普通自動車と比べて万単位で年間維持費を節約できる軽自動車。なぜ、維持費を安くできるのでしょうか。軽自動車の維持費が安い理由や実際の車種でシミュレーションした維持費の計算表をチェックしてみましょう。
また、軽自動車を管理するうえで、さらに維持費を安くするためのコツについても解説します。これから自動車の購入を考えている方や維持費でお悩みの方はぜひ参考になさってください。
目次
軽自動車の維持費が安い3つの理由
軽自動車が普通自動車に比べて、年間維持費を節約できるのはなぜでしょうか。もちろん、軽自動車にも購入費用に加えて、2年に1度の車検費用や自賠責保険料、税金などの維持費が必要です。
加えて、ガソリン代や駐車場代、消耗品の購入などにかかる費用も予算に含めておくとよいでしょう。しかし、軽自動車は普通自動車に比べて保険料や税金が安いため、維持費をかなり節約できます。
自賠責保険料が安い
軽自動車の維持費が安い1つ目の理由は、自賠責保険料が安いからです。
では、自賠責保険料がどれほど安くなるのか、普通自動車と軽自動車の料金を比較してみましょう。
普通自動車 | 軽自動車 | |
37カ月 | 27,770円 | 27,330円 |
36カ月 | 27,180円 | 26,760円 |
25カ月 | 20,610円 | 20,310円 |
24カ月 | 20,010円 | 19,730円 |
13カ月 | 13,310円 | 13,150円 |
12カ月 | 12,700円 | 12,550円 |
1年分の自賠責保険料で比べると、軽自動車は普通自動車に比べて150円安くなっています。自賠責保険料だけで考えるとそれほど差はないように感じますが、10年以上乗り続けていると1,000円単位での差は生まれます。
税金が安い
軽自動車の維持費が安い2つ目の理由は、自動車税と自動車重量税が安いからです。
自動車税は排気量によって税額が決められていますが、軽自動車に関しては一律の金額です。普通自動車と軽自動車の自動車税を比較してみましょう。2019年10月1日以降に新車登録されたと想定した金額です。
排気量 | 自動車税 | |
---|---|---|
普通自動車 | 1リットル以下 | 25,000円 |
1リットル超~1.5リットル以下 | 30,500円 | |
1.5リットル超~2.0リットル以下 | 36,000円 | |
2.0リットル超~2.5リットル以下 | 43,500円 | |
2.5リットル超~3.0リットル以下 | 50,000円 | |
3.0リットル超~3.5リットル以下 | 57,000円 | |
3.5リットル超~4.0リットル以下 | 65,500円 | |
4.0リットル超~4.5リットル以下 | 75,500円 | |
4.5リットル超~6.0リットル以下 | 87,000円 | |
6.0リットル超 | 110,000円 | |
軽自動車 | 一律 | 10,800円 |
このように、軽自動車と普通自動車では最大100,200円の差があるのです。
では、続いて自動車重量税について解説しましょう。
普通自動車よりも軽自動車は軽量ですから、自動車重量税が安く済むのは明らかです。具体的にどれほど金額が変わるのでしょうか。
総重量 | 自動車重量税 (減税なし) |
|
---|---|---|
普通自動車 | 0.5トン以下 | 12,300円 |
~1トン以下 | 24,600円 | |
~1.5トン以下 | 36,900円 | |
~2トン以下 | 49,200円 | |
~2.5トン以下 | 61,500円 | |
~3トン以下 | 73,800円 | |
軽自動車 | 一律 | 9,900円 |
軽自動車の自動車重量税は一律9,900円なのに対して、普通自動車は最高で73,800円の税金を支払わなければなりません。新車新規登録時は3年に1回の出費とはいえ、最大約65,000の節約ができるなら軽自動車が人気の理由もうなずけますね。
任意保険料が安い
軽自動車の維持費が安い3つ目の理由は、任意保険料が安いからです。
軽自動車は普通自動車に比べて事故率が低く、万が一事故が起きた場合に相手に与える被害が少ないため任意保険料の相場が低くなっています。保険会社は保険金を支払う可能性が少ないほど、料金を安く設定しているからです。
では、任意保険料の目安をシミュレーションしてみましょう。
- 30代女性
- 等級15
- ゴールド免許
- 年間走行距離4,000~4,999km
上記の条件で2つの保険会社をシミュレーションしたところ、次のような結果になりました。
普通自動車 | 軽自動車 | |
保険会社A | 37,020円 | 28,800円 |
保険会社B | 14,810円 | 14,010円 |
保険会社Bでは、あまり差がありませんがAの方では約10,000円の差が出ています。もちろん、車両保険の有無や免許の色、等級などで任意保険料は大きく変動しますが、軽自動車の方が安く済むのは明らかです。
軽自動車にかかる維持費を計算&普通車と比較
軽自動車は普通自動車に比べて税金や保険料が安いので、年間維持費を節約できます。では、具体的に1年間にかかる費用にどれほどの差が生まれるのでしょうか。
普通自動車 | 軽自動車 | |
自動車税 | 25,000円~ | 10,800円 |
自動車重量税 | 4,100円~ | 3,300円 |
自賠責保険料 | 12,700円 | 12,550円 |
任意保険料 | 37,020円 | 28,800円 |
車検費用 | 60,000~120,000円 | 50,000~80,000円 |
年間維持費 | 138,820円~ | 105,450円 |
メンテナンス費用やガソリン代、駐車場代などを含めずに年間維持費を計算すると、約30,000円の差が生じています。軽自動車の年間維持費は約100,000円。それにプラス、車種の燃費ごとにちがうガソリン代や地域によって違う駐車場代がかかるでしょう。
売れ筋No,1【N-BOX】の維持費を計算してみよう
普通車を含めた日本の販売台数において、2016年から4年連続で1位を獲得していた軽自動車「N-BOX」。人気車種の維持費を計算してみましょう。
- 新車価格:142~202万円
- サイズ:全長3,395×全幅1,475×全高1,790/1,815mm
- 最小回転半径:4.5/4.7m
- 車両重量:890~960kg
- 排気量:658cc
- 燃費(JC08モード):25.4~27.0km/L
自動車税 | 10,800円 |
自動車重量税 | 2,500円 |
ガソリン代 (年間走行距離:10,000㎞/ガソリン代:140円/燃費:19.1㎞/L) |
73,290円 |
自賠責保険料 | 12,550円 |
任意保険料 | 28,800円 |
駐車場代 | 96,000円 |
車検費用 | 80,000円 |
合計年間維持費 | 303,940円 |
N-BOXの年間維持費は約300,000円。駐車場代が必要ない環境なら200,000円程度の維持費ですむでしょう。また、任意保険料やガソリン代は走行距離数によってかなり金額が変動するので、さらに維持費を安くするのは可能です。
軽自動車の維持費を節約するコツ
軽自動車だから普通自動車よりも、税金や保険料が安くて済むのは分かっているけれども、さらに節約したいと思っている人は少なくありません。すでに安い軽自動車の維持費をもっと安くするために何ができるのでしょうか。
つぎの4つの方法がおすすめです。
- 駐車場代をなくす
- 保険プランの内容を見直す
- メンテナンスをこまめに行う
- エコカー減税対象車を選ぶ
では、それぞれのポイントを詳しく説明していきましょう。
駐車場代を節約する
軽自動車の維持費の中で高い割合を占めている駐車場代。普通車・軽自動車はあまり関係なく1台当たり月8,000円程度の費用がかかります。では、駐車場代という固定費を削減して維持費を節約するにはどうすればいいのでしょうか。
- 自宅に付随している駐車場より安い近隣の駐車場を探す
- 長い目で見て低コストな機械式駐車場を使う
自宅マンションやアパートの駐車場を借りている場合、家から近いので便利ですが駐車場代を高く支払っている可能性があります。近隣のオフィスビルなどの駐車場で安いところを探してみましょう。
屋外駐車場を利用している場合、車が雨風にさらされていてメンテナンスの頻度が高くなる可能性があります。長期的なコスト面で考えると、割高でも車のメンテナンス費用を抑えられる機械式駐車場がおすすめです。
保険の内容を見直す
自動車の任意保険はさまざまな補償を組み合わせているため、内容や補償対象が適切ではなくなる場合があります。定期的に保険内容を見直しましょう。細かい条件がそれぞれ保険料金に反映されています。
相手への補償内容・自分や同乗者への補償内容・車の補償についてまず確認しましょう。車両保険をはずすとかなり料金を節約できます。また、運転者範囲や年齢条件を限定すると料金は安くなるのでおすすめです。
自動車保険に加入する際や更新するときにはお得な割引制度を賢く使いましょう。
- インターネット割引
- 早期割引
- 証券不発行割引
- ゴールド免許割引
保険の契約タイミングを早めにしたり、インターネットを使ってすると割引される保険は多いです。また、契約者の運転免許証がゴールドの場合は、保険料金がかなり節約できますよ。
減税制度が適用される車種を選ぶ
購入する時点で、年間維持費を抑えるなら減税対象者になる車種を選びましょう。新規登録から長い期間が経過している車種は対象外ですが、エコカー減税対象車は自動車重量税が最大100%減税つまり免税されます。
また、グリーン化特例対象者は自動車税が減税されるので税金を節約できます。今後、最新車種の購入を検討しておられる方はエコカーを選ぶようにおすすめします。もし、自動車税を50%&自動車重量税を免税された場合、エコカー対象外の車種を維持するよりも10万円近く費用を節約できるのです。
軽自動車の維持費をさらに抑えたいならカーリース
車をローンで購入すると毎月・毎年の負担費用が高くなりそう、と不安に感じている方におすすめなのはカーリースです。
カーリース会社が購入した新車を、リース契約者が使用料金を支払いながら利用するサービス。
カーリースは車両自体を購入せず、使用したい期間中だけ定額料金で契約できます。車の所有者はカーリース会社ですが、リース契約者は好きな車種をマイカーのように使用できるので便利でお得です。
なんといっても、カーリースは月額費用に維持費も含まれているのがメリット。自動車税や寺内席保険、任意保険などの維持費を別に用意する必要はありません。定期的にかかる維持費を月額料金に含めて、毎月支払っていけるので一年間の負担を軽く感じられるでしょう。
また、カーリースは残価を想定して料金を算出しています。リース契約満了時でも車両価値が高いままだと想定される場合は、新車を一括購入またはローン購入するよりも安い価格を月額料金に算出できるためお得です。
軽自動車の購入費用を抑えたいなら中古車
ローン購入する場合は維持費に関わってくる車の車両代金。購入費用も節約したいなら中古車がおすすめです。新車の販売価格は100万円台から1,000万円を超えるものまでピンキリ。しかし、同じ車種でも中古車なら100~200万円台で購入できる可能性が高いです。
また、新車を新規登録するためには自動車重量税を3年分支払わなければなりませんし、3年後の車検時には2年分の自動車重量税・自賠責保険料の支払いが必要です。しかし、車検期間が残っている中古車を選べば次回車検時まで支払い義務がないというメリットがあります。
ただし、中古車を選んだ場合はエンジンの不具合やタイヤの寿命によって燃費が悪くなっていないかを慎重にチェックするべきです。購入費用は安くても、その後のメンテナンス費用などで高額請求の恐れがないように注意しましょう。
維持費を抑えたいなら軽自動車がおすすめ
コンパクトなボディで取り回しやすい軽自動車。一番のメリットは維持費が安いことです。重くて大きな自動車と比較して、税金や保険料を安く抑えられます。燃費性能は車種によって異なりますが、最新の現行車は低燃費なことが多いですよ。
維持費を節約しながら、マイカーで楽しくドライブできるのは軽自動車です。セカンドカーや初めての自動車選びに悩んでいる方は、予算の計算にぜひお役立てください。