三菱自動車のスポーツイメージを支えてきたといっても過言ではない三菱ランサーエボリューション。ランエボの愛称で親しまれ、走りにこだわるユーザーからの絶大的な支持を集めてきた1台です。
残念ながら2016年に生産・販売は終了してしまったものの、その人気に変わりはありません。ただ、同じ自動車を長く所有するには、維持費も気になるところでしょう。そこで、ランサーエボリューションの維持費について調べてみました。
[myphp file=article-cta-parts-s]ランサーエボリューションの特徴
ランサーエボリューションは、庶民的な1.5リッタークラスのファミリーセダンをベースに、ハイパワーの2リッター4WDターボのパワーユニットを詰め込むという、夢の組み合わせを実現させた1台です。
過激な組み合わせから<怪物>と呼ばれることもあり、ベースとなった、ごくごく平凡な自家用車・ランサーの<突然変異>として扱われることもありました。
そんな車が24年にもわたり、三菱自動車のスポーツイメージを支えてきたのです。ランサーエボリューションの魅力は初代から第4世代まで生産され、次々に進化を遂げた点にもあるでしょう。
モデルチェンジの度に新しい表情を見せるランサーエボリューションは、多くのファンを惹きつけてきました。そして、2016年にランサーエボリューションXの特別仕様車である<ランサーエボリューション ファイナルエディション>によってその歴史は幕を閉じることになります。
3ナンバーへと進化したランサーエボリューションVII
2001年2月にデビューしたランサーエボリューションVIIは、ベースのランサーが大型化したことで、最初から3ナンバーのボディを持って生まれました。
さらに、先代に比べても剛性が向上し、ACD(アクティブセンターデフ)やACD(電子制御可変他版クラッチ機構)といった最新のメカニックを搭載しています。
ランサーエボリューション ファイナルエディション
- 全長×全幅×全高(mm):4,495×1,810×1,480
- ホイールベース(mm):2,650
- 最低地上高(mm):140
- 車両重量(kg):1,530
- エンジン:4B11型 2.0L DOHC 16バルブ 4気筒 MIVECインタークーラーターボ
- トランスミッション:5速マニュアル
ランサーエボリューションでかかる維持費は年間どのくらい?
税金
ランサーエボリューションの維持費の中で、大きな金額となるのが税金です。自動車にかかる税金には自動車税と重量税があり、それぞれに課税方法が異なります。ここからは、ランサーエボリューションの自動車税と重量税について詳しく紹介します。
自動車税
自動車税は毎年発生する税金であり、4月1日時点での自動車の所有者に自動的にかかります。用途や排気量によって税額が決定されるのが特徴で、自家用乗用車の場合には総排気量1L以下で29,500円です。1Lをこえると、0.5Lごとに税額があがり、6L超えの111,000円までがあります。
ランサーエボリューションの場合には、どの世代であっても排気量が2Lまでですので、自動車税は39,500円です。
重量税
重量税は、新車登録の際に3年分、その後、車検の度に2年分を前納する税金です。自動車の区分や重量、経過年数に応じて課税され、自家用乗用車の場合には、車両重量500kgごとに税額が異なります。
CBA-CZ4A型 ランサー エボリューションを例に挙げると、総重量が1,500kg以上であり、2,000kgまでに収まりますので重量税は32,800円です。
CBA-CZ4A型 ランサー エボリューションは2008年10月に発売が開始されています。これ以前のモデルを所有している場合には、新車登録から13年が経過していることもあるでしょう。
新車登録から13年が経過した場合には、同じ総重量であっても、45,600円に増額されます。さらに、18年が経過すると50,400円になりますので注意が必要です。
CBA-CZ4A型 ランサー エボリューションを2008年から2021年まで14年間所有した際の維持費を計算してみましょう。新車登録から3年の自動車税は49,200円です。
49,200円+32,800円×5+45,600円
14年間の重量税は258,800円となり、1年分で考えると約18,490円です。
保険
自動車の事故は多いため、万が一に備えて加入しておきたいのが保険です。自動車の保険には自賠責保険と任意保険の2種類があります。
自賠責保険
自賠責保険は、自動車を所有するすべての人に加入が義務付けられています。強制保険と呼ばれることもあり、自動車を購入した際に必ず加入する保険です。
自賠責保険は国の保険ですので、年齢や事故歴、どこで加入するかにかかわらず一律となります。自賠責保険料も、重量税と同じく、新車購入時に3年分、その後、車検ごとに2年分を前納するスタイルです。
新車購入時の自賠責保険料は35,950円、その後2年ごとに25,830円を支払います。新車購入から5年後の自賠責保険料の合計は61,780であり、年間で考えると12,356円です。
任意保険
任意保険は民間の保険会社と契約する保険です。自賠責保険のように加入が義務付けられていますせんので、加入するかどうかは自分で選べます。
しかしながら、自賠責保険だけでは事故の場合にすべてが補償されないといえるでしょう。そのため、任意保険に加入しておくと安心です。
任意保険は、運転者の年齢や等級、車種などで異なりますので例をあげて紹介しましょう。
<39,800円>
- 等級:20等級
- 免許の種類:ゴールド
- 運転者の年齢:30歳以上
- 運転者の限定・配偶者限定
- 年間の走行距離:7,000km
- 車両保険:あり
<23,030円>
- 等級:20等級
- 免許の種類:ゴールド
- 運転者の年齢:30歳以上
- 運転者の限定・配偶者限定
- 年間の走行距離:7,000km
- 車両保険:なし
その他費用
自動車を維持するためにはガソリン代や駐車場代、車検代も必要です。
ガソリン代
CBA-CZ4A型 ランサー エボリューションの排気量は、約10.0km/Lであり、実燃費は8.34km/L程度です。この実燃費をもとに、年間10,000km走行したと考えてガソリン代を計算していきましょう。
CBA-CZ4A型 ランサー エボリューションは無鉛プレミアムガソリンを使用しますので、ガソリン代を1Lあたり151円とします。
10,000km÷8.34km/L×151円=約181,000円
駐車場代
自宅の駐車スペースがない場合には駐車場代もかかります。ランサーエボリューションのボディはそれほど大きくありませんので、一般的な駐車場で問題ないでしょう。
ただし、大切な愛車はセキュリティのしっかりとした駐車場に預けると安心です。全国の駐車場代の平均は1カ月8,000円程度ですが、セキュリティ対策をした駐車場の場合には15,000円程度かかると考えましょう。
1カ月15,000円の駐車場を1年間借りた場合には、年間でおよそ180,000円が駐車場代としてかかります。
車検代
車検時には、重量税や自賠責保険、印紙代といった法定費用のほかに、検査費用や代行手数料などもかかります。車検は2年ごとに受ける必要がありますので、まとまったお金を用意しておくのがいいでしょう。
ここでは、ランサーエボリューションの車検費用の一例を紹介します。
- 自賠責保険:25,830円
- 重量税:32,800円
- 印紙代:1,800円
- 車検基本費用:25,000円
- 代行手数料:10,000円
- 消費税:2,800円
合計:98,230円
1年あたりに換算すると、およそ49,000円が必要です。年式が古くなると、重量税が増税されます。また、オイル交換やタイヤ交換が必要な場合には料金に上乗せされることを知っておきましょう。
ランサーエボリューションの購入時にかかる費用は?
車体価格
ランサーエボリューションの生産は終了していますので、中古車のみで販売されています。ここでは、ランサーエボリューションの中古車価格を紹介します。
- ランサーエボリューション 2.0 GSR X プレミアム 4WD ハイパフォーマンスPKG(2012年式):3,855,000円
- ランサーエボリューション 2.0 GSR X 4WD(2008年式):2,592,000円
オプション
ランサーエボリューションは生産が終了していますので、メーカーオプションはつけられません。また、ディーラーオプションも在庫によってはつけるのが難しいでしょう。
自動車重量税
ランサーエボリューションを中古車として購入する際の自動車重量税は、車検が残っているかがポイントです。車検が残っている場合には自動車重量税は必要ありません。
ただし、車検を受ける必要がある場合には自動車重量税も支払います。新車登録から13年未満であれば32,800円がかかり、13年を過ぎている場合には、45,600円が自動車重量税として必要です。
自動車取得税
自動車取得税は取得価格の3%が課税されます。中古車の価格や、年式によって異なりますので気をつけましょう。
自賠責保険
ランサーエボリューションは中古車としてのみの販売ですので、中古車の購入時の自賠責保険の支払い方を説明します。自賠責保険は車検時に支払う保険です。そのため、購入する中古車に車検が残っている場合には保険の名義変更で引き継げます。
なぜなら、自賠責保険の対象となる被保険者は車両の保有者または運転者に限定されているからです。中古車を購入した際には速やかに保険の名義変更をしておきましょう。
車検が必要な場合には、自賠責保険料として25,830円がかかります。
リサイクル料金
ランサーエボリューションX(エアバッグ4個)のリサイクル料金は以下の通りです。
- シュレッダーダスト料金:7,870円
- エアバッグ類:2,500円
- フロン類:2,100円
合計:12,470円
ディーラー代行手数料
自動車を購入する際には、さまざまな手続きが必要です。面倒な手続きも多く、時間がかかると感じる人も多いでしょう。自動車の購入にかかる手続きは、ディーラーでも代行をしています。
ただし、ディーラーに代行を依頼すると代行手数料がかかりますので注意しましょう。代行手数料の相場は15,000円程度であり、業者によっても異なります。
壊れやすいところや注意するべき点
ランサーエボリューションは、三菱ならではの頑丈さが人気の車です。そのため、故障しにくいのが魅力ともいえるでしょう。しかしながら、長く乗り続けていることで経年劣化によって修理が必要になることもあります。
ランサーエボリューションの経年劣化によって修理が必要となる箇所のひとつにエンジンがあります。パワーがなくなりガタガタと振動音がする場合には、イグニッションコイルまたはスパークプラグの故障でしょう。
イグニッションコイルやスパークプラグは、エンジンに火花を飛ばすための部品であり、このどちらかが故障した場合には点火ができないことからエンジンパワーが低下してしまいます。しかし、これらの部品を交換することで、修理は可能です。
突然エンジンから異音がするという場合には、走行不可能になってしまう前に早めに修理をに出すのがいいでしょう。
まとめ
ランサーエボリューションは、走る楽しさを味わうために作られたクルマです。しかし、エコカー減税などの適用はなく、ハイオクガソリンの使用など、維持費がかかりやすいともいえるでしょう。
長く乗り続けるユーザーも多く、重量税が増税されることも多くみられます。それでも、満足の走りが楽しめるクルマであることは言うまでもありません。保険料などを上手に見直し、長くランサーエボリューションで走り続けましょう。
[myphp file=article-cta-parts]