「車を売ろうと思ってるけど”事故車”って売れるの?前に事故を起こしてしまって、修復済みだけど売れるか不安・・・事故車の買取や高く売る方法などがあれば知りたい。」と考えているあなたへ。
そこで今回は【事故車の買取】について詳しく解説します!一度でも事故を起こしてしまうと値段が付かないんじゃないかと不安になりますよね。
しかし、事故車でも買い取ってもらえる可能性は十分にあるので安心してください。また記事の後半には【事故車を高く売るコツ】も解説しているので、ぜひ最後までチェックしておきましょう。この記事を参考にして、納得のいく価格で事故車を売りましょう!
事故車とは?
まずは事故車の定義について見ていきましょう。「大きな事故を起こしてダメージを負った車」は間違いなく事故車ですが、「ちょっとぶつけただけでも事故車なの?」と疑問に思う人もいるはずです。よく【事故車】と表現しますが、具体的な判断基準などはあるのでしょうか。
事故車には「定義」がある
事故車には具体的な定義が存在します。自動車公正取引協議会などの規約によって、
【単なる交通事故だけではなく、多数の原因によって車両のフレームが損傷し、その部分を修理または交換した車のこと】
と定められています。長々とした文章なのでちょっと分かりにくいかと思いますが、要するに「車の骨格部分」がかなり重要なポイントとなるのです。
具体的には、フレーム、フロントクロスメンバー、フロントインサイドパネル、ラジエータコアサポート、ダッシュパネル、ピラー、トランクフロアパネル、ルームフロアパネル、ルーフパネル、が損傷していたり交換したりした車は「事故車」と判断されます。
一方で、フロントバンパーやフロントフェンダー、ロアスカート、リアフェンダー、リアバンパー、トランクリッド、ボンネット、サイドシルパネル、ドアについては、修復しても事故車には分類されません。
事故車は「交通事故」だけが原因ではない
定義にも書いてあるように必ずしも「交通事故によるもの」だけが事故車ではありません。自然災害による車の損傷もあり得ます。大雨によって道路が冠水し、車が水没するようなケースも事故車として扱われるわけです。また雹(ひょう)によって損傷した車や、海岸地域で発生しやすい塩害車なども事故車となります。火事によって損傷した車も同様です。必ずしも交通事故だけではないことをよく覚えておきましょう。
事故車は買取できるの?
事故車を売ることは【可能】です。「事故車なんだから売れるはずがない・・・」と諦めかけている人にもまだまだチャンスがあります。ただ、普通の車と比べると注意しておきたいことがいくつかあるので、以下のことを覚えておいてください。
一般的な買取業者では売れない
車の買取と聞くと買取業者を思い浮かべますが、多くの人がイメージするような買取業者では事故車は取り扱っていません。一般的な買取業者に事故車を持ち込んだ場合、査定額が付かなかったり、逆に費用がかかったりすることもあります。
「じゃあどうすればいいの?」という疑問ですが、【事故車買取業者】あるいは【廃車買取業者】に持ち込むのがベストです。これらの業者は文字通り「事故車」や「廃車」の買取を専門としています。一般的な買取業者に持ち込むよりも査定額が高くなりやすいです。損傷がひどい車であれば査定額が付かないケースもありますが、基本的に価値を付けて買い取ってくれます。
事故車は「パーツ」に価値がある
基本的に車の買取は「車本体の価値」を重要視しますが、事故車の場合は「パーツごとの価値」の方が重要になります。事故車は買い取られた後、各パーツを再利用(リサイクル)するために使われるわけです。たとえ事故を起こしていても、パーツごとに見ていくと使える部分は残っているたため利用価値は高くなります。パーツの状態が良い場合は、発展途上国などの国々へと輸出されるケースも多いです。
修復歴はどうやって判断されるのか
「事故車の修復歴ってどうやって判断されるの?」といった疑問もありますよね。先述したように、車の修復歴は「骨格部分の損傷」が大きく影響します。具体的には次のパーツです。
- フレーム
- インサイドパネル
- クロスメンバー
- ピラー
- ダッシュパネル
- フロア
- ルーフパネル
- トランクフロア
- ラジエータコアサポート
この1~9の部分が「1箇所でも損傷し、それを修復または交換した場合」は修復歴車とみなされます。これらのパーツは、車の骨格を作り出す「フレーム」の役割を果たしています。ちょっとぶつけたくらいの事故では損傷することはないでしょう。
ただし、次のような場合は事故車に該当しないケースが多いです。
- フレーム:リヤエンドパネルより後ろあるいはラジエーターコアサポートより前にあるキズや直した跡、牽引フック部分の小さなキズや直した跡、バンパーステー部分の小さなキズや直した跡、車両の下から受けた衝撃によるキズや直した跡
- クロスメンバー:カードの大きさ程度のキズや修理跡、車両の下から受けた衝撃によるキズや直した跡
- インサイドパネル・ダッシュパネル:ラジエーターコアサポートより前のキズまたは直した跡
- ピラー:小さなキズや直した跡、ボディサイドシルパネルを交換したときの溶接跡、常に外側から見える部分のキズや直した跡
- フロア:小さなキズや修理跡、車両の下からの衝撃によるキズや直した跡
- ルーフパネル:車内側の小さなキズや直した跡
- トランクフロア:スペアタイヤなどによる小さなキズや破損・直した跡、リヤフェンダーやリヤエンドパネルを交換したときにできるキズや直した跡
このように細かい条件が決められています。
事故車の買取相場とは
続いて【事故車の買取相場】について詳しく見ていきましょう。車の状態や業者によって買取金額はまちまちなのも事実です。ただ、実際に車を持ち込む前にだいたいの相場を知ることはできるので、ここでしっかりと確認しておきましょう。
事故車の相場はネットで調べられる
一般的な車の相場と同じように、事故車の相場もインターネットで見ることができます。事故車を専門に取り扱っている事業者やサイトを開き、その中の「査定シュミレーター」を使えば、誰でも簡単に相場を知ることが可能です。業者が運営しているサイトであれば買取実績なども掲載しているので信頼できます。買取実績については、ほとんどの業者が公開しているため「自分が所有している事故車と似たような車の買取実績があるかどうか?」を見ておくと良いでしょう。
事故車の買取は「300,000円」ほど下がる
買取相場において「事故を起こしていない車」と「事故を起こしたことのある車」では、どのくらいの差があるのか気になりますよね。結論から言うと、だいたい300,000円ほど下がると言われています。
軽自動車と普通自動車でも少し異なり、軽自動車の場合は200,000円ほど、普通自動車であれば300,000~500,000円ほどの減額となるケースが多いです。
この減額の理由ですが、【見た目の問題】と【安全性の問題】の2つがあります。大きな損傷や修復歴のある車であれば見た目が変わってしまうため、減額されるわけです。また、修理したばかりの頃は走行性能に問題はなかったものの、時間が経つにつれて走行性能が衰えたり故障しやすくなったりするケースもあります。事故車の売却は、長い目で考えてもリスクが大きいため、それに伴って価値が下がってしまうわけです。
損傷レベルによる買取相場は?
当然ながら、車の損傷レベルによって買取相場は変化します。損傷が大きければ大きいほど買取金額は低くなります。もし小さな損傷で食い止めることができていれば、高額査定も十分に狙うことができるでしょう。だいたいの相場は以下の通りです。
- 1箇所にキズやヘコミがある:300,000~600,000円
- 複数の箇所にキズやヘコミがある:150,000~450,000円
- キズやヘコミに加えてエンジンなども損傷している:0~300,000円
- エンジンの損傷だけでなくエアバックも開いている:0~150,000円
- 車両のほとんどの部分が修復不可能なレベルで損傷している:0~60,000円
損傷している部分が1箇所の場合は、そこそこの査定額が付きます。状態が良ければ600,000円ほどの価値が付くケースもあるので、軽いキズやヘコミ程度であれば期待できますね。
ただ、損傷が複数箇所になるとさらに半分に減額されてしまいます。安くて150,000円、高くても450,000円程度です。複数にキズやヘコミがあると見た目にも大きく関わってきます。
さらにエンジンまでが損傷していると買取金額は大きく落ち込みます。状態が良ければ300,000円ほどで買い取ってもらえますが、悪ければ0円査定になってしまうケースも。またエンジンだけでなくエアバッグが開いている場合も、さらに価値が落ちてしまいます。エアバッグは安全性に大きく関わるパーツなので、ダメージがあると価値も下がるのです。
大きな事故や自然災害などで修理不可能なレベルになってしまった車は、0~60,000円まで価値が落ちます。たとえ走行不可能であっても、パーツの状態が良ければ買い取ってもらえる可能性も高くなりやすいです。ひどい故障レベルであっても諦めずに査定に出してみるのが良いでしょう。
事故車を高く買い取ってもらうには
それでは最後に【事故車を高く買い取ってもらうコツ】をご紹介します。事故車とはいえど、せっかく愛車を売るのなら高く売りたいですよね。通常の車と比べると査定額は落ちてしまいますが、それでも「ちょっとしたコツ」を掴むことで高額査定を受けることは可能です。具体的に以下の方法を試してみてください。
複数業者に査定してもらう
事故歴に関わらず、出来るだけ高く車を売るのなら【複数業者への査定】がオススメ。なぜならば、複数に査定依頼を出すことで「だいたいの相場」が分かるからです。信頼できる業者があるのなら一社だけでも問題ありませんが、そうでない場合、安く買い取られてしまう可能性もあります。買取店も「買取のプロ」なので安く商品を仕入れたいと考えているわけです。優良な買取店であれば高額査定してくれますが、個人店ではそうとは限りません。いくつかの業者に査定してもらって、納得のいく価格で車を売りましょう。
一括査定に出す
さらに高額査定を狙いたいなら【一括査定】がオススメです。インターネット上にある「一括査定サイト」を使って、複数の買取業者に同時依頼を出します。なかには事故車を取り扱っている業者もあるのでチェックしてみてください。売りたい車の基本情報や個人情報を記載して依頼を出すだけで、買取業者と簡単にアポイントを取ることができます。出張査定を受け付けている業者もあるので、走行できない事故車でも安心です。
無理に修理しない
高く売るなら【無理に修理しない】のがポイントです。なぜならば、修理代によって赤字になってしまう可能性があるからです。たしかに修理をすることで買取金額はアップしますが、それに伴って修理代がかさんでいれば意味がありません。無理に手をつけないのが懸命です。お金をかけずにサクッと直せるレベルの損傷であれば自力で修理しても大丈夫ですが、それ以外の場合は触れないようにしましょう。
オプションの有無
オーディオやナビ、安全装備といったオプションの有無も大きく影響します。特に最新モデルのオプションが揃っている場合は高額査定されやすいです。また、オプションには、工場での出荷前に取り付けられる「メーカーオプション」と、ディーラーにて取り付ける「ディーラーオプション」がありますが、メーカーオプションの方が高く売れやすくなります。
海外への転売ルートのある業者を選ぶ
事故車の場合、海外へパーツを転売するケースがあります。売った後のパーツがどのように扱われるかは分かりませんが、海外への転売ルートを持っている買取業者であれば、比較的高値で事故車を買い取ってくれることでしょう。
ボディカラーは関係ない
事故車の場合、ボディカラーによって買取金額が変化しないので要注意です。事故歴のない車の場合、ホワイトやブラック、シルバー、パールといったオーソドックスカラーは老若男女から人気があるため、比較的高値で取引されやすくなります。事故車の場合、「車そのものの価値」よりも「パーツもしての価値」が重要視されるため、カラーは関係ないのです。
市場での人気も関係ない
事故車の場合、市場での人気の有無も関係ありません。現代の自動車市場では、各車種が毎年のようにモデルチェンジがなされ、市場での流行や人気はめまぐるしく変わっていますが、「人気車だから高く売れる」「人気グレードだから高く売れる」といったことは買取金額には反映されないので覚えておきましょう。
まとめ
事故車の買取について解説しました。いかがでしたか?
事故車と聞くと「価値がないんじゃないか?」「売れないのでは?」と思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。買取してもらえる可能性もきわめて高い上に、思った以上の金額で買い取ってもらうことも可能です。
今回ご紹介した【事故車を高く売るコツ】を参考にすれば、きっと納得のいく金額で車を売ることができるでしょう。ぜひこの記事を、愛車のスムーズな売却に役立ててくださいね。