プレミオは、日本での人気はいまひとつですが、性能の良さと信頼性の高さから、海外では人気車となっています。日本の中古車は品質が良く、世界各国のユーザーから非常に引き合いが多くいので、走行10万kmを超えて査定額がつかないプレミオでも、相当な価格で売却できます。状態が良いプレミオを持っている場合、国内よりも海外へ輸出して売却するのはどうでしょうか?
買取査定がつかない過走行のプレミオを、海外取引ができる業者に売却する方法と、その注意点、プレミオの魅力や車の特徴、なぜ海外で人気があるのかといった、プレミオを高く売るためのポイントを解説します。
目次
プレミオの査定をしてもらうには?
プレミオをより高く売るためには、ディーラーよりも買取業者に査定を依頼しましょう。現在は、自分の車の価値が、インターネットですぐに分かる<車一括査定>があります。わざわざ買取店まで足を運ばなくても、大まかな買取査定額が表示されるので、まずは気軽に利用してみることをおすすめします。
プレミオの買取査定額をチェック!
トヨタ プレミオが、現在はどのくらいの価格で買取されているのか?実際の相場をチェックしてみましょう。新車から2年落ちの2016年モデルでは、2.0G EXパッケージ(新車価格268万6,255円)の走行2万kmの買取相場は、131万2,000円です。プレミオがいかに不人気車とはいえ、新車購入から2年で半額以下にまで下がってしまうとは、オーナーにはつらいところでしょう。
1,500ccが人気
次に、新車から4年落ちの2014年モデル、ベースグレード1.5F(新車価格178万8,857円)の走行4万kmでは、買取相場は127万1,000円。こちらは新車から51万7,857円のダウン。オーナーカーだけでなく、プレミオは社用車としての需要があるため、新車価格の安い1.5Fの方が人気があるようです。
新車から6年が経過した、2012年モデルの1.5F(新車価格171万円)、走行6万kmの買取相場は、76万9,000円です。不人気車のプレミオは、さすがに走行5万kmを超えると、新車から94万1,000円ダウンと、大幅に値落ちしてしまいます。さらに新車から10年落ちとなる、2008年モデルの1.5F(新車価格175万3,500円)、走行10万kmの買取相場は39万円となります。
ついに40万円程度にまで下がってしまいますが、プレミオも10年10万kmまでだと、まだ査定額が付いています。
10年10万kmを超えると値段がつかない
プレミオは、2007年6月にフルモデルチェンジされて、現行の2代目モデルになりました。先代モデルとなるプレミオの2006年モデル、新車から12年落ちの1.5F(新車価格183万7,500円)、走行12万kmの査定額はというと、情報がなく不明となっています。
プレミオでは、新車から10年以上が経過した、2007年以前に販売された車の買取情報がなく、つまり査定額は0円で値段がついていません。いかに高額買取が得意な業者であっても、不人気のプレミオでは、需要の見込めない10年落ち以上の車に、値段は付けられません。そこで、日本国内とは車に対する認識が異なる、海外のユーザーに売却する方法が提案されます。
プレミオの特徴
プレミオは、カローラと並んで、長年トヨタの屋台骨を支えてきた定番車種の一つ、<コロナ>の後継モデルとして2001年に登場します。プレミオの姉妹車<アリオン>は、若者に大人気だったスポーティークーペ、<セリカ>のセダンタイプとしてデビューした、<カリーナ>の後継モデルです。
プレミオの大きな特徴は、現在では珍しい、5ナンバーサイズの4ドアセダンだということ。ボディの全幅が1,695mmに抑えられたプレミオは、道幅の狭い住宅街の道路でも運転がしやすいと、シニアドライバーから支持されています。
プレミオの快適なシート
プレミオという車を一言で表すと、<小さなクラウン>です。2016年6月のマイナーチェンジで、プレミオは、フロントに大型のメッキグリルと薄型ヘッドライトが与えられ、昭和のクラウンを思わせるゴージャスな雰囲気へと変身しました。
インテリアは、木目パネルがシックなムードを漂わせ、ふんわりとした座り心地のシートは快適で、シニアドライバーが好むツボをしっかりと押さえています。後部座席は、何とリクライニングが可能!友人を乗せてゴルフに出かけても、帰り道にゆったりとくつろいでもらえるのが魅力です。
低燃費で経済的
プレミオのエンジンは、1,500cc、1,800cc、2,000ccという三種類の直列4気筒。1,800ccと2,000ccには、<バルブマチック>という、可変バルブタイミング機構が装備され、パワフルな走りが魅力です。できるだけのんびりと走りたい、シニアドライバーが好むプレミオには、やはり1,500ccがおすすめです。
プレミオの1,500ccは、決してパワーはないけれど、ゆったりと流すのにちょうどいい性能を持ち、しかも低燃費で経済的なのがうれしいところ。カタログ燃費は19.2km/L、実燃費が16.37km/Lと非常に優秀で、ガソリン価格が高騰する現在、プレミオに対するシニア層の支持は揺るがないでしょう。
自動的なアイドリングストップ
プレミオには、エンジン停止時にもオーディオやナビの使用が可能な、<アイドリングストップ>機能が備わっています。アイドリングストップ時は、エアコンの風は送風となりますが、温度変化に合わせて自動的にエンジンが始動し、車内を快適に保つようにする賢いシステムです。プレミオは、ユーザー目線で気の利いた機能を多く備えた、おもてなしの4ドアセダンです。
海外で大人気のプレミオ!
コンパクトなサイズで、魅力的なセダンのプレミオは、不人気のために、5年5万kmを超えると買取価格が大きく下落します。10年10万kmを超えると、悲しいことに査定ゼロになりますが、海外へと輸出すれば、何と5万~45万円もの値段がつくとは驚きです。
プレミオの11年落ち、走行15万kmでエアコンが故障している車でも、海外への輸出を手掛ける買取業者なら、17万円で買取されたケースもあります。なぜ、海外では人気が高いのでしょうか?不人気車のプレミオを、そのような高値で、本当に買取ってもらえるのでしょうか。
プレミオなら 日本で売れなくても海外で売れる可能性は十分ある
プレミオを始め、日本の中古車が海外で人気なのは、走行距離が少なく状態が良いこともありますが、ユーザーの車に対する認識の違いも大きな理由です。日本で車を所有した場合、税金を始め、車検やメンテナンス、駐車場といった維持費が大変です。どうせお金がかかるのなら、いっそ新しい車に買い替えようと、誰もが自然に考えます。
海外では、日本とは異なり、車を所有するのにそれほど費用が掛かりません。そのため、せっかく大金を出して買った車は、少しでも長く乗ろうとします。
なぜ日本で売れなくて海外で売れるのか?
車に対する価値観が大きく違う、海外のユーザーは、車を選ぶ基準が、日本人とは全く異なるのは当然です。海外のユーザーにとっては、新品で新しい車よりも、古くてもエンジンが動いてちゃんと走る、信頼性と耐久性の高さが決め手となります。走行10万km、15万kmを超えても、大きな部品交換をせずに走り続けられるのは、日本製小型車のエンジンだけです。
プレミオには宝石のような価値がある
ドイツ車やフランス車といった欧州車は、走行kmごとに交換が必要な部品が決まっていて、そのたびに何万円ものお金がかかります。富裕層でもない限り、海外で新興国の一般ユーザーには、そのような金食い虫の車は毛嫌いされるだけです。新興国の自動車ユーザーにとっては、日本のNo.1メーカーであるトヨタ車で、しかもベーシックな4気筒エンジンこそ、まさしく望むべき製品と言えるでしょう。
プレミオの4気筒エンジンは、彼らにとって、財産をはたいてでも手に入れたいと思える、宝石のような価値があります。日本車以外では、韓国製の<ヒュンダイ>も、日本車を手本にして開発されたことから、新興国市場で人気です。
プレミオを買取してもらうときの注意点
海外の中古車市場とは違って、日本では不人気車のプレミオは、安く買いたたかれないか不安です。そうならないために、注意すべきことがあります。
海外で人気も ディーラーでは査定ゼロ!
買取業者の間では、海外でのプレミオ人気は通説となっています。ユーザーが新車を購入したディーラーも、プレミオは国内では査定ゼロですが、海外に輸出すれば高値で売れることを、販売会社の内部では把握しているでしょう。ですが、ユーザーが愛車を下取りに出すときに、査定を行うのは現場の営業マンです。
営業マンの仕事は新車を売ることで、ノルマを達成するために、下取り額を高くすることではないため、こういった事情を知りません。ディーラーの営業マンは、<イエローブック>という、国内の買取相場を記したガイドブックに従って、顧客の車を査定するよう命じられています。
イエローブックには、海外での相場は記載されておらず、10年10万kmを超えたプレミオは、国内の相場基準で査定額0円と言われてしまいます。
0円で引き取ったプレミオを ディーラーが売却している?
何も知らないプレミオのユーザーは、査定ゼロの愛車を下取りに出したことで、親切にも引き取ってもらえた思うでしょう。そこには裏があって、タダで手に入れた車を、ディーラーがわざわざお金を掛けて処分することは、絶対にありません。ディーラーを運営する販売会社は、ユーザーから0円で手に入れたプレミオを、業者だけが参加できる、カーオークションへと出品します。
そこで輸出を行う買取業者が、5万、10万という値をつけて競り落としていき、その分はしっかりディーラーの利益となります。こうして、査定0円で下取りされたプレミオは、海外へと輸出され、日本国内では考えられない高値で取引されます。
新車から7年落ちを超えた車は 売却価格に差が出る
プレミオを高く買取してもらうなら、ディーラーではなく、中古車の輸出を行っている買取業者に行くべきです。ここで一つ注意しておくことは、新車から7年落ちとなるモデルイヤーの車は、輸出をする場合でも、買取価格が大きく下がってしまうことです。理由は、中古車を輸入する新興国側に輸入規制が設けられているためで、生産から7年をさかいに、輸入ができなくなります。
この規制は、日本車輸入大国として知られるケニアとパキスタンで実施され、日本からの中古車の輸出全体に影響しています。
10月までに売却するのがポイント
車が古いことに抵抗がない、これらの国の人たちにとっては、価格がもっともこなれた、7年落ちギリギリのモデルイヤーの車に人気が集中。ケニアとパキスタンには、膨大な数の日本車が輸出され、モデルイヤーが7年落ちをこえないうちに、現地へと輸送する必要があります。
現在の2018年から、モデルイヤーが7年落ちの2011年モデルを輸出するには、輸送にかかる日数を考えると、最低でも10月中旬までの船便に乗せなければなりません。輸出業者を利用する場合は、7年落ち輸入規制というポイントを、しっかりと覚えておきましょう!
一度低額で査定されたプレミオを 高く買取らせる方法
日本国内で取引する買取業者では、不人気なプレミオに、高額査定は期待できません。一度低額で査定されたプレミオを、より高く買取らせるには、その見積もりを輸出業者のところへ持っていき、直接取引をしましょう。海外では非常に需要が多く、大人気のプレミオなら、どのような状態の車でも、輸出業者なら必ず欲しがります。
安くても 事前に査定した金額がある方が交渉しやすい
プレミオを、少しでも高く売るためには、事前に業者に出してもらった見積もりを基準にして、価格交渉するのがおすすめです。たとえ安い査定であっても、車の価値を知っているのと知らない場合では、業者の対応は全く違います。事前に、基準となる査定見積もりを持っていた方が、交渉をより有利に進められるでしょう。
怪しい輸出業者と取引しないために
日本の中古車が、海外で非常に人気があることから、現在、多くの中古車輸出業者が存在しています。一般のユーザーには、まだなじみは薄いですが、同じ輸出業者でも、会社組織から個人のブローカーまでさまざまです。個人の業者は、外国人であることも多く、中には不法滞在者といった怪しい人物も。
愛車を不当に安く買取られたり、手続きがずさんで、トラブルに巻き込まれるなど、被害に遭わないようにしましょう。
輸出する買取業者であると看板を掲げている店を探す
怪しい輸出買取業者と取引をして、被害に遭わないためには、信頼できる店を探すことです。きちんとした輸出業者かどうかを見分ける基準としては、輸出する買取業者だという看板を掲げている店を選ぶこと。日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA:ジャンベア)のホームページを見れば、組合員となっている輸出買取業者が掲載されており、安心して店を探せます。
インターネットでその業者を調べてみる
もし、自宅の近くに中古車輸出を行う買取業者を見つけたら、信用できる店かどうか、インターネットで検索してみましょう。ネット社会の現在は、あらゆる業種で、ユーザーに対する信頼度をアピールするために、事業に関するさまざまな情報をホームページで紹介しています。ホームページを開設しておらず、どのような業者なのか不明な場合は、取引を避けた方が無難です。
まとめ
トヨタ プレミオは、車を良く知るシニア層から支持されている、魅力的な車ですが、小型セダンという地味な存在のため人気はいま一つです。プレミオは、信頼性と耐久性の高さで、海外で絶大な人気を誇ります。プレミオを売るなら、輸出を行う買取業者に依頼しましょう。愛車のプレミオを賢く売るために、怪しい業者につかまらないよう、くれぐれも気をつけてください。