GMがビュイックブランドとして販売している中型高級パーソナルカーのリーガル。日本でリーガルの人気が高まったのは1990年代の3代目からのことでした。しかし、戦前から輸入され、終戦直後には吉田茂総理大臣の愛車であったことで話題を呼んだ車です。
アメリカ映画そのままのスタイルを持つリーガルは、独特のカッコよさから高い人気を誇るといえるでしょう。今回は、そんなリーガルの買取について紹介します。
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アメリカのGM発ビュイックリーガルの特徴
ビュイックリーガルは、1973年からゼネラルモーターズがビュイックブランドの中型高級パーソナルカーとして2ドアクーペ、4ドアセダン、5ドアステーションワゴンの3タイプの設定で販売をされていました。
その当時のアメリカでは、オールズモビルが中級層をターゲットとした車作りをしていましたが、ビュイックは富裕層をターゲットにした車作りをしていて、オールズモビルと並ぶ高級車ブランドとして人気を博していました。
ビュイックリーガルは、度々映画やドラマに起用されるなど1970年代のアメリカを代表する高級車で、優雅な雰囲気と富裕層が好む贅沢な内装が特徴でした。
しかし、徐々にアメリカでは高級パーソナルカーの人気が落ち込んで来て、ビュイックリーガルもファミリー向けにエステートワゴンのグレードを追加していきます。
日本への正規輸入を行った3代目ビュイックリーガルも販売された殆どがエステートワゴンタイプで、販売が終了した現在でも高い人気を誇っています。
初代誕生は1973年
ビュイック初代リーガルは、1973年からビュイックセンチュリーの上位車種として2ドアクーペの販売が開始されましたが、その当時のアメリカでは高級志向よりも、中型車の人気が高まってきている時期でもありました。
その為、中型高級パーソナルカーの位置付けで販売されていましたが、ビュイックリーガルの2ドアクーペは全長が5,000mmを優に超え、ホイールベースも2,800mmとビッグサイズで、一般庶民には手の届かない大型高級車でした。
その後、4ドアセダンが追加で販売されましたが、クーペよりも更にサイズが大きくなってしまい、中型車のシェアでは、オールズモビル、ポンティアック、シボレーに遅れをとった形でした。
最新の6代目リーガルとは
新型リーガルは、高級志向と言うよりは欧州車のような高級スポーツセダンのような雰囲気になっています。特にスポーツ性能を重視したリーガルGSは、ゼネラルモーターズ製の3,600ccのV6エンジンで最高出力314psを発揮する。
ミッションも驚きの9速ATで、まるでレーシングカーのような軽快なシフトチェンジでセダンとは思えない走行性能です。最近のビュイックは、SUV車へ力を入れているのですが、新型リーガルは高級スポーツセダンと言える性能なので、BMWやベンツの良きライバルになるでしょう。
歴代リーガルの各特長
1973年からリーガルの販売が始まりましたが、日本に輸入されてきたのは初代リーガルの発売から20年近く経ってからの1990年代の頃。
日本に輸入されていたビュイックリーガルは、ビュイックセンチュリーが正式名で、センチュリーと言う車名はトヨタが商標権を持っていた為、使用する事が出来ず仕方なくビュイックリーガルと言う車名で輸入する事になったからです。
シボレーやゼネラルモーターズと比べて、日本人には馴染が薄いビュイックですが、歴代リーガルの特徴を調べてみましたので紹介します。
1973年初代リーガル
- 全長 :5,425mm
- 全幅 :2,000mm
- 全高 :1,360mm
- ホイールベース:2,900mm
※初代リーガルセダンの寸法です。
初代リーガルは、ミドルクラスのパーソナルカーとして誕生しましたが、ボディサイズは全長が5,500mm近くもあって大型車と変わらぬフルサイズです。
親会社でもあるゼネラルモーターズは、シボレーモンテカルロ、オールズモビルカトラスシュープリーム、ポンティアックグランプリなどのミドルクラスのパーソナルカーがすでに存在していて、ビュイックリーガルはそのライバル車として投入されました。
ビュイック初代リーガルの2ドアクーペは、丸目2灯で人気だった3代目トヨタマークⅡにフロントマスクが似ているのも特徴です。
1978年縮小タイプの2代目
- 全長 :5,080mm
- 全幅 :1,780mm
- 全高 :1,380mm
- ホイールベース:2,750mm
※2代目リーガルクーペの寸法です。
ビュイックリーガルは、1978年にフルモデルチェンジが行われて2代目リーガルの販売を開始しました。初代リーガルは、フルサイズに近かったボディでしたが、2代目リーガルは全体的にコンパクトサイズになって本来の目的としていたミドルクラスらしいフォルムとなりました。
2代目リーガルはリーガル史上最強とも言われた5000ccのV8エンジンを搭載したリーガルグランドナショナルにて、アメリカで人気のストックカーレースで数々の優勝を飾るなど走行性能でもライバル車を圧倒しました。高級志向が強かったリーガルでしたが、2代目リーガルから大衆向けパーソナルカーへと少しずつ移行していく事になります。
1988年Wプラットフォーム採用の3代目
- 全長 :4,940mm
- 全幅 :1,800mm
- 全高 :1,380mm
- ホイールベース:2,730mm
※3代目リーガルセダンの寸法です。
2代目リーガルから10年目の1988年に3代目リーガルが誕生しました。今まではアメリカ車らしいFR駆動だったリーガルでしたが、この3代目リーガルからWプラットフォームを採用してFF駆動になりました。
また、サイズ面でも2代目リーガルよりも更に縮小されて全長も5000mmを切るボディサイズで、エンジンもアメリカでは主流だったV6ターボやV8エンジンを廃止して、大衆向けの車両へと移行していきます。
全長が5000mmを切った事で、日本や欧州への輸出もし易くなり、この3代目リーガルから日本へ輸出する事になりました。
1997年スーパーチャージ採用の4代目
- 全長 :4,985mm
- 全幅 :1,845mm
- 全高 :1,340mm
- ホイールベース:2,770mm
※4代目リーガルセダンの寸法です。
4代目リーガルは、兄弟車のビュイックセンチュリーの上位車種の位置付けで1996年に販売が開始されました。4代目リーガルの最大の特徴は、最高出力・240psを発揮するスーパーチャージャーエンジンも用意されて注目を集めました。
しかし、1973年から販売されてきたビュイックリーガルでしたが、この4代目で一旦、リーガルシリーズの生産が中止となりました。
2008年ドイツのインシグニアをベースにした5代目
- 全長 :4,831mm
- 全幅 :1,857mm
- 全高 :1,483mm
- ホイールベース:2,730mm
※5代目リーガルセダンの寸法です。
一旦、生産が中止されていたビュイックリーガルでしたが、2008年からビュイック5代目リーガルとして復活しました。ボディサイズは、シリーズ最小の全長・4831mmで、エンジンも1600cc、2000cc、2000ccターボ、2400ccと非常にコンパクトな車に仕上がり、世界戦略車種として生産されています。
2017年最新の6代目
- 全長 :4,900mm
- 全幅 :1,860mmmm
- 全高 :1,455mm
- ホイールベース:不明
※6代目リーガルスポーツバックの寸法です。
非常に情報が少ない6代目リーガルですが、スポーツバックとTOUR Xがアメリカと中国で2017年から販売が開始され、日本へは並行輸入と言う形で入ってきています。
最近の日本車に良くあるキリっとしたフロントマスクで、高級車と言うよりはスポーツセダンの似合うエクステリアデザインになっています。
リーガルの最高買取額と最低買取額
ビュイックリーガルが日本へ本格的に輸入されたのは、1990年代に入ってからで、現在では正規代理店が国内には無く、ビュイックリーガルの中古車市場は低年式が殆ど占めています。
初代リーガルを除いては、サイズ的にもコンパクトになって日本でも運転し易いサイズになっています。映画に出てくるような迫力のあるボディサイズのビュイックリーガルを望むなら、初代リーガルを探さないといけませんが、殆どが廃車となってしまっているので、初代リーガルを探すのは非常に困難です。
ビュイックリーガルが輸入されるようになった1990年代の日本では、ステーションワゴンブームと重なってビュイックリーガルもステーションワゴンが販売の中心になっていました。
また、バブル崩壊から急速な円高の影響で、輸入当初は400万円を超える販売価格でしたが、1995年頃には300万円ほどで購入する事が出来たので、国産車と変わらぬ感覚でアメリカの車を購入する事が出来ました。
リーガル 最低買取額
- 年式 :1995年
グレード:エステートワゴン
排気量 :3,100cc
走行距離:130,000km
買取相場:¥50,000-
リーガル 最高買取額
- 年式 :2014年
グレード:GS
排気量 :2,000cc
走行距離:30,000km
買取相場:¥3,000,000-
そのほかには次のような情報があります。
- 年式 :1995年
グレード:エステートワゴン
走行距離:119,000km
買取相場:¥264,000-
残価率:約8% - 年式 :1979年
グレード:クーペ
走行距離:30,000km
買取相場:¥414,000-
残価率:約9%
リーガルを高く買い取ってもらうには
ビュイックリーガルを高く買い取ってもらうには、車両の状態が全てと言って良いでしょう。中古市場の主役は、低年式の3代目リーガルなので、レストア済やエンジン&ミッション類のオーバーホール済などは高額で取引が行われます。
また、ハイドロ仕様に改造されたリーガルも国内外問わず、かなり人気が高いので高額買取されること間違い無しです。
車両状態の積極的なアピールをする
ビュイックリーガルは、低年式に加えて国内での台数もかなり少なく、2018年12月時点でも中古車市場に10台~20台ほどしか存在していません。ビュイックリーガルは希少車の扱いになるので、高額査定の条件としては車両の状態が全てと言って良いです。
走行距離よりも、エンジンやミッションなど機械的な部品がどのような状態なのか?外装のパッキン類や内装の劣化状態はどうなのか?とにかく車両の状態で買取評価は全く変わってくる車種です。
売却する時のアピールとしては、どれだけ大切に扱ってきたのかを証明する整備記録簿があると良いでしょう。
いつどの部品を交換したのかが大切なのと、エンジンやミッションをオーバーホールをした場合は、何万kmの時に修理を行ったかが分かる記録簿があれば買取交渉も優位に進める事が出来ます。
リーガルの純正品は保管しておく
ビュイックリーガルは、国内でも台数が少ない希少車なのと、低年式のアメリカ車なので純正のパーツを入手する事が困難です。
ベンツやBMWなどの輸入車は、純正パーツが無くてもリビルト部品や社外部品が豊富なので国産車と同じような感覚で安心できますが、ビュイックリーガルの場合は、リビルト部品が殆どないですし、純正部品も少ないので故障した時には類似する部品を加工して使用する場合があります。
社外パーツに交換した時など、純正パーツを捨てずに大切に保管しておく事をオススメします。
リーガルの年式が古くても安易に廃車に出さない
日本で流通しているビュイックリーガルの中古車は、ステーションワゴンが殆どで、セダンの台数が非常に少ないので、状態の良し悪しに関わらずある程度の買取査定が期待出来ます。
ビュイックリーガルの場合は、全体的に希少性が高い車種なので、修復歴の有無は買取査定に関係ないと思って下さい。そこそこの状態で元気に走行しているビュイックリーガルセダンなら、高額査定の期待が持てます。
まとめ
アメリカで馴染みの深いビュイックリーガルは、日本では知らない人も多い車種ですが、アメリカの映画やドラマでは度々登場しているので、知らず知らずのうちに見ている車です。
1980年頃のアメリカの車は、ただ大きいだけで燃費も悪く故障も多くそれほど価値のある車ではありませんが、ビュイックリーガルは少し違います。
その当時のアメリカ車の中では、高級車を謳っていただけあって壊れにくかったので、トラブルの少ない車です。日本には台数も少ないビュイックリーガルなので、売却する時はアメリカ車を専門に取り扱っている店で査定をする事をオススメします。
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