2007年にデビューしたデリカD:5は、10年以上も生産が続けられているロングセラーモデルです。デリカD:5が驚くほどよく売れる秘密は、タフなボディと見事な走りだけではありません。
維持費にも隠されているのです。新型からはクリーンディーゼルエンジンを搭載したことで、燃費性能が向上し、大幅な減税が受けられると高く評価されています。そんなデリカD:5における年間の維持費を紹介します。
[myphp file=article-cta-parts-s]デリカD:5の特徴
デリカシリーズの5代目として登場したデリカD:5は、SUVとミニバンのいいところをうまくミックスさせた世界唯一オールラウンダーミニバンです。
街乗り用のミニバンに求められる燃費のよさと、電子制御4WDを採用するミニバン唯一のスペックであり、ライバル車との明確な差別化が図られています。
高い走行性能
デリカD:5は、雪道や山道といった悪路でも圧倒的な能力を発揮します。傾斜45度までの登板能力を持ち、どんな道でも力強く走り抜けるのがデリカD:5の魅力です。
キャンプやスキー、スノーボードなどのシーンでも活躍する、SUVならではの走りが楽しめる1台だといえるでしょう。
クリーンディーゼルエンジンの導入
デリカD:5は2012年より4WD車にクリーンディーゼルエンジンを導入。クリーンディーゼルエンジンがミニバンに導入されたのはデリカが初めてであり、世界中の注目を集めました。
クリーンディーゼルエンジンの導入は、歴代のデリカのディーゼルファンからの熱い要望によるものです。ディーゼルエンジンは低燃費でハイパワー、燃料代のコストが削減できるといったメリットがあり、ファンからの声を実現させる形で決定されました。
抜群のパワーと低燃費を実現させたデリカD:5は、さらなる支持を集めるようになったのです。
三菱・3DA-CV1W
- 駆動方式:4WD ディーゼル車
- 類別:P/G-Power Package/G/M
- 全長×全幅×全高(mm):4,800×1,795×1,875
- 車両重量(kg):1,930~1,960
- 燃料消費率JC08モード(km/L):13.6
- 排気量(L):2.267
三菱・DBA-CV5W
- 駆動方式:4WD ガソリン車
- 類別:G-Limited package/M-Limited package
- 全長×全幅×全高(mm):4,790×1,795×1,870
- 車両重量(kg):1,870/1,770
- 燃料消費率JC08モード(km/L):10.6
- 排気量(L):2.359
三菱・DBA-CV2W
- 駆動方式:2WD ガソリン車
- 類別:G-Limited package/M-Limited package
- 全長×全幅×全高(mm):4,790×1,795×1,850
- 車両重量(kg):1,690/1,680
- 燃料消費率JC08モード(km/L):13.0
- 総排気量(L):1,998
デリカD:5でかかる維持費は年間どのくらい?
税金
デリカD:5の維持費には税金があります。税金は自動車税と重量税があり、それぞれに課税方法が異なるのが特徴です。また、エコカー減税の対象モデルの場合には、減税も受けられます。
自動車税
自動車税は排気量ごとに課税される税金であり、毎年1年分をまとめて納めるのが特徴です。総排気量1リットル以下の場合には29,500円、その後、0.5Lごとに税額が上がります。
デリカD:5の総排気量は2,000L以下のモデルで39,500円、2,500リットルまでのモデルでは45,000円です。
重量税
自動車重量税は自動車の重量によって課税されます。新車購入時に3年分、その後車検ごとに2年分を前払いするのが特徴です。
自動車重量税は車両重量0.5トンごとに税額が増額されます。しかし、デリカD:5はどのモデルであっても総重量が1,500kg以上2,000kg未満であり、エコカー減税の対象でない場合には49,200円です。
しかし、2WDガソリン車の場合にはエコカー減税で25%減税されることから、新車購入時に納める3年分の自動車重量税は22,500円となります。さらに、ディーゼル車の場合には免税となりますので、お得だといえるでしょう。
ディーゼル車は初回車検時の自動車重量税も免税です。2WDガソリン車の場合にも、初回車検時に減税が受けられ2年分で20,000円を納めます。2回目の車検からは、それぞれ32,800円が必要です。
ディーゼル車のデリカD:5を新車から9年所有した際の重量税は最初の5年分が免税となり、32,800円×2となることから合計で65,600円となります。
これを1年あたりとして計算すると、65,600円÷9となり、およそ7,300円です。
保険
万が一の事故に備えて入っておきたいのが保険でしょう。自動車の保険には自賠責保険と任意保険があります。
自賠責保険
自賠責保険は、自動車を所有するすべての人に加入が義務付けられている国の保険です。新車購入時には3年分、その後車検の度に2年分の保険料を支払います。
新車時の3年分の自賠責保険料は35,950円、2年分であれば25,830円です。新車から9年間の自賠責保険料は次の計算式で求められます。
35,950円+25,830円×3
これにより、9年分の合計が113,440円となります。1年分として計算すると、年間あたりおよそ81,480円が必要です。
任意保険
自賠責保険は強制保険と呼ばれることもあるように、自動車を所有するのであれば必ず加入しなければいけません。しかし、任意保険はその名の通り、加入するかは任意で選べます。
ただし、自賠責保険だけでは万が一の事故の際に補償しきれないともいえるでしょう。そのため、加入しておくと安心です。任意保険は、保険会社や運転者の年齢、等級、車種などで異なります。
任意保険の例を挙げると以下の通りです。
- 年齢:41歳
- 性別:男性
- 免許の種類:ゴールド
- 等級:13級
- 年間の走行距離:7,001~8,000km
- 車両保険:一般
- 対人賠償責任保険:無制限
- 対物賠償責任保険:無制限
- 家族限定特約:夫婦限定特約
- 搭乗者傷害保険:10,000,000円
- 人身傷害補償保険:30,000,000円
年間の保険料:60,000円
その他費用
デリカD:5の維持費にはガソリン代や駐車場代、車検代もあります。
ガソリン代
デリカD:5の燃費はディーゼル車で13.6km/L、ガソリン車の4WDで10.6km/Lです。実燃費で考えると、ディーゼル車は11.1km/L、ガソリン車の4WDは8.6km/Lでしょう。
実燃費をもとに、年間の走行距離を10,000kmとし、それぞれの燃料費を計算していきます。なお、軽油価格を1Lあたり126円、ガソリン価格は1Lあたり145円とします。
ディーゼル車:10,000÷11.1km/L×126円=約113,513円
ガソリン車:10,000÷8.6km/L×145円=約168,604円
年間あたりのガソリン代はディーゼル車で約113,513円、ガソリン車で約168,604円です。
駐車場代
デリカD:5の駐車スペースが確保できていない場合には、駐車場代も必要です。ただし、デリカD:5は車高が1,875mmと高いためどの駐車場でも駐車できるとはいいきれないでしょう。
なぜなら、立体の駐車場の場合には、高さ制限が設けられているからです。自走式の立体駐車場には、高さ制限を2,000mmとしていることも多くみられます。しかしながら、機械式の駐車場の場合には高さ制限が1,550mmというのもめずらしくありません。
こういった駐車場ではデリカD:5は駐車できませんので気をつけましょう。都心部ではマンションの駐車場でも機械式の立体駐車場を導入しているところも多くみられます。その場合には、自宅マンションとは別の場所に駐車場を借りましょう。
駐車場代の全国平均はおよそ8,000円です。年間で考えると、96,000円が必要となります。
車検代
デリカD:5のガソリン車の車検代の内訳の一例は以下の通りです。
- 自動車重量税:20,000円
- 自賠責保険:27,840円
- 印紙代:1,100円(認証指定指定工場にて車検を行う場合)
- 法典点検費用:20,000円
- 検査費用:5,000円
- 車検代行料:10,000円
- 消費税:2,800円
合計:86,740円
その他、修理や部品の交換などが必要な場合には車検代に上乗せされます。
デリカD:5の購入時にかかる費用は?
車体価格
ガソリン車のデリカD:5の新車価格は次の通りです。
- G-Limited package <4WD>:3,218,400 円
- G-Limited package <2WD>:2,802,600 円
- M-Limited package <4WD>:2,896,560 円
- M-Limited package <2WD>:2,449,440 円
クリーンディーゼル車のデリカD:5の新車価格は以下の通りです。
<4WD>
- JASPER:3,863,397円
- D-Premium:4,055,400円
- D-Power Package:3,534,840円
- G-Premium:3,731,400円
- G-Power Package:3,177,360円
- M:2,855,520円
<2WD>
- G-Power Package:2,761,560円
- M:2,408,400円
デリカD:5には、さまざまなオプションが用意されています。なかでも、DELICA D:5 オリジナル 10.1 型ナビゲーション+■11.5 型後席用モニター(ルーフ取付タイプ)プラズマクラスター付+は人気のオプションです。
274,968円と高額ですが、快適なナビゲーションシステムが楽しめます。
自動車重量税
新車購入時には自動車重量税を3年分前納します。ディーゼル車のデリカD:5は新車購入時の自動車重量税が免税となるため、支払う必要がありません。
ガソリン車の場合にはエコカー減税で25%減税されることから、新車購入時に納める3年分の自動車重量税は22,500円です。
自動車取得税
ガソリン車のデリカD:5の場合には、取得価格の3%が取得税としてかかります。ただし、クリーンディーゼルエンジンを搭載したグレードは、エコカー減税により自動車取得税が免税です。そのため、非常にお得だといえるでしょう。
自賠責保険
新車購入時の自賠責保険料は3年分の前納で35,950円です。
リサイクル料金
車を廃車にし解体する際にはフロン類やエアバッグなどが残ります。これらはリサイクルが必要であり、リサイクルにかかる費用は所有者が新車購入時に前払いをする形で納めることが義務付けられているのです。
デリカD:5のリサイクル料金は、形式によって異なります、
- CV1W 5人乗り:14,580円
- CV1W 7人乗り:14,9 80円
- CV2W 5人乗り:14,580円
- CV2W 7人乗り:14,980円
- CV4W 5人乗り:14,580円
- CV4W 7人乗り:14,980円
- CV5W 5人乗り:14,580円
- CV5W 7人乗り:14,980円
ディーラー代行手数料
デリカD:5を購入する際には、さまざまな手続きが必要です。手続きは自分ですることも可能ですが、時間と手間がかかるでしょう。そのため、ディーラーはそれらの手続きを代行しているのです。
ディーラーに代行を依頼すると、非常にスムーズに手続きが終了するでしょう。ただし、ディーラーに手続きを依頼するとディーラー代行手数料がかかることを忘れてはいけません。
ディーラー代行手数料の相場は15,000円程度ですが、業者によっては代行手数料として30,000円程度がかかることもあります。
いくつかの業者に見積を依頼すると、どこの業者の代行手数料が安いのかわかりますので比べてみるのもいいでしょう。
壊れやすいところや注意するべき点
剛性が高く、悪路でも難なく走り抜けるデリカD:5ですが、経年劣化によって故障することもあります。デリカD:5で故障が多い箇所は以下の通りです
- CVTの故障
- DPFの故障
- ブレーキオイル漏れ
- ラジエーターの故障や破損
このなかでも、CVTの故障は多いといえるでしょう。デリカD:5は標準車にCVTを採用しています。どれだけタフなデリカD:5であっても負荷の高い走行が続くことでCVTにトラブルが発生するのです。
その結果、トランスミッションが故障し高い修理費が必要となります。ただし、定期的にメンテナンスをしておくと、CVTの故障も防げるでしょう。
また、デリカD:5は走りを重視した車だけに、走行距離が伸びている車が多くみられます。そのため、中古車市場でも走行距離が100,000kmに近い車が少なくありません。
中古車としてデリカD:5を購入する場合には、購入後に部品交換などの必要がないよう、しっかりとメンテナンスを受けているかを事前に確認しておくのがいいでしょう。
デリカD:5のリコール情報
デリカD:5は2018年1月25日にエンジンの補機駆動ベルト用オートテンショナーの不具合によってリコールとなりました。これは、エンジンの補機駆動ベルト用オートテンショナーの取り付けフランジ部の形状が不適切であったことがわかったためです。
オートテンショナーのベアリングが経年劣化によって摩耗し、摺動抵抗が増大したままで高負荷運転を繰り返した場合には、フランジ部に亀裂が発生する恐れがあります。
亀裂だけでなく、フランジ部が破損してしま可能性もあるでしょう。その結果、バッテリー上がりやオーバーヒートを引き起こしかねません。
対象車種は以下の通りですので、当てはまる形式のデリカD:5の購入を考えている場合には、リコールの対処を受けたかを確認しておきましょう。
-
- DBA-CV4W:CV4W-0400101 ~ CV4W-0603451(平成21年12月19日 ~ 平成23年11月11日
- DBA-CV5W:CV5W-0202686 ~ CV5W-0700101(平成20年6月26日 ~ 平成23年12月21日)
まとめ
オフロードでも難なく走りこなすデリカD:5は、クリーンディーゼルエンジンを搭載したことで環境にも優しい車として生まれ変わりました。
大幅な減税も受けられ、燃料費もおさえられることからお財布にも優しくなったといえるでしょう。車両本体価格は高額ですが、維持費の安さを考えると乗り換えを検討したくなる1台です。
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