのです。
NSXのエンジンは車体の中央付近に搭載され、ボディには世界初のオールアルミモノコックボディが採用されました。
F1に参戦するホンダならではのこだわりが詰まったNSXは、スーパーカーファンからの大きな反響を生んだ1台です。
ホンダ車の魅力
ホンダの魅力には、F1などモータースポーツの参戦によって培われた高いレベルのエンジン性能や、ハイブリッドの採用による燃費性能などが挙げられるでしょう。ここからは、ホンダが誇るVTECエンジンと、燃費性能について紹介します。
VTECエンジン
ホンダの技術力の高さの象徴ともいえるのがVTECエンジンです。VTECエンジンとは、ホンダが独自開発を行った可変バルブタイミングエンジンをいいます。
低回転でも高回転でもそれぞれの回転に見合ったバルブ制御が可能であり、常に最適なエンジンが実現できるのです。VTECエンジンは、1989年の採用以来改良が重ねられ続け、現在でもホンダのエンジンを支えています。
ハイブリッドの登場で向上した燃費性能
ホンダ初の2モーター式ハイブリッドシステムとして登場したのがi-MMDです。他のメーカーでも2モーター式を採用しているものの、ホンダのi-MMDは仕組みの全く異なる2モーター式であるとして知られています。
i-MMDは1つのモーターを発電専用として使用し、もうひとつをタイヤの駆動専用として使用するのが特徴です。
0~70km/hの低速域ではエンジンを回して発電用モーターで発電し、その電気を使用することで、走行用モーターを駆動させます。エンジンが発電用にだけ使用されることで、完全なモーター駆動を実現。極めてパワフルな走りを可能にしたのがi-MMDです。i-MMDの登場によって、これまで遅れをとっていた燃費性能の巻き返しに成功しています。
ホンダの人気車種12選はコレ!
ホンダには、軽自動車からスポーツカーまでさまざまなラインナップが揃えられています。どの車にもホンダならでは独創的な車づくりが感じられ、ユーザーの満足を高めているといえるでしょう。
そんななかでも、人気の車を12種類選んで紹介します。
N-BOX
ホンダの軽自動車の中でも、一番人気を誇るのがN-BOXです。軽トールワゴンとして位置づけられるN-BOXは、天井が高く、広い車内空間を実現させました。
その高さと広さは子どもが立ったまま着替えができるほどであるともいわれ、抜群の使い勝手でファミリー層から高く評価されています。
また、安全面にも力を入れ、低速度での衝突を予防するシティブレーキアクティブシステムが搭載されているのも魅力でしょう。豊富なボディカラーも用意されていることから、自分好みの1台が見つかる車です。
フリード
ホンダのコンパクトミニバンとして知られているフリードは、2016年9月の新型の販売時に販売開始から1カ月で27,000台もの受注台数を記録した車です。
コンパクトミニバンで7人という乗車定員をクリアにし、燃費も約27km/Lを実現しました。コンパクトミニバンならではの取り回しのよさも魅力であり、ファミリー層からの高い評価を受けています。
ステップワゴン
ホンダのミニバンの中でも知名度が高いのがステップワゴン。5ナンバーのフルサイズミニバンであるステップワゴンは、角ばった箱型スタイルが特徴的な車です。
さらに、バックドアが縦にも横にも開くワクワクゲートを搭載し、スペースの狭い駐車場でのバックドアの開閉を可能にしました。
3列目の左側シートを倒すとバックドアからの乗降者も可能になり、ファミリー世帯に使い勝手のいい車として人気を集めています。
オデッセイ
ホンダの上級ミニバンに位置づけられているのがオデッセイです。<低床・低重心>のコンセプトを持ったモデルのなかで、主力モデルとなるのもポイントでしょう。後席の前にヒンジドアを採用し、低ルーフのデザインを実現させたことで大ヒットを呼びました。
5代目モデルからは、低床化を推し進めるとともに、全高を上げることで、大幅な室内空間の確保を実現しています。先代モデルとは大きく変更したデザインによって、注目が集められた1台です。
さらに、これまでになかった両側スライドドアの採用と、8人乗りモデルの登場により、ミニバンとしての能力が高められました。
3列目シートにもリクライニング機能を搭載し、どのシートでも一定の居住性を確保しているのも特徴です。オデッセイはハイグレードなミニバンとして、ファミリー世代向けの車種との違いを打ち出しています。
ヴェゼル
クーペ・ミニバン・SUVを融合させたのがヴェゼルです。世界的にSUVの人気が加速する中、ホンダらしいデザインで登場したSUVがヴェゼルだともいえるでしょう。
なぜなら、ヴェゼルの上半分にはクーペのようなデザインが採用され、下半分にはSUV色が強められているからです。さらに、車内はミニバンの居住性が確保されました。
そのうえ、新世代技術エンジンの搭載により1.5Lの低排気量エンジンでありながらも2Lの排気量のエンジンに劣らない性能を実現したのです。
ハイブリッドモデルもラインアップされたヴェゼルは、ユーザーの欲しいを実現した車であるといえるでしょう。
フィット
ホンダのコンパクトカーの主力として扱われているフィットは、ホンダの中でも燃費性能の高い車です。なかでも、ホンダフィットハイブリッドは高い人気を誇り、フィットの受注台数の半分を占めています。
また、フィットは全グレードにおいてアイドリングストップシステムを搭載しているのも特徴でしょう。ボディカラーも16色が用意され、女性にも選ばれている車です。
女性から選ばれる理由には、予防安全性能評価で最高ランクを獲得していることも挙げられます。安全な車として信頼され、その人気を加速させているのです。
ライフ
ライフは1971年に誕生した、長い歴史のある車です。当時ではめずらしい横置きエンジンに前輪駆動を取り入れ、水冷式のエンジンを採用。その画期的な組み合わせに世間を驚かせた1台です。
また、その後に登場するホンダの代名詞ともいわれるシビックなどの基礎を築いた車だといわれています。さらに、当時の日本製の自動車で初となるタイミングベルトの採用でも話題を呼びました。
初代ライフはシビックへ力を注入するために1974年に生産が終了します。しかし、その後、20年以上の歳月を経て2代目ライフが登場するのです。
以降、5代目まで続くライフは、燃費性能をさらに向上させ、女性から好かれるデザインへと変化を遂げました。5代目のライフでは、全高を1,610mmに変更することで、軽トールワゴンらしいデザインが採用されています。
トールワゴンへの進化で、大人4人が快適に過ごせる車としての居室空間を確保し、快適に乗りこなせる軽自動車として圧倒的な人気を誇りました。
5代目の特徴ともなるのが、軽自動車で初めてバックモニターが標準装備されたことにあるでしょう。挑戦することを忘れないライフは、惜しまれながらも2013年に生産を終了します。
しかし、ライフの基本コンポーネントはホンダの主力ともいわれるNシリーズにしっかりと受け継がれているのです。
N-ONE
ベーシックな軽自動車として人気があるのがN-ONEです。丸目のライトがかわいらしく、黒で塗り分けられたパーツとの組み合わせによって愛嬌のあるデザインを生み出しています。
天井が高いことで開放感のある車内空間を実現しているのも特徴でしょう。すっきりとまとめられたデザインと、クロームメッキのパーツにより上品さも加えられています。
ホンダ初の軽自動車であるN360のデザインを踏襲したデザインは非常にクラシカルであり、5ドアハッチバックの原点ともいえるスタイルが楽しめます。
数あるNシリーズの中でもポップな印象のあるN-ONEは、雑貨のようなオシャレな車が欲しいという女性からも人気があるといえるでしょう。
ボディーカラーも多く、ルーフのみ塗り分けられているツートンカラーも人気があります。また、満足のいく走りが楽しめるのもN-ONEの特徴の1つです。
クラスをこえた走りを実現し、質感だけでなく使い勝手も両立した1台に仕上がっています。
ストリーム
新世代のミニバンとして、5ナンバーサイズにこだわって登場したのがストリームです。ユーティリティースペースやラゲッジスペースを広く取り、どんなシーンにも対応するのがストリームの特徴でしょう。
また、ストリームは新しい時代をけん引する車としても注目が集められています。5ナンバーサイズであっても、大人7人がリラックスして楽しい時間が過ごせると評判で、どこまで快適なドライブが楽しめる車です。
さらに、ミニバンでありながらもクーペをイメージさせるスタリングにより、洗練されたスタイルを確立しました。重心が低いことでスポーティーな走りも可能にし、多くのユーザーを満足させています。
そのほかにも、認識性の高い大型3眼メーターを採用し、チタン製のパネルも装備したスタイリッシュなコックピットも魅力の1つ。操作性も重視した使いやすいコックピットで運転が楽しくなる車です。
2代目ストリームからはダイナミックでスポーティーなスタイリングが採用されました。そのうえ、立体駐車場に対応するサイズに変更されたことで使い勝手も向上しています。
レジェンド
ホンダの最上級セダンとして位置づけられ、ホンダ初の最高級車として登場したのがレジェンドです。V型6気筒エンジンを搭載し、3ナンバー車をラインアップさせるなど、これまでのホンダには考えられない車に仕上がりました。
レジェンドの開発にあたり、ホンダはある問題に直面します。それは、ホンダのユーザーが若者層に集中し市場の拡大が難しいことでした。ホンダに求められるのは、富裕層の中高年ユーザーの獲得です。そ
こに気がついたホンダは、レジェンドを登場させ、ユーザー層の拡大に成功します。レジェンドは2012年に一旦販売が終了されますが、2015年には3モーターハイブリッドシステムを搭載した高級車としての復活を果たしました。
3モーターハイブリッドシステムの搭載により、旋回性能や燃費の向上を実現したレジェンドは、高級モデルとしての特色を色濃いものへと変えています。
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アコード
ホンダの主力高級セダンに位置づけられるのがアコードです。全グレードにおいてハイブリッドシステムを搭載し、燃費性能が高められています。
アコードに搭載されるハイブリッドシステムは<SPORT HYBRID i-MMD>です。これは、従来のハイブリッドシステムとは異なり、ほとんどの場面でエンジンをモーターに送る電気の発電に使用しています。
車輪の駆動にエンジンを使用するのは高速走行時のみであり、JC-08モードで31.6km/Lという燃費性能を実現させました。
シビック
日本を代表するコンパクトカーとして圧倒的な人気を得たのがシビックです。1972年に登場したシビックは、環境性能の高いCVCCエンジンを搭載し、排ガス規制をクリアしたことで世界中の注目を集めました。
オイルショックの追い風を受け、世界中で爆発的ヒットとなったシビックですが、北米を意識したことで次第に大型化されていったのです。
また、2017年に発売された新型シビックは、ハイブリッド車全盛の時代において、ガソリン車だけという潔いラインナップで登場。
直4 1.5L VTECターボのみといった割り切ったエンジン展開に、ホンダの意気込みを感じずにいられないファンも多くみられました。
走りにこだわる姿勢はホンダならではであり、アクセルを踏むだけで気持ちのいい加速が楽しめる車です。さらに、ステアリング操作のレスポンスの速さは見事なもので、ワンランク上のクラスのモデルに乗っているかのような楽しみも味わえます。
まとめ
本田宗一郎の物づくりの精神を受け継いだホンダは、独自のスタイルを持った車を開発し続けている企業です。また、F1などのモータースポーツで培われた高い技術が活かされているのも特徴でしょう。
ホンダ独自のエンジンや、ハイブリッドシステムの搭載により、純粋に走りを楽しむための車を作り続けている企業です。
そんなホンダでは、さまざまな種類の車がラインアップされています。軽自動車からミニバン、SUV、セダンまでを用意し、幅広い世代をターゲットにシェアを広げています。
そのため、ホンダであれば自分好みの1台が見つかるでしょう。高性能で独特のスタイルの車を探しているのであれば、ホンダを選んでみてはいかがでしょうか。