マイカーローン(車のローン)を組むときに「審査に通るのだろうか」と心配になる方は多いようです。マイカーローン(車のローン)ではどのような流れで審査されているのでしょうか。マイカーローン(車のローン)の審査に落ちてしまう原因と通りやすくするコツをご紹介します。
何度もローン審査に落ちてしまっている方もこれから初めてローンを組むという方も必見の内容です。
車ローンの審査について
住宅ローンやマイカーローン(自動車ローン)など様々な高額のお買い物の際にローンを組めば手元にお金がなくても購入できます。しかしローンを利用する前には審査に通らなければなりません。ローンの種類によって審査の流れや基準は異なるのでしょうか。一般的なローンの審査とマイカーローン(車のローン)の審査基準を紹介します。
一般的なローンの審査
一般的にローン審査で重要視されるポイントは次の3つです。
- 収入の安定性
- 信用情報
- 返済能力
ローン審査で重要視されている収入は量ではなく安定性です。ローンを組む本人に安定した職があり定期的に収入を得ていることが確認できれば審査は通ります。そのため同じ職場で継続勤務しているとローン審査には有利です。
信用情報はカードローンやクレジットカードなどの金融商品を使用した履歴のことです。使用したからマイナスイメージになるということはありませんが、滞納していたり、返済遅延が続いていると信用情報に傷がつくのでローン審査に通りづらくなることは良く知られています。
加えて返済を行うだけの余裕があるかという点も審査の重要なポイントです。給与(自営業主は所得)から税金や保険料を差し引き最低限の生活費を差し引いて残ったお金にどれくらい余裕があるかが審査されます。
車ローンでの審査基準
車を購入する際に組むマイカーローンでも審査内容は同じです。車ローンでの審査基準を簡単にまとめてみましょう。
- 過去の事故歴
- 他社での借り入れ状況
- 属性
属性には年齢・職業・勤務先・年収などが含まれています。ローンに申し込んだ本人が提出した書類に基づいて審査がなされ、信頼できるかが確認されます。年収と返済額のバランスが取れているかも重要な審査基準です。
車ローンの審査の流れ
マイカーローン(自動車ローン)の審査内容や要する時間はローンの種類によって異なりますが、主な審査の流れは同じです。主に3つの段階に分けて審査がなされます。それぞれの段階でどのようなポイントがチェックされているのかをご紹介しましょう。
事前審査
事前審査とはマイカーローン(自動車ローン)の本審査を受ける前に仮審査を受けることを意味します。「審査を受けるのは心配だし、もし審査に落ちて紹介件数に登録されてしまうのはいやだ」という方におすすめなのが事前審査です。
マイカーローン(車のローン)の申し込みを考えている本人が年収や他社からの借入額を自分で申請し、返済能力があるかどうかを各金融会社または信販会社に審査してもらいます。
- 紹介件数を増やさず信用情報に登録されない
- 自社内での審査が行われるので1週間以内には審査結果が分かる
- 審査通過が可能か・借入限度額をあらかじめ把握できる
- 複数社申し込んでも落とされる心配はない
契約と同時に本審査
マイカーローン(自動車ローン)を契約するには仮審査だけではなく本審査を通過する必要があります。仮審査とは違い本審査では申告された本人に関する内容がすべて事実であるかどうかを確認する作業が加わります。
- 本人確認書類(運転免許所や健康保険証)
- 年収証明書(源泉徴収票や所得証明書)
- ローン用途証明書(見積書や注文書、売買契約書)
- 未成年の場合は保護者同意書
- 内定者の場合は内定書類
- ローン引き落とし用口座情報
- 銀行印
- 印鑑証明書
本審査では次のような点を審査されることになっています。
- 申し込み時の申告情報に誤りはないか
- 過去の支払い滞納や未払いなどの金融事故はないか
- 勤務先に在籍しているか
- 信用情報照会
これらの本審査によってマイカーローン(自動車ローン)を組んでも踏み倒されることなく、計画的にローン支払いを月々きちんとしてもらえるかをチェックします。
審査が通ればローン契約を締結
無事に審査を通過すればローン契約を結べます。ローンを組んで借りたお金が指定口座に振り込まれるでしょう。契約締結から振込までの期間は金融機関によって異なりますが契約完了当日か翌日に振り込まれることがほとんどなので、車を購入する3日前までにローン契約できるように逆算して審査に申し込むことをおすすめします。
指定口座に振り込まれたお金を使って車の支払いを済ませましょう。
車ローンの審査に落ちやすい項目
車をローンで購入したいと思ってもローン審査で落ちてしまったら元も子もありません。車をローンで購入すると決めてしまう前に自分はローン審査に落ちやすい環境にいないかをセルフチェックしてみることをおすすめします。
これから5つのローン審査に落ちやすい項目をチェックして自分の信用情報に傷はついていないか、ローン審査通過が厳しくないかを考えていきましょう。
過去の金融事故(返済時のトラブル)
一つ目のポイントは過去に返済トラブルを起こしているか、という点です。返済トラブルには以下のようなものが含まれます。
- 長期延滞
- 債務整理
- 代位弁済
- 強制解約
ローンかクレジットカードかは関係なく金融業者で契約している商品の支払いを2~3ヶ月延滞したり、延滞を理由に契約を打ち切られてしまった場合は金融事故として記録に残ります。また、債務整理を行ったり保証会社が肩代わりした過去があるのであればローンを組めない可能性が高いでしょう。
金融事故を起こしているかどうかは信用情報機関で照会するとわかります。ローンやクレジットカードの利用履歴やどれほど借り入れているのか、契約している借入限度額や返済状況などをチェックすることができるのです。
ただし、金融事故を起こしているかどうかの情報は登録機関が決められています。
金融事故 | 登録機関 |
---|---|
長期延滞 | 延滞解消後1~5年 |
債務整理 | 発生後5~10年 |
代位弁済 | 発生後5年 |
強制解約 | 発生後5年 |
それぞれの金融事故ごとに定められている登録機関を過ぎれば記録は消えてしまうので、その後はローン審査も通りやすくなります。一度金融事故を起こしたことがあるのであればそれからどれほどの期間がたっているのかを計算してみましょう。
現在返済中のローンの金額が多い
新しくローンを組む前にチェックしたいのは現在返済中のローン金額です。ほとんどの場合、マイカーローン(自動車ローン)を組むときには返済負担率がチェックされます。
【年間返済額÷年収×100】
どこまでの返済額を含めるかは金融機関によって異なりますが返済負担比率が高いと余裕を持ってローン支払いをする能力はないと判断され審査に通過できません。返済負担比率が35%以上だと審査に落ちる可能性が高まります。
- 年収500万円
- 住宅ローン年間120万円支払い中
- クレジットカードのリボ払い年間12万円支払い中
- マイカーローン(自動車ローン)年間60万円支払予定
上記のケースでは年間返済額が120万+12万+60万で192万円となります。返済負担比率の計算式に当てはめると
192万円÷500万円×100=38.4%
- 返済負担比率は38.4%なので車ローン審査に落ちる可能性大
収入が不安定
3つ目の項目は収入が安定しているかという点です。収入が少ないことも問題ですが多いからと言って必ずマイカーローン(自動車ローン)審査に通るとはいえません。収入の安定性が求められます。
例えばアルバイトやパート社員は審査に通過することが困難です。大手金融機関によってはネットビジネスによる収入のみの方や不動産のみで収入を得ている方を審査に通さない場合もあります。一番有利なの勤務形態は正社員の給与所得者です。自営業者は給与所得者よりも年収の増減が多いことが予想されるので慎重な審査がなされるようです。
加えて勤続年数が短い方も審査に通りにくいでしょう。勤続年数が短い、もしくは内定が決まっているだけの場合は連続勤務して安定した収入を得ることができるという確証を得られないからです。ただし新卒の場合は給与証明書や見込み年収証明書を提出すれば審査に通過することはできます。
信用情報への支払い実績がない
個人信用情報を開示して過去の支払い実績をチェックした結果はローン審査に大きく影響します。その際、過去の利用実績がないと審査上不利になってしまいます。
これまで、クレジットカードやローンを組んで支払いを計画的に行ってきたという記録がない場合、マイカーローン(自動車ローン)を組んでも支払いを滞りなく支払ってくれるという信頼を持つことができません。これまでローンを組んだりクレジットカードを作ったり「借金」をしたことがないという方は信頼されるという訳ではなく毎月きちんと支払いや返済ができる人かが重要なポイントなのです。
その他注意しておきたいポイント
上で取り上げてきた審査に落ちやすい項目以外にも注意しておきたいポイントがあります。
- 税金滞納が発覚する
- 反社会的勢力関係者
- 虚偽の申告
マイカーローンの審査で税金や保険料の支払い履歴をチェックされることはありません。しかし、税金を滞納していることが発覚したら間違いなく審査に落ちます。
また、本人に加えて家族や同居人が反社会的勢力に関係している場合はローン審査に申し込めません。当然のことですが虚偽の申告をした場合、審査に落ちます。嘘をついているのに支払い能力や信頼性を認めることはできませんからね。
車ローンの審査に通りやすくするためには
マイカーローン(自動車ローン)通過を難しくさせる項目を紹介しましたが、何か対策はないのでしょうか。マイカーローン(自動車ローン)の審査に通りやすくするために実行するべき4つのポイントを紹介しましょう。
- 申し込み条件・審査基準を事前調査
- 同時期に複数ローンを申し込まない
- 保証人をたてる
- 頭金を多めに設定する
それぞれのポイントを詳しく紹介します。
各社の審査基準を事前に調べておく
マイカーローン(自動車ローン)に申し込む前に審査基準を調べておくことをおすすめします。申し込み可能な条件をあらかじめ知っておけば「ローンに申し込んだけどそもそも条件にかなっていなくて落とされた」という結果にならずに済みます。
同時期に複数のローンを申し込まない
2つ目のポイントは複数のローンを申し込まないことです。実際にローンを利用していなかったとしてもマイカーローン(自動車ローン)を申し込むのと同時期に他のローンを申し込んでいるという情報があると資金繰りに苦労しているのでは…という不安点を与えることになります。まして同時期に申し込んだローン審査に落ちている場合は記録として残りさらにマイカーローン(自動車ローン)審査に通りにくくさせますからね。
ただし、例外としてマイカーローン(自動車ローン)を申し込む際に他のローンを同時申し込みすることで優遇されるというキャンペーンを行っている金融機関もあります。特に3月と9は銀行の決算時期であり融資を増やしたいという考えがあるので、同時申し込みで低金利契約してもらえる可能性があるからです。
保証人を設定
自分の信用情報を照会した結果、これでは審査に通らないかもとなっている方は保証人を設定することで審査に通りやすくなります。保証人の信用情報を調査し、問題なく毎月の支払いがなされていることを確認できれば審査通過できることでしょう。
もし保証人の信用情報に問題があれば審査通過は難しくなるので、保証人を選ぶときには十分注意してください。保証人とは万が一契約者が支払えなくなった時に代理弁済するわけですから信頼関係がきちんとできている家族や親せきがよいでしょう。
頭金の見直し
4つ目のポイントは頭金を見直すことです。最近では頭金0円でも車ローンを組めるようになっています。そのため新車購入時に車両価格全額をローン支払いするという選択肢もありますが、借入金額が大きいので審査に落ちる可能性は高まります。もし年収を車両価格が超えているのであれば余計難しいでしょう。
高額ローンを組むよりも頭金をいくらか払ってローン返済額を減らすことができます。返済比率を低くすれローン審査に通りやすくなりますよ。
車ローンの審査基準が比較的甘いとされる自社ローン
通常ローンが組めない方におすすめされるのが自社ローンです。
- 勤続年数が短く収入の安定性がない人
- 自営業・フリーランスの職業の人
- パート・アルバイトで年収の少ない人
- 自己破産などの金融事故を起こした人/li>
自社ローンのメリット
自社ローンは本来審査に通らない人でもローンを組めるという大きな特徴があります。3つのメリットを紹介しましょう。
- ブラックリストに載っていても審査通過が可能
- 金利0%で借りることも可能
- 様々な支払方法に対応している
自社ローンは車の販売店が独自に融資を行うため金融機関や信販会社による審査がありません。審査基準は販売店それぞれに独自の審査基準を定めていますので通常のローン審査では落ちる方でも可能です。自社ローンは審査なし・金利0%という場合もあります。販売店によりますが、自社ローンは様々な支払方法に柔軟に対応できるというメリットもありますよ。
自社ローンのデメリット
普通のローン審査に通らないのであれば問答無用で自社ローン!といきたいところですが慎重に考えるべきデメリットもあります。3つのデメリットを紹介します。
- 取り扱い車種に限界がある
- 保証人が必要なケースばかり
- 制限が多い
自社ローンを取り扱っているのは中古車業者が多く、購入できる車の種類は限られています。金利が低く審査も通りやすい代わりに保証人が必要なケースがほとんどです。保証人がいない場合は保証会社を別で漬ける必要があります。加えて支払い回数や頭金などの制限がつくことも。
まとめ
車を購入するときに便利なマイカーローン(自動車ローン)。しかし審査に通らないのであれば車を購入できません。ローン審査に通らない可能性が高い項目をチェックし、あらかじめ実行できる対策を行いましょう。
ローンにはいろいろな種類があり、それぞれ審査基準や通りやすさは異なるので気になる金融機関やディーラーのローン審査基準を抑えておくことをおすすめします。