<レヴォーグ>はスバルの名車レガシィの系譜を受け継ぐ正統派ツーリングワゴン。SUVが流行している現在、ステーションワゴンの存在感は今一つですが、その中でもレヴォーグはスバルユーザーから根強い支持を保っています。
今回はレヴォーグを所有するとかかる維持費と、購入時に発生する費用をくわしくお伝えします。
[myphp file=article-cta-parts-s]レヴォーグの特徴
1989年に販売開始されると、ステーションワゴンに4輪駆動ターボエンジンの高い走行性能を持たせた稀有な存在として人気車種となったスバルの<レガシィ>。
レガシィのヒットにより国内にステーションワゴンブームが巻き起こります。レガシィを追う形で他メーカーも類似のステーションワゴンを開発するなど、90年代には圧倒的な存在感を持った車種でした。
しかし、国内でのステーションワゴンブームが去るとスバルは北米での販売に軸足を移していた事もあり、レガシィを北米向きに大型化し始めます。2009年に販売開始された5代目レガシィではワゴン型の全長が4,775mmとなり、日本国内では扱いにくいボディサイズになっていました。
ステーションワゴンブームが終焉したとは言え、往年の名車であるレガシィには熱心なファン層が存在していました。そのファン層の期待に応えるため日本国内での使い勝手を考慮し、レガシィに変わる新しい時代のスバルのステーションワゴンとして開発されたのがレヴォーグです。
2014年にレヴォーグが販売開始されるとほどなくして、レガシィのステーションワゴンタイプの販売終了がアナウンスされました。このような経緯からターボエンジン搭載の4輪駆動スポーツワゴンであるレヴォーグは、スバルの代表的な車種と言う事が出来るのです。
先進安全装備アイサイト
<アイサイト>はスバル独自の運転補助システム。左右一対のカメラを車両に装着し、人の目と同じように車両の周囲を立体的に把握する事が可能です。そのカメラからの情報を元にアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御してドライバーが安全に運転出来るように補助を行います。
スバルの統計によると、アイサイトの装着車両では非搭載車とくらべて追突事故が84%減少、歩行車事故発生率も49%ほど少なくなっており、交通事故の予防に確実に効果がある事が証明されているのです。
レヴォーグにはこのアイサイトが全車標準装備されており、より安全なドライビングを楽しむ事が出来ます。
レヴォーグのスペック
レヴォーグの主な仕様は以下の通りです。
全長 4,690mm
全幅 1,780mm
全高 1,495~1,500mm
ホイールベース 2,650mm
最低地上高 135~145mm
最小回転半径 5.4~5.5m
車体重量 1,540~1,570kg
総排気量 1,599~1,998cc
走行燃料消費率 13.2~16km/L
乗車定員 5名
レヴォーグでかかる維持費は年間どのくらい?
レヴォーグを保有すると、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
税金
自動車の所有者は<自動車税>と<自動車重量税>の2つの税金を支払う義務があります。
自動車税
<自動車税>は車両のエンジン排気量に応じて税額が決まっている地方税です。毎年4月1日時点の車両の所有者が1年分の税額を支払います。新車購入時には、購入の翌月から年度末までの分を月割り税額で納税します。
・レヴォーグの1年間にかかる自動車税 39,500円
「1.5リットル超~2.0リットル以下」39,500円
重量税
<自動車重量税>は自動車の重量にかかる国税です。新車購入時には3年分、車検時には2年分の重量税をまとめて納税します。
・レヴォーグの1年間にかかる自動車重量税 16,400円
「1.5トン超~2トン以下」3年分 49,200円
49,200円÷3=16,400円
保険
自動車には2種類の保険が存在します。
自賠責保険
<自賠責保険>は交通事故の被害者救済のために、公道を走行するすべての自動車に法律で加入が義務付けられている保険です。自賠責保険は加入期間を長くしたほうが一ヵ月当たりの保険料が安くなるので、車検証の有効期間を加入期間とするのが通例です。
自賠責保険は車検より12時間ほど有効期間が短いため、新車購入時には余裕を持たせて37ヵ月分加入するのが一般的です。
・レヴォーグの1年間にかかる自賠責保険料(新車購入時)約12,260円
新車購入時に支払う保険料36,780円(37ヵ月分)
36,780円(37ヵ月分)÷3=約12,260円
・レヴォーグの1年間にかかる自賠責保険料(車検時2年契約の場合) 約12,915円
25,830円(24ヵ月分)÷2=約12,915円
任意保険
<自賠責保険>は事故の相手方の身体的損害を補償する保険ですので、自分の身体や物的損害への補償のためには任意保険に加入する必要があります。任意保険料はドライバーの<年齢性別><事故歴><車の用途>などにより算出されます。
レヴォーグではおよそ3~15万円ほどに収まる事が多いようです。
・レヴォーグの1年間にかかる任意保険料 およそ3~15万円ほど
その他費用
レヴォーグでかかる諸費用を見てみましょう
ガソリン代
ガソリン代は車でどれくらい走行するのかによって違いますが、ここではレヴォーグで1年間に5,000kmを走行するとしてかかるガソリン代を算出してみます。ガソリン価格はここ1年間の全国平均価格であるレギュラーガソリン「141.7円」、ハイオクガソリン「153.1円」を使用します。
- レヴォーグ<1.6リッターエンジン搭載グレード>の1年間にかかるガソリン代 約44,210円
5,000km÷16km/L(1L当たりの走行距離)=約312
312×141.7円=約44,210円 - レヴォーグ<2リッターエンジン搭載グレード>の1年間にかかるガソリン代 約57,871円
5,000km÷13.2km/L(1L当たりの走行距離)=約378
378×153.1円=約57,871円
駐車場代
駐車場代の相場は地域により違いますが、ここでは駐車場代の全国平均価格「1ヵ月約8,200円」を使って年間の駐車場代を算出します。
・レヴォーグの1年間にかかる駐車場代 98,400円
8,200円×12ヵ月=98,400円
車検代
車検にかかる費用には税金などの<法定費用>と、<検査・整備費用>の2つがあります。まずレヴォーグの車検でかかる法定費用を見てみましょう。
・自動車重量税 32,800円「1.5トン超~2トン以下」2年分
・自賠責保険料 25,830円(24ヵ月分)
・印紙代 1,100円(指定工場)
自動車重量税は次回の車検までの2年分を納めます。自賠責保険料も次回車検時までの期間を加入期間とするのが一般的です。
上記の法定費用はどこの業者に依頼しても税額や保険料に変わりはありませんが、車検と同時に行う<24ヵ月点検>と車検の代行費用は業者により料金に差が出ます。ディーラーの料金は高めですが利用する人が多いので、ここではスバルのディーラー車検の相場を紹介します。
・24ヵ月点検 32,000円程度
・コンピューター診断料金 3,240円程度
・テスター検査料 18,360円程度
・事務手数料(車検代行費用)1万円程度
上記の<検査・整備費用>の「63,600円」に法定費用の「59,730円」を足した約12万3千円が、スバルディーラーでの最低の車検費用になります。そこにエンジンオイルなどの消耗品代と工賃がプラスされ、レヴォーグでのディーラー車検では総額15万円以上になる事が多いようです
・レヴォーグの車検にかかる費用 約12万円程度+消耗品代金と工賃
レヴォーグの購入時にかかる費用は?
レヴォーグの購入時にはどれくらいの費用が発生するのでしょうか。
車体価格
レヴォーグの7つのグレードの車体価格です。
・レヴォーグ<1.6GT アイサイト> 2,862,000円(税込)
・レヴォーグ<1.6GT アイサイトスマートエディション> 2,948,400円(税込)
・レヴォーグ<1.6GT アイサイトVスポーツ> 3,078,000円(税込)
・レヴォーグ<1.6GTーS アイサイト> 3,078,000円(税込)
・レヴォーグ<1.6STI スポーツアイサイト> 3,564,000円(税込)
・レヴォーグ<2.0GTーS アイサイト>3,618,000円(税込)
・レヴォーグ<2.0STI スポーツアイサイト> 4,050,000円(税込)
オプション
レヴォーグではオプション品を多めに付けるユーザーが多く、平均すると総額で30~70万円ほどになるようです。
・レヴォーグの購入時にかかるオプション代金 およそ30~70万円
自動車重量税
新車購入時には3年分の自動車重量税を支払います。
・レヴォーグの購入時にかかる自動車重量税 49,200円
「1.5トン超~2トン以下」3年分 49,200円
自動車取得税
自動車の購入時に支払う税金として<自動車取得税>があります。新車購入時には車体価格の9割ほどに、車に固定するタイプのオプション品価格を足した金額が<取得価額>となります。取得価額の3%が自動車取得税額です。
ここでは仮に固定オプション価格を30万円として、レヴォーグ<1.6GTーS アイサイト>の取得税額を算出してみます。
・レヴォーグ<1.6GTーS アイサイト>の購入時にかかる自動車取得税 およそ85,950円
(車体価格2,850,000円×90%+30万円)の3%
自賠責保険
新車購入時には37ヵ月分の自賠責保険に加入します。
・レヴォーグの購入時にかかる自賠責保険料 36,780円(37ヵ月分)
リサイクル料金
自動車の購入時には、その車両が将来に廃車になる時のリサイクル料金を支払う事が義務付けられています。リサイクル料金は車種グレードごとに定められています。
シュレッダーダスト料金 9,780円
エアバック類料金 1,900円
フロン類料金 1,800円
情報管理料金 130円
資金管理料金 380円
・レヴォーグの購入時にかかるリサイクル料金 13,990円
ディーラー代行手数料
新車購入時には車が実際に納車されるまでにディーラーでは様々な手続きや作業を行います。その代行費用は購入者に請求されます。
・検査登録手続き代行費用 3万円程度
・車庫証明代行手数料 15,000~17,000円程度
・レヴォーグの購入時にかかるディーラー代行手数料 42,700~47,700円程度
壊れやすいところや注意するべき点
レヴォーグの1.6リッターモデルでは、高速走行時にアクセルを踏んでエンジン回転数を上げても思うように加速しなくなる現象が起こるケースがあります。原因はスバルのCVTが構造的に高速走行で安定性を欠く事にあるようです。
この症状を抜本的に改善するにはCVTを交換するしかなく、部品代と工賃で30万円ほどかかってしまいます。
まとめ
今回は<レヴォーグ>の維持費と購入費についてお伝えしました。スバルと言えばやはりステーションワゴンのイメージが強いです。
スマートな外観にターボエンジンの力強い走り。加えて広いラゲッジスペースも備えていて、スポーツ走行を楽しむだけでなくほぼすべての用途に対応できる汎用性がレヴォーグの魅力と言えるでしょう。
今回紹介した維持費を参考に、無理のない購入計画を立ててください。
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