愛車の車検が近づくと「そろそろ新車に買い替えようかな」と、愛車の買い替えを前向きに考える人も少なくないでしょう。愛車を新車に買い替えるタイミングは他にもいくつかありますが、車検前に買い替えを検討したり、実際に買い替えたりする人が多くいます。
車検前に新車へ買い替える大きな理由は車検費用。車検前に新車へ買い替えれば、車検費用が不要になるからです。ただしタイミングを間違うと、デメリットの方が多くなる場合もあります。
そこで今回は、あなたの愛車が車検を迎えたとき、継続して車検を受けるのか買い替えするのかを判断するポイントやそれぞれのメリット・デメリット、そして車を買い替えると決めたときの注意点についてお伝えします。
目次
車検を受けるか買い替えするかを判断するポイント5つ
愛車が車検を迎えたとき、継続して車検を受けるのか、それとも新車に買い替えするかを判断するポイントは以下の5つです。
- 車の年数
- 車の走行距離
- フルモデルチェンジ前
- ローンの残金
- 車が故障した時
車の年数
車の年数が経過すると、車の所有者が毎年支払う「自動車税(種別割)」と車検ごとに支払う「自動車重量税」が高くなります。
●普通自動車における自動車税(種別割)の年数による税額の変化
新車登録から13年を経過すると税額が15%もアップします。ここでは2019年10月1日以降に新車登録された税額を用いていますので、それ以前に新車で購入された車は、さらに税額が高くなります。
総排気量 | 新車登録から12年目まで | 13年目以降 |
1,000cc以下 | 25,000円 | 28,750円 |
1,000cc超~1,500cc以下 | 30,500円 | 35,075円 |
1,500cc超~2,000cc以下 | 36,000円 | 41,400円 |
2,000cc超~2,500cc以下 | 43,500円 | 50,025円 |
2,500cc超~3,000cc以下 | 50,000円 | 57,500円 |
3,000cc超~3,500cc以下 | 57,000円 | 65,550円 |
3,500cc超~4,000cc以下 | 65,500円 | 75,325円 |
4,000cc超~4,500cc以下 | 75,500円 | 86,825円 |
4,500cc超~6,000cc以下 | 87,000円 | 100,050円 |
6,000cc超 | 110,000円 | 126,500円 |
●普通自動車における自動車重量税の年数による税額の変化
エコカーなら年数は関係ないですが、エコカー以外なら13年経過で税額アップ、そして18年を経過するとさらにアップします。
区分 | 2年自家用(継続車検実施時) | ||||
エコカー 減免適用 |
エコカー減免無し | ||||
エコカー | エコカー以外 | ||||
車両重量 | 免税 | (本則税率) | 13年未満 | 13年経過 | 18年経過 |
~500kg以下 | 0円 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1,000kg以下 | 0円 | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1,500kg以下 | 0円 | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
~2,000kg以下 | 0円 | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2,500kg以下 | 0円 | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3,000kg以下 | 0円 | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
●軽自動車における自動車税(種別割)と自動車重量税の年数による税額の変化
軽自動車税は新車登録から13年を経過すると20%もアップ。自動車重量税は13年経過と18年経過でアップしていきます。
車両重量 | 初回〜12年 | 13年経過後 | 18年経過後 |
軽自動車税 | 10,800円 | 12,900円 | 12,900円 |
自動車重量税 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
このことから、税金面で考えると13年を経過する前、車検で言えば6回目の車検を受ける前に買い替えるのが良いでしょう。
また車は年数が経過するほど価値が下がります。車を高く売却したいのであれば最初の車検を迎える3年以内、遅くても2回目の車検を迎える5年以内に買い替えるのがベストです。
車の走行距離
車は走行距離が少ないほど高く売却することができます。走行距離が1万km、3万km、5万km、7万kmのタイミングで売却価格は段階的に下がっていく感じです。
そして走行距離が10万kmを超えると、売却価格は大きく下がります。なぜなら、走行距離が10万kmを超えると交換する部品が多くなり交換・修理の費用が高くつくからです。
このことから、遅くても走行距離10万km未満の車検前に買い替えるのが良いでしょう。
フルモデルチェンジ前
モデルチェンジには、フロントデザインなど小規模変更の「マイナーチェンジ」と、ボディや内装全体が変わる「フルモデルチェンジ」があります。マイナーチェンジ後よりもフルモデルチェンジ後の方が、モデルチェンジ前の車の価値は下がります。
このことから、車検時期のタイミングとフルモデルチェンジのタイミングが近い場合は、買い替えした方が得になる可能性が高いでしょう。
ローンの残金
車の購入方法として、多くの人はローンを組んでいると思われます。またそのローン年数は3年~5年で組まれることが多いでしょう。ローン年数が3年なら1回目の車検、5年なら2回目の車検を迎えるときにローンが終了することになります。
このローンが終わるタイミングの車検前に、そのまま車検を受けた方が良いのか、買い替えした方が良いのかを考えます。どちらにするかを決める基準は車の買取相場です。高く売れるようであれば買い替え、そうでなければ車検を受けて乗り続ける、とするのが得策でしょう。
車が故障した時
車が故障したら、修理して乗り続けるか、修理せず売却して新しい車に買い替えるか、となります。このどちらかを判断する基準は修理費用です。
修理費用が少額であれば、修理して乗り続ける方が費用負担が少なくて済みます。しかし修理費用が少額であっても、近々車検も受けなければならないタイミングであれば、その修理費用と車検費用を合わせた金額で判断しなければなりません。
その合計費用が同程度の中古車を購入できる以上であれば、修理もせず車検も受けずに買い替えする方が得策です。
車検に受けて乗り続けるメリットとデメリット
車検を受けて乗り続けるメリット
車検を受けて乗り続けるメリットは2つあります。
- 買い替えの費用を考えなくて済む
- 乗りなれた車に乗り続けられる
車検を引き続き受ければ、新しく車を買い替えるための費用を用意する必要がなくなります。
車検費用は車種や車のコンディションにもよりますが、軽自動車なら5万~10万円ほど、普通車なら8万~20万円ほどでだいたい収まるでしょう。しかし新車を買い替えるとなれば、軽自動車でも最低100万円前後の購入費用が必要になります。
また今の愛車に愛着があればあるほど、買い替えることで手放すのはとてもつらいことです。しかし車検を受ければ、引き続き乗り続けることができます。今の車に大きな故障や損傷が無く新しく購入したい車も無いなら、車検を受けてそのまま乗り続ける方が良いでしょう。
車検を受けて乗り続けるデメリット
車検を受けて乗り続けるメリットも2つあります。
- 故障やトラブルのリスクが高くなる
- 車の価値が下がる
車検を受ける回数が多くなればなるほど、車の年式は古くなります。車は年月が経過して年式が古くなるほど、故障やトラブルが増えるものです。そうなると、車検を受けるたびに点検や修理費用がかさみ、車検費用が高くなります。このような車は乗り続けていると修理回数が増え、余計な費用がかかる可能性が高くなります。
とても人気があるとかレアな車は別ですが、一般大衆的な車は年式が古くなれば古くなるほど価値が下がります。そして経過した年数によっては、売却価格がつかなくなるだけでなく、引き取り費用を逆に取られて費用がかかる場合もあるのです。
車検を受けず買い替えるメリットとデメリット
車検を受けず買い替えるメリット
車検を受けずに買い替えるメリットは4つあります。
- 車検する必要がなくなる
- 車検費用を車の買い替え費用の一部にできる
- 税金が安くなる
- 車が新しくなる
新車に買い替えると、今の愛車は売却などで手放しますので車検を受ける必要がなくなります。そうなると、車検費用にと考えていたお金を買い替え費用の一部にでき、新車購入費用の負担を減らすことが可能です。
今から買い替えをお考えの方なら、今の愛車は2019年9月以前に購入した車だと思います。新車に買い替えする場合、排気量によっては毎年の自動車税(種別割)が最大4,500円も安くなります。
また今の愛車がガソリンエンジン車で、買い替える車がハイブリッド車やクリーンディーゼル車なら、車検ごとに必要な自動車重量税も免税もしくは割引されて、さらに税負担が軽減されるのです。
そして何より、愛車がピカピカの新車に変わります。新車になることで故障やトラブルの不安もなくなり、安心してドライブが可能です。また新車に乗ることで、うれしい気持ちや楽しい気持ちになれるでしょう。
車検を受けず買い替えるデメリット
車検を受けずに買い替えるデメリットは3つあります。
- 買取価格を調べる手間がかかる
- 売却手続きが面倒
- 買い替え費用の捻出を考えなければならない
買い替えるとなれば、今の愛車を下取りなり買取に出さなければなりません。買い替え費用の負担を少しでも減らすために、愛車を少しでも高く売却したいものです。
そのためには、今の愛車がどれくらいで売却できるのかを調べる必要があります。インターネットの中古車サイトを活用し、愛車と同じ車種・グレード・ボディーカラーで、走行距離が同じような中古車の販売価格を調べるのはかなりの手間です。
そして愛車を少しでも高く売却するためには、複数の買取業者で相見積もりを取り比較検討し、最も高く買取してくれる業者を決め、売却するための書類を揃えるなどの面倒な手続きを行う必要もあります。
さらに新車の買い替えとなれば、少なくとも100万円以上の買い替え費用を捻出しなければなりません。そのためにも、今の愛車を高く売却する必要があるのです。
車を買い替えるときの注意点
愛車の車検を受けずに新車へ買い替えるなら、以下の行動が必要です。
- 買取価格を調べる
- 自動車保険の切り替え
- 必要書類の確認
そのためには、愛車の車検日よりも早めに行動するようにしましょう。
買取価格を調べる
愛車の買取価格の調べ方は、車検を受けずに買い替えるデメリットでお伝えしたように、インターネットの中古車サイトを活用し、おおよその買取価格を調べます。
そして、その情報をもとに複数の買取業者に見積もりしてもらい比較するのですが、一社ずつ連絡をして対応するのはとても大変で手間と時間がかかります。
買取業者を比較する手間と時間を少なくする方法として、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。一度の申し込みで複数の買取業者に一括で査定依頼ができるため、手間も時間もかかりません。
自動車保険の切り替え
自動車保険と呼ばれる任意保険は、今乗っている愛車にかけられています。車を買い替える場合、その自動車保険を新しく買い替える車に引き継がなければなりません。
自動車保険の引き継ぎには、「前の車を既に手放していること」や「車の所有者が同一であること」など、いくつか条件があります。また自動車保険には割引に影響する等級があり、引き継ぐためには30日以内に手続きを行う必要があるので注意しましょう。
必要書類の確認
買い替えとなれば、今の愛車を売却することと次の新しい車を購入するという二つの行動が発生します。それぞれの行動には必要な書類があり、事前に用意しなければなりません。
愛車の売却には最低でも、
- 車検証
- 自賠責保険証
- 自動車税の納税証明書(最新のもの)
- リサイクル券の預託証明書
- 印鑑証明書と実印(普通車の場合)
- 認印(軽自動車の場合)
を用意する必要があります。これらは全て自分の手元にあるものなので、今から全て揃っているかを確認しましょう。もし住所や姓などが変わっているなら、住民票や戸籍謄本も必要です。
買い替えには、
- 印鑑証明書と実印(普通車の場合)
- 認印と住民票(軽自動車の場合)
が必要です。印鑑証明書も住民票も、住まいを管轄している役所へ出向いて取得しなければならないので注意しましょう。
まとめ
今の愛車で車検を受けて乗り続けるにしても、新しい車に買い替えるにしても、それぞれにメリットもデメリットもあることがわかりました。
ここでお伝えしたそれぞれのメリットとデメリットを比較して、自分にとってメリットが多いのはどちらになるのか見ていきます。
その結果で、車検を受けるのか買い替えするのかを決めると、最も合理的な結果を得られるでしょう。
ぜひこの記事を参考にして、自分にとってお得になる方を確実に選択できるようにして下さい。