街乗りだけでなくオフロードでも楽しめるクルマとして登場した日産のエクストレイルは、SUVブームの火付け役となった1台です。
エクストレイルのスタイリングはキャンプやアウトドアのシーンにぴったりで、これまで多くのファンを魅了し続けてきました。
そこで今回は、エクストレイルの魅力を紹介しながら、年間の維持費について詳しく解説します。
目次
エクストレイルの特徴
「運転する場面」「乗り手」を選ばないことをコンセプトに開発されたエクストレイル。鮮烈なデビューを果たした初代のエクストレイル以来、20年をこえて愛され、生産が続けられている1台です。
誰が、どんな場所でも満足のいく走りが楽しめるエクストレイルは、自分らしさを実現できるクルマであるといえるでしょう。SUVとしてのタフさをも持ち合わせるエクストレイルは世界中で愛されてきました。
アウトドアを意識した容量と仕様
そんなエクストレイルの魅力は、クラストップレベルの荷室容量にもあります。565Lもの容量によって、アウトドア用品などの大型の荷物を難なく積み込めるのが特徴です。
アウトドアのシーンに使われることが多いことを想定し、シートやフロアが防水仕様になっているのもポイントの1つ。ウィンタースポーツなどで濡れたウエアのまま座っても簡単に拭取れるのが魅力です。
どんなシーンでもタフな走りが楽しめるエクストレイル
そのうえ、走破性にも優れ、横滑り防止装置やエンジンの出力を制御するトランクションコントロールを搭載。4WDとしての魅力が十分に感じられるといえるでしょう。
また、滑りやすい凍結路面や水たまりでは瞬時に後輪へ駆動を伝え、雪やぬかるみに埋まった場合にはブレーキLSDによって簡単に抜け出すこともできます。
さらに、最低地上高200mmに設定したことで、山道や河川敷といったオフロードの走行も楽しめるオールラウンダーさも実現しました。ハイブリッドタイプも加わったことで、燃費性能も格段に向上しています。
エクストレイルのスペック
<20S 2WD>
- 全長×全幅×全高(mm):4,690×1,820×1,740
- 燃費性能JC08モード(km/L):16.4
- エンジン:DOHC筒内直接燃料噴射直列4気筒
エクストレイルでかかる維持費は年間どのくらい?
税金
エクストレイルを維持するには税金を納める必要があります。税金には<自動車税>と<自動車重量税>の2種類があり、このうちの自動車税は毎年納める税金です。
自動車重量税は自動車の購入時と車検のタイミングで納めると考えましょう。ここからは、これらの税金が年間あたりいくらかかるのか詳しく説明していきます。
自動車税
自動車税は排気量ごとに決定されます。エクストレイルの排気量は2,000ccですので、自動車税は39,500円です。エクストレイルの中でも、環境性能に優れたグレードを選択している場合にはエコカー減税が適用されます。
自動車税のエコカー減税は登録翌年の自動車税が減税されるものです。例を挙げると、エクストレイル20X HYBRID[2列]の場合には登録翌年の自動車税が19,500円減税されます。
ただし、自動車税のエコカー減税は登録翌年のみです。3年目からは39,500円に戻りますので注意しましょう。
重量税
重量税は、新車購入時にまとめて3年分、その後、車検時に2年分を納めます。重量税は車両重量によって異なり、0.5トンごとに4,100が加算される仕組みです。
ただ、2019年4月30日までに燃費基準をクリアしたエコカー減税対象のエクストレイルを新車登録した場合には減税が受けられます。
この場合には、0.5トンごとの税額が2,500円ですので、非常にお得だといえるでしょう。エクストレイルの車両重量は1,440~1,510kgです。エコカー減税対象のエクストレイルであれば、1年あたり7,500~10,000円が重量税としてかかります。
対象車でない場合の重量税は1年あたり12,300~16,400円です。
保険
エクストレイルを維持する際に忘れてはいけない費用に保険があります。万が一の事故に備え、保険に加入しておくと安心です。
自賠責保険
自動車を所有する際に加入が義務付けられているのが自賠責保険です。国の保険ですので、どこで加入しても保険料は変わりません。
自賠責保険は、車の購入時と車検のタイミングでまとめて支払います。新車購入時には3年分をまとめて支払いますので、36カ月分で35,950円です。その後車検ごとに2年分の25,830円がかかります。
自賠責保険を9年間支払うと
35,950+25,830×3=113,440円
1年で計算すると113,440÷9となり、毎年およそ37,813円がかかります。
任意保険
任意保険には加入する義務はありません。ただし、万が一の事故の場合、自賠責保険だけでは払いきれないでしょう。そのため、任意保険に加入する人は多くみられます。
任意保険は車両保険の有無などで保険料が大きく変わります。また、保険会社によっても保険料が異なりますので、いくつかの保険会社に見積を依頼し、比較してみるのもいいでしょう。
運転者の年齢制限なしで車両保険に入った場合には年間10~20万円の保険料になります。年齢に35歳以上の制限をつけた場合には年間あたり60,000円程度におさめることも可能です。
車両保険をなしにすると年間40,000円程度におさえられます。任意保険は1年ごとに更新し、無事故無違反の場合には等級が上がり保険料が安くなるのも特徴です。
更新のタイミングで保険料を見直すと任意保険料はおさえられるでしょう。
その他費用
エクストレイルの維持費には、税金、保険のほかにもガソリン代や駐車場代、車検代などがかかります。
ガソリン代
エクストレイルの年間のガソリン代を計算するにあたり、年間の走行距離を1万キロと仮定しましょう。エクストレイルのカタログ燃費は16.4km/Lですが、実燃費では11.5km/Lです。そのため、ここでは、実燃費で計算していきます。
さらに、ガソリン代を1Lあたり125円として計算すると
10,000km÷11.5km/L×125円となり、年間のガソリン代はおよそ109,000円です。
駐車場代
エクストレイルを所有する際には車庫証明が必要です。自宅に駐車スペースがある場合には問題ありませんが、集合住宅などの場合には駐車場を借りることも多いでしょう。
そういったケースでは、駐車場代がかかります。駐車場代は地域によって異なり、東京などの都市部では高く、地方に行けば行くほど安くなるのが特徴です。
全国の平均的な駐車場代は月当たり8,000円程度でしょう。年間で考えると96,000円が駐車場代として必要です。
車検代
車検では検査手数料の印紙代に1,800円かかります。また、車検基本料はどの業者に車検を依頼するのかによって異なります。ディーラーでは車検基本料が高く、車検業者などに依頼すると安くおさまる傾向があるでしょう。
平均すると40,000円程度が相場です。ただし、車検時にオイル交換やブレーキパッドの交換などを行った場合には車検費用が高くなります。
また、年式が古くなると部品交換や修理が増えることから、車検費用が100,000円程度になることもめずらしくありません。
エクストレイルの購入時にかかる費用は?
車体価格
エクストレイルの車体価格はグレードによって異なります。メーカーが発表している新車の車体価格は以下の通りです。
- エクストレイル 20Xi [2列] (4WD):3,034,800円
- エクストレイル 20Xi HYBRID [2列] (2WD):3,096,360円
- エクストレイル 20X [3列] (4WD):2,931,120円
- エクストレイル 20S [2列](2WD):2,231,280円
- エクストレイル AUTECH [2列](2WD):3,078,000円
- エクストレイル AUTECH HYBRID [2列](2WD):3,427,920円
- エクストレイル AUTECH HYBRID i Package [2列](2WD):3,598,560円
オプション
- プロパイロット:131,760円
- 日産オリジナルナビゲーションMM518D-L:318,022円(取付費込)
- SRSサイドエアバッグ〈運転席・助手席〉+SRSカーテンエアバッグ:75,600円
- ルーフレール+パノラミックガラスルーフ:129,600円
- インテリジェントアラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)+インテリジェントルームミラー:68,040円
自動車重量税
新車購入時には自動車重量税を3年分支払います。エコカー減税対象のエクストレイルの場合には、重量税は3年分で22,500~30,000円です。
対象外の場合には36,900~49,200円を支払います。
自動車取得税
新車購入時には自動車取得税がかかります。自家用の普通自動車の場合には、以下の方法で自動車取得税を計算します。
課税標準基準額+ 付加物の価額= 取得価額(1,000円未満切捨て)
取得価額× 3% = 自動車取得税額
ただし、エコカー減税の対象車のエクストレイルの場合には自動車取得税が50%減税されます。例を挙げると、20X HYBRID[2列](4WD)の場合には、39,200円の減税が受けられるのです。
自賠責保険
新車購入時には、3年分の自賠責保険料を支払います。エクストレイルの3年間の自賠責保険料は35,950円です。
リサイクル料金
2005年1月に施行された自動車リサイクル法に基づき、2005年1月以降に購入した新車は、購入者がリサイクル料金を負担することになりました。
エクストレイルのリサイクル料金は販売された年によって異なります。
<T32/2013年~>
- シュレッダーダスト:6,690~7,020円
- エアバッグ類:1,700~1,900円
- フロン類:1,600~1,800円
合計:9,990~10,720円
<T31/2007年~>
- シュレッダーダスト:7,260円
- エアバッグ類:2,050~2,850円
- フロン類:2,000~2,030円
合計:11,310~12,140円
<T30/2000年~>
- シュレッダーダスト:7,740円
- エアバッグ類:2,480~2,820円
- フロン類:2,120円
合計:12,340~12,680円
ディーラー代行手数料
自動車の購入時には、自動車保管場所証明書を取得する必要があります。この証明書の取得を代行してもらう場合にディーラー代行手数料がかかるケースは多いでしょう。
また、車の所有者名義を陸運局に登録する作業や、ナンバープレートの取得を代行してもらう際にも代行手数料がかかります。ディーラー代行手数料の相場は、およそ15,000円です。
壊れやすいところや注意するべき点
エクストレイルには、エンジンの回転数が上がらなくなるといったケースが報告されています。エンジン自体の不具合ではなく、エンジンに関する部品による不具合であり、部品の不具合によってセーフティモードが作動してしまうことが原因です。
また、古い年式のエクストレイルの場合には、エアコンのコンプレッサーが焼き付いてしまうという症状も見られています。これにより、エアコンの効きが悪くなってしまいますので、夏が来る前に点検に出しておくのがいいでしょう。
さらに、ブレーキペダルを踏み込んだまま戻らないという故障もみられます。ブレーキペダルを踏み込んだまま走行すると車体に影響が出る可能性が高くなり、非常に危険です。
これらの故障やトラブルは、経年劣化によるものが多いといえます。そのため、中古のエクストレイルを購入する際には、しっかりと確認をしてきましょう。さらに、信頼のおける業者から購入すると安心です。
まとめ
どんなシーンでもタフな走りが楽しめるエクストレイルは、SUVらしさが凝縮された1台です。ただ、排気量が大きくないことや、車両が大きすぎないといった理由で、驚くような維持費はかかりません。
エコカー減税対象のグレードであれば、さらに維持費が抑えられるでしょう。また、保険などの定期的な見直しを行うことでも維持費は安くなります。エクストレイルの維持費についてしっかりとした知識を持ち、上手に維持費を節約しましょう。