車のエンブレム一覧|国産車から輸入車(外車)まで由来や歴史を解説

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車のエンブレムは、その車を製造もしくは販売した企業の顔です。車のエンブレムはそれぞれ独自にデザインされており、中には動物をあしらったものなど多数存在します。またそこには歴史があり、由来や意味が込められています。

本記事では国産車から輸入車(外車)まで、車のエンブレムについて解説します。この記事でエンブレムのことを知れば、街中でその車を見かけたときに親近感が沸くでしょう。

車のエンブレムについて

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エンブレムは、車の先端やラジエーターグリルの上をはじめ、リヤに取り付けられている標章や紋章のことで、外装部品のひとつです。その車のメーカーの名称を表すデザインのものが基本的につけられており、モデル別に専用ロゴが付けられているものもあります。

例えば日産・GT-Rの場合、リヤのトランクリッド中央に「日産」を表すエンブレムが付けられていますが、フロントグリル中央とリヤの右テールランプの左側に「GT-R」を表すエンブレムが付けらえているような感じです。

このエンブレムが車に付けられていることで、その車がどこのメーカーの何という車名なのかがわかるようになっています。

日本車のエンブレム

現在、乗用車における日本の自動車メーカーは9社です。トヨタが海外ブランドとして展開していた「レクサス」が日本国内でも展開することとなったため、日本車のエンブレムとしては10種類となります。

トヨタ

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《画像提供:Response》《写真撮影 小林岳夫》トヨタ

現在のトヨタのエンブレムは、トヨタ車の先進性と信頼性を象徴する統一的なエンブレムとして1989年に制定されたもので、初代から数えて3代目になります。

内側に重なる2つの楕円は、お客様の心と車づくりの心が一体になった信頼感を表しています。楕円を縦と横に組み合わせTOYOTAの「T」を表現していて、2つの楕円を囲う大きな楕円はトヨタの先進技術のグローバルな広がりと未来・宇宙に翔ける無限の可能性を表しています。

お客様に満足していただくことを車づくりの原点と考え、21世紀を見据えた車づくりのために先進技術の研究開発に積極的に取り組むことで、トヨタユーザーの期待を裏切らない車を提供し続けるというトヨタイズムがうかがえます。

レクサス

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レクサスは1989年にトヨタの高級ブランドとして北米で展開が開始され、2005年8月から日本国内でも展開。今では海外65ヵ国で展開されています。

エンブレムは楕円の中にLEXUSの「L」を象っていています。LEXUSというブランド名の由来は、「ラグジュアリー」と「最先端テクノロジー」を表す造語で、ブランド名を決定する際に「アレクシス」や「レクシス」が候補に挙がったが「レクサス」に決定しました。

レクサスはその名の通り、最新テクノロジーを搭載したラグジュアリーな高級車として、今も高い人気を誇っています。

日産

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《画像提供:Response》《photo by NIssan》日産 ジューク・ハイブリッド

日産のエンブレムは、元々ダットサンで使用されていたもので、ダットサンの創業者である吉崎良造と田中常三郎がアメリカの自動車メーカーであるシボレーのエンブレムをヒントに作られました。

日産のエンブレムは初代から外観に変化はなく、真円の中央に長方形を配し、その中に「NISSAN」のロゴが入っています。初代は真円が日の丸をイメージして赤色、ロゴを囲む長方形は天空をモチーフとしたコバルトブルー、ロゴは白でした。

現在のエンブレムは2020年7月15日に刷新されましたが、創業当時の基本デザインだけでなく「至誠天日を貫く」という日産が創業した当初からの理念も一貫して継承しています。日産はこれからも新しい道を切り開いていくでしょう。

ホンダ

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《画像提供:Response》《写真撮影 小林岳夫》ブラックエンブレム(ホンダ ZR-V 純正アクセサリー)

ホンダのエンブレムは、創業者である本田宗一郎氏の頭文字「H」がモチーフとなっています。現在は、すべてのホンダ車に同じデザインのエンブレムが採用されていますが、1980年以前は車種ごと縦長や横長など、細かなデザイン変更が施されていました。

またホンダはオートバイも製造しており、こちらは翼をモチーフにした「ウイングマーク」をエンブレムにしています。これは二輪と四輪、それぞれの開発分野の独自性を示す意味を持っています。

マツダ

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《画像提供:Response》《撮影 松下宏》マツダ ロードスターRF

現在のマツダのエンブレムは1997年6月に制定され、通称「フライング・M」と呼ばれています。「自らをたゆまず改革し続けることによって、力強く、留まることなく発展していく」という会社の決意を、未来に向けて羽ばたくMAZDAの「M」の形に象徴しています。

スバル

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《画像提供:Response》《撮影 松下宏》スバル インプレッサ 新型プロトタイプ

スバルのエンブレムは、おうし座に属するプレアデス星団の「昴(すばる)」という六つの星をモチーフにしたもので、旧中島飛行機系5社と吸収合併することになり、6社を統合したことが由来です。

当時の社名は富士重工業株式会社でしたが2017年4月1日に「空に輝く六連星のように業界を統べる企業になるように」といった意味を込めて社名を「株式会社SUBARU(スバル)」に変更しました。

三菱

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《画像提供:Response》三菱自動車

三菱のエンブレムは「スリーダイヤ」とも呼ばれ、その原型は明治初期、三菱創業時の九十九商会という海運会社が船旗号として採用した三角菱のマークが起源だといわれています。

3つの菱形となったのは、九十九商会の代表だった岩崎彌太郎の岩崎家の家紋「三階菱」と、出身である土佐藩を治めた山内家の家紋「三ツ柏」に由来し、後に社名を三菱と定めるきっかけにもなったとのことです。

スズキ

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スズキの歴史は1909年10月に鈴木道雄氏が、静岡県浜名郡天神町村で「鈴木式織機製作所」を創業したところから始り、1952年に二輪事業への参戦を経て、1955年に四輪事業へ進出し、現在のスズキ自動車があります。

スズキのエンブレムは、1958年に美術系の大学生に応募を呼びかけ300点余りあった候補の中から、創業者である鈴木氏の頭文字「S」を象ったデザインが親しみやすいという理由で決定されました。

ダイハツ

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《画像提供:Response》ダイハツ ハイゼットトラック ジャンボ エクストラ メッキフロントグリル(専用意匠)

1907年当時、輸入に頼っていた発動機(エンジン)を国産化すべく、大阪で「発動機製造株式会社」を興したことがダイハツの起源です。

ダイハツという社名は、大阪の「大」と発動機製造株式会社の「発」を合わせて「大発(ダイハツ)」と呼ばれていたことが由来で、エンブレムはダイハツ(DAIHATSU)の頭文字の「D」を象っています。

光岡自動車

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光岡自動車は、1966年に自動車ディーラー勤務から独立した光岡進が1968年2月に創業。板金塗装と自動車整備業からスタートし中古車販売業を経て、現在の独特なデザインのパイクカーを製造・販売するに至っています。

光岡自動車のエンブレムは、紀元前800年頃に生まれた「車」の象形文字が由来。車の象形文字は馬車や牛車を表しており「いつまでも原点を忘れない」という気持ちを表すために「車」の文字の原点である象形文字を元にしているのです。

日本車メーカーの海外ブランドのエンブレム

日本車メーカーが海外ブランドとして展開しているエンブレムは2種類あります。

インフィニティ

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《画像提供:Response》《撮影 宮崎壮人》日産 フーガハイブリッド の「インフィニティ」エンブレム

インフィニティは、1989年から海外で展開している日産の高級車ブランドです。ブランドネームには英語表記である「INFINITY」ではなく、イタリア語での「INFINITI」という綴りが採用されています。

インフィニティのエンブレムデザインは「無限の彼方へと向かう開けた道」と「富士山」をモチーフにしています。

アキュラ

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《画像提供:Response》reproducibleホンダ、チャンネル統合とともに アキュラ 日本導入

アキュラは、1986年にアメリカとカナダで開業したホンダの高級車ブランドです。アメリカの自動車ブランド別の顧客満足度調査において、開業初年で第1位を獲得するなど高い評価を受けています。

ブランド名は「正確さ」を意味する「アキュラシー(Accuracy)」が由来の造語で、エンブレムはホンダの頭文字「H」を逆さにしてアキュラの頭文字「A」と見えるデザインにしています。

また、アキュラというブランド名の由来である「正確さ」から、精密な測定ができるノギスをAのようにデザインしているともいわれています。

ドイツ車のエンブレム

街中でもよく見かけるドイツ車は、日本でもっとも馴染み深い輸入車ではないでしょうか。ドイツを代表する5メーカーのエンブレムを紹介します。

メルセデス・ベンツ

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《画像提供:Response》メルセデスAMG「F1撤退説」が囁かれる理由

現在のメルセデスベンツのエンブレムは、1926年に合併する前のダイムラーが使用していた「スリーポインテッドスター」とベンツの月桂冠を組み合わせたものです。

スリーポインテッドスターは「陸・海・空」を表しており、すべての分野において頂点を目指すという意思が込められています。

社名の由来は、ダイムラー車ディーラーの経営者の娘「メルセデス・イェリネック」のメルセデスと、創業者の名前「カール・ベンツ」のベンツから取っています。

アウディ

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《画像提供:Response》《撮影 土屋篤司》アウディ A3 スポーツバック 2.0 TDI(パリモーターショー12)

アウディのエンブレム「フォーシルバーリングス」と呼ばれる4つの輪は、アウディの前身であるアウトニオン設立に参加した「アウディ」「DKW」「ホルヒ」「ヴァンダラー」4社の団結を象徴しています。

社名の由来は、創業者アウグスト・ホルヒの姓「horch」が「聞く」を意味するドイツ語「horchen」を連想させるものであり、これをラテン語に訳した言葉「audi」からきています。

BMW

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《画像提供:Response》《撮影 中村孝仁》BMW・320dツーリング

「キドニーグリル」と呼ばれる独特の形状をしたグリルをもつフロントマスクが特徴的なBMWは、会社名「Bayerische Motoren Werke AG(バイエルン発動機製造株式会社)」の頭文字を合わせたものです。

BMWのエンブレムは、元航空機エンジンメーカーであったことにちなんで、円と十字はプロペラを表しています。円の中の白と青はバイエルン州旗の色で、白い雲と青い空をモチーフにしています。

エンブレムは何度か文字の色や青の濃淡が変化しましたが、基本的なデザインの円と十字は、1917年から100年以上たった今でも一貫して変更されていません。

ポルシェ

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《画像提供:Response》《撮影 内田俊一》ポルシェ・パナメーラターボ

ポルシェは1931年にドイツのシュトゥットガルトに設立され、1948年から自動車の自社生産を開始した自動車メーカーで、現在はフォルクスワーゲンAGの傘下です。

ポルシェのエンブレムは、ポルシェ創設に関わったフェリー・ポルシェが、本社を置くシュトゥットガルト市で使われている紋章を由来にデザインを描きました。赤と黒の縞模様は知性を示し、全体の金色は大地の豊かさを意味しています。

フォルクスワーゲン

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《画像提供:Response》《写真撮影 井元康一郎》改良前ティグアンの旧エンブレム。新エンブレムに比べて野太い。

日本語で「国民車」と訳されるフォルクスワーゲンは、1934年に設立されたドイツの自動車メーカーで、現在ではランボルギーニ・ポルシェ・アウディなどを傘下に持ち、業界のトップを躍進しています。

フォルクスワーゲンのエンブレムは、ドイツ語の社名である「Volkswagen」のVolksとwagenそれぞれ頭文字を上下に並べたデザインで「全国民が車を所有できるように」という願いが込められている。

フランス車のエンブレム

デザインがオシャレなフランス車からは、4つのエンブレムを紹介します。

ルノー

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《画像提供:Response》《画像:ルノー・ジャポン》ルノー メガーヌR.S.トロフィー デカール

ルノーは1898年に設立されたヨーロッパ最大の自動車会社で、ルノーが初めて公式にエンブレムを持つようになったのは設立から2年後の1900年です。

初代のエンブレムは、創業メンバーのルイ(Louis)・マルセル(Marcel)・フェルナン(Fernand)のそれぞれのイニシャルをモチーフにして作られました。この時のエンブレムはまだ菱形ではありません。

1925年に登場した、中に横縞と社名の「RENAULT」の文字が入った菱形のエンブレムが、現在の菱形エンブレムの元となり、そこから何度も変更され今の形になっています。

プジョー

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《画像提供:Response》《撮影 内田俊一》プジョー・508

プジョーは、創業1810年で自動車メーカーとしては1882年からと、世界最古の量産自動車メーカーです。創業時はフランス東部フランシュ・コンテ地方でしたが、現在はパリに本社を構えています。

プジョーのエンブレムは、発祥の地であるフランス東部フランシュ・コンテ地方の中核都市、ベルフォールの貴族の紋章に由来します。自社製品の強さや品質の高さを表すために、百獣の王であるライオンをエンブレムに使うようになりました。

シトロエン

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《画像提供:Response》撮影 中村孝仁シトロエン ベルランゴ

アンドレ・シトロエンは、第一次大戦中にダブルヘリカルギアと呼ばれる歯車と大砲用砲弾製造で財を成し、それを元手にして1919年に自動車メーカーを立ち上げます。これがシトロエンの始まりです。

シトロエンという社名は、創業者のアンドレ・シトロエンに由来します。エンブレムは、アンドレ・シトロエンがはじめに手掛け財を成した「ダブルヘリカルギヤ」のV字型のミゾをモチーフにデザインしたのが由来です。

ブガッティ

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《画像提供:Response》《photo by Bugatti》ブガッティ・ボリード

ブガッティは1909年に、イタリア出身の自動車技術者であるエットーレ・ブガッティが、フランスの北東部にあるアルザス(当時ドイツ領)に設立した自動車会社です。

ブガッティのエンブレムは、周囲に60個のドットで縁取られた赤いオーバルの中に、白文字でブランド名の「BUGATTI」が象られ、その上部には創業者のエットーレ・ブガッティ(ETTORE BUGATTI ) のイニシャル「EB」が描かれています。

イタリア車のエンブレム

スーパーカーのイメージが強いイタリア車からは7つのエンブレムを紹介します。

フェラーリ

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《画像提供:Response》《撮影 土屋篤司》フェラーリFF

スーパーカーで有名なフェラーリは、1947年にイタリア北部のモデナ近郊に設立された高級スポーツカーの自動車メーカーで、唯一1950年から開催されている自動車レースの最高峰「F1」に開幕から参戦を続けています。

フェラーリの象徴ともいえる「跳ね馬」のエンブレムは、イタリアで国民的な英雄となったパイロットの撃墜王「フランチェスコ・バラッカ」が戦闘機につけていたマークが由来といわれています。

また、跳ね馬の背景に輝く黄色は、フェラーリ発祥の地であるイタリアのモデナ市の色で、エンブレムの上部にはイタリア国旗の緑・白・赤の3色があしらわれています。

ランボルギーニ

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《画像提供:Response》《撮影 小林岳夫》ランボルギーニ ウラカンEVO

当時、農業を営んでいてトラクターの製造で成功を収めた「フェルッチオ・ランボルギーニ」は、自動車好きが高じて1947年に小さな車のチューニングショップを開いたのがランボルギーニの始まりです。自身はフェラーリを所有し、故障の多さに不満を持っていました。

ランボルギーニのエンブレムが「闘牛」になったのは、故障が多いフェラーリの「跳ね馬」に対抗したという説と、創始者のフェルッチオ・ランボルギーニが1916年4月28日生まれの牡牛座だったため、という2つの説がありますが真実は明らかになっていません。

マセラティ

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《画像提供:Response》マセラティ・クアトロポルテ・トロフェオ をベースにした「ユニカ」のワンオフカスタムモデル

マセラティは1914年にイタリア北部にあるボローニャで、市販車のレーシングチューンを主業として開業したのが始まりです。戦時中は軍需産業向けにスパークプラグを開発して業績を伸ばし、戦後はレーシングマシンの製作を手掛けました。

マセラティのエンブレムにあしらわれている三叉の槍は、マセラティの創業地であるボローニャのネプチューン広場にある銅像「海の神ネプチューン」が握りしめている三叉の槍(トライデント)を採用したのが由来です。

トライデントを採用した理由は「エレガンス、ラグジュアリー、ハイパフォーマンス」というマセラティの車づくりのアイデンティティ3つを表していることと、マセラティの創業者が強い結束力を持った3兄弟であることを表しているとのことです。

アルファロメオ

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《画像提供:Response》《photo by Alfa Romeo》アルファロメオ・トナーレ

アルファロメオは1910年に設立され、第二次世界大戦以前から自動車レース界の強豪でもあり、現在ではF1にも参戦しているイタリアを代表する自動車メーカーのひとつです。現在はイタリア最大手の自動車メーカー「フィアット」の傘下に入っています。

深い歴史を持つアルファロメオのエンブレムは、本拠地を置くミラノ市の市章に描かれている「聖ゲオルギウス十字」と、当時のミラノを支配していたイタリア貴族のヴィスコンティ家の紋章である「大蛇(竜)」の2つを組み合わせています。

フィアット

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《画像提供:Response》記者発表

フィアットは1899年にイタリアのトリノで設立された自動車メーカーで、自動車関連業、鉄道車両や船舶、航空機の製造などのイタリアにおける産業分野全般を掌握し、マスコミュニケーション、金融等にも進出している一大企業でもあります。

フィアットのエンブレムは「FIAT」という社名があしらわれていますが、これは「Fabbrica Italiana Automobili Torino」の頭文字を取ったものです。現行のエンブレムは2006年に発表されたもので、過去のフィアット車に装着されていたシールド型のデザインがベースとなっています。

ランチア

 

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《画像提供:Response》《photo by LANCIA》ランチアの新ロゴ

ランチアは1906年に設立されたイタリアのトリノを本拠地とする自動車メーカーで、1950年代の一時期にはF1に参戦したことがあり、世界ラリー選手権(WRC)に出場した「ストラトス」や「デルタ インテグラーレ」が有名です。

社名のランチアはイタリア語で「槍」を意味し、過去のエンブレムは4本スポークの車輪を背景に、左側に槍、そして旗の中にLANCIAの文字が記されていました。しかし現在のエンブレムは、車輪、旗、槍、文字などの要素を現代的に再解釈し、未来に投影したデザインとなっています。

パガーニ

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《画像提供:Response》《photo by Pagani》パガーニ・ウアイラ ・ロードスター BC(参考)

パガーニは1992年にランボルギーニに在籍していたデザイナーのオラチオ・パガーニによって設立されたハイパーカー専門の自動車メーカーです。車名にはパガーニの出身地であるアルゼンチンに関連した名前が使われています。

パガーニのエンブレムは、ベースがモータースポーツにも使われているパンチング加工された板金の楕円形で左上には青い三角形があり、その横には線が「P」を形作っています。エンブレムは車と同じく手作りで、アルミ削り出しで作られています。

イギリス車のエンブレム

上品でエレガントなイメージがあるイギリス車からは7つのエンブレムを紹介します。

ジャガー

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《画像提供:Response》《撮影 松下宏》ジャガーFタイプ

ジャガーはウィリアム・ライオンズと友人のウィリアム・ウォームズレイにより、1922年に設立された「スワロー・サイドカー・カンパニー」から始まったイギリスの自動車メーカーで、1945年にジャガーと社名を変更しました。

ジャガーのエンブレムは社名のジャガーに由来しています。ジャガーと名付けた理由は、猫科でヒョウの一種であるジャガーの敏捷性や運動能力の高さ、そしてスマートなスタイルからとのこと。過去の車にはボンネットにジャガーの躍動感をあらわした立体のエンブレムが装着されていました。

ロールス・ロイス

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《画像提供:Response》ロールスロイス 102EX ティーザーイメージ

ロールス・ロイスはロールス社のチャールズ・ロールズとロイス社のヘンリー・ロイスによって、1906年3月にイギリスで設立されました。現在はBMWが1998年に同社を設立し、ロールス・ロイスブランドを引き継ぎ製造・販売しています。

ロールス・ロイスの社名は創業者であるチャールズ・ロールズとヘンリー・ロイスの名前が由来で、エンブレムには社名であり両名の頭文字「R」を二つ重ねたもので、その上には「ROLLS」下には「ROYCE」の文字があしらわれています。

ベントレー

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《画像提供:Response》ベントレー・コンチネンタルGT(2016年モデル)

ベントレーは1918年に創業者のウォルター・オーウェン・ベントレーが、イギリスに設立した高級自動車のメーカーです。社名は創業者の名前が由来となっています。戦前の世界恐慌のときにロールス・ロイスに買収され、設計が共有されたことで見た目が同じようになりました。

通称「ウイングドB」と呼ばれるベントレーのエンブレムは、アルファベットのBと翼があしらわれています。中央のBは創業者の頭文字から来ており、デザインはパフォーマンスの限界を広げるという哲学が表現されているのです。

ランドローバー

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《画像提供:Response》《撮影者 松下宏》レンジローバー・ヴォーグ

ランドローバー(LAND ROVER)とはイギリスのローバー社が製造・販売した車の名前でした。戦前から車の製造を数多く手がけてきたローバー社が、第2次大戦後の1948年に「ランドローバー・シリーズⅠ」というオフロード向けの車を製作したことがランドローバーの始まりです。

ランドローバーという社名は「走り回るもの」という意味のROVERに「大地」という意味のLANDを組み合わせたもので、 エンブレムにそのままの社名が入れられているのは、自然と大地の中を「しっかりと、そして優しく走る」というランドローバーのポリシーを象徴しています。

アストンマーティン

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《画像提供:Response》《photo by Aston Martin》アストンマーティン DBS GT ザガート

アストンマーティンは1913年にイギリスで設立されました。設立以来、イギリスを代表する高級スポーツカーメーカーとして現在も有名で、映画「007」のボンドカーに採用されたり、レース界ではF1のコンストラクターとして活躍したりしています。

アストンマーティンのエンブレムはル・マンで優勝し、芸術家でもあったサミー・デイビスの手によってデザインされました。モチーフにしたのはエジプトのコガネムシの仲間「スカラベの羽」。スカラベは太陽神の象徴として神聖化されています。

マクラーレン

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《画像提供:Response》マクラーレン・スピードテールの18金エンブレム

マクラーレンは自動車レースの最高峰「F1」で有名ですが、イギリスの高級スポーツカーメーカーとして1985年にマクラーレン・カーズを設立し2010年にマクラーレン・オートモーティブと社名変更しました。

エンブレムは、McLarenの文字と右上にブーメランのような形のものがあしらわれています。このブーメランのような形の由来は、風洞実験で発生する渦、F1スポンサーだったマルボロのロゴ、創業者の出身国ニュージーランドに生息する鳥のキウイの形、という複数の説があります。

ロータス

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《画像提供:Response》《撮影 吉田 知弘》ロータス『エヴォーラ400』

ロータスは1952年に設立された、イギリス・ノーフォークのヘセルを拠点とするスポーツカーメーカーです。リリースする車はライトウェイトスポーツモデルを中心に、近年では電気自動車「エヴァイヤ」などのハイパーカーも製造しています。

エンブレムには植物の「蓮」が象られています。これは社名のロータスが植物の「蓮」の意味をもつことが由来しています。 「LOTUS」の上に書かれているのは「A、C、B、C」というアルファベットを重ねて書いたもので、ロータスの創業者である「Anthony Colin Bruce Chapman」の頭文字になっています。

スウェーデン車のエンブレム

寒く自然が多い国のスウェーデン車からは2つのエンブレムを紹介します。

ボルボ

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《画像提供:Response》《撮影 宮崎壮人》ボルボ S60 T5 Inscription

ボルボはベアリング生産世界最大手のSKF社の後援により、1926年に設立されたスウェーデンの自動車メーカーです。社名の由来は、SKFのベアリングのブランドにちなんだ名称として「私は回る」という意味のラテン語の「volvo」に由来します。

アイアンマークと呼ばれるボルボのエンブレムにも、ベアリングの円と鉄を表す矢印のマークがデザインされています。由来は、SKF社のベアリングと当時他国よりも品質が優れていた鉄で、ボルボは「 頑丈で信頼性が高い 」というイメージを表しているのです。

ケーニグセグ

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《画像提供:Response》《photo by Koenigsegg》ケーニグセグ・ジェメラ

ケーニグセグはスウェーデン南部のエンゲルホルムにあり、設立は1994年と比較的新しいハイパーカーメーカーで、創業者は当時22歳だった実業家のクリスティアン・フォン・ケーニグセグです。

エンブレムは創業者クリスティアン・フォン・ケーニグセグの家系に12世紀から伝わる紋章を基にクリスティアンの幼馴染みだったグラフィック・デザイナーが制作したものです。

アメリカ車のエンブレム

大型でパワフルな車が多いアメリカ車からは7つのエンブレムを紹介します。

フォード

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《画像提供:Response》《撮影 内田俊一》フォード・フィエスタ

フォードは1903年にアメリカで設立された自動車メーカーです。創業者のヘンリー・フォードは2度も自動車会社の企業に失敗しましたが、3度目に企業したフォードは現在も存続し、アメリカの3大自動車メーカーのひとつとなっています。

エンブレムは「フォード・オーバル」と呼ばれ、同社の初代チーフエンジニア兼デザイナーであるチャイルド・ハロルド・ウィルズによって生み出されました。 また名刺のデザインも手掛けており、その名刺で使われる筆記体によって、エンブレムの「Ford」という文字はデザインされています。

シボレー

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《画像提供:Response》original【GM 創立100周年】シボレー…GM車きっての“フルラインナップブランド”

シボレーはアメリカの自動車メーカーであるゼネラルモーターズ(GM)が製造・販売する自動車のブランドで歴史は1911年からと古く、オセアニアを除くほぼ全世界で展開されるGMでは数少ないグローバルブランドの一つであり、その製品ラインナップも多岐に渡ります。

エンブレムはシボレーブランド設立当初から変わらず「ボウタイ(蝶ネクタイ)」のデザインを採用しています。由来はシボレーの共同設立者であるウィリアム・C・デュラントがフランス・パリにあるホテルの壁紙のデザインからインスピレーションを得たということです。

しかしその後、デュラントの数あるアイデアの中から生まれたという説、着火用の精製燃料製品「Coalettes」の広告からヒントを得たという説、GMの花形レーシングドライバーであったルイ・シボレーがスイス国旗の十字の図案からデザインのヒントを得たという説などがあり、どれが本当なのかは不明です。

キャデラック

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《画像提供:Response》撮影 中村孝仁新しいキャデラックのエンブレム

キャデラックはゼネラルモーターズが展開している高級車ブランドで、イギリスのロールス・ロイスやドイツのメルセデス・ベンツ、日本のレクサスなどと並び、アメリカのみならず世界を代表する高級車ブランドとして知られている。

エンブレムは伯爵家であるキャデラックの家の紋章を基に、ヨーロッパのアーティスト「ピートモンドリアン」によってアレンジされたものです。

キャデラックという名前は、アメリカの開拓時代にデトロイトの町を開いたフランスの探検家「アントワーヌ・ド・ラ・モス・キャデラック」が、デトロイトの父として親しまれていることに敬意を表し、高級車ブランドに彼の名前が付けられたのが由来です。

クライスラー

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《画像提供:Response》クライスラー パシフィカ ハイブリッド

クライスラーは1925年にウォルター・クライスラーがアメリカに設立した自動車メーカーであり、アメリカの自動車メーカービッグ3の一つです。しかし、2009年の世界的な不況の影響により倒産しフィアットの傘下となり、現在はステランティス N.V. の自動車ブランドの一つとなっています。

「ウイングバッヂ」と呼ばれるクライスラーのエンブレムは、創業者であるウォルター・クライスラーが1924年に開発した「クライスラー・シックス」に使われていた「ゴールドシール」のエンブレムに、ウイングが刻まれた当時のラジエーターキャップを組み合わせたものが基となっています。

クライスラーのエンブレムは何度も変更されており、2009年に発表された現在のエンブレムでは、シルバーウイングはよりエレガントな形状に変更され、伝統的なゴールドシールは廃止されました。代わりに青色の背景にクライスラーの文字を象ったプレートに置き換えられています。

伝統的なゴールドシールは失いましたが洗練されたデザインにより、さらにモダンな印象を与えるデザインに生まれ変わりました。

ダッジ

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《画像提供:Response》original【パリモーターショー06】総括写真蔵…ダッジ アベンジャー

1914年にホレース・ダッジとジョン・ダッジの二人で「ダッジ・ブラザーズ」を設立しましたが、1928年にはクライスラーに買収され、ブランド名として「ダッジ」が残りました。現在は、2021年よりステランティス N.V. の社内カンパニーとなっています。

ダッジのエンブレムは時代とともにいくつも変化を遂げましたが、現在では強度やパワーのイメージに合致し「優れた信頼性」をアピールするために「雄羊の頭」を象ったものとなっています。

ジープ

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《画像提供:Response》ジープ・グラディエーター・ローンチエディション

ジープは1940年にアメリカ陸軍が135社の自動車メーカーに対して「軽量偵察車」の受注入札を要請したことが誕生のきっかけです。初代ジープはウィリス・オーバーランド社が1941年に生み出した「WILLYS MB」で、現在はステランティスN.V. 傘下の四輪駆動車のブランドとなっています。

エンブレムはブランド名の「Jeep」と文字だけのシンプルなものとなっています。ブランド名の由来は、アメリカ軍の偵察車両だったジェネラル・パーパスの頭文字である「GP」を早口で発音したことが起源だという説が有力だと言われていますが、諸説あり実際は不明です。

テスラ

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《画像提供:Response》テスラ モデルS(参考画像)

テスラはテキサス州オースティンに本社を置く、アメリカの電動輸送機器およびクリーンエネルギー関連企業で、市販されている電気自動車が有名で日本でもよく見かけるようになりました。設立は2003年と新しい会社です。

エンブレムは社名の頭文字「T」をモチーフにしており、そのデザインはモーターの断面の一部を象っています。Tはモーターの回転子(ローター)で、Tの上にある弧線はモーターの固定子(ステーター)を表現しています。

韓国車のエンブレム

韓国車からは1つのエンブレムを紹介します。

ヒョンデ

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《画像提供:Response》《撮影 太宰吉崇》ヒュンダイ i20(パリモーターショー14)

ヒョンデ(現代)は韓国を代表する自動車メーカーの一つで、現在では世界ラリー選手権(WRC)に出場するなど、モータースポーツでも名前が知られています。かつて日本では「ヒュンダイ」と呼ばれていましたが、2020年から公式の呼称が原音に近い「ヒョンデ」に変更されました。

エンブレムはHYUNDAIの頭文字である「H」をモチーフにした文字を中央に配し、その文字を囲む楕円は「地球」およびグローバルな事業形態を表しています。

オーストラリア車のエンブレム

オーストラリア車からは1つのエンブレムを紹介します。

ホールデン

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《画像提供:Response》新型ホールデン VF SS VレッドラインUte

ホールデンは1913年から2017年まで乗用車を製造・販売していたオーストラリアの自動車会社で、1931年からはGMの傘下となりGMホールデンと呼ばれることもあります。残念なことにホールデンの車は2021年をもって販売終了しました。

ホールデンのエンブレムには丸い石を転がすライオンが描かれています。このデザインになった由来は、石を転がしているライオンの観察が車輪の発明に繋がった、という古い言い伝えから来ています。

まとめ

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《画像提供:Response》《撮影 宮崎壮人》日産 GT-R NISMO 2020年モデル

自動車メーカーを象徴する「エンブレム」。どのメーカーにも車作りの歴史や想い、そして理念や将来像があり、それをエンブレムに込めて表現していることが知れました。

また、初期から変わらぬエンブレムを使い続けている自動車メーカーもあれば、時代に合わせて何度も変化させている自動車メーカーもありましたが、どちらも自社のブランドを常に大切にし、多くの人へ伝えようとする気持ちが感じ取れました。

今まで何気なく見ていた車のエンブレムですが、この記事で各自動車メーカーの歴史や由来を知ったことで、愛車に対してさらに愛着が湧くのではないでしょうか。