車を塗装すると売却時の査定価格が下がるって本当?全塗装がNGな理由

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ある程度の大きいキズや凹みができると板金塗装を依頼する方がほとんどでしょう。しかし、塗装はクルマの売却・査定時に大きな影響を与えます。塗装した車を売却するときになにが難点となるのか、査定額が下がると噂される原因について説明します。

全塗装を行った車は査定額が下がると言われる理由

板金塗装の中でも、全塗装・オールペイントをしている車は査定額が下がる傾向にあるといわれています。なぜ売却時の査定に影響を与えるのでしょうか。減額される3つの原因について紹介します。

経年劣化の恐れがある

全塗装したということは、車全体の塗装をやり直したということになります。新車購入した時の色ではなく、新しい色に塗り替えられているということです。メーカーの製造過程における質の高さは定評があります。

整備工場の塗装でさえ、メーカーの塗装技術を上回ることはできません。ですから、全塗装している車はメーカーの塗装のままの車よりも査定額が落ちるのは当たり前ともいえるでしょう。

年数が経つごとに質の違いが明らかになります。それだけではなく、全塗装は車の修理した部分を隠すために全塗装しているのでは…と疑念を持たれる原因にもなるでしょう。

買い手がつきにくい

全塗装をしている車は買い手がつきにくいので、買取業者が高く買い取らないという理由もあります。全塗装で純正車にないカラーを取り入れていると余計に、一般の人には受け入れられない可能性が高いです。

塗装の質が悪いことで、経年劣化による色あせや色の剥がれへの心配度もたかくなります。ですから、全塗装した車は受け入れられず、売却時になかなか高値を付けてもらうことはできないのです。

希少価値の高い車種でも全塗装は不利

希少価値の高い車であれば、全塗装していてもそれなりに高額買取してくれるだろう…と考えているあなた。残念なことに、全塗装している車はどんな場合もまずはマイナスのイメージから入るということを覚えておいてください。

ただし、希少価値の高い車を内側や見えない細かい部分まで塗装している場合は、査定額が上がる可能性もあります。全塗装への価値を認めてくれる専門店では可能性が高いといえるでしょう。

売却予定があるなら板金塗装修理はおすすめしない

車を近いうちに売却する予定があるのであれば、今から板金塗装修理に出すことはおすすめできません。板金塗装とは凹みなどの損傷を受けたボディを板金×塗装作業で修復することを指しています。

見た目がきれいに戻っていれば査定にあまり影響を与えないといえますが、板金塗装後度によっては大きく減額される可能性があります。特にボディ骨格や外板に触れていれば事故車として扱われ査定に大きく影響を与えるのです。

修理の場所によって減額される

板金塗装修理した場所によって、売却時の査定額に与える影響が異なります。大きく分けると外板業作業、フレーム修正、取替作業の3つに分けられますが、それぞれどのように査定額に影響を与えるのでしょうか。

外板業作業は軽度修理として査定に大きな影響は与えません。フレーム修正は、車の骨格にゆがみが出た場合に行われるので査定に大きく影響します。取替作業は修理の手間が大きく車自体の安全面の信頼度も失われるほどです。

フレーム修正と取替作業をした場合は査定時に大きく減額されると考えておきましょう。骨格を修理・修正している車はマイナス査定となります。

査定額よりも修理費用の方が高くつく

車のボディ、骨格が損傷していて板金塗装が必要な場合は修理に出してから査定してもらうべきなのか迷う方が多いでしょう。はっきり言って、修理費用を上回る査定額を期待することはできません。

修理費用を出して安い査定額で買取に出すくらいなら、修理に出さずに査定に出した方が損をせずに済むでしょう。塗装修理が必要なほど表面が劣化している車を売却するときには事前に買取業者と相談するようにしてください。

板金塗装修理しているとしても事故車であることに変わりない

Close-up of a collision of two toy cars on a blue background

板金塗装修理の跡は査定時に、何か修理が必要なダメージを受けたことのある車として見られる原因となります。大きな事故を起こして車の骨格にダメージを負った場合は、板金塗装してきれいな見た目になっていたとしても事故車であることには変わりありません。

一度車体がダメージを受けていて安全面で不安が残ります。メーカーではない場所での塗装、部品交換は経年劣化時にはっきりします。買取業者のプロの目には塗装色や部品の違いが明らかです。

どこを損傷したのかによってどれほど減額されるのかが変わってきます。あくまで相場ですが簡単に表でまとめておきましょう。

車のボディカラーによって査定額は変わるが塗装はNG

background of traffic of cars on road from top view. 3d rendering

車のボディカラーは売却時に査定額を決める条件の一つです。人気色であれば査定額が高くなりますが、不人気色は査定額が落ちてしまう原因となります。高級車であれば人気色は不人気色と比べて30万円近くの差が生じることもあるようです。

ホワイトやブラック、パールカラーは人気色です。落ち着いた色合いで飽きが来ないので老若男女に愛されています。

しかし、人気カラーに塗装し直せば査定額が上がるという訳ではありません。売却を検討している車のカラーが不人気だからと言って全塗装を検討しないでください。全塗装には10万円以上のコストがかかりますが、査定額は上がるどころか下がる恐れしかありません。

車の査定において板金修理と修復歴の違いを解説

板金修理をすると事故車として扱われるという誤解がありますが、ダメージを受けて板金修理をしても修復歴として残らない場合もあります。車体の骨格、窓枠、ルーフがダメージを受けていなければ事故車ではありません。

もし、車の骨格であるフレームに修正が加わっているのであれば修復歴のある車としてみなされます。そして売却時にマイナス査定の大きな要因となります。

板金塗装歴は査定士の目には明らか

板金塗装をしているかどうかはプロ査定士の目には明らかです。どんなに精度の高い修理をしていても、光の当て方によって異なる微妙な色の違いにも気づきます。修理業者の技術力が高くても査定士の目をごまかすことはできません

万が一、修復歴のある車を見落として買い取ってしまうと数十万円以上の損失となるため、慎重にチェックしているのです。特に塗装は紫外線や雨によって劣化していくので経年によって違和感が明らかになっていきます。

全塗装している車の査定で評価されるケース

塗装を施した車は売却するときにマイナス査定になりやすいと述べましたが、全塗装が評価されるケースもゼロではありません。珍しくはありますが、全塗装で査定額がアップされる3つの場合を紹介します。

クラシックカー

マニアやコレクターが喜ぶ古くて人気のあるクラシックカー。もともとの塗装は経年劣化によりボロボロになっていることがほとんどです。ですから、全塗装されていることが前提として取引されています。質の高い塗装が施されていれば価値を高く評価して買い取ってくれることでしょう。

カスタムカー

何らかのコンセプトがありデザインが改造されたカスタムカーも高値で買取されるケースがあります。一般の中古車買取業者ではなく、全塗装したカスタムカーを評価してくれる専門買取業者に査定を依頼するようおすすめします。

スポーツカー

激しい走りに向いているスポーツカーが好きな人にとって、目立つカッコいい色に塗装されているカスタムカーは魅力的です。スポーツカーとして走りがしっかりしている車であれば、全塗装も問題にならずむしろ査定額がアップする要因になることもあります。

塗装歴のある車は査定・売却時に影響する

納車されたときのカラーから変わっている車、塗装歴のある車は売却時に査定減額される恐れがあります。特に全塗装されている車は塗装の質が落ちており、純正ではなくなっているのでマイナスイメージとなります。

中には、高価買取されるレアなケースもありますが、ほとんどの場合は良い印象を持たれません。ですから、車を塗装するときには思い付きや好みではなく慎重に検討なさるようお勧めします。