SUVとミニバンの特徴をあわせ持つ世界唯一の車として知られるデリカD:5。2007年の販売開始以来、衰えることのない人気を保つデリカD:5ですが、買取でも高く評価されているのでしょうか。
そこで、デリカD:5の魅力を紹介しながら、買取価格について説明していきましょう。さらに、売るべきタイミングや人気のグレードなども解説します。
目次
今が売り時?オフロードに強い三菱デリカD:5の特徴
三菱のデリカD:5は、元々デリカの5代目として製造された車種です。デリカのバンからミニバンの特徴を持つ車種の開発を引き継いだことで、デリカD:5は世界に誇るミニバンとして知られます。それではデリカD:5の特徴を解説します。
デリカD:5の高い安全性
デリカD:5は車のフレームそのものが高い安全性を保持しています。高い剛性を持つボディが車内を外部の衝撃から守ります。堅牢さを可能にしているのがリブボーンフレームです。環状骨格構造によって人体を守る骨格構造のように車体の骨格や内側を守っています。
加えて、アンダーボディには、大型クロスメンバーを取り入れることで衝突に強い車体を実現しています。2007年(平成19年)の自動車アセスメントの衝突安全性能総合評価で星6つを獲得します。デリカD:5は確かな安全性が客観的に示されたことも安全な車として認知された理由です。
また、衝突時の衝撃を吸収するボディとして自社独自のライズ(RISE)と呼ばれるボディを採用しています。前だけでなく、横・後ろからの衝撃に対しても吸収して安全なドライブができます。
他にも、ボンネットとエンジンの間隔に衝撃を吸収するための空間をつくり、前輪上部のフェンダーパネルを樹脂化するなど歩行者向けの安全性の向上も実現しています。フェンダーパネルは、柔軟性が高く、多少の衝撃では破損せず、元の形状を復元するなどドライバーにとっても優れた性能を発揮します。
安全なドライブで車内の人を守る機能としては、運転席や助手席のエアバックだけでなく、側面の衝撃から守るSRSカーテンエアバックが採用されています。
さらに、運転手や搭乗者の安全を守るフォースリミッター機構のシートベルトがベルトの張りを変化させて衝撃から人体を守ります。このようにデリカD:5の安全性は高い評価を受けるなど中古車市場でも人気のミニバンです。
快適な加速
デリカD:5は、エンジンや機能を柱として快適な加速ができるという特徴があります。ガソリン車ではINVECS-Ⅲ CVT、ディーゼルならINVECS-Ⅱ 6速スポーツモードA/TなどINVECSをシフトに採用しています。実際、ガソリン車だけでなくディーゼルも快適な加速ができるエンジン性能と操作性があります。
普通のミニバンではできない加速がデリカD:5では可能になります。また、パドルシフトと呼ばれる6速スポーツモードの加速がハンドルから指先一つで可能です。
以上のように、手間をかけずに加速できるなど通常のシフトよりも早く加速できるのが特徴です。普通のオンロードにはないような細かな加速減速が必要な場面で加速を上手に使いこなすことができるモデルがデリカD:5といえるでしょう。
路面を選ばず走れる
走行時の性能として、デリカD:5が優れているといわれるのは、路面を選ばず走る力を持っていることです。オフロード走行ができるデリカD:5は、路面がガタガタな場所や整備されていない道を4WDの駆動方式とAWCと呼ばれる設計思想で走破できるだけの性能を与えています。
AWCは、ボディ・タイヤ、電子制御4WD、ブレーキアシストやコントロール機能といったデリカD:5に使われている技術を総合したものです。確かな性能で2WD、4WDオートや4WDロックを運転中に切り替え可能など、オンロードだけでなくオフロードも状況に合わせた選択ができます。2WDであれば燃費を意識した走りにできます。
4WDオートは、路面や走行状況に合わせて車輪位置をコントロールするなど自動で安定的な走りになります。そして、4WDロックではオフロードを考慮した坂や雪道を走るために車体を固定して姿勢が崩れにくい走行を可能にします。
雪の中を軽快に走れるミニバンはデリカD:5をおいて他にはありません。坂道の加速も楽々できるなど加速の走行性能と車体の安定性があってこそデリカの魅力が引き立ちます。
普段のドライブから舗装がされていない場所や山岳を走る人にも安全安心な走行ができるといった点を含めて、現在のデリカD:5はオフロードとして市場でも需要が高まっています。
デリカD:5のグレード別の相場
デリカD:5は、グレードとして2018年に発売したJASPERのD パワーパッケージ(D-Power package)や2015年発売のROADESTのローデスト D パワーパッケージ(ROADEST D-Power package)があります。主にプレミアムとパワーパッケージに大別されM・G・Dと特別仕様車に分類されます。
ロイヤルエクシードは特別仕様車で、D プレミアムの特徴を元に製造されています。シャモニーも2007年に発売した特別仕様車です。そして、各グレードの相場としては、新しい年式で市場流通の多いモデルによって相場価格に差があります。特別仕様車の相場が比較的高くなっており、D プレミアムやD パワーパッケージは安定して相場が高い傾向にあります。
グレード別の相場一覧
- M 約28~190万円(新車:約260万円)
- D プレミアム 約220~285万円(新車:約400万円)
- D パワーパッケージ 約200~250万円(新車:約350万円)
- ローデスト D パワーパッケージ 約250~375万円(新車:約370万円)
- G パワーパッケージ 約50~210万円(新車:約300万円)
- G プレミアム 約70~240万円(新車:約340万円)
- ローデスト G プレミアム 約64~220万円(新車:約360万円)
- ローデスト G パワーパッケージ 約50~220万円(新車:約320万円)
- ロイヤルエクシード 約270万円(新車:約410万円)
- シャモニー 約260~280万円(新車:約380万円)
デリカD:5を高く買い取ってもらうには
ここではデリカD:5を高く買取してもらうために注目すべきポイントや査定で押さえておきたい項目について解説します。
4輪駆動で査定額アップ
デリカD:5を高く買取してもらうためには、査定のポイントとなる部分を押さえます。特にデリカD:5は4WDが特徴の車種で買取時は査定項目に4輪駆動であるかどうかも含まれます。デリカD:5の性能を生かすために必要なのは、主に4WDです。
デリカD:5を欲しがる方の多くは4輪駆動式の部分が重要であり、エンジン性能やオフロードの走行が可能であることで中古車として高い値がつきます。市場全体から見て、4WDが優勢なデリカD:5は他の車種のように2WDが市場で活発ではありません。査定の高額買取基準も特別仕様車であるかに加えて、4WDという点が加味されるのです。
クリーンディーゼルエンジン搭載
4WDは走行時の燃料効率から燃費が心配されることがほとんどです。デリカD:5の場合、4WDを基本としたミニバンは燃費を気にする方が多いでしょう。そこで、デリカD:5の市場売買としては、ガソリン車よりもクリーンディーゼルエンジン搭載の車両が人気の傾向にあります。
クリーンディーゼルとガソリンの最大の違いは、軽油を使用することで燃費を最小限に抑えることです。そして、デリカD:5においては低燃費で加速性能を十全に発揮できます。したがって、ガソリン車よりも燃費が安くて走行性能と両立していることなどを含めてクリーンディーゼルが現在ではガソリンに比べて人気です。
最新式のデリカD:5に採用されているクリーンディーゼルエンジンは、コモンレール式DI-Dと呼ばれるものでです。回転数を急激に上昇させて高回転まで無駄なく行うエンジンです。
燃料の高圧噴射により圧力を高めてセンサーで制御するなど、力強い走りを可能にします。エンジンとしての性能はただ出力が優れているだけでなく、環境に優しい排出される粒子の拡散を減らす排出ガス浄化システムを技術的に実現したものとなっています。
デリカD:5の人気のグレードは「Dパワーパッケージ」
デリカD:5において市場で人気なグレードはD パワーパッケージです。人気の理由は、装備が他のグレードと比べて充実している点や機能性の高いオプションが用意されていることです。
ワンタッチ式の電動スライドドア、イルミネーションLEDの採用、ビルトインETCユニットの外観に加えて、8人が乗れる空間に運転席の内装を変更できるラグジュアリーパッケージA~Cのオプションなどです。相場でD パワーパッケージは5年落ちでも200万円以上の買取価格がつくなど、人気の高さが際立ちます。
発売当初から10年経つデリカの売り時
デリカD:5は2007年の発売からすでに10年が経っている車種です。中古社買取市場では、デリカの価格変動が定期的に見られるなど、変化が起こっています。
特にクリーンディーゼルの需要が高まったことで、全体的に価格の高い車両の購入が起こるなど、相場価格を引き上げています。
初期に発売された年式から2012年前後の中期モデルの流通が増加しつつあるため、初期の7~10年落ちが値を下げる可能性が強まっています。現在のところ、平均査定年数が7、8年といわれており、モノによっては早めの売却を検討するのが良いでしょう。
今後、年末にかけて一度値を下げ5~7月にかけて値を上げる可能性が高くなります。すでに市場の買取価格は値がほとんど動かない状態に入っています。デリカD:5は、市場の流入や中古車市場の事情が変化した程度では大きく値を下げることはなく、グレード全体で安定した価格で売ることが可能な車種です。
また、売り時として、中期以降の年式から新しい年式へとデリカD:5の人気が移り変わる時期があることから、新しい年式が流通しきる前に古い年式は処分すると買取額を高い水準で維持することができるでしょう。
すでに2017年式のデリカが市場に流通し始めていることから、少しずつ中期のデリカの値が落ちていくことが予想されます。現在5年落ちの車両は売るタイミングを見計らうことで査定を有利にできます。
すでに10年以上経過したデリカD:5は、走行距離だけでなく査定前に入念なメンテナンスを行うことが必要でしょう。走行性能やオフロードの性能を発揮してドライブしている方などは車体やパーツの痛みが激しいことがあります。さらには、タイヤやホイールの汚れや詰まりなどもあるか確認しましょう。
2010年モデルから買取価格は減少傾向
デリカD:5は製造された年によって買取価格に違いが生じやすいモデルです。特にマイナーチェンジを何度か繰り返して、フルモデルチェンジが近いうちにあることが想定される中、モデルの中期に当たる2010年以前のものから買取価格は減少する傾向が見られます。
実際のところ、3年落ちと5年落ちではそれほど平均買取価格の差はありませんが、7年落ちからは平均として50万円以上の差が買取価格に生じています。2018年現在では、2010年モデルを売るタイミングは市場の変化に気をつけましょう。これから、新型モデルの流通が安定してくると、7年落ちの年式がさらに価格を下げるでしょう。
大まかな目安としては、2010年モデルで相場が100~180万円で売れる車両が一部ありますが、ほとんどは100万円台を切っています。2009年で100万以下の数が増え、2007~2008年の初期モデルでは100万円以下の価格になります。160万円台もいくつかありますが、高くて120万円が一つのラインとなるのは間違いないでしょう。
反対に2017~2018年の最新モデルになると、180万円の価格帯を越える車両がほとんどで、急激に流通量の増加が見込まれています。
デリカD:5の最新買取相場
- <デリカD:5 2.2G パワーパッケージ4WD>
年式:令和1年(2019年) 走行距離:1万km カラー:ホワイトパール系
新車価格:408.0円 買取価格:334.3万円 残価率:約81% - <デリカD:5 2.4 M 4WD>
年式:平成28年(2016年) 走行距離:6万km カラー:ブラック系
新車価格:285.0万円 買取価格:141.8万円 残価率:約49% - <デリカD:5 2.4 ローデスト G プレミアム 4WD>
年式:平成22年(2010年) 走行距離:11万km カラー:ホワイトパール系
新車価格:336.0万円 買取価格:121.1万円 残価率:約36%
まとめ
今回は、デリカD:5の安全性能やオフロード時の設計思想からくる優れた走行性能について詳しく紹介しました。発売当初からデリカの中古車市場の変化や売るタイミングの見極めなど、これからデリカD:5を売りたい方にとって買取価格の変動や市場の動向が、買取時に有益な情報になるでしょう。