目次
ノート/アクア/フィットの特徴
ノートの特徴
日産ノートは、2005年からマーチにも採用していたBプラットフォームをベースに開発が行われている日産の世界戦略車のコンパクトカーです。
現在販売されているノートは、2016年にマイナーチェンジが行われたモデルで、量産型コンパクトカーとしては世界初となるシリーズ方式ハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載したことや、日本の自動車メーカーでは初の女性の開発責任者によって開発が進められたことでも話題を集めました。ノートのエンジンは、先代モデルから排気量を小さくした1,200cc ダウンサイジングエンジンが採用されています。
e-POWERの人気は絶大で、全体の約80%近くが「e-POWER」を搭載したモデルになっています。e-POWERを搭載したことで飛躍的に販売台数を伸ばしたノートは、サニー以来となる約30年ぶりに軽自動車を含む国内全銘柄の販売台数で1位になった実績を持っています。現在でも販売台数は好調で、e-POWER販売台数が25万台を突破して、2018年には日産車初となるブランド通称名別新車販売台数・年間No.1にも輝いています。
アクアの特徴
アクアは、2011年からプリウス以来の5ナンバーサイズのハイブリッド車として販売されているコンパクトカーで、トヨタ全店舗で取り扱われている主力車種です。2012年には、目標としていた月間販売台数の約10倍もの受注があり、それまで長い間トップを独走していたプリウスを抜いて全銘柄の販売台数No.1に輝いています。
現在販売されているモデルはプリウスと基本仕様は同じで、ベースグレードでビジネスモデル「L」、装備の充実している主力グレード「S」、あらゆる装備を備えた上級グレード「G」、クロスオーバータイプ「Crossover」の4種類のグレードがラインナップされています。激戦となっているコンパクトカーのハイブリッドカー部門でも安定した販売台数を維持して、2018年10月にも月間販売台数No.1を奪還しています。
フィットの特徴
フィットは、軽自動車の次に小さなコンパクトカーとして販売されていた「ロゴ」の後継車として、2001年6月から販売されています。最も小さな普通車にも関わらず、「走行性能」「低燃費」「広い室内空間」「上質なインテリア」が人気を集め、幅広い年齢層から高い支持を集めています。同じコンパクトカーと比べて、車格がコンパクトで狭い道でも取り回しが良く、それでいて室内の天井までの高さが高いため、車内を広く確保しているのも人気の理由となっています。
初代フィットが発売されてから空前の大ヒットとなり、33年間もの長い期間で年間販売台数のトップに君臨し続けた王者カローラを抜いてフィットがトップに輝いています。現在販売されているフィットは、2017年6月にマイナーチェンジが行われたモデルで、人気俳優の綾野剛と人気女優の二階堂ふみをTVCMに起用したことで、更に若い男女から高い支持を受けることになります。
ノート/アクア/フィットのサイズスペック比較
ノートのエクステリアサイズスペック
・全長 :4,100mm~4,140mm
・全幅 :1,695mm~1,705mm
・全高 :1,520mm~1,550mm
・ホイールベース:2,600mm
・車両重量 :1,030kg~1,310kg
・室内長さ:2,065mm
・室内幅 :1,390mm
・室内高さ:1,255mm
アクアのエクステリアサイズスペック
・全長 :4,050mm~4,060mm
・全幅 :1,695mm~1,715mm
・全高 :1,455mm~1,500mm
・ホイールベース:2,550mm
・車両重量 :1,060kg~1,100kg
・室内長さ:2,015mm
・室内幅 :1,395mm
・室内高さ:1,175mm
フィットのエクステリアサイズスペック
・全長 :3,990mm~4,045mm
・全幅 :1.695mm
・全高 :1.525mm~1.550mm
・ホイールベース:2.530mm
・車両重量 :1,010kg~1,230kg
・室内長さ:1,935mm
・室内幅 :1,450mm
・室内高さ:1,280mm
ノート/アクア/フィットのサイズスペック比較結果
ノート/アクア/フィットのサイズ比較では、フィットが最も小さく全長が4mを切るグレードがあります。ノートが3車種の中では1番全長が長く、それに伴ってホイールベースも1番長く設計されています。全幅に関しては3車種とも5ナンバー枠に収まるサイズ限界で設計されています。
車内に関しては、1番小さなボディサイズのフィットが室内幅&室内高さともに他の2車よりも大きく設計されています。取り回しが良く、居住スペースが広いのは「フィット」で、ホイールベースが長く、走行安定性に優れているのが「ノート」です。
ノート/アクア/フィットのエンジンスペック比較
ノート/アクア/フィットのガソリンエンジンスペック
●ノートのガソリンエンジン
・搭載グレード:S/X/X FOUR/MEDALIST X/MEDALIST X FOUR/X シーギア/X FOUR シーギア
・エンジン型式:HR12DE
・エンジン種類:水冷直列3気筒DOHC
・総排気量 :1,200cc
・最高出力 :79ps
・最大トルク :10.8kgm
・燃費 :23.4km/L(JC08モード)
・搭載グレード:X DIG-S/MEDALIST
・エンジン型式:HR12DDR
・エンジン種類:水冷直列3気筒DOHC直噴スーパーチャージャー
・総排気量 :1,200cc
・最高出力 :98ps
・最大トルク :14.5kgm
・燃費 :26.2km/L(JC08モード)
●アクアのガソリンエンジン
アクアは全てハイブリッドモデルのため、ガソリンエンジンの設定がありません。
●フィットのガソリンエンジン
・搭載グレード:13シリーズ全グレード
・エンジン型式:L13B
・エンジン種類:水冷直列4気筒DOHC16V
・総排気量 :1,300cc
・最高出力 :100ps
・最大トルク :12.1kgm
・燃費 :20.2km/L~24.6km/L(JC08モード)
・搭載グレード:15XL Honda SENSING/RS Honda SENSING
・エンジン型式:L15B
・エンジン種類:水冷直列4気筒DOHC16V直噴
・総排気量 :1,500cc
・最高出力 :132ps
・最大トルク :15.8kgm
・燃費 :19.2km/L~22.2km/L(JC08モード)
ノート/アクア/フィットのハイブリッドエンジンスペック
●ノートのハイブリッドエンジン
・搭載グレード :e-POWERシリーズ(2WD)
・エンジン型式 :HR12DE-EM57
・エンジン種類 :水冷直列3気筒DOHC+電気モーター
・総排気量 :1,200cc
・最高出力 :79ps
・最大トルク :10.5kgm
・Fモーター最高出力 :109ps
・Fモーター最大トルク:25.9kgm
・燃費 :34.0km/L(JC08モード)
・搭載グレード :e-POWERシリーズ(4WD)
・エンジン型式 :HR12DE-EM57-N2
・エンジン種類 :水冷直列3気筒DOHC+電気モーター
・総排気量 :1,200cc
・最高出力 :79ps
・最大トルク :10.5kgm
・Fモーター最高出力 :109ps
・Fモーター最大トルク:25.9kgm
・Rモーター最高出力 :4.8ps
・Rモーター最大トルク:1.5kgm
・燃費 :28.8km/L(JC08モード)
●アクアのハイブリッドエンジン
・搭載グレード :全グレード
・エンジン型式 :1NZ-FXE
・エンジン種 :直列4気筒DOHC+電気モーター
・総排気量 :1,500cc
・最高出力 :74ps
・最大トルク :11.3kgm
・モーター最高出力 :61ps
・モーター最大トルク:17.2kgm
・燃費 :34.4km/L~38.0km/L(JC08モード)
●フィットのハイブリッドエンジン
・搭載グレード :ハイブリッドモデル全グレード
・エンジン型式 :LEB
・エンジン種類 :水冷直列4気筒DOHC16V+電気モーター
・総排気量 :1,500cc
・最高出力 :110ps
・最大トルク :13.7kgm
・モーター最高出力 :29.5ps
・モーター最大トルク:16.3kgm
・燃費 :28.0km/L~37.2km/L(JC08モード)
ノート/アクア/フィットのエンジンスペック比較結果
ノートとフィットのガソリンエンジンは、両車とも2種類のガソリンエンジンが用意されています。下位グレードのエンジンでは、ノートが「1,200cc 水冷直列3気筒DOHC12V」、フィットが「1,300cc 水冷直列4気筒DOHC16V」で、排気量・パワー・燃費の全ての面でフィットのエンジン性能が勝っています。
上位グレードのガソリンエンジンは、ノートには「1,200cc スーパーチャージャーエンジン」が搭載されており、ゼロ発進からの加速性能は1,500cc並みのパワーを発揮して、ECOモードを使用することで26.2km/L(JC08モード)の低燃費を実現しています。フィットの上位グレードに用意されているエンジンは、「1,500cc 直列4気筒DOHC16V直噴エンジン」が搭載されています。
ECOモードが装備されているノートのエンジンよりも燃費面では劣りますが、1,500cc 直噴エンジンで最高出力・132psを発揮することができます。ハイブリッドエンジンでは、ノートが電気自動車に近い新ハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載しているため、アクアやフィットとは比較にならないほどの高い走行性能を誇っています。
ただ、燃費面ではアクアやフィットに劣ってしまいますが、群を抜いたパワーを持ちながらJC08モード・34.0km/Lは立派な数字です。静粛性とパワフルな走りでは「ノート」、クラストップレベルの低燃費を誇る「アクア」、ガソリンエンジンの性能が高い「フィット」と言う感じになります。
ノート/アクア/フィットのグレード比較
ノート/アクア/フィットのガソリンモデル・グレードと新車車両本体価格
●ノートのガソリンモデル・グレードと新車車両本体価格
・S 2WD :¥1,316,000-
・X 2WD :¥1,411,000-
・X FOUR :¥1,611,000-
・X DIG-S 2WD :¥1,636,000-
・MEDALIST X 2WD :¥1,606,000-
・MEDALIST X FOUR:¥1,806,000-
・X シーギア 2WD :¥1,661,000-
・X FOUR シーギア :¥1,861,000-
・MEDALIST 2WD :¥1,937,000-
●アクアのガソリンモデル・グレードと新車車両本体価格
アクアは全てハイブリッドモデルのため、ガソリンモデルの設定がありません。
●フィットのガソリンモデル・グレードと新車車両本体価格
・13G・F :¥1,323,000-~¥1,503,000-(2WD・4WD/CVT・5MT)
・13G・L Honda SENSING :¥1,531,000-~¥1,711,000-(2WD・4WD)
・13G・S Honda SENSING :¥1,658,000-~¥1,838,000-(2WD・4WD)
・15XL Honda SENSING :¥1,716,000-~¥1,866,000-(2WD・4WD)
・RS・Honda SENSING :¥1,899,000-~¥1,899,000-(2WD・4WD)
ノート/アクア/フィットのハイブリッドモデル・グレードと新車車両本体価格
●ノートのハイブリッドモデル・グレードと新車車両本体価格
・e-POWER S 2WD :¥1,761,000-
・e-POWER X 2WD :¥1,872,000-
・e-POWER X FOUR :¥2,072,000-
・e-POWER X シーギア 2WD :¥2,092,000-
・e-POWER X FOUR シーギア:¥2,292,000-
・e-POWER MEDALIST 2WD :¥2,179,000-
・e-POWER MEDALIST FOUR:¥2,379,000-
●アクアのハイブリッドモデル・グレードと新車車両本体価格
・L 2WD :¥1,653,000-
・S 2WD :¥1,747,000-
・Crossover 2WD:¥1,907,000-
●フィットのハイブリッドモデル・グレードと新車車両本体価格
・HYBRID :¥1,574,000-~¥1,754,000-(2WD・4WD)
・HYBRID・F :¥1,681,000-~¥1,861,000-(2WD・4WD)
・HYBRID・L Honda SENSING:¥1,925,000-~¥2,075,000-(2WD・4WD)
・HYBRID・S Honda SENSING:¥2,042,000-~¥2,192,000-(2WD・4WD)
ノート/アクア/フィットのグレード比較結果
アクアには、ガソリンモデルの設定がありませんが、ノートとフィットにはガソリンモデルの設定があります。ノートのガソリンモデルには、下位グレードの「S」「X」「MEDALIST X」、スーパーチャージャーエンジンを搭載している「X DIG-S」「MEDALIST」、クロスオーバー仕様の「X シーギア」が用意されています。
フィットのガソリンモデルには、1,300ccエンジン搭載モデルの「13シリーズ」、1,500cc直噴エンジン搭載モデルの「15XL Honda SENSING」「RS Honda SENSING」が用意されています。フィットには、最近の車では珍しいミッション車の設定があるのと、ガソリンモデルとハイブリッドモデルの両方で2WDと4WDを選択することができます。
また、ノートにはクロスオーバーSUVタイプの「シーギア」がラインナップに追加されて、バリエーションも豊富になっています。両車とも殆ど同じ価格設定のため、好みによって選択することができます。ハイブリッドモデルでは、アクアだけが2WDの設定しかないため、4WDを必要としているユーザーは必然的にノートかフィットを選ぶことになります。
また、全体的にe-POWERを搭載しているノートの価格が若干高く、金額で選択する場合はアクアかフィットを選ぶことになります。ハイブリッドモデルでは、4WDを必要としていない場合は、走りの満足感で考えると「ノート e-POWER」をオススメします。
ノート/アクア/フィットの便利装備比較
ノートの便利装備
●Nissan Connectサービス
Nissan Connectサービスは、ナビ検索で目的地までの渋滞情報を加味して最速ルートを探索する案内や、スマートフォンアプリを利用したサービスの充実など、ノートを安心して利用するために設けられたサービスが充実しています。
●インテリジェント・オートライトシステム
夕暮れ時で周囲が薄暗くなり始め頃や、雨の降っている時にワイパーを使っている時に、自動的にヘッドライトを点灯させる機能です。
●ファインビジョンメーター
ハイブリッドモデルには、「燃費表示機能」「デジタル時計」「サービスインターバル」「パワーメーター」「エネルギーフローメーター」「バッテリー残量」「ハイブリッドシステムの状態」などの情報を、表示することができるファインビジョンメーターが標準装備されています。
アクアの便利装備
●マルチインフォメーションディスプレイ(4.2インチカラーTFT液晶)
アクアには、ステアリングスイッチで操作を行うことができる「4.2inマルチインフォメーションディスプレイ」が搭載されています。4.2inマルチインフォメーションディスプレイでは、「ハイブリッドシステムインジケーター」「エコジャッジ」「燃費履歴」などを表示することができます。
●メーターレイアウト
アクアのフロントメーターパネルは、前方の路面状況とメーター内に表示される情報を焦点の合わせやすい遠視メーターを採用することで、一つの視界で全ての情報を視界で確認することができます。
●ステアリングスイッチ
4.2inマルチインフォメーションディスプレイや、オーディオなどの操作をステアリングに装備されているスイッチ類で、ステアリングから手を離すことなく行うことができます。
フィットの便利装備
●インターナビ
インターナビとは、ホンダ独自の通信型ナビゲーションシステムで、地図情報だけではなく「渋滞情報」「災害情報」「安否情報」「リアルタイムナビ情報」「多彩なルート案内」など、リアルタイムに通信を行い情報を得るナビゲーションシステムです。
●ウルトラシート
フィットは、場所を取る燃料タンクを前席の下へ取り付けることで、車内空間を広く確保することができるホンダ特許技術の「センタータンクレイアウト」を採用しています。
そのため、他車が真似をすることができないシートアレンジが可能で、後席の背もたれを倒すと座面が床下へ収納する形でズレ落ち、凹凸の無い平らなフルフラットを低い位置で行うことができます。コンパクトカーでありながら、高さが80cmを超える大人用の26in自転車でも立てたままで積み込むことが可能です。
●前席シートヒーター
寒い冬場や早朝などの冷え切った車内でも、座面から温めることのできる「Hi Lo 温度調節付シートヒーター」を運転席・助手席に装備することが可能です。
●プラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナー
プラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナーは、エアコンや送風と連動して、美肌効果があると言われているイオンを放出しながら空気中の脱臭も同時に行います。
ノート/アクア/フィットの便利装備比較結果
最近のコンパクトカーは、装備品が驚くほど進化していて、一昔前の高級車に装備されていたものが当たり前のように備わっています。通信技術も進化して、ノートには「Nissan Connectサービス」、フィットには通信料無料の「インターナビ」を装備することができます。
3車種とも派手な装備はありませんが、小さなボディでどれだけ使いやすい車にするのかを考え抜いた設計が施されています。特にフィットの装備は素晴らしく、1番小さなボディにも関わらず、ホンダ特許技術「センタータンクレイアウト」を採用してワンランク上のクラスと同等な室内空間を確保して、リアルタイムで通信することが可能な「インターナビ」も利用することができます。
ノート/アクア/フィットの走行性能比較
ノートの走行性能
●e-POWER
e-POWERは、電気自動車の新しい形として日産が社運を掛けて取り組んできた次世代ハイブリッドシステムです。電気自動車のように外部からバッテリーへ充電するのではなく、エンジンを発電用として使用して、走行は電気モーターで行う仕組みになっています。ガソリン車の感覚で、電気自動車を楽しむことができる画期的なハイブリッドシステムです。
●e-POWER 4WD(モーターアシスト方式)
e-POWER 4WDは、滑りやすい雪道などの道でも路面状況に応じて前輪だけではなく、後輪も電気モーター駆動させることができます。タイヤが空転する不安定な雪道でも、発進&加速がスムーズに行え、2WDと4WDをスイッチ操作で簡単に切り替えることができます。
●ECOモード&日産エコメーター
ECOモードは、「発進」「加速」「車速」「走行中の負荷」などを自動で検知して、幅広く速度管理を行ってくれます。また、スーパーチャージャーを搭載しているHR12DDRエンジンでは、ECOモードで走行しているときは、スーパーチャージャーを作動させず、低燃費に徹する仕様になっています。
アクアの走行性能
●1,500cc 小型ハイブリッドシステム
アクアのハイブリッドシステムには、特に燃費効率に優れていると言われている「アトキンソンサイクルエンジン」と、排気ガス再循環システム「クールドEGR」を採用することで、ハイパワーとクラストップレベルの低燃費の両立を実現しています。
●昇圧コンバーター付パワーコントロールユニット
昇圧コンバーター付パワーコントロールユニットとは、バッテリー側の「直流電流」と、モーターを発電するための「交流電流」を最適に制御するコントロールユニットのことを言います。昇圧コンバーターのインバーターとコンバーターを小型&軽量化にすることで、ハイブリッドシステムの制御性能を更に向上させることで、クラストップレベルの低燃費を実現することに成功しています。
●エアロスタビライジングフィン
エアロスタビライジングフィン は、空気(風)が前方から後方に流れる気流をあえて渦を発生させて、車体を地面に押し付けるイメージで、操縦性の安定を図る小さなフィンのことを言います。アクアには、左右ドアミラーの根元とリアコンビネーションランプのサイドの黒い部分にエアロスタビライジングフィンが設置されています。
●モードスイッチ
アクアには、「エコドライブモード」「EVドライブモード」の2つの走行モードが用意されています。エコドライブモードは、アクセル操作に対する駆動力とエアコンなどのエンジンに負荷の掛かるパーツの消費電力などを省エネ化して、燃費最優先の走りに制御します。
EVドライブモードは、エンジンを使わず電気モーターだけで走行を行うモードで、深夜の住宅街や屋内型駐車場などで排気ガスを出したくないときに便利な走行モードです。
フィットの走行性能
●サスペンションシステム
リアサスペンションを操縦安定性と乗り心地の良さを両立しつつ、従来よりも小型化することで室内空間をより広く確保することに成功しています。
●ハイブリッドシステム
フィットのハイブリッドシステムは、エンジンを使わず電気モーターだけで走行を行う「EVドライブモード」、負荷が必要な登坂路や追い越しなどでは電気モーターとエンジンの両方を使用する「ハイブリッドドライブモード」、一定の速度で高速巡行する場合はエンジンのみで走行することができる「エンジンドライブモード」の、3つの走行モードから効率の良いモードを選択して走行するシステムです。
●Sモードスイッチ
アクセル操作でより大きな駆動力を必要とするときは、Sモードスイッチ「ON」にすることでハイパワーのエンジンを中心とした走行を楽しむことができます。
ノート/アクア/フィットの走行性能比較結果
ノート/アクア/フィットの走行性能を紹介してきましたが、3車種とも低燃費を謳ったハイブリッドモデルが売りで、基本性能や走りは全く異なるタイプのハイブリッドシステムが採用されています。
3車種とも特性はハッキリとしていてノートのe-POWERは「パワーと低燃費の両立」、アクアはクラストップレベルの「低燃費に特化」、フィットは車本来の楽しさを継続した「ハイパワーガソリンエンジン」となっています。個人的には、パワーと低燃費の良い所だけをバランス良く取り入れているノートe-POWERが、走行性能では上回っていると感じます。
ノート/アクア/フィットの安全装備比較
ノートの安全装備
●予防安全性能評価
ノートは、平成30年度自動車アセスメント(JNCAP)の予防安全性能評価で、最高評価の「ASV+++(トリプルプラス)」を獲得しています。
●エマージェンシーブレーキ
エマージェンシーブレーキとは、前方についている単眼カメラで、車の前を随時監視して、車や歩行者と衝突する危険性が高まると警告音と警告灯で運転者へ注意喚起を行い、それでも減速しない場合には自動で緊急ブレーキが作動して、衝突を回避または衝突時の被害を軽減する予防安全システムです。
●車両接近通報装置
ハイブリッドモデルは、エンジンが掛かっているのかさえ分からないほど静かで、車が接近していることに歩行者が気付かない恐れがあります。車両接近通報装置とは、低速で走行している時に歩行者へ車が近づいていることを車両接近通報音で知らせるための装置です。
アクアの安全装備
●セーフティ・サポートカー
アクアは、日本政府が交通事故防止対策の一環として普及啓発しているセーフティ・サポートカーで、歩行者に対する自動ブレーキなどの安全支援装備を搭載しています。また、オプションで「インテリジェントクリアランスソナー」を装着した場合は、「セーフティ・サポートカーS(ワイド)」に該当しています。
●衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)認定車
アクアは、走っている時や停車している車に対する「衝突被害軽減ブレーキ」などが規定の性能をクリアしていることを国土交通省が認定した車です。
●衝突回避支援パッケージ「トヨタ・セーフティ・センス」
アクアは、「レーザーレーダー」と「単眼カメラ」の2種類の高精度検知センサーを搭載しているため、衝突の回避または衝突被害の軽減を支援します。
フィットの安全装備
●先進安全運転支援システム「Honda SENSING」
フィットには、ガソリンモデル「13G・F」、ハイブリッドモデル「HYBRID」「HYBRID・F」以外の全てのグレードに、ホンダ先進安全運転支援システム「Honda SENSING」が搭載されています。先進安全運転支援システム「Honda SENSING」は、事故に遭わない社会を目指して現在でも開発が行われている先進安全運転支援システムです。
Honda SENSINGには、「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」「誤発進抑制機能」「歩行者事故低減ステアリング」「路外逸脱抑制機能」「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」「車線維持支援システム(LKAS)」「先行車発進お知らせ機能」「標識認識機能」の8つの先進機能が搭載されています。
●予防安全性能評価
フィットは、平成29年度自動車アセスメントの予防安全性能評価で、最高ランクの「ASV++」を獲得しています。
●セーフティ・サポートカー
フィットは、日本政府が交通事故防止対策の一環として普及啓発しているセーフティ・サポートカーで、歩行者に対する自動ブレーキなどの安全支援装備を搭載しています。セーフティ・サポートカーのランクとしては、「セーフティ・サポートカーS(ベーシック+)」に該当します。
ノート/アクア/フィットの安全装備比較結果
ノート/アクア/フィットの安全装備について紹介してきましたが、最近の車は安全装備に各自動車メーカーが力を注いでいるため、コンパクトカーでも上級モデルと変わらぬ安全装備を搭載しています。日産では「インテリジェントモビリティ」、トヨタは「トヨタ・セーフティ・センス」、ホンダが「Honda SENSING」と言った先進安全運転支援システムを各社開発を行っています。
安全装備の比較ということを考えると、安全面での物差しになるのが自動車アセスメントの「予防安全性能評価」が大切になります。予防安全性能評価は、事故に遭わないようにシステムが衝突を回避したり、衝突事故を起こした場合でも衝突の衝撃を軽減するために運転者のサポートを行う機能の評価のことを言います。
上記では紹介してませんが、アクアの予防安全性能評価は「ASV+」、フィットが「ASV++」、ノートは予防安全性能評価で満点の「ASV+++」を獲得しています。安全装備での比較は、ノートがライバル車よりも優れていると言わざる負えない結果です。
ノート/アクア/フィットの中古車相場比較
ノートの中古車相場
ノートで1番人気のあるグレードは、ガソリンモデルが「X 2WD」、ハイブリッドモデルが「1.2 e-POWER X」です。
・X 2WD :¥ 905,455-~¥1,409,091-
・e-POWER X:¥1,090,000-~¥1,980,000-
※新車・修復歴車を除く、2019年以降の中古車を対象にしています。
※ボディカラー、走行距離は関係なく調べています。
※表示価格に消費税は含まれていません。
アクアの中古車相場
アクアで1番人気のあるグレードは、「S 2WD」です。
・S 2WD:¥1,154,546-~¥1,718,182-
※新車・修復歴車を除く、2019年以降の中古車を対象にしています。
※ボディカラー、走行距離は関係なく調べています。
※表示価格に消費税は含まれていません。
フィットの中古車相場
フィットで1番人気のあるグレードは、ガソリンモデルが「13G・L Honda SENSING」、ハイブリッドモデルが「HYBRID・L Honda SENSING」です。
・13G・L Honda SENSING :¥1,163,636-~¥1,634,546-
・HYBRID・L Honda SENSING:¥1,587,273-~¥1,981,818-
※新車・修復歴車を除く、2019年以降の中古車を対象にしています。
※ボディカラー、走行距離は関係なく調べています。
※表示価格に消費税は含まれていません。
ノート/アクア/フィットの中古車相場比較結果
中古車市場では、ノートがガソリンモデルとハイブリッドモデルともに流通量が多いのですが、その中でもハイブリッドモデルのe-POWERの流通量で全体の約80%を占めています。また、ノートと同じでガソリンモデルとハイブリッドモデルの両方を設定しているフィットでは、ガソリンモデルとハイブリッドモデルの流通量は大きく変わりません。
アクアは、ノートとフィットと比べて全体的に中古車市場での台数も少なく、相場自体もそれほど高くはありません。3車種の中では、ノートとアクアの中古車相場が落ちてきているように感じますし、逆にフィットは新車の価格と比較しても70%~100%の安定した中古車相場を維持しています。
まとめ
ノート/アクア/フィットの人気コンパクトカーを比較してきましたが、ノートは「ファミリー層」、アクアは「幅広い年齢層」、フィットは「比較的若い年齢層」と言ったイメージがあります。少し前まではガソリンモデルがハイブリッドモデルよりも販売台数が上回っていましたが、現在ではハイブリッドモデルの人気が高く、アクアではガソリンモデルの設定すらありません。
ハイブリッドモデルでも各自動車メーカーによって特性が異なるため、「静粛性」「低燃費」「走り」の好みによって選択すると良いでしょう。アクアは、低燃費だけを考えているユーザーには良いのですが、走りを楽しむにはノートやフィットと比較すると正直劣るイメージがあります。
高い安全評価とパワー+低燃費を兼ね備えているのは「ノート e-POWER」で、ハイブリッドモデルでもガソリンエンジンの走りを満喫できるのは「フィット HYBRID」です。また、フィットは先日の東京モーターショー2019で、フルモデルチェンジの発表が行われて、2020年2月に発売されることが決定しています。