マイカーローンを組めば手元にお金がなくても車を購入できます。しかしマイカーローンは「実際に支払うべき金額に金利が上乗せされるため損をする」という考え方の方もいるでしょう。
マイカーローン(自動車ローン)のメリットとデメリットを紹介します。車をマイカーローンで買ったときの具体的な支払金額シミュレーションはマイカーローンを組むか悩んでおられる方に参考にしていただければ幸いです。
[myphp file=article-cta-parts-s]
マイカーローン(自動車ローン)の種類別仕組みを解説
マイカーローン(車のローン)は種類によって金利やサービスが異なります。それぞれメリット・デメリットがあるので解説していきましょう。
ディーラが取り扱うマイカーローン(車のローン)
自動車購入時に契約できるローンをディーラーローンといいます。車の販売店と提携しているカードローン会社や信販会社に支払いを行う形態のマイカーローン(自動車ローン)です。
[box class=”pink_box” title=”ディーラーローンのメリット”]
- 購入と同時にローン契約を結べる
- ローン審査は30分から1時間
- ローンを組むことで割引される可能性あり
[box class=”blue_box” title=”ディーラーローンのデメリット”]
- 金利が高い
- ローン適用範囲は車体金額のみ
- 最大返済期間が短い
中古車業者によるマイカーローン(車のローン)
ローンを組んで購入できるのは新車だけではありません。中古車販売店が貸主となって直接ローンを組む形式のものもあります。銀行や信販会社を通さずにローンを組めるので審査はとてもスムーズに行えてそれほど時間はかかりません。他のローンでは審査が通らない心配のある方でも利用できる可能性が高いでしょう。
中古車業者ローンは金利が低いので頭金や保証料、保証人が必要になる場合がほとんどです。また、中古車の車体価格が割高になることもあります。中古車業者自体が倒産した場合はローンを組んでいた車の所有者は中古車業者ですので差し押さえられて取り上げられてしまうというリスクも否めません。
銀行によるマイカーローン(車のローン)
銀行ローンは銀行が主体となってお金を貸し付けするローンのことを指しています。
[box class=”pink_box” title=”銀行ローンのメリット”]
- 金利が低い
- 総量規制の例外
- 金利優遇措置
多くの場合、ローンは年収の1/3以上の額になると返済見通しが立たないため貸し付けできないことになっていますが、銀行ローンは例外です。車両価格が年収を超えていたとしても、年収の1/3以上の額であっても借りることができるのです。銀行ローンは車両価格以外にも初期費用や免許取得費用などにのためにもローンを組むことができるのでディーラーローンよりもメリット大といえます。
[box class=”blue_box” title=”銀行ローンのデメリット”]
- 審査が厳しい
- 審査に1週間程度の期間を要する
信金・信販会社のローン
信用払いを主な業務内容としている会社である信金や信販会社からお金を借りてローンを組むこともできます。ディーラーローンも信販会社を利用していることがほとんどですが、ディーラーを通さずに信販会社と直接契約するなら、銀行ローンと同じような条件でお金の貸し付けをしてもらえます。
ただし、信販会社の営業エリアはきまっているので管轄外の業務には対応してもらえません。銀行よりも通りやすい審査ですが、手続きをすべて自分で行わなければならないので手間がかかるローンの種類と言えるでしょう。
マイカーローン(車のローン)で支払う金額を実際にシミュレーション
最後に車をローンで支払うとしたら月々どれほどの支払いが必要になるのかをシミュレーションしてみましょう。
車両価格が300万円の車を購入すると想定
車両価格が300万円だと想定するとマイカーローン(自動車ローン)の借り入れ可能金額が300万円以上なければなりません。しかし、希望すればだれでも300万円を貸し付けしてもらえるわけではないので注意してください。
前年度税込み年収が200万円以上あり、年金以外に安定した収入がある人でなければマイカーローン(自動車ローン)を組むこと自体難しいでしょう。特にディーラーローンの場合借り入れ上限額は年収の1/3以上になってはいけないので、頭金0でマイカーローン(自動車ローン)を組みたいのであれば前年度税込み年収が900万円以上なければなりません。
支払う回数による金利の違い
ローンによっては変動金利を採用しているところがあります。景気の動向によって契約の途中でも金利が低くなったり高くなったりします。ですから支払い回数が増えれば増えるほど金利の変動も増えるといえるでしょう。
固定金利であれば借入時に毎月の返済額が決められるので金利が変動することはありません。
36回払いの場合
車両価格が300万円の車を36回払いで購入すると想定しシミュレーションしてみましょう。頭金が0円の場合、金利は2%と5%の場合を想定しています。
金利 | 月額返済額 | 返済総額 | 支払利息総額 |
---|---|---|---|
2% | 85,927円 | 3,093,384円 | 93,384円 |
5% | 89,912円 | 3,236,841円 | 236,841円 |
60回払いの場合
上の見出しと同じ条件で支払い回数を60回にするとどうなるのでしょうか。シミュレーションしてみましょう。
金利 | 月額返済額 | 返済総額 | 支払利息総額 |
---|---|---|---|
2% | 52,583円 | 3,154,968円 | 154,968円 |
5% | 56,613円 | 3,396,793円 | 396,793円 |
残価設定型ローンの仕組みと特徴
残価設定型ローンという種類のマイカーローン(自動車ローン)もあります。販売店が販売する車の何年か後の価値を設定し、その分を据え置いて分割払いにします。
[box class=”green_box” title=”残価とは?”]
数年後に下取りに出した場合の価値=下取り価格[/box]
車両価格の一部を下取り価格として据え置きますが、ローンとして借り入れる金額そのものから差し引かれているわけではありません。残価設定分はローンの支払い最終回に設定されており、売却するか購入するかを最終回で決定できるようになっています。
残価設定型のメリット
残価設定型ローンを組むメリットは次の3つです。
- 月々の支払額が安くなる
- 3~5年サイクルで車を乗り替えられる
- 残価が保証されている
多くのマイカーローン(自動車ローン)ではまとまった頭金が必要ですし、返済期間に見合った月々の支払いをしなければなりません。しかし、残価設定型ローンの場合は事前に残価がローン支払い最終回に設定されているので月々の支払額を少なくできるのです。ローン最終回前に返却すれば残価を支払う必要はなく新しい車に気軽に乗り換えられます。さらに残価が保証されているので中古車市場での価値が下がってしまう心配をする必要はありません。
残価設定型のデメリット
残価設定型ローンにはデメリットもあります。5つのデメリットを紹介しましょう。
- 利息が高い
- 月間走行距離の制限がある
- 事故やキズがついた場合は追加費用が発生する
- カスタマイズは不可
- 人気車種は残価より価値が高くなる可能性もある
残価を含めた車体金額に対して利息はかかりますので、残価を支払うことなく返却した場合は無駄な利息を払っていたことになります。残価を確実に残しておくために走行距離に制限が設けられますし自分好みにカスタマイズはできません。万が一事故を起こしたり、キズがついたちして価値を低めてしまった場合には追加費用が発生することになります。
加えて3~5年後に中古車市場で需要が高まった人気車種であれば、あらかじめ設定されていた残価よりも価値が高くなり、中古車業者で高価買取をしてもらった方がよかったという結果になることも予想できます。
マイカーローン(自動車ローン)についての基礎知識
ローン(Loan)とは「貸す」という意味があります。車や家など大きな金額の商品を購入するときに使われるローンは、銀行などの融資会社からお金を借りることを指しています。借りたお金は計画的に少しずつ支払うことを約束しなければありません。
日々の生活費は毎月の収入で賄えるとしても、高額な買い物の必要が生じた時に払えるお金はないというかたにとってローンはとても便利な仕組みであるといえます。
ローンと混同されやすいものがクレジットです。クレジットは直接代金を手にすることなく、クレジット会社から商品やサービスを販売する会社へ支払いがなされ消費者はクレジットカード会社に後払いします。ローンを組めば金融機関のATMや口座振り込みによって直接現金を引き出すことができるという点で違いがあります。
車ローンの2つのメリット
マイカーローン(車のローン)を利用するメリットは次の2つです。
- 車購入のためのまとまったお金を手元から出す必要がない
- 賢く使えば一括現金支払いと値段は変わらない
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
手元からお金を出す必要がない
ローンを組んで車を購入するのであれば、現金一括支払いするためのまとまったお金は必要ありません。頭金を0円にすることもできるので、最初は1円も支払わずに新車を購入することさえ可能です。
頭金を支払う場合であっても車両本体価格の10~30%の支払いでよいので現金一括払いと比べるとかなり家計への負担が抑えられるでしょう。ローンで支払えるもののなかには車両本体だけではなく納車時の車検費用や自賠責保険料も含まれています。
最近ではローンの金利が低く設定されている場合、頭金なしで車をローン購入する方も増えています。ただし、頭金なしでローンを組む場合には条件がありますので注意してください。
[box class=”glay_box” title=”頭金なしでローンを組めないケース”]
- 車の本体価格が年収を超えている
- 車の本体価格が融資可能額を超えている
- 年収よりも返済額が大きい
一括現金支払いと値段は変わらない
ローンを組めば金利を支払わなければならないため損をすると考えられています。しかし、マイカーローン(自動車ローン)を賢く使えば一括現金支払いと値段は変わらないようにできるのです。金融機関や販売店がローン優遇キャンペーンを行っているときがチャンスです。
キャンペーンの時期は金融機関や販売店によって異なりますが、金利が最低0.01%になることもあります。また、販売店ではローンを組んで購入してくれた場合に限り車両本体価格を値引きしてくれるということもあります。現金一括で支払うときに必要なかった金利分とローンを組んだことによって値引きされた車両本体価格分がプラスマイナスゼロになると、ローンを組んだからと言って必ずしも損をするとは限りません。
ローンの種類や金融機関・販売店をよく比較して賢く選べば、損をするどころかお得にそしてお財布の負担を軽くできるのです。
車ローンの3つのデメリット
続いて車をローンで購入することのデメリットをご紹介します。メリットばかりに気を取られて安易にローンを組んでしまうと苦しくなるかもしれません。3つのデメリットがあります。
- 支払総額が一括支払いよりも高くなる
- 毎月の引き落としに悩まされる
- ローン完済までは車の所有者になれない
それぞれのデメリットを解説していきましょう。
支払総額が一括支払いよりも高くなる
ローンを組むと金利が発生するので、金利が全く発生していない一括現金支払いと比べると多くお金を支払わなければならないのは明らかです。いくら低金利とはいえ銀行ローンでも1~3%の金利を支払わなければなりません。販売店でディーラーローンを組むと金利が10%を超えるものもあります。
先ほど、ローンを組むメリットの一つに賢く選べば一括現金支払いと値段は変わらないと述べましたが、金利を気にせず安易に契約してしまうと最終的には数十万円という大金を追加支払いしていることになるかもしれません。金利に関するデメリットを意識しておきましょう。
毎月の引き落としに悩まされる
2つめのデメリットは毎月ローンの支払いで悩まされるというものです。車購入時に高額支払いしなくて済むので助かるのですが、その後は毎月車の支払いを行っていかなければなりません。大きな出費のある月は特に家計への負担が大きいでしょう。退職せざるを得なくなったり病気になったりして突然支払えなくなる可能性もあります。
毎月の支払いが遅れたり、滞納が続くと車を取り上げられて売却されることになります。翌月の引き落としまでに支払いが間に合わなければローン会社は催促してきます。ローンを組んで車を購入すると車引き上げのリスクが付きまといますので注意が必要です。
ローン完済までは車の所有者になれない
3つめのデメリットはローンを完済するまでは車の所有者にはなれず、ローン会社または販売店が車を所有していることになります。つまり、車検証の所有者名義は銀行や販売店になるのです。
[box class=”glay_box” title=”名義が自分ではないとどうなる?”]
- ローン返済するまでは売却できない
- ローン残債に売却代金を充てられない
- 駐車場を契約できない可能性がある
近年増えている自社ローンは安心できないって本当?
自社ローンとは車を販売している会社が自社で提供するローンのことを指しています。金融機関や信販会社を通さず販売店独自の審査で融資を決定する仕組みです。
[box class=”green_box” title=”自社ローンの2つの形態”]
- 中古車販売店の独自提供ローン
- 独立したディーラーや販売代理店の独自提供ローン
自社ローンのメリット
自社ローンのメリットは3つあります。
- 購入とローン契約の手続きの窓口を一本化
- 審査に通りやすい
- 金利が非常に低い場合もある
銀行や信販会社でローンを組むためには書類提出や審査のために何度も打ち合わせが必要となりある程度の期間を必要とします。しかし自社ローンでは車の購入と同時に同じ担当者と価格交渉を進めローン審査を行えるので手間がかかりません。
車を確実に売りたい販売店が独自審査するので審査に通りやすいともいえます。金利が非常に低く、なんと0%で提供している会社もあるのです。単純に金利や利便性で比較すると自社ローンはとても魅力があります。
自社ローンのデメリット
自社ローンのデメリットも3つ紹介します。
- 信頼性が低い
- 車両価格が高い
- 最悪の場合は車を失う
自社ローンを提供している販売店の多くは独立しており基本的にあまり大手ではありません。とにかく客を取り込みたいという一心で金利0%や審査なしなどの独自路線を突き進んでいる販売店が多くあります。そのため万が一何かトラブルが生じた遠きに責任を取ってもらえないというリスクがあるのです。
さらに自社ローンを行っている販売店では審査を緩くし、金利を低くする代わりに車両価格を高くする傾向にあります。最悪の場合、販売店が潰れてしまったら車を取り上げられてしまう可能性もあるのです。リスクがあまりにも大きいため大きな声でおすすめできるローンの種類ではありませんが、賢く選び信頼を築けばよい方法の一つとなるかもしれません。
車の購入時に必要な費用は?
車の購入時に必要な費用は「法定費用」と「代行費用」です。ローンによっては車両本体代だけではなく購入時に必要なすべての費用で組める場合もあります。
[box class=”glay_box” title=”法定費用”]
- 自動車税
- 自動車重量税
- 環境性能割(自動車取得税)
- リサイクル料金
- 自賠責保険料
- 消費税
[box class=”glay_box” title=”代行費用”]
- 車両登録代行費
- 車庫証明書代行費用
- 納車費用
- 洗車・クリーニング費用
- 保証サービス
- 希望ナンバー代行費用
まとめ
手元に大きなお金がない時にローンの仕組みは大変便利です。しかしローンの種類に関係なく安易に契約するとリスクを抱えることになります。車を購入するときにはローンのメリット・デメリットを意識しゆとりを持って返済できるかどうかを考えましょう。
車を持てばローン支払い以外にも車検やガソリン代、駐車場代などの必要な費用が毎月あります。ローン返済計画をきちんと立ててから利用するようにしてください。
[myphp file=article-cta-parts]