結論からお伝えします。スリップサインはタイヤの溝の中にある小さな突起で、これが接地面と同じ高さまで露出したら「残り溝1.6mm」のサインです。この状態での走行は道路運送車両の保安基準に違反し、車検にも通りません。安全に走るための交換目安は1.6mmではなく「残り溝4mm」で、100円硬貨や5円硬貨でも簡単にセルフチェックできます。
スリップサインとは?残り溝1.6mmを示すタイヤの「摩耗限界の印」
スリップサインとは、タイヤの溝の底に設けられた小さな突起のことです。日本自動車タイヤ協会(JATMA)は「タイヤの使用限度は残り溝1.6mmです」「スリップサインとは、タイヤの使用限度の目安として、接地部の溝に設けられているサイン」と説明しています。タイヤが摩耗して残り溝が1.6mmまで減ると、この突起が接地面と同じ高さになり、外側から見えるようになります。
この1.6mmという数値は、道路運送車両の保安基準で定められているタイヤ溝の最低ラインです。スリップサインが1か所でも露出した状態での公道走行は、整備不良として車検不合格・違反の対象になります。「まだ少し溝が残っているから大丈夫」ではなく、「1か所でも出たらアウト」と覚えておいてください。
スリップサインの見方|サイドウォールの△マークから探す
スリップサインは全周4〜9か所に配置されており、目視だけで探すのは大変です。そこで目印になるのがタイヤ側面(サイドウォール)にある小さな三角マーク(△)です。イエローハットの解説でも「サイドウォールに記された三角マークから簡単に位置を特定できます」「そこからトレッド面へ向かって延長した溝の中に突起があります」と説明されているとおり、△マークを見つけたら、その延長線上にある溝を覗き込むだけでスリップサインの位置がわかります。

溝の底にある突起が周囲のトレッド面(接地するゴムの面)とほぼ同じ高さまで盛り上がって見えたら、その溝は摩耗限界に達しています。段差がはっきり残っていればまだ余裕がありますが、「平ら」に見えたら要注意です。
タイヤの溝の測り方|100円硬貨・5円硬貨・デプスゲージ
スリップサインは「1.6mmになったかどうか」の二択の目印です。もう少し細かく「今どのくらい溝が残っているか」を知りたいときは、家にある硬貨で簡易チェックができます。
| 道具 | やり方 | 目安 |
|---|---|---|
| 100円硬貨 | 「1」の文字が見える向きで溝に差し込む | 「1」の文字が見えたら残り溝は約5mm |
| 5円硬貨 | 穴の開いた面を垂直に溝へ差し込む | 「五」の文字の3画目の横線が見えたら残り溝は約4mm |
| タイヤデプスゲージ | 溝に垂直に差し込み目盛りを読む | 正確な数値(mm)がわかる |
硬貨での確認はあくまで簡易的な「目安」です。正確な数値を知りたい場合や、車検・購入判断の材料にする場合は、カー用品店やタイヤ専門店でタイヤデプスゲージによる実測をしてもらうのが確実です。
タイヤ交換の目安は「1.6mm」ではなく「残り溝4mm」
ここが誤解されやすいポイントです。1.6mmは「これ以上乗ってはいけない」という法律上の限界値であり、「交換に適したタイミング」ではありません。タイヤ販売店の技術解説では「4mm以下から徐々に制動距離が伸び、溝が1.6mmの状態は4mm以上の時よりも10m(時速80kmからの制動時)ほど長くなっています」と説明されています。つまり残り溝が4mmを下回るあたりから、雨の日のブレーキの効きなど走行性能が目に見えて落ち始めるということです。
そのため実用上の交換目安は「残り溝4mm」を意識するのがおすすめです。5円硬貨で「五」の3画目が見え始めたら、次の点検やタイヤ交換のタイミングを具体的に検討しましょう。交換時期の判断ポイントは、当サイトのタイヤの交換時期はいつ?5つのチェックポイントでも詳しく解説しています。
スタッドレスタイヤは「プラットフォーム」で判断する(残り溝50%)
冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)には、スリップサインとは別に「プラットフォーム」という専用の摩耗限界サインがあります。JATMAは「積雪路及び凍結路走行の場合は、冬用タイヤの残り溝深さが新品時の50%以上あることを確認してください」「溝深さが50%未満のタイヤは冬用タイヤとしては使用しないでください」と明記しています。
つまりスタッドレスタイヤは、通常のスリップサイン(残り溝1.6mm)が出るよりずっと早い「新品時の50%摩耗」の時点で、冬用タイヤとしては寿命だということです。プラットフォームが露出したタイヤは、たとえ夏タイヤとしてはまだ使えても、雪道・凍結路での性能は保証されません。シーズン前には必ずプラットフォームの露出をチェックしましょう。100円硬貨で「1」の文字が見えたら約5mmという目安も、スタッドレスタイヤの早めの買い替え判断に役立ちます。
スリップサインが出たら?そのまま走行するとどうなる
スリップサインが1か所でも露出している状態は、法律上「整備不良」にあたり、車検にも通りません。走行中は雨天時の排水性能が大きく落ちてハイドロプレーニング現象(タイヤと路面の間に水膜ができてグリップを失う現象)のリスクが高まるほか、制動距離も伸びます。バーストの危険も増すため、「次の給油のときにでも」と先延ばしにせず、早めの交換を検討してください。
走行中にパンクしてしまった場合の応急対応は、車のタイヤがパンクした時の対処方法も参考にしてください。
タイヤ交換の方法と費用相場
交換の方法は大きく分けて、カー用品店やタイヤ専門店・ディーラーでタイヤ本体と交換工賃をまとめて依頼する方法と、ネットでタイヤだけを購入して取付店に「持ち込み交換」してもらう方法があります。持ち込み交換に対応している店舗や料金相場は持ち込みのタイヤ交換に対応しているのはどこ?、業者別の費用相場はタイヤ交換の費用はいくら?業者別の費用相場でまとめていますので、あわせてご覧ください。
タイヤ代を抑えたい場合は、イードが運営するタイヤ通販CARTUNEタイヤのように、1本から購入でき、購入したタイヤをお近くの取付店へ直送できるサービスを使う方法もあります(事前に取付店へ持ち込み可否・工賃を確認してから注文するのがおすすめです)。
参考:155/65R14のスタッドレスタイヤ価格帯(CARTUNEタイヤの例)
軽自動車で多い155/65R14サイズを例に、スタッドレスタイヤの価格帯をご紹介します。
| 商品名 | 価格(税込・1本) | 4本合計目安 |
|---|---|---|
| WinterCRAFT ice Wi61 | 3,960円 | 15,840円 |
| iceGUARD iG52C | 4,950円 | 19,800円 |
| WINTER MAXX WM03 | 6,380円 | 25,520円 |
| BLIZZAK VRX3 | 6,820円 | 27,280円 |
※2026年9月25日時点の価格・在庫です。最新価格・在庫は商品ページでご確認ください。
他のサイズのスタッドレスタイヤは、下記のサイズ別ページからも探せます。
また、ネットでタイヤを購入する際は、製造から時間が経ちすぎていないかも確認しておくと安心です。タイヤ側面に刻印されている製造年月日(DOTコード)の読み方はタイヤの製造年月日の確認方法 DOTコード早見表で解説しています。
よくある質問
Q. スリップサインが出ていると車検に落ちますか?
A. はい。スリップサインが1か所でも露出している(残り溝1.6mm未満になっている)タイヤは、道路運送車両の保安基準を満たさず車検には通りません。車検の予約前にすべてのタイヤの溝を確認しておきましょう。
Q. スタッドレスタイヤのスリップサインとプラットフォームは何が違いますか?
A. スリップサイン(残り溝1.6mm)は夏タイヤ・冬タイヤ共通の「保安基準上の使用限界」を示す印です。一方プラットフォーム(残り溝50%)は、冬用タイヤとしての性能を保てる限界を示す、スタッドレスタイヤ専用の印です。プラットフォームが出た時点で、夏タイヤとしてはまだ使えても冬用タイヤとしては寿命と考えてください。
Q. 溝の深さを測る一番簡単な方法は?
A. 手元に硬貨があれば、100円硬貨(「1」の文字が見えたら約5mm)や5円硬貨(「五」の3画目が見えたら約4mm)で簡易チェックができます。正確な数値が必要な場合は、カー用品店などでタイヤデプスゲージを使って測ってもらうのが確実です。

