濃縮された技術を存分に味わうことのできる日産の高級車は、プレミアム感だけではなくパフォーマンスでもユーザーを満足させてくれます。日産の高級車はなぜ支持されるのでしょうか。今回は、日産の高級車についてご紹介します。
目次
日産の高級車の特徴
まずは、日産の高級車がどんな特徴を持っているのか、検証しました。
デザイン性の高さ
昨今の日産車のデザインは、グローバル感に溢れた、スタイリッシュな雰囲気があります。NISSAN DESIGNが生み出すデザインは、ユーザーの期待を超えて、日産独自の明快な価値を提供することによって、日産のブランド力向上にも貢献しています。
2000年以前に販売された日産の高級車は、非常に男らしい雰囲気があったように思います。角ばったボディに少し尖った雰囲気のインテリアと、やんちゃな空気感が満載で、ユーザー層も男性が多かったように感じます。
しかしルノーへの経営統合以降は、グローバル戦略を掲げデザインコンセプトも一新されました。良くも悪くも日本的だったデザインコンセプトを海外市場へ目を向けることで、洗練された雰囲気となりました。
どの車に置いても欧州基準のデザイン性が感じられ、都会的なデザインに昇華された印象です。そのため、日産の高級車を好むユーザー層も幅広くなったのではないかと思います。
昔の日産車が良かったという声があるのも正直なところですが、現在の日産車のデザインは、世界市場に目を向けブランド力を高めるという意味合いでは、必要不可欠なことだと感じます。
走行性能の高さ
スカイライン・フェアレディZなど、数々のスポーツカーが日産からは誕生していますが、どのボディタイプの車においても、走行性能が高いことは周知の事実です。
高級車においては、走行性能を追求するために、最先端の技術が投入され、エンジン・ボディ・足回り・素材と、ドライバーの感性をくすぐる工夫が、随所に見られます。
高級車には乗り心地の良さが強く求められますが、日産の高級車を見るとシートの設計や素材の良質さが際立ち、長時間のドライブでも全くストレスを感じません。
車種ごとに細かな乗り心地の違いこそありますが、日産の高級車は比較的硬めにセッティングされているという評価が多いです。このような声からも、走行性能を追求し強くこだわっていることが伺えます。
モータースポーツでの輝かしい戦績
走行性能の高さを実証するように、日産車は数々のモーターレースで、輝かしい戦績を誇っています。
日産の高級スポーツカーとしてGT-Rが挙げられますが、1970年代前半には、ツーリングカーレースにスカイラインGT-Rで参戦し、無敵の強さを誇りました。突如彗星のように現れたスカイラインGT-Rに、業界関係者は衝撃を受けたと言います。
また高級車にも設定されることのあるNISMOグレードでは、モーターレースで磨かれた日産の究極のパフォーマンスを体感することができ、本格派のドライバーも大満足です。
技術の日産
技術の日産というキーワードは、すでに馴染み深いものですが、元々は1966年に日産自動車に合併されたプリンス自動車の技術力に由来するものでした。
長年世界でもトップクラスの技術力を背景に、自動車業界の発展に貢献してきましたが、経営危機をきっかけに少し影を潜めたような印象がありました。しかしここ数年、また技術の日産のプライドを取り戻すような、革新的な技術が随所に見られます。
高級車ではスカイラインへ、電気的にタイヤとステアリング操作が可能なダイレクト・アダクティブ・ステアリングを世界初搭載するなど、技術面でも攻めの姿勢を見せています。
現在自動車業界の技術においては、電動化がキーワードとなりますが、ローコストで高性能なe-Powerや、電気自動車のリーフ、先進的な安全性能など、先進技術の開発に余念がありません。駆動部分は見えない箇所ではありますが、日産の高級車には、クオリティが高く先進的な技術がふんだんに反映されています。
日産のボディタイプ別高級車
続いて、ボディタイプ別に、現在販売中の日産の高級車をご紹介します。
ミニバン
日産のミニバンは、キャラバンなど商用車の多いイメージですが、高級車に限定すると、エルグランド一択となります。
エルグランド
- 新車価格307.7〜816.5万円
日産で最上位ミニバンとなるエルグランドは、1997年に初代モデルが発売されました。高級車に位置付けられますが、グレードラインナップが豊富で、廉価版のグレードも設定されていることから、ユーザー層が幅広い点も特徴です。
サイズ感の通りに、室内空間は非常に広々としていて、高い居住性でリラックスできます。また現行モデルは前輪駆動の仕様に変更されましたが、過去のモデルでは後輪駆動であったことから、走行性能にも強いこだわりがあることがわかります。
また装備品も非常に豪華で、ほとんどのグレードでレザーシートが標準装備となり、上質な座り心地を楽しめます。また安全性も高く、先進的な安全装備はもちろん、サイドエアバッグなどで、後部座席の安全性も確保されています。
ミニバンの3列目シートは、居住性があまり重視されない傾向にありますが、エルグランドの3列目シートは、前列・2列目と遜色ない仕上がりで、どの座席においても、快適なドライブを楽しむことができます。
https://anshinkuruma.jp/guide/%E3%80%90%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E9%AB%98%E9%A1%8D%E8%B2%B7%E5%8F%96%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%80%91%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%B0/
スポーツカー
モータースポーツでの受賞歴など、日産の走行性能を存分に体感できるスポーツカーは、本格派のドライバーも満足の仕上がりです。
GT-R
- 新車価格:777〜1870万円
長年スカイラインという名称が付いていましたが、現行モデルではGT-Rとして、新たな歴史を創造しています。GT-Rはハイスペックなため、ドライバーを選ぶというイメージがありますが、現行モデルの開発においては、誰が運転しても安心な、速く楽しいスーパーカーを目指したとのことです。
GT-Rの設計は、全て走行性能の良質さに繋がることが基本となります。スポーティなエクステリアは空力を重視したデザインで、ボディは全グレード2,000kg未満に収まっています。
インテリアも運転に集中できるように配慮された設計ですが、ボディサイズを最大限に活かしているので、長身の男性が乗っても圧迫感は感じない作りです。
現行モデルに搭載される、480ps/60kg-mという、3.8LのV6ツインターボエンジンは、日産の走りに対するこだわりを体全体で味わえる仕様になっています。
https://anshinkuruma.jp/guide/gt-r%E3%81%AE%E8%B2%B7%E5%8F%96%E6%9F%BB%E5%AE%9A%E3%82%92%E9%AB%98%E3%81%8F%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AF%EF%BC%9F-%E4%B8%AD%E5%8F%A4%E8%BB%8A%E3%81%AE%E4%BE%A1/
セダン・クーペ
日産の高級車といえば、懐かしのセドリックやグロリアや最高級車のプレジデントを連想する方も多いかと思いますが、この3台の生産終了後、セダンの高級車は多様化しています。
スカイライン
- 新車価格:299〜609.8万円
GT-Rがラインナップから外れたスカイラインは、これまでのスポーティさはそのままに高級感や快適性をプラスした進化を遂げています。ボディの軽量化というコンセプトは変わりませんが、デザインにおいてはワイド&ローが強調され、高級スポーツセダンとして存在感を高めています。
ラグジュアリーかつアグレッシブなその姿は、幅広いユーザーにスカイラインを楽しんでもらいたいという、制作陣の意図が伺えます。ダイナミックな走りを楽しめ、加速やハンドルレスポンスは高く、爽快なドライブを味わえます。
そして現行モデルではハイブリッド車のグレードも設定され、環境性も大きく向上しています。歴代モデルのターボエンジンの技術から来る、スカイライン独自の乗り心地は色褪せず、往年のファンをもうならせる仕上がりです。
シーマ
- 新車価格:735〜902.7万円
セドリック・グロリアの牙城を崩すように登場したシーマは、デビューから約30年の時を経て、ハイブリッド専用車に進化しました。
初代モデルから一貫して、その時代の最先端技術が取り入れられた走行性能や機能性で、高い支持をユーザーから集めています。エクステリア・インテリアのデザインはシックに統一され、高級車としての格を感じる雰囲気です。
現行モデルはハイブリッド専用車ですが、走行性能と環境性を高いレベルで両立した仕上がりです。さらに広く心地よい後部座席は、他のセダンと比べると圧倒的な仕様で、大切な人を迎えるのにふさわしい車だといえます。
そして現行モデルはエコカー減税の対象になるので、ユーザーのお財布に優しい点も嬉しいポイントです。
フーガ
- 新車価格:399〜621.1万円
プレジデントに変わる日産のフラッグシップセダンであるフーガは、日産が持つ全ての技術とノウハウが注ぎ込まれた一台です。プレジデントのように贅を尽くした圧倒的な高級感はありませんが、存分にプレミアム感を得ることのできる仕上がりです。
価格帯がクラウンと近いことからも、高級セダン市場の中で、正攻法で勝負しようという気合も感じられます。現行モデルは2代目となりますが、安定感のある走りはそのままに、高級感や機能性が向上しています。
現在では車内の空気清浄も珍しくありませんが、クリーンな空気やアロマを提供するフォレストエアコンは、フーガが世界初採用となりました。街中に運転していても、まるで森の中にいるような澄んだ空気をフーガでは味わえることができます。
現行モデルでは3.7Lと2.5Lのエンジンが搭載されていますが、その走行性能をアシストするように、先進的なトランスミッションやコネクティビティにより、高速域でも最上級の安心感を提供してくれます。
日産の高級車の税金は?
続いて自動車税や自動車重量税といった、日産の高級車の税金をランキング形式でご紹介します。
自動車税が高い日産の高級車
自動車税は排気量が大きいほど、税率が上がります。エコカー減税の対象となりますが、ここではエコカー減税を適用しないことを前提として、ご紹介します。
- GT-R:66,500円
- フーガ:45,000円〜66,500円
- シーマ:58,000円
- エルグランド:45,000円〜58,000円
- スカイライン:39,500円〜58,000円
排気量が3.5Lを超えるグレード設定は、GT-Rとフーガの2台です。高級車には排気量が4.0Lを超えるエンジンが搭載される車種も珍しくありませんが、日産のエンジンは排気量以上のパワーを引き出せるからか、いわゆるモンスターエンジンを搭載している車はありません。
自動車重量税が高い日産の高級車
自動車重量税もエコカー減税が適用されますが、自動車税同様に適用しないことを前提にご紹介します。自動車重量税は車重によって税率が変わる仕組みです。
- エルグランド:1年あたり12,300円〜16,400円
- GT-R:1年あたり12,300円
- スカイライン:1年あたり12,300円
- シーマ:1年あたり12,300円
- フーガ:1年あたり12,300円
車重が2,000kgを超えるグレードがある、エルグランドのみ重量税が上がっていますが、全体的にボディの軽量化が際立ちます。こちらも日産の技術力が光るところで、軽量化に成功しつつ高剛性の素材を使用していることで、安全性も高めています。
そして軽量化に伴い走行性能も上がるので、高い技術力が良い循環を生み出していることが分かります。
リセールバリューの高い日産の高級車は?
最後に日産の高級車をリセールバリューという観点で検証します。
残価率の高い日産の高級車
残価率は新車時の販売価格からの買取価格で算出します。日産の高級車に関してはエルグランドとGT-Rが非常に高い残価率となっています。
エルグランドはファミリー層のニーズが多く、ハイウェイスターという上級グレードのリセールバリューが際立っています。GT-Rに関しては需要に対しての供給が中古車市場では少ないため、希少価値もあるという意味合いで、このような高い残価率になっています。
スカイライン・シーマ・フーガに関しては、決して低いわけではありませんが、エルグランドと比較すると、5年落ちの時点で20%ほど残価率が下がる買取事例も多く見られました。
買取価格が高い日産の高級車
買取価格に関しては、日産の高級車の中ではGT-Rの独り勝ちといった状況です。もともと新車価格が高額なのに加え、残価率も非常に高いことから、買取価格は必然的に高くなります。
他の高級車については、上級グレードの人気が総じて高いので、買取業者を競合させることによって、相場以上の査定額を得ることも不可能ではなさそうです。
まとめ
今回は、日産の高級車についてご紹介しました。
日産の高級車は、過去を振り返るとセドリック・グロリア・プレジデントなど、自動車史に残る名車が席巻していました。これらの高級車が生産終了になって多くの時間が経過しましたが、現在は複数の高級車がしのぎを削っている状態です。
どの車においても日産の技術が惜しみなく投入され、唯一無二の仕上がりとなっていますが、今後の進化にも期待したいところです。