車の買い替えを検討するとき、今乗っている車を少しでも高く売却することで、少しでもお得に次の車を購入したいと考えます。
車の売却方法として「下取り」と「買取」という言葉を、見たり聞いたりしたことがあると思います。「自分の場合は、下取りと買取どちらがよいのか？」や「下取りや買取で少しでも売却価格を上げるにはどうすればよいのか？」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
このようなお悩みを抱えている人のために、中古車の下取りと買取の違いを解説していきます。また、それぞれのメリット・デメリットや、どのような人が下取りや買取に向いているのか、そして中古車を高く売るための秘訣もあわせてお伝えします。
目次
中古車の下取りと買取の違い
車を売却することにおいて、中古車の下取りと買取に変わりはありません。しかし、下取りと買取は定義や目的が異なります。ここでは下取りと買取の詳細から違いをお伝えします。
下取りとは
下取りとは、新しい車をディーラーや販売店で購入するときに、今の車を同時に売却する方法です。
一般的にはディーラーで新車を購入するときの取引を意味しますが、最近では中古車販売店でも下取りするところは増えてきています。新車に限らず中古車でも、今の車を売却して次の車を購入する予定の人には適した方法です。
下取りで出た査定額は、購入する新車価格の値引きに充てられます。そのため、下取りの査定額を高くできれば、次に購入する車をお得に購入することができるのです。
また下取りは、今の車を売却することと次の車を購入することが、ひとつの店舗で完結できることも大きなメリットといえます。
買取とは
買取とは、次に乗る車の購入に関係なく車を売却する方法です。
車の売却先は中古車の買取専門店など、買取対応しているところならどこでも売却できます。買取査定では、車種をはじめ走行距離や車の修復歴やキズなどの状態、オプション品の有無など詳しくチェックされます。そして中古車市場での人気などリセールバリューを考慮し買取価格が決まるのです。
売却で得たお金はそのまま手元に残るため、次に乗る車の購入資金にできるだけでなく、生活費や貯金に回すことも可能です。一般的に売却金は、2日～1週間程度で指定した銀行口座に振り込まれます。
中古車を下取りに出すメリット・デメリット
メリット
手続きの手間がかからない
車の売却を中古車の買取専門店などに買取依頼し、新しく購入する車をディーラーや販売店とした場合、2か所それぞれで手続きをする必要があり、とても面倒です。
しかし下取りでは、ディーラーもしくは販売店で、売却と購入が一度に完結できるため、手続きの手間がかかりません。
納車まで今の車に乗り続けられる
車を買取で売却した場合、手放した時点で車は手元からなくなりますので、次に購入する車が納車されるまで車を利用できない状態となります。納車までに車が必要であれば、レンタカーなどを手配しなければなりません。
しかし下取りでは、購入した車が納車されるまで下取りに出した今の車を乗り続けられます。とくに新車の購入では、注文してから納車されるまで何ヶ月も待たされる場合があるため、それまで今の車を乗り続けられるのは大きなメリットです。
値引きできない分を下取り価格で補填
ディーラーの営業マンは、販売する車を値引きできる権限を持っていますが、値引き額には限界があります。しかし下取りする車があれば、下取り価格で多少なりの値引き補填をしてくれることがあります。
デメリット
査定額が低い傾向にある
下取りの査定方法は「一般財団法人日本自動車査定協会（JAAI）」が定めた基準に基づいて行われます。
そのため、中古車相場が反映されにくい傾向にあり、人気車種やグレードであったり、メーカーオプションなどの装備が充実していても、プラス査定はあまり期待できません。
また新車購入での下取りをお考えの場合、下取りに出す車と次に購入する車が違うメーカーになると査定額が低くなりがちです。別メーカーの車は自社の車に比べて、整備やその後の販売に手間がかかるからです。
このような車の売却を考えている人にとっては、下取りでの価格は物足りないと感じるでしょう。
査定額が不明瞭になりやすい
下取りは、購入する車の値引き額を、本来の値引き額+下取り額の合算で提示される場合があるため、実際の査定額が不明瞭になりやすい傾向にあります。
あえて下取り額を低く見積り、その分だけ値引き額を増やしたように見せて、購入者がお得に感じるような演出をする営業マンもいますので注意しましょう。
下取りの場合、値引き額と下取り額を分けてきちんと示してもらえば安心です。また、下取り額が妥当な金額かを判断するために、その車種の下取り相場を事前に調べておくようにしましょう。
中古車を買取に出すメリット・デメリット
メリット
高額査定になる可能性がある
買取の最大のメリットは、高額査定になる可能性があることです。
買取業者は中古車相場をリアルタイムに反映し、その車種やオプションの人気度を正確に評価してくれるため、高額査定につながりやすくなります。
買取業者には、スポーツカー専門やオフロード車専門など、車種ごとの専門店も存在します。下取りではマイナス査定される社外品パーツのカスタムも、このような専門店で査定してもらうとプラス査定になることがあるのです。
中古車販売も行っている業者であれば、買取した車をそのまま販売することができ、仕入れ費用がカットできます。その分を買取金額に上乗せすることで、高価買取を実現しているのです。
売却金額を受け取れる
買取は、次に乗る車の購入に関係なく車を売却するので、売却金をそのまま受け取れます。
その現金の使い道は自由なので、生活費に充てたり趣味や旅行に使うことも可能です。また、次の車の購入資金にすることも当然可能で、その場合は下取りのようにディーラーや販売店に縛られることがないので、購入する車の選択肢が広がります。
デメリット
手間と時間がかかる
車の買い替えで買取を利用する場合、売却する先と購入する先が違うため、手間と時間がかかります。
また少しでも車を高く売りたい場合には、複数の買取業者で見積りを取り、比較や交渉をすることも必要です。最近ではインターネットで一括査定ができ便利になっていますが、下取りに比べると手間も時間もかかり面倒と感じるでしょう。
相場変動に影響されやすい
買取の中古車相場は変動が激しく、売却する時期により査定額が低くなることがあります。
中古車相場は車の需要と連動しており、車の需要が高い時期は相場も高く高額査定が期待できますが、需要が低い時期では相場も低くなり査定額が低くなりがちなのです。
高額査定を狙うには、売却する時期が限られることになるため、今すぐ売りたいと考える人にとっては損をする場合があるのです。
査定額の有効期限が短い
買取の査定額には有効期限があり、その長さは1週間前後と短くなっています。
理由は中古車相場の変動が激しいためです。そのため、買取の場合にはすぐに車を売却しなければなりません。もし、納車時期が大幅にずれて売却時期を遅らせた場合は、そのタイミングで買取査定を再度行う必要があります。
中古車の売却は下取りと買取どちらを選べば良い？
下取りと買取、それぞれの特徴やメリット・デメリットから、下取りに向いている人と買取に向いている人についてお伝えします。
下取りに向いている人
下取りに向いている人は以下のような人になります。
- 手間や時間をかけずに車を乗り換えたい人
- 常に車を利用する人
- 交渉に自信がある人
買取に向いている人
買取りに向いている人は以下のような人になります。
- 少しでも高く車を売りたい人
- まとまったお金が必要な人
中古車を下取りや買取で高く売るための秘訣7つ
下取りと買取、どちらかを利用して車を売却するにしても、その車を少しでも高く売るための秘訣というものがあります。ここではその秘訣を7つ紹介します。
その1：中古車相場を調べる
車を売却する前に、必ず中古車相場を調べるようにしましょう。なぜなら、売却する車の相場を知らなければ、査定額が妥当な金額なのか判断できないからです。
中古車相場の調べ方ですが、インターネットで買取専門店のサイトにアクセスし、車名・走行距離・年式を入力すればすぐにわかります。しかし相場はあくまでも目安で、実際には純正パーツやオプションパーツの有無などで査定額は変わります。
調べた査定額の誤差を少しでも減らすためには、買取専門店のサイトを複数調べることで平均的な査定額をしるようにしましょう。
下取りもしくは買取で査定された金額が、調べた査定額よりも安い場合は、自信をもって価格交渉を行い査定額アップを狙います。
その2：高く売れる時期を知る
車には高く売れる時期というものがあります。具体的には1～3月が最も高く売れる時期です。
1～3月に車が高く売れる理由としては以下の2つになります。
- 新生活などで車の需要が高まる
- ディーラーや買取業者の決算時期
この時期は新生活を始める人が増えるため、車を必要とする人が増えてきます。車を買いたい人が多いので、多少値段が高くても売れるのです。
また、ディーラーや買取業者の多くは3月に決算期を迎えます。決算期には売上を伸ばしたいという気持ちになりますので、ディーラーは下取りを少しでも高くして新車を購入してもらおうとしますし、買取業者は少しでも高く買取して、販売できる車を確保しようとするのです。
その3：走行距離は査定額に影響する
車の査定の中でも、走行距離は重視され査定額に大きな影響を与えます。なぜなら、走行距離が多いほど故障のリスクが高くなるからです。
一般的に10万kmを超えると車の査定額は下がる傾向にあるため、10万kmを超える前に売却するようにしましょう。また、3万kmや5万kmもひとつの節目とされており、この距離を超えるか超えないかでも査定額は変わってきます。
もし売却を考えている車がこれらの距離に近づいているなら、早めに売却する方が良いでしょう。
その4：書類を揃える
車を売却するために必要な書類はもちろんですが、この書類があるとプラス査定になるというものがあります。それはメンテナンスシートです。
メンテナンスノートとは点検整備記録簿とメーカーの保証書がセットになったもので、新車で購入した車なら必ず渡されています。メンテナンスノートが無くても売却は可能ですが、査定額に影響を与えますので事前に確認しておきましょう。
メンテナンスノートは再発行できないものとされていますが、ディーラーで販売されたデータがあれば、再発行してくれる場合もありますので、紛失した場合には確認してみましょう。
その5：車をキレイにする
査定前には必ず車をキレイにしましょう。車がキレイであれば、査定士にオーナーが大切に乗ってきた車という印象を与え、車の整備も行き届いているだろうとプラスのイメージで査定される可能性が高くなるからです。
ボディや室内はもちろん。エンジンルームやホイール・タイヤなどもキレイになるように洗車しましょう。また室内においては、汚れだけでなくタバコやペットのニオイも取り除きます。見た目がキレイでも、イヤなニオイがあるとマイナス査定につながりますのでしっかり消臭しましょう。
その6：純正パーツを残しておく
車を純正パーツから社外品パーツに交換してカスタムしている場合、取り外した純正パーツは残しておきましょう。なぜなら、下取りでも買取でも基本的にはノーマル状態が最も高く売却できるからです。
査定前に社外品パーツから純正パーツに戻す必要はなく、純正パーツを査定士に渡せば大丈夫です。しかし、社外品パーツを別で売却したいのであれば、事前に純正パーツに交換して社外品パーツは手元に残すようにしましょう。
もし純正パーツが無い場合は、社外品パーツでもプラス査定をしてくれる買取業者に査定依頼すれば、買取額に期待できるかも知れません。
その7：アピールポイントを伝える
査定を受ける前に、バッテリーやタイヤなどの消耗部品を新品に交換したなど、車のアピールポイントを整理しておき、査定当日に伝えられるようにしておきましょう。
これらのことなら査定士は見ただけですぐに確認できますが、査定士も人なので見落とすかも知れません。見落とされないためにも必ずアピールし、コンディションの良い車だということを伝えましょう。
まとめ
車を下取りに出す予定の方のために今回の記事を作成しました。下取りに出す前に、この記事を読んでいただき、自分の車は下取りの方が向いているのか、もしくは買取にした方がメリットが大きいのかを確かめてみてください。
また下取り・買取どちらにしても車の査定額を高くするために、ここでお伝えした7つの秘訣を必ず実行してほしいと思います。ちょっとした努力で査定額が大きく跳ね上がるかも知れませんよ。
